上 下
13 / 35

12.処女を失った代わりに種を手に入れた幸福 ※

しおりを挟む
「ああっ……んんっ……んあっ……!!」

オリバーの熱が、直接私の内側に入ってくる。

「痛い……?」

オリバーが、心配そうに私を見つめています。
確かに、私の体を無理にこじ開けるような、鈍い痛みは感じていました。
ですが、私はそれよりもオリバーと1つになれた喜びの方が、ずっと大きかったのです。

「大丈夫……。でも少し待って……」

このまま進めてしまうと、私は見せたくないのに苦痛に歪んだ顔を見せてしまうことになるでしょう。
愛する人にそんな顔を見せてしまうのは、やはり嫌でした。

「いいよ……馴染むまで、もう少しこうしていよう」
「ごめんなさい……もう少しだと思うの……」

私がそう言うと、ちゅっと、オリバーが私に口付けをくれました。

「君の痛みが、少しでも和らぐなら、僕は何だってする……」

オリバーはまた、私の乳首に唇を寄せて、舌で転がしました。

「ああっ」

その瞬間、どろりと私の体から再び蜜が溢れました。
オリバーは、その瞬間を逃しません。

「いくよ」

その蜜の力を借りて、一気に肉棒を奥へ、奥へと進めていきます。

「んんっ……」
「もう少し……だから……」
「大丈夫……がんばる……」

オリバーは、うなずく代わりに、私の乳首、鎖骨、首筋を丁寧に舐め上げていきます。

「ああっ……!」
「もう、全部入る」

オリバーがそういうと、どんっと、熱いものが一気に体の中心に刺さりました。

「ああああっ……あああ……」

どくん、どくんと、オリバーの肉棒が波打っているのが管の壁を通じて伝わってきます。
そのまま、オリバーは私をぎゅっと抱きしめました。
私も、抱きしめ返しました。

「シャル……繋がった……夢のようだ……」
「私も……こんな日が来るなんて、奇跡だわ……」

それからしばらく私たちは、愛する2人にしか許されない行為の余韻に浸っておりましたが、どちらからともなく、腰をゆらゆらと動かしました。

彼の中に眠る種を、私の中に存在する土壌へと種付けするための本能的な行為。

「ああっ……オリバー……」
「分かる?シャルロット……君の中が、僕の形に変わっているんだ……」
「分かるわ……ああん……なんて素敵なの……大好き……」
「僕も大好きだ、愛しているよ……くっ……!」

それからの私たちは、ただ互いに息を掛け合うだけ。
言葉をかけあうより、互いの熱を感じ、どこまで密着できるか、そればかりが頭にありました。

「やあっ……オリバー……もっと……もっと……!」
「シャル……!君の中を……僕のでいっぱいにしたい……」
「あ、ああ……ああああん」

オリバーが、私に腰を打つ激しさが、速さがどんどん増していきます。
もうこの時には、私の体の中からは痛みが消えており、別の感覚が支配していました。

興奮。恍惚。悦楽。

どんな言葉も当てはまる気がするし、当てはまらない気がする。
私とオリバーだけの言葉あればいいのに。
そんなことを思いながら、私はオリバーの種を絞り出すために、体の中心に意識を向けました。

「シャル……!絞らないで……!」
「んんっ……そんなこと……言われても……体が……勝手に……!」
「もう……出る……出るよシャル……!」
「出して……!私の中にあなたの赤ちゃんを……!!」

オリバーが最後ぱん、ぱんと2回ほど強く腰を打ちました。
すると、管の中にじんわりと、生暖かい……オリバーの肌の温度よりずっと熱いものが広がっていきました。

「ああ…………」

その液体が体の中に染み渡っていくことの、なんと気持ちが良いこと。
オリバーの種が、私の子宮という名の土壌に向けて放たれる。
その種がきちんと根を張り、芽吹くことで、愛する人の細胞を受け継いだ、愛しい赤ちゃんが生まれる。
その奇跡の第1歩を、ようやく踏み出すことができたという感動に、私の心は震えておりました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寡黙な彼は欲望を我慢している

山吹花月
恋愛
近頃態度がそっけない彼。 夜の触れ合いも淡白になった。 彼の態度の変化に浮気を疑うが、原因は真逆だったことを打ち明けられる。 「お前が可愛すぎて、抑えられないんだ」 すれ違い破局危機からの仲直りいちゃ甘らぶえっち。 ◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。

官能令嬢小説 大公妃は初夜で初恋夫と護衛騎士に乱される

絵夢子
恋愛
憧れの大公と大聖堂で挙式し大公妃となったローズ。大公は護衛騎士を初夜の寝室に招き入れる。 大公のためだけに守ってきたローズの柔肌は、護衛騎士の前で暴かれ、 大公は護衛騎士に自身の新妻への奉仕を命じる。 護衛騎士の目前で処女を奪われながらも、大公の言葉や行為に自分への情を感じ取るローズ。 大公カーライルの妻ローズへの思いとは。 恥辱の初夜から始まった夫婦の行先は? ~連載始めました~ 【R-18】藤堂課長は逃げる地味女子を溺愛したい。~地味女子は推しを拒みたい。 ~連載中~ 【R-18有】皇太子の執着と義兄の献身

騎士団長の欲望に今日も犯される

シェルビビ
恋愛
 ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。  就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。  ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。  しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。  無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。  文章を付け足しています。すいません

孤独なメイドは、夜ごと元国王陛下に愛される 〜治験と言う名の淫らなヒメゴト〜

当麻月菜
恋愛
「さっそくだけれど、ここに座ってスカートをめくりあげて」 「はい!?」 諸般の事情で寄る辺の無い身の上になったファルナは、街で見かけた求人広告を頼りに面接を受け、とある医師のメイドになった。 ただこの医者──グリジットは、顔は良いけれど夜のお薬を開発するいかがわしい医者だった。しかも元国王陛下だった。 ファルナに与えられたお仕事は、昼はメイド(でもお仕事はほとんどナシ)で夜は治験(こっちがメイン)。 治験と言う名の大義名分の下、淫らなアレコレをしちゃう元国王陛下とメイドの、すれ違ったり、じれじれしたりする一線を越えるか超えないか微妙な夜のおはなし。 ※ 2021/04/08 タイトル変更しました。 ※ ただただ私(作者)がえっちい話を書きたかっただけなので、設定はふわっふわです。お許しください。 ※ R18シーンには☆があります。ご注意ください。

【R18】貧しいメイドは、身も心も天才教授に支配される

さんかく ひかる
恋愛
王立大学のメイド、レナは、毎晩、天才教授、アーキス・トレボーの教授室に、コーヒーを届ける。 そして毎晩、教授からレッスンを受けるのであった……誰にも知られてはいけないレッスンを。 神の教えに背く、禁断のレッスンを。 R18です。長編『僕は彼女としたいだけ』のヒロインが書いた異世界恋愛小説を抜き出しました。 独立しているので、この話だけでも楽しめます。

【R18】寡黙で大人しいと思っていた夫の本性は獣

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
 侯爵令嬢セイラの家が借金でいよいよ没落しかけた時、支援してくれたのは学生時代に好きだった寡黙で理知的な青年エドガーだった。いまや国の経済界をゆるがすほどの大富豪になっていたエドガーの見返りは、セイラとの結婚。  だけど、周囲からは爵位目当てだと言われ、それを裏付けるかのように夜の営みも淡白なものだった。しかも、彼の秘書のサラからは、エドガーと身体の関係があると告げられる。  二度目の結婚記念日、ついに業を煮やしたセイラはエドガーに離縁したいと言い放ち――?   ※ムーンライト様で、日間総合1位、週間総合1位、月間短編1位をいただいた作品になります。

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...