【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

3.聖女に会おう、まずはそれから

それまでごきげんよう

かちゃり。
金属音がした。

（けっ……剣！？）

エディ王子は、プルメリアの頭の上に剣先を向けている。
プルメリアは、俯いたまま。

「そなたに問う。偽りは許さぬ」
「はい。神に誓って」
「寵姫のこの姿、どのように説明する」

（寵姫の姿って……あっ！！）

言われて、改めて自分の姿を見て、状況を思い出す。
いくらプルメリアにトップスを貸してもらったからといっても、泥だらけになった顔と手足、臭いズボン……。

美しさと気高さ、そしてセクシーさ身につけさせられたカサブランカからすると、決してありえない格好。
私は体を隠すように馬にしがみつこうとするが、ぐいっとエディ王子の胸に引き寄せられる。
かすかに花の香りがする。

（この香り……なんだっけ……？嗅いだことあるような……って、今はそんなこと考えてる場合じゃなーい！！！）

エディ王子の剣先が、ぴたりとプルメリアの頭に当たっている。
あと少しエディ王子が近づけたら、プルメリアの頭に剣が刺さりそう。
それなのに、びくともプルメリアは動かない。

（何で……！！？）

「言え」

その瞬間、プルメリアは顔をあげた。
エディ王子とプルメリア。
私が知っている、小説では真実のカップルになるはずの2人が今、互いを認識し合っている。

でも……。

「私は、ただ、この方があまりにも酷い状態でしたので、助けてさし上げただけですわ」

プルメリアはそう言うと、いつの間にか目を覚まし、逃げようとしている３人組を指差しながら

「追わなくてよろしいんですの？」

エディ王子が３人の男の方に顔を向けた時、男たちはあっという間に木々の間に消えてしまった。
エディ王子が、私を抱える手にぐっと力が入ったのが分かった。
同時に、エディ王子の剣の位置が、ほんの少しだけずれた。

「あらあら、逃げ足が早いですわね」

プルメリアはこの隙に、さっと馬に戻り、手綱を手にした。

「それでは、私も戻らなくてわ」
「まだ話は終わってない！」
「いいえ、終わりましたわ、王子とは」

プルメリアは、ちらりと私を見た。そして……。

「必要な時、私は必ずあなた様をお助けしますわ。それまでごきげんよう、カサブランカ様」

そう言うと、プルメリアはあっという間に馬を走らせて、街の方へと去っていった。

（……あれ？　私、カサブランカって名前言ったっけ……？……言ったか）

私が首を傾げていると……、突然乗せられている馬が走り出した。
城に向かっている。
スピードがどんどん上がっている。
乗馬の経験がない私にとって、未知の恐怖だ。

「あっ、あの……！！」
「舌を噛むぞ。話すな！」
「でも……！」

（もう少しゆっくり走って欲しい……！怖い……！！！）

「話は後で聞く！しっかり捕まってろ！！！」

そう言うと、エディ王子は私をよりしっかり引き寄せた。
馬に振り落とされまいと。
やっぱり、どこかで嗅いだことがある香りが、ほんのりした。