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噂話(浮気しているのは他人の夫)妻の態度に夫は
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「ねえっ、あなた」
夕食後のことだ、妻からの質問に男は驚いた、あそこのご主人と言われて顔を思い出した、だが、挨拶を交わす程度で親しいという訳ではないので、いいやと答えることしかできなかった。
「浮気してるらしいわ」
妻の言葉にぎくりとする、だが、それは自分のことではないのだと思い、ほっとした。
まさかとは思う(ばれていない、いや、気づいている様子はない)
近所の人が噂してたのよ、続く言葉に話題を変えようと噂だろうと素っ気なく答えた。
憶測で、そんな事を言うんじゃないと。
「でも、皆、知ってるみたい」
あそこの奥さんが話してたから、その言葉にお喋り好きの暇な主婦、奥様かと内心、嫌な気分になってしまった。
しかし、近所の旦那が浮気、それを薄々、感づいている人間がいて話のネタにされているというのは正直、気分のいいものではない。
気をつけようと思った。
翌日、会社に行く途中のことだ、男は噂の人物に会って驚いた、右足に白い包帯、いやギプスを巻いていたからだ。
どうしたんですかと思わず聞いてしまった。
「駅の階段で転んでしまいましてね」
骨折ではない、筋を痛めただけだという、そのときはただ気の毒にと思っただけだ。
今朝、会ったよ、その日の夕食をすませた後、自分から話題をふってみた、脚を怪我したみたいだと。
その言葉に妻は軽く頷いただけだ、別にというか、驚いた様子はないのが、少しだけ気になった
「そうなの、自業自得ってやつじゃない」
冷静というか、まるで当然といわんばかりの言葉に正直、嫌な態度だと思ってしまった。
「脚を滑らしたって言ってるけど、皆、分かってるわ」
嘘だって、最後の呟きに、内心、むっとして妻を睨みつけた。
突き落とされたのよと、予想もしない言葉が返ってきた。
一瞬、どうしてそんなことをと聞き返しそうになり、言葉を呑み込んだ。
馬鹿馬鹿しい、まるで見たようなことをいうじゃないか、想像、いや妄想を膨らまして、そんな事を言っているんだと思った。
ところが、その後、噂の本人を見たのだ、今度は顔に怪我をしていた。
駅のホームで目があったとき、罰が悪そうにこちらを見る、どんな言葉をかければいいのかと迷ったが、聞いてしまった、どうしたんですと。
きまりを悪そうに浮気の結果ですよと、相手は呟いた。
「不満なんてありません、ただ、少しだけ、相手から声をかけられて有頂天になったというか、馬鹿ですね、離婚ですよ」
離婚という、その言葉に返事ができない。
子供は妻が引き取ります、自分は一人ですと呟く相手に思わず女性はと尋ねてしまった、浮気相手の女性はと聞いてしまったが、すぐに後悔した。
「妻に捨てられた男なんてと、言われました」
笑われたんです、何故でしょうねと言われて言葉に詰まる、力なく歩いて行く男の後ろ姿を見送ることしかできなかった。
その日の夕食の後、旦那さんに会ったよ、離婚するそうだよと妻に話すと何がと聞かれた。
あそこ夫婦、離婚するらしい、だが、妻の返事は返事は、そうと、うなずいただけだ、まるで関心がないといわんばかりだ。
それでと妻は続きを促した。
「貴方は何が言いたいの、他人の家庭の事が、そんなに気になるの」
いいや、噂してたのは、お前たち、近所の噂好きの主婦じゃないのかと言うと笑われた。
「良かったじゃない、怪我と離婚程度で済んで」
この時ばかりは腹が立った、思わず、言い返そうとしたとき、妻が視線を向けてきた。
「浮気、するからでしょ」
(まさか)
自分が浮気している事に気づいている、いや、うまく隠してきた、ばれてはいない筈だ、例え嘘だとしても、聞いてしまったら駄目だ。
「子供もいるのに奥さんを裏切って、ねえっ、もしかして、あなた」
ほんの少し、沈黙が続いた。
「馬鹿な事をいうんじゃない」
えっ、何、どういうことと言われてはっとした。
それから三日ほどが過ぎた。
あの人、亡くなったみたいと言われて男は聞き返した、離婚された男の人よと言われて返事ができなかった。
「駅の階段で転んで」
「打ち所が悪かったみたいで、意識が」
その日、家を出ると途中で数人の主婦とすれ違った。
「亡くなったんですってね、気の毒に」
「足も怪我していたから、そのせいもあるんでしょうね」
男の足が止まった、主婦達のの会話に思わず口を挟むというより、尋ねてしまった。
亡くなった夫の遺体の引き取りを元、奥さんは拒否しているという。 浮気していたからだという、そうですかと頷き男は通り過ぎようとした。
「ところで、貴方の奥さん、あの駅をよく、利用するのよね」
男は、えっと言葉を飲み込んだ。
主婦達は自分を見ている視線に、このとき気づいた。
(本当に知らなかったの)
そういわんばかりだ。
「まあ、昔から知らぬは亭主ばかりなりっていうしね」
「本当ね」
「仲良かったみたいだし」
誰のことを話しているのか、わからなかった。
誰が誰と、だが、聞く事ができない。
男は決心した、浮気相手と別れることを。
夕食後のことだ、妻からの質問に男は驚いた、あそこのご主人と言われて顔を思い出した、だが、挨拶を交わす程度で親しいという訳ではないので、いいやと答えることしかできなかった。
「浮気してるらしいわ」
妻の言葉にぎくりとする、だが、それは自分のことではないのだと思い、ほっとした。
まさかとは思う(ばれていない、いや、気づいている様子はない)
近所の人が噂してたのよ、続く言葉に話題を変えようと噂だろうと素っ気なく答えた。
憶測で、そんな事を言うんじゃないと。
「でも、皆、知ってるみたい」
あそこの奥さんが話してたから、その言葉にお喋り好きの暇な主婦、奥様かと内心、嫌な気分になってしまった。
しかし、近所の旦那が浮気、それを薄々、感づいている人間がいて話のネタにされているというのは正直、気分のいいものではない。
気をつけようと思った。
翌日、会社に行く途中のことだ、男は噂の人物に会って驚いた、右足に白い包帯、いやギプスを巻いていたからだ。
どうしたんですかと思わず聞いてしまった。
「駅の階段で転んでしまいましてね」
骨折ではない、筋を痛めただけだという、そのときはただ気の毒にと思っただけだ。
今朝、会ったよ、その日の夕食をすませた後、自分から話題をふってみた、脚を怪我したみたいだと。
その言葉に妻は軽く頷いただけだ、別にというか、驚いた様子はないのが、少しだけ気になった
「そうなの、自業自得ってやつじゃない」
冷静というか、まるで当然といわんばかりの言葉に正直、嫌な態度だと思ってしまった。
「脚を滑らしたって言ってるけど、皆、分かってるわ」
嘘だって、最後の呟きに、内心、むっとして妻を睨みつけた。
突き落とされたのよと、予想もしない言葉が返ってきた。
一瞬、どうしてそんなことをと聞き返しそうになり、言葉を呑み込んだ。
馬鹿馬鹿しい、まるで見たようなことをいうじゃないか、想像、いや妄想を膨らまして、そんな事を言っているんだと思った。
ところが、その後、噂の本人を見たのだ、今度は顔に怪我をしていた。
駅のホームで目があったとき、罰が悪そうにこちらを見る、どんな言葉をかければいいのかと迷ったが、聞いてしまった、どうしたんですと。
きまりを悪そうに浮気の結果ですよと、相手は呟いた。
「不満なんてありません、ただ、少しだけ、相手から声をかけられて有頂天になったというか、馬鹿ですね、離婚ですよ」
離婚という、その言葉に返事ができない。
子供は妻が引き取ります、自分は一人ですと呟く相手に思わず女性はと尋ねてしまった、浮気相手の女性はと聞いてしまったが、すぐに後悔した。
「妻に捨てられた男なんてと、言われました」
笑われたんです、何故でしょうねと言われて言葉に詰まる、力なく歩いて行く男の後ろ姿を見送ることしかできなかった。
その日の夕食の後、旦那さんに会ったよ、離婚するそうだよと妻に話すと何がと聞かれた。
あそこ夫婦、離婚するらしい、だが、妻の返事は返事は、そうと、うなずいただけだ、まるで関心がないといわんばかりだ。
それでと妻は続きを促した。
「貴方は何が言いたいの、他人の家庭の事が、そんなに気になるの」
いいや、噂してたのは、お前たち、近所の噂好きの主婦じゃないのかと言うと笑われた。
「良かったじゃない、怪我と離婚程度で済んで」
この時ばかりは腹が立った、思わず、言い返そうとしたとき、妻が視線を向けてきた。
「浮気、するからでしょ」
(まさか)
自分が浮気している事に気づいている、いや、うまく隠してきた、ばれてはいない筈だ、例え嘘だとしても、聞いてしまったら駄目だ。
「子供もいるのに奥さんを裏切って、ねえっ、もしかして、あなた」
ほんの少し、沈黙が続いた。
「馬鹿な事をいうんじゃない」
えっ、何、どういうことと言われてはっとした。
それから三日ほどが過ぎた。
あの人、亡くなったみたいと言われて男は聞き返した、離婚された男の人よと言われて返事ができなかった。
「駅の階段で転んで」
「打ち所が悪かったみたいで、意識が」
その日、家を出ると途中で数人の主婦とすれ違った。
「亡くなったんですってね、気の毒に」
「足も怪我していたから、そのせいもあるんでしょうね」
男の足が止まった、主婦達のの会話に思わず口を挟むというより、尋ねてしまった。
亡くなった夫の遺体の引き取りを元、奥さんは拒否しているという。 浮気していたからだという、そうですかと頷き男は通り過ぎようとした。
「ところで、貴方の奥さん、あの駅をよく、利用するのよね」
男は、えっと言葉を飲み込んだ。
主婦達は自分を見ている視線に、このとき気づいた。
(本当に知らなかったの)
そういわんばかりだ。
「まあ、昔から知らぬは亭主ばかりなりっていうしね」
「本当ね」
「仲良かったみたいだし」
誰のことを話しているのか、わからなかった。
誰が誰と、だが、聞く事ができない。
男は決心した、浮気相手と別れることを。
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