ぬくもり

立石 雫

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 視察に出かける前に休んだ林の奥にある小川のほとりにて。

 私は足首をひねってしまったので、水で冷やしたのだが――。

 私の脚の水滴を布で拭ってくれた後から、シルヴァの様子がおかしくなってしまった。

「あ、お兄ちゃん……そんなっ……あっ……!」

 足先に口づけられた後、スカートの下に隠れていた太腿を彼の唇が這い始める。

「あっ……やっ……んっ……」

「リモーネ……」

 肌の柔らかくて敏感な部分を吸われ、びくんびくんと身体が跳ねた。身体が火照って、子宮がきゅうっと締まるのが分かる。じわじわ下着が濡れていくのが自分でも分かり、まるで自身の身体ではないように感じてしまった。

「は……んんっ……お兄……っあっ……」

「リモーネ……俺の……」

(俺の……? )

「ひゃんっ……」

 続きが気になったが、それ以上は考えることが出来なくなった。
 脚の付け根から、下着の割れ目に、彼の唇が移る。
 そのまま布越しに、彼が私の膨らんでしまった芽を食む。
 くにくにと唇を動かされ、身体がびくびくと跳ねた。

「あっ、あっ、んんっ――ダメ、お兄ちゃ……!」

 青空から自身の脚の間へと視線を移すと、シルヴァの銀色の短い髪が見えて、羞恥が走る。
 彼の頭を退けようと、両手を伸ばしてみたが、動きが止むことはなかった。
 執拗に芽をこりこりと食まれ、伸ばされ吸われる。

「ふ……ぅっ……あっ、やんっ……」

 次第に頭の中が白んできた。ぞくっぞくっと鳥肌が立つような感覚が走る。

(あ、この感じは……)

「あ、シルヴァ……ダメっ……あ、あ、ああっ――!」

 全身がびくびくと震えて、身体を風が吹き抜けるような感覚が走った。

「は……ぅ……」

 全力疾走をした時のように、呼吸が荒くなる。
 下着がぐちゃぐちゃに濡れてしまうのが分かって、恥ずかしくてたまらない。
 シルヴァの頭が両脚の間から離れると、まだ痙攣を続ける私の身体の上に跨ってこようとする。
 ちょうどその時、シルヴァと私の目が合った。

「……リモーネ……」

(あ……驚いて涙が……)

 知らぬ間に泣いていたようだ。つーっと少しだけ温かい涙が頬を流れていく。
 外だというのに、スカートはめくれあがり、両脚が白日のもとにさらされてしまっていた。
 どうしようもなく乱れた姿の私を見て、シルヴァは制止した。

「俺は……」

「あ、あの……」

 声をかける間もなく、シルヴァが私から離れた。

 すると――。


「シ、シルヴァお兄ちゃん……!」


 ――シルヴァは、勢いよく小川の中に頭を突っ込んでしまった。

 
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