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続編ハッピーエンドのその後の話
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イーハー国王が暗殺された。
それは国王がミレーナを溺愛するあまりに、正当な血筋の王妃陛下を第二妃に格下げし、ミレーナを王妃にしたことからはじまった。
もともといた第二、第三、第四、第五の妃殿下たちは不要だといって臣下に下げ渡した。(そもそも娶りすぎじゃない?)
さらに、すでに生まれていた正当な王位継承者である王子王女たちの継承順位を下げ、ミレーナがこれから産むだろう男児を第一王位継承者にすると宣言したのが終わりの始まりだった。
「イーハー、センロン、両国にケンカを売った後始末にわたくしがひっぱりだされるなんてどういうことですの」
馬車に揺られて王城へ。対面の席ではお父様が馬車酔いして顔を青くしています。酔い止めポーション飲むの遅れてしまったから、まだ効果でないみたいね。
「あの娘の被害にあった同士ということじゃないかな」
「言われてみればそうね」
「両国の使者がアルリアを代表に指名したんだ。たの、たの……ぐぅ」
「無理してお話にならないで」
震えるように小さくうなづくお父様。
逆に、馬車の中で書類を読むことすらできるわたくし。
お母様、丈夫に産んでくれてありがとう。
ああもーわたくしの華奢な肩に国の命運がのっているなんて、これで成果出したら女公爵も許されるかしら? うふふ。でも公爵とかいう社交も大事な役割はめんどうだから婚姻相手に丸投げもいいと思います!
パカパカではなくダカラッダカラッと速度を出す馬に引かれてやってきました白亜の王城。
今度は門番に止められたりせず、馬車のまま中へゴー。
話し合いです。
センロン王国使者の銀髪の紳士に
「アルリアの悲劇の悲劇が好きなんですよ」
とかいうリップサービスを受けたり、イーハー王国使者の茶髪の老紳士に
「我が国では近々、マルー王妃の受難という演劇が公演される予定ですが、その際同時公演でアルリアの悲劇を公演したいと考えております」
とか営業かけられたりしました。
そんななごやかなおしゃべりから、裏のある会話がはじまります。
きつい。私に腹芸をしろだなんて人生とはなんと厳しいものなのでしょう!
わたくしがこんな性格だとアルリアの悲劇を見て分かっていたからこその交渉指名な気もしますわ!
でも負けないわよ!
長くなった話の要件だけまとめますとこうです。
ひとつ、
ミレーナ元男爵令嬢の処遇はイーハーの一存で決めて良い。
これがどのようなものとなっても我が国は文句を言わない。それをもって両国間のわだかまりは無くなったこととする。
(我が国にはあんな女をイーハーに送りこみ戦争をしかけた責がありますが、イーハーにも我が国の王太子の婚約者の女を略奪婚して王太子にケンカを売った責がありますので、ケンカ両成敗ということで互いに許しましょうってことです。
でもあの女は我が国の貴族なので我が国で処罰し甘い判決になったらイーハーは許せないので、敵国ともいえるイーハーで処分させてよね? です)
ひとつ、
わたくしの新しい婚約者としてイーハーの国の者を、という願いと、センロンの国の者を、という願いが衝突しましたので、間をとって我が国のどっちの国にも関わりのない貴族を婚約者とする、ということでまとまりました。
(バロンで良いですね。そもそもその条件の者にすでにプロポーズしているとは言っていませんわ。あくまでわたくしは両国に気づかった最善策として提案した。という体をとってこそ両国も納得するというもの。二国間協議を別々に行うではなく三国協議という状況にした宰相お手柄です)
ひとつ、
次代の国王はマイヘルでもいいが、彼の子の王位継承順位は下げ、ミーヤ元王女殿下で現レーガー侯爵夫人の子をトップの継承者、次々代の王とする。
(本当はマイヘルを廃嫡して欲しいとの声がありましたが、そうなるとちょっと遠めの王家の血のトウレー公爵家がひっぱりだされてきますが、トウレーはイーハー縁故の公爵家でもありますので、今の情勢でそれはよくない。なので王の権威を減らし、しっかりした者で周りを固めるのでそれで受け入れて欲しい。で了承を得ました。
でもあの王子の子供なんて信用できない。子供に罪はないが、継がせるなら両国とも貿易量を減らす所存。とのことなので、ミーヤ元王女殿下をひっぱりだすことになりました。そっと側に控えていた侍従を通してこの案でいいか上層部に問い、オッケーいただいています。
まぁ殿下もスペアとなる第二王子がいたら廃嫡になっててもおかしくない事態ですしね。彼の子がミーヤ王女殿下の子の次に継承順位あるだけましでしょう)
ひとつ、
三国とも、次代の王族は二国に留学すること。
(これから三国、仲良くしましょうってことですね。まぁ実態はお互いの国へのスパイという意味もあると思いますけど。今代のセンロン国王は平和主義、イーハーも今は戦後でさらなる争いは望まない。ということでこんな感じでまとまりました。最初は我が国の王族だけ他国留学をと言われたのですが、見識を広めることは王の治世の役に立ちますわねとか持ち上げて持ち上げて三国ともに、という方向でまとまりました。下手したら我が国の王族だけ人質よろしく留学を義務付けられるところでしたわ。怖い怖い)
両代表とお別れして、わたくしは自分に与えられた客室のベッドにダイブしました。
ふっかふかーつかれたー!
わたくしがんばりました! この国のためにがんばりました!
わたくしを指名した理由は、わたくしが今は一番信用に足るから、とのことでしたわ。交渉不慣れなところにつけこんでというのもあるとは思いますけど。三国協議という形にするなら宰相ではなくアルリア様で、ということで二国が提案したのですって。私に会ってみたいというのもあったそうよ。光栄ですけど二度とごめんだわ……。不向きなことをして脳みそが痛い。
両国からは、傀儡政治の裏の王、宰相に、無理なら宰相の補佐官に、イーハー縁故のトウレー公爵家もしくはセンロン縁故のサーバン公爵家の人間をつけてくれという提案をされましたがなんとか断りました。三国会談ですのでね、そこを活用して、トウレーはセンロンに不慣れで、サーバンはイーハーに不慣れなのでそれぞれの国が望むように動けない可能性がある。
として最終的にはイーハーvsセンロンの舌戦がちょっと巻き起こりましたが、それなら両国のことに詳しい別のものがいいでしょう。でこの話は流れました。
または、マイヘルの新しい婚約者をそれぞれの国と仲良い貴族家からとってくれというのを、すでに相手決まってますのでまた婚約破棄なんて受け入れがたいわと(まだ決まっていないらしいけど国内派なのは決まってますからね)断ったり。
では次代の王族同士で婚約を結びましょう、という話も出ましたが、わたくしという婚約破棄の前例がありますのでね、年頃になって気があう者がいたときは。という話になりました。どこかの国の誰かが一人でも殿下みたいに育ったら、婚約者が不幸になりますし、新たな火種の危険はさけたいのです。
というかトウレーもサーバンもまるで両国の傀儡であるかのように扱われていますけど、公爵家なのにそれでいいのかしら。単に配慮するだけならいいのだけど。
またわたくし個人的にセンロン派になっていましたので、近頃はセンロンの衣服や本を輸入して、我が倍々ダンジョン産の最高位ポーション(練金術師の秘薬)を輸出したり、ハゲ防止薬を宣伝したりしていました。
その話をしたら、イーハーも秘薬は品薄だけど錬金術師は優秀なものがそろっているので、素材の輸出をしてほしいとおっしゃいまして、輸出することになりました。ハゲ防止薬もお試しでまずは少量持って行ってくださるそうです。
いかに防止されようと、増えはしないので、需要としてなりたつか疑問とのことですわ。イーハーの人って短気だものね。
我が領のダンジョン依頼がまた増えましたわ。繁盛繁盛。よろしくってよ。
わたくしセンロン派になったのに、あっという間に両国派になっちゃいましたわ。
それは国王がミレーナを溺愛するあまりに、正当な血筋の王妃陛下を第二妃に格下げし、ミレーナを王妃にしたことからはじまった。
もともといた第二、第三、第四、第五の妃殿下たちは不要だといって臣下に下げ渡した。(そもそも娶りすぎじゃない?)
さらに、すでに生まれていた正当な王位継承者である王子王女たちの継承順位を下げ、ミレーナがこれから産むだろう男児を第一王位継承者にすると宣言したのが終わりの始まりだった。
「イーハー、センロン、両国にケンカを売った後始末にわたくしがひっぱりだされるなんてどういうことですの」
馬車に揺られて王城へ。対面の席ではお父様が馬車酔いして顔を青くしています。酔い止めポーション飲むの遅れてしまったから、まだ効果でないみたいね。
「あの娘の被害にあった同士ということじゃないかな」
「言われてみればそうね」
「両国の使者がアルリアを代表に指名したんだ。たの、たの……ぐぅ」
「無理してお話にならないで」
震えるように小さくうなづくお父様。
逆に、馬車の中で書類を読むことすらできるわたくし。
お母様、丈夫に産んでくれてありがとう。
ああもーわたくしの華奢な肩に国の命運がのっているなんて、これで成果出したら女公爵も許されるかしら? うふふ。でも公爵とかいう社交も大事な役割はめんどうだから婚姻相手に丸投げもいいと思います!
パカパカではなくダカラッダカラッと速度を出す馬に引かれてやってきました白亜の王城。
今度は門番に止められたりせず、馬車のまま中へゴー。
話し合いです。
センロン王国使者の銀髪の紳士に
「アルリアの悲劇の悲劇が好きなんですよ」
とかいうリップサービスを受けたり、イーハー王国使者の茶髪の老紳士に
「我が国では近々、マルー王妃の受難という演劇が公演される予定ですが、その際同時公演でアルリアの悲劇を公演したいと考えております」
とか営業かけられたりしました。
そんななごやかなおしゃべりから、裏のある会話がはじまります。
きつい。私に腹芸をしろだなんて人生とはなんと厳しいものなのでしょう!
わたくしがこんな性格だとアルリアの悲劇を見て分かっていたからこその交渉指名な気もしますわ!
でも負けないわよ!
長くなった話の要件だけまとめますとこうです。
ひとつ、
ミレーナ元男爵令嬢の処遇はイーハーの一存で決めて良い。
これがどのようなものとなっても我が国は文句を言わない。それをもって両国間のわだかまりは無くなったこととする。
(我が国にはあんな女をイーハーに送りこみ戦争をしかけた責がありますが、イーハーにも我が国の王太子の婚約者の女を略奪婚して王太子にケンカを売った責がありますので、ケンカ両成敗ということで互いに許しましょうってことです。
でもあの女は我が国の貴族なので我が国で処罰し甘い判決になったらイーハーは許せないので、敵国ともいえるイーハーで処分させてよね? です)
ひとつ、
わたくしの新しい婚約者としてイーハーの国の者を、という願いと、センロンの国の者を、という願いが衝突しましたので、間をとって我が国のどっちの国にも関わりのない貴族を婚約者とする、ということでまとまりました。
(バロンで良いですね。そもそもその条件の者にすでにプロポーズしているとは言っていませんわ。あくまでわたくしは両国に気づかった最善策として提案した。という体をとってこそ両国も納得するというもの。二国間協議を別々に行うではなく三国協議という状況にした宰相お手柄です)
ひとつ、
次代の国王はマイヘルでもいいが、彼の子の王位継承順位は下げ、ミーヤ元王女殿下で現レーガー侯爵夫人の子をトップの継承者、次々代の王とする。
(本当はマイヘルを廃嫡して欲しいとの声がありましたが、そうなるとちょっと遠めの王家の血のトウレー公爵家がひっぱりだされてきますが、トウレーはイーハー縁故の公爵家でもありますので、今の情勢でそれはよくない。なので王の権威を減らし、しっかりした者で周りを固めるのでそれで受け入れて欲しい。で了承を得ました。
でもあの王子の子供なんて信用できない。子供に罪はないが、継がせるなら両国とも貿易量を減らす所存。とのことなので、ミーヤ元王女殿下をひっぱりだすことになりました。そっと側に控えていた侍従を通してこの案でいいか上層部に問い、オッケーいただいています。
まぁ殿下もスペアとなる第二王子がいたら廃嫡になっててもおかしくない事態ですしね。彼の子がミーヤ王女殿下の子の次に継承順位あるだけましでしょう)
ひとつ、
三国とも、次代の王族は二国に留学すること。
(これから三国、仲良くしましょうってことですね。まぁ実態はお互いの国へのスパイという意味もあると思いますけど。今代のセンロン国王は平和主義、イーハーも今は戦後でさらなる争いは望まない。ということでこんな感じでまとまりました。最初は我が国の王族だけ他国留学をと言われたのですが、見識を広めることは王の治世の役に立ちますわねとか持ち上げて持ち上げて三国ともに、という方向でまとまりました。下手したら我が国の王族だけ人質よろしく留学を義務付けられるところでしたわ。怖い怖い)
両代表とお別れして、わたくしは自分に与えられた客室のベッドにダイブしました。
ふっかふかーつかれたー!
わたくしがんばりました! この国のためにがんばりました!
わたくしを指名した理由は、わたくしが今は一番信用に足るから、とのことでしたわ。交渉不慣れなところにつけこんでというのもあるとは思いますけど。三国協議という形にするなら宰相ではなくアルリア様で、ということで二国が提案したのですって。私に会ってみたいというのもあったそうよ。光栄ですけど二度とごめんだわ……。不向きなことをして脳みそが痛い。
両国からは、傀儡政治の裏の王、宰相に、無理なら宰相の補佐官に、イーハー縁故のトウレー公爵家もしくはセンロン縁故のサーバン公爵家の人間をつけてくれという提案をされましたがなんとか断りました。三国会談ですのでね、そこを活用して、トウレーはセンロンに不慣れで、サーバンはイーハーに不慣れなのでそれぞれの国が望むように動けない可能性がある。
として最終的にはイーハーvsセンロンの舌戦がちょっと巻き起こりましたが、それなら両国のことに詳しい別のものがいいでしょう。でこの話は流れました。
または、マイヘルの新しい婚約者をそれぞれの国と仲良い貴族家からとってくれというのを、すでに相手決まってますのでまた婚約破棄なんて受け入れがたいわと(まだ決まっていないらしいけど国内派なのは決まってますからね)断ったり。
では次代の王族同士で婚約を結びましょう、という話も出ましたが、わたくしという婚約破棄の前例がありますのでね、年頃になって気があう者がいたときは。という話になりました。どこかの国の誰かが一人でも殿下みたいに育ったら、婚約者が不幸になりますし、新たな火種の危険はさけたいのです。
というかトウレーもサーバンもまるで両国の傀儡であるかのように扱われていますけど、公爵家なのにそれでいいのかしら。単に配慮するだけならいいのだけど。
またわたくし個人的にセンロン派になっていましたので、近頃はセンロンの衣服や本を輸入して、我が倍々ダンジョン産の最高位ポーション(練金術師の秘薬)を輸出したり、ハゲ防止薬を宣伝したりしていました。
その話をしたら、イーハーも秘薬は品薄だけど錬金術師は優秀なものがそろっているので、素材の輸出をしてほしいとおっしゃいまして、輸出することになりました。ハゲ防止薬もお試しでまずは少量持って行ってくださるそうです。
いかに防止されようと、増えはしないので、需要としてなりたつか疑問とのことですわ。イーハーの人って短気だものね。
我が領のダンジョン依頼がまた増えましたわ。繁盛繁盛。よろしくってよ。
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