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部屋へ戻った殿下が医師の診察を受けた後、私は殿下と話す機会を与えられた。
「リリエラ」
医師から後は安静にしていれば回復すると診断されたクロード殿下は、ベッドに上半身を起こして座り、私を呼ぶ。先程の抱擁の動揺が収まらない私は、恐る恐るベッドサイドまで近づき、そこにある椅子に腰掛ける。
「そんなに身構えないで。病み上がりの身で、君に無体を働いたりしない」
「そ、そんな心配はしていません!」
悪戯な台詞に、思わず顔を赤くしながら声を上げると、殿下は笑う。その振動が傷に響いたのか、「痛」と背中を丸めたので、慌てて立ち上がってその体を支える。
「無理なさらないでください。横になられてはいかがですか?」
「リリエラが添い寝してくれるなら、横になろうかな」
「そ……!」
添い寝?!
いつでもどこでも紳士的な殿下にしては、珍しい戯言に、前世でも今世でもこういったことに免疫のない私は動揺して言葉が出ない。
体も硬直してしまった私の手に、殿下の大きな手が重なる。
「君が私との距離を取りたがっていると感じていたから、今まで私自身の気持ちを出さないようにしてきたけど、私は、いつも君に触れたいと、ずっと思っていた」
思ってもいなかった告白に、動揺してびくりと震えた私の手を、殿下が落ち着かせるように、ゆっくりと撫でる。
「君の周りに友好的でない者がいるようでもあったし、下手にまとわりついてそいつらを刺激してもいけないとも思っていた」
私が陰口を叩かれていたことを知られていたのだと、恥ずかしい気持ちになる。しかも、殿下が私にまとわりつく、なんて、立場が逆ではないだろうか。
「それに、初めて出会った時まだ子どもだった君に対してこんな感情を持つようになるなんて、私はおかしいんじゃないかと躊躇していた」
こんな感情、って……。
私には殿下の言っていることがまだ理解できていない。でも、彼の瞳に浮かぶものを、私は鏡の中に見たことがある気がした。
……殿下は私がズルをしたことを知らないからだ。私は彼にちゃんとそれを告げて、彼に彼自身の気持ちを錯覚させたことを償わないといけない。
「私……、私は、クロード様に釣り合っていません」
優秀でもない。
魔法の才も大きな魔力もない。
美しくもない。
私は彼に与えられるものを何も持っていない。
「私、前世の記憶があるのです。その記憶を思い出した10歳の頃から、その記憶を利用して、優秀であるフリをしていました」
殿下の顔を見ながら告げる勇気がなくて俯く。黙っているのは、驚いているからだろうか。頭がおかしくなったと思われているからだろうか。
でも、ズルをしていると自覚したまま、殿下の婚約者でいることは、どう考えても彼に対して不誠実で、私自身耐え難かった。
「リリエラ、私のお願いをひとつ聞いてもらえないだろうか」
殿下が口にしたのは、私の告白とは一見何の脈略もない「お願い」だった。顔を上げると、真剣な顔で殿下が私を見つめている。
私が叶えることができる願いなら、何でも叶えたい。そう思い、頷く。
「私とのことを諦めないで欲しい」
私は息を呑む。
殿下は続ける。懇願するように。
「王太子である私の婚約者、そして妃となることは、他の誰かと結婚することよりも大変なことなのだとわかっている。君がそのために人より多くの努力をしてくれていることも、そんな君をあろうことか侮って陰口を叩く者や、君をその座から引き摺り下ろそうとする者までいることも知っている」
「それでも」と殿下は私の目を覗き込む。
「私の妃は、リリエラ、君しかいない」
浅ましくも嬉しさで胸がぎゅうっと痛んだ。私はその気持ちに蓋をして必死に口を開く。
「私より、クロード様に相応しい人がいると思います」
「それは誰の意見? 私はリリエラが一番だと思っている」
「私には、クロード様の傍にいるための能力も魔力も足りていないんです」
「そんな基準はそもそも存在しない。それでも誰かが何か足りないというのなら、私がリリエラの分を補うから問題はない」
「私よりも美しい人はたくさんいます。た、例えば、キャシャレル様のような」
「私にとって、美しいと思えるのは、リリエラだけだ」
私の言葉に全て反論し、殿下は私の手を包み込むよう、握りしめた。
「君に前世の記憶があろうが、それを利用していようが、関係ない」
「君と過ごしたこの五年間で、お互いにどういった人間なのかを知り合った。そして、これだけの愛しさを積み上げた。なのに、これまでの日々を君はなかったことにするというのか?」
「私は君を愛しているんだ」
私の目からはいつのまにか涙が溢れていた。次々に溢れる涙できっと可愛くない顔がさらに不細工になっていると思ったけど、どうしても止められない。
「……私、クロード様の婚約者でいていいんですか?」
「これからは、私も積極的に君に助力する。だから、お願いだ。私の傍にいて欲しい」
私の口から淑女らしからぬ嗚咽が漏れる。でも、言わなくてはいけない、これだけは。
私は顔をあげ、正面からクロード殿下を見つめる。彼の目に自分の中にあるものと同じ感情を見つけ、情けない顔で微笑む。
「お慕いしております、クロード様」
そう言った時、彼の顔が嬉しそうに歪んで、「そうか、私初めて言葉でお伝えしたのだわ」と気付く。
握られていた手が解かれ、それを寂しく思う間もなくその腕に抱きしめられる。その温かさに、私はまた涙が溢れ、目を閉じるのだった。
「リリエラ、お待たせ」
あれから回復して普通の生活がおくれるようになったクロード殿下は、政務の合間に学院へ頻繁にやってくるようになった。視察という名目で、私の勉強に付き合ってくれている。優秀な殿下はもちろん学院も主席で卒業されているので、とても心強い。でも、ちょっと心苦しくもある。
「お忙しいのに、私なんかのためにお時間を割いていただき申し訳ありません」
「私の愛する婚約者を、なんか、なんて言うのは、例えリリエラでも許さないよ」
殿下は言葉とは裏腹ににっこり笑う。
殿下は、私に対して素直に感情を伝え、行動してくれるようになった。
私や周りに気を遣った結果、私を害しようとする者が出てしまったことを後悔したからだと言う。
殿下が私以外を婚約者にすることはないということを対外的に示したことで、私の陰口が聞こえるように囁かれることはなくなった。
驚いたのは、私を排除しようとしたのは、ダラ侯爵家を含む一派だったことだ。娘のキャシャレル様も魔獣の襲撃の一件に関与していたらしく、今は学院を休み、沙汰があるまで自宅で謹慎中だ。
彼女は私よりも優秀で美しい。あんな危険な手段でなく、正攻法で来られていたら、私は婚約者の立場を奪われていたかもしれないと思う。私はまだ殿下に相応しくない。
私は、殿下自らかって出てくれた勉学や魔法の個別レッスンに甘えることにした。お忙しい殿下には本当に申し訳ないのだけど、「二人の仲が睦まじいと学院内でも示せる」と殿下は乗り気だ。
後一年で、私は学院を卒業する。
そして、クロード殿下の妃となる。
私は自分のズルだとかツケだとかで言い訳するのはもうやめた。そして、最後の最後まで足掻き続けたいと思う。
自分が愛する人の横に立ってもよいのだと、他の誰でもなく、自分自身が思えるように。
「リリエラ」
医師から後は安静にしていれば回復すると診断されたクロード殿下は、ベッドに上半身を起こして座り、私を呼ぶ。先程の抱擁の動揺が収まらない私は、恐る恐るベッドサイドまで近づき、そこにある椅子に腰掛ける。
「そんなに身構えないで。病み上がりの身で、君に無体を働いたりしない」
「そ、そんな心配はしていません!」
悪戯な台詞に、思わず顔を赤くしながら声を上げると、殿下は笑う。その振動が傷に響いたのか、「痛」と背中を丸めたので、慌てて立ち上がってその体を支える。
「無理なさらないでください。横になられてはいかがですか?」
「リリエラが添い寝してくれるなら、横になろうかな」
「そ……!」
添い寝?!
いつでもどこでも紳士的な殿下にしては、珍しい戯言に、前世でも今世でもこういったことに免疫のない私は動揺して言葉が出ない。
体も硬直してしまった私の手に、殿下の大きな手が重なる。
「君が私との距離を取りたがっていると感じていたから、今まで私自身の気持ちを出さないようにしてきたけど、私は、いつも君に触れたいと、ずっと思っていた」
思ってもいなかった告白に、動揺してびくりと震えた私の手を、殿下が落ち着かせるように、ゆっくりと撫でる。
「君の周りに友好的でない者がいるようでもあったし、下手にまとわりついてそいつらを刺激してもいけないとも思っていた」
私が陰口を叩かれていたことを知られていたのだと、恥ずかしい気持ちになる。しかも、殿下が私にまとわりつく、なんて、立場が逆ではないだろうか。
「それに、初めて出会った時まだ子どもだった君に対してこんな感情を持つようになるなんて、私はおかしいんじゃないかと躊躇していた」
こんな感情、って……。
私には殿下の言っていることがまだ理解できていない。でも、彼の瞳に浮かぶものを、私は鏡の中に見たことがある気がした。
……殿下は私がズルをしたことを知らないからだ。私は彼にちゃんとそれを告げて、彼に彼自身の気持ちを錯覚させたことを償わないといけない。
「私……、私は、クロード様に釣り合っていません」
優秀でもない。
魔法の才も大きな魔力もない。
美しくもない。
私は彼に与えられるものを何も持っていない。
「私、前世の記憶があるのです。その記憶を思い出した10歳の頃から、その記憶を利用して、優秀であるフリをしていました」
殿下の顔を見ながら告げる勇気がなくて俯く。黙っているのは、驚いているからだろうか。頭がおかしくなったと思われているからだろうか。
でも、ズルをしていると自覚したまま、殿下の婚約者でいることは、どう考えても彼に対して不誠実で、私自身耐え難かった。
「リリエラ、私のお願いをひとつ聞いてもらえないだろうか」
殿下が口にしたのは、私の告白とは一見何の脈略もない「お願い」だった。顔を上げると、真剣な顔で殿下が私を見つめている。
私が叶えることができる願いなら、何でも叶えたい。そう思い、頷く。
「私とのことを諦めないで欲しい」
私は息を呑む。
殿下は続ける。懇願するように。
「王太子である私の婚約者、そして妃となることは、他の誰かと結婚することよりも大変なことなのだとわかっている。君がそのために人より多くの努力をしてくれていることも、そんな君をあろうことか侮って陰口を叩く者や、君をその座から引き摺り下ろそうとする者までいることも知っている」
「それでも」と殿下は私の目を覗き込む。
「私の妃は、リリエラ、君しかいない」
浅ましくも嬉しさで胸がぎゅうっと痛んだ。私はその気持ちに蓋をして必死に口を開く。
「私より、クロード様に相応しい人がいると思います」
「それは誰の意見? 私はリリエラが一番だと思っている」
「私には、クロード様の傍にいるための能力も魔力も足りていないんです」
「そんな基準はそもそも存在しない。それでも誰かが何か足りないというのなら、私がリリエラの分を補うから問題はない」
「私よりも美しい人はたくさんいます。た、例えば、キャシャレル様のような」
「私にとって、美しいと思えるのは、リリエラだけだ」
私の言葉に全て反論し、殿下は私の手を包み込むよう、握りしめた。
「君に前世の記憶があろうが、それを利用していようが、関係ない」
「君と過ごしたこの五年間で、お互いにどういった人間なのかを知り合った。そして、これだけの愛しさを積み上げた。なのに、これまでの日々を君はなかったことにするというのか?」
「私は君を愛しているんだ」
私の目からはいつのまにか涙が溢れていた。次々に溢れる涙できっと可愛くない顔がさらに不細工になっていると思ったけど、どうしても止められない。
「……私、クロード様の婚約者でいていいんですか?」
「これからは、私も積極的に君に助力する。だから、お願いだ。私の傍にいて欲しい」
私の口から淑女らしからぬ嗚咽が漏れる。でも、言わなくてはいけない、これだけは。
私は顔をあげ、正面からクロード殿下を見つめる。彼の目に自分の中にあるものと同じ感情を見つけ、情けない顔で微笑む。
「お慕いしております、クロード様」
そう言った時、彼の顔が嬉しそうに歪んで、「そうか、私初めて言葉でお伝えしたのだわ」と気付く。
握られていた手が解かれ、それを寂しく思う間もなくその腕に抱きしめられる。その温かさに、私はまた涙が溢れ、目を閉じるのだった。
「リリエラ、お待たせ」
あれから回復して普通の生活がおくれるようになったクロード殿下は、政務の合間に学院へ頻繁にやってくるようになった。視察という名目で、私の勉強に付き合ってくれている。優秀な殿下はもちろん学院も主席で卒業されているので、とても心強い。でも、ちょっと心苦しくもある。
「お忙しいのに、私なんかのためにお時間を割いていただき申し訳ありません」
「私の愛する婚約者を、なんか、なんて言うのは、例えリリエラでも許さないよ」
殿下は言葉とは裏腹ににっこり笑う。
殿下は、私に対して素直に感情を伝え、行動してくれるようになった。
私や周りに気を遣った結果、私を害しようとする者が出てしまったことを後悔したからだと言う。
殿下が私以外を婚約者にすることはないということを対外的に示したことで、私の陰口が聞こえるように囁かれることはなくなった。
驚いたのは、私を排除しようとしたのは、ダラ侯爵家を含む一派だったことだ。娘のキャシャレル様も魔獣の襲撃の一件に関与していたらしく、今は学院を休み、沙汰があるまで自宅で謹慎中だ。
彼女は私よりも優秀で美しい。あんな危険な手段でなく、正攻法で来られていたら、私は婚約者の立場を奪われていたかもしれないと思う。私はまだ殿下に相応しくない。
私は、殿下自らかって出てくれた勉学や魔法の個別レッスンに甘えることにした。お忙しい殿下には本当に申し訳ないのだけど、「二人の仲が睦まじいと学院内でも示せる」と殿下は乗り気だ。
後一年で、私は学院を卒業する。
そして、クロード殿下の妃となる。
私は自分のズルだとかツケだとかで言い訳するのはもうやめた。そして、最後の最後まで足掻き続けたいと思う。
自分が愛する人の横に立ってもよいのだと、他の誰でもなく、自分自身が思えるように。
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