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4.王子の葛藤
風の香り
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(カシー!どこにいるんだ……!?)
城の中は広い。
住人として生まれた時から生活をしている俺でさえ、ここを全て探すのは難しい。
当たりをつけなくてはいけない。
カシーはどうやって外に出た?
目的は?
そもそも、カシーが自分で外に出たのか?
いや、そんなこと今はどうでもいい。
とにかく、探すしかない。
俺は、馬を走らせながら、水の玉を複数出した。
そして俺の周囲に散りばめる。
空気が、その水の中に入り込む。
空気の中に含まれている香りが、水の中に吸収され、濃い香りのエキスに変わるのだ。
俺は、その1つ1つの水の粒を手にして確認をする。
これは、あの薔薇園の香りがする。
いい香りだけど、カシーとは種類が違う。
これは、料理の香りがする。
今日の夕飯は肉がメインか……腹が減りそうだ。
(……そういえば、カシーは飯……どうしてたんだろう……)
本当に、俺は何も知らない。
知らされていない。
その事実に、改めて胸が痛む。
ふと、その時。
(これは……!!)
馬を走らせていた方と、少しずれた方向に浮いている水の粒から、確かにカシーの香りがした。
「こっちかっ……!!!」
その水の玉からした香りにはカシーの香りだけではなかった。
もっと別の……汚物のような臭い。
そしてもう1つ……全く嗅いだことのない種類の香のようなものがあった。
俺は馬に鞭打ち、急がせた。
城の中は広い。
住人として生まれた時から生活をしている俺でさえ、ここを全て探すのは難しい。
当たりをつけなくてはいけない。
カシーはどうやって外に出た?
目的は?
そもそも、カシーが自分で外に出たのか?
いや、そんなこと今はどうでもいい。
とにかく、探すしかない。
俺は、馬を走らせながら、水の玉を複数出した。
そして俺の周囲に散りばめる。
空気が、その水の中に入り込む。
空気の中に含まれている香りが、水の中に吸収され、濃い香りのエキスに変わるのだ。
俺は、その1つ1つの水の粒を手にして確認をする。
これは、あの薔薇園の香りがする。
いい香りだけど、カシーとは種類が違う。
これは、料理の香りがする。
今日の夕飯は肉がメインか……腹が減りそうだ。
(……そういえば、カシーは飯……どうしてたんだろう……)
本当に、俺は何も知らない。
知らされていない。
その事実に、改めて胸が痛む。
ふと、その時。
(これは……!!)
馬を走らせていた方と、少しずれた方向に浮いている水の粒から、確かにカシーの香りがした。
「こっちかっ……!!!」
その水の玉からした香りにはカシーの香りだけではなかった。
もっと別の……汚物のような臭い。
そしてもう1つ……全く嗅いだことのない種類の香のようなものがあった。
俺は馬に鞭打ち、急がせた。
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