無限のスキルゲッター! 毎月レアスキルと大量経験値を貰っている僕は、異次元の強さで無双する

まるずし

文字の大きさ
上 下
95 / 258
書籍未収録② 勇者とデート編

4.カップル飲みでご機嫌です

しおりを挟む
 ドチンピラさんを返り討ちにしたあと、僕たちはデートコースに戻り、賑わう街なかをのんびりと歩く。
 この辺は観光地も兼ねているので行き交う人も多く、先日の戦が嘘のようにみんな楽しんでいる。
 怒りで暴れそうになってたメジェールも、また機嫌を戻してくれたようだ。

 今日はいい天気で絶好のお出掛け日和となっているし、そのせっかくのデートを、つまらないことでメジェールもぶち壊したく無いのだろう。
 いつもなら多分キレて暴れてたけど、我慢が利いたみたいだ。
 危機一髪だったけどね。


「うーん、やっぱ注目されないってのはいいわね。ゼルドナじゃ、ちょっと街を歩いただけでみんな寄ってくるもんね。っていうか、アンタとデートはゼルドナじゃ無理だわ」

「そりゃあ勇者と魔王が一緒に歩いていれば、みんなも気になって当然だよね」

 ゼルドナじゃ僕はずっと注目の的だったんで、こんな気軽に一般人として行動するのは久しぶりだ。
 もちろん、メジェールも同じだけど。

 厳しい連戦続きだったし、この後もまだまだやることは多いので、今日一日くらいフリーデンで息抜きするのはちょうど良かったかもな。
 デートに誘ってくれたメジェールに感謝だ。

 適当にブラブラとお店を見て回ったあと、ぼちぼち昼食の時間になったんで、オシャレなお店を選んでメジェールと入った。


「さぁて食べるわよ、いただきまぁす!」

 メジェールの前には、料理のお皿が所狭しと並べられている。
 普通の体格なのに、メジェールは大食漢なんだよねえ。ホントよく食べる。
 その割りに、特に太らずスタイルは変わらないままだ。
 勇者としての超パワーを維持するのに、色々カロリーを使うのかも? と言いつつ、僕は特に大食いでは無いけど。

 あと、意外にもメジェールは料理上手だ。
 今までに何度か手料理を作って貰ったことがあるけど、その短気な性格や荒っぽい戦闘からは想像も出来ないほど丁寧に調理する。
 下ごしらえにも手を抜かないしね。

 リノも料理は上手だけど、『超五感上昇スーパーセンシティブ』で味覚が鋭くなりすぎて、味付けが独特になっちゃったんだよね。
 ただ、僕も『超五感上昇スーパーセンシティブ』は持ってるけど、味覚は普通だ。
 まあ元々僕は味音痴な部分があるので、それであまり影響ないのかも知れない。


「ねえ、来てるわよあの子たち」

 料理を食べ終えたメジェールが、口元を軽く拭きながら小声で僕に話し掛ける。
 そう、僕も気付いてたけど、実はリノ達がこっそりとこのお店に入ってるんだ。
 彼女たちは僕らが気付いてないと思ってるかも知れないけど、僕もメジェールも気配感知には鋭いからね。
 気付かないわけが無い。

 さっきまでは近くに居なかったんで、かなり遠くからリノの『超五感上昇スーパーセンシティブ』で尾けてたんだろう。
 僕らがお店に入ったんで、仕方なくリノ達も入ったんだろうな。お腹も空いてただろうし。
 あれほど尾いてくるなとメジェールに言われたのに、仕方のない子たちだ……。

「来るなと言ったのに尾いて来たんじゃ、あの子達にもオシオキしないとね」

「ちょ、手荒なことはやめようよメジェール」

「そんなことしないわよ! あんたアタシがなんでも暴力振るうと思ってない? アタシは勇者よ? 平和主義なんだから!」

 え~、なんでも暴力振るうじゃないか……なんか理不尽だ。
 それに全然平和主義じゃ無いよね。
 いつも好き勝手に暴れておきながら、こういう時だけ理性的なフリするなんてずるい。

 なんてツッコミは、メジェール相手には死んでも言えないけどさ。
 イザヤ達も、メジェールのわがままには苦労したんだろうなあ。


「じゃああの子達にオシオキするわよ。すいませーん、ジュースお代わり下さい!」

 メジェールが店員さんに飲み物のお代わりを頼んだ。
 ジュースをもう1杯飲むのがオシオキなの? よく分からないな。
 ほどなくして、店員さんがジュースを持ってくる。

「さ、一緒に飲みましょ! ユーリはその自分のストローで飲んで。アタシもこのストローで飲むから」

「えっ、一緒にジュース飲むの? 2つのストローで!?」

「そうよ、恋人同士がよくやるでしょ! アタシも一度やってみたかったの!」

「やだよ、周りに人が居るし恥ずかしいよ!」

「いい、リノ達は約束破ったんだからオシオキのために見せつけないと。それとも、力ずくのオシオキがイイ?」


 メジェールってばズルい!
 リノ達をダシにして、恋人の気分味わいたいだけじゃないか。
 力ずくのオシオキなんてするつもり無いだろうけど、しかしコレを断ると、さらに面倒な展開になるよな……。

 リノ達が約束破ったのがやはり問題だったな。メジェールに口実を与えちゃったからね。
 もうこうなっちゃったら、断る選択肢が無いよ。
 メジェールってば、期待に目をキラキラと輝かせて僕のストローを待ってるし。

 ……まあその表情超可愛いけどさ。
 仕方ない、恥ずかしいけどダブルストローで恋人飲みしよう。


「んふー♪ 美味しいわね♪」


 メジェールはもうめっちゃご機嫌だ。
 その代わり、リノ達の方角から強烈な怒りが漂ってきてるんだけど?

 納得いかないのは、この怒りの相手って僕らしい。
 あとで僕、リノ達に大目玉喰らうんだろうなあ……特にフィーリアが怖いんですけど。

 まあメジェールとリノ達でケンカされちゃうのも困るから、僕に怒りをぶつけてくれた方がありがたくもあるんだけど、何か腑に落ちないです……。


 緊迫の昼食(僕だけ)が無事終わり、僕とメジェールはお店の外に出た。
 リノ達も、追ってまたあとを尾けてくるんだろうな。
 これ以上彼女たちの怒りを逆撫でしないように、行動にはなるべく気を付けよう。

 と思ったところに、いきなり殺気立った男が現れた。
 身長は180弱程度、どうやらかなり腕の立つ剣士のようで、均整の取れた肉体に手入れの行き届いた装備を着けている。

 明らかに目的は僕だが、しかし何故だ?
 僕の正体がゼルドナの魔王だとバレて、刺客が来たのか?


 と訝しんでいたところ、その男の後ろから見知った顔が現れた。
 金髪のヤサ男――テイミッドだ。

 待て、ってことは、さっきやられた仕返しに、わざわざ違う護衛を連れてきたって事?
 それも、多分1番強い護衛なんだろうな。
 テイミッドは、この男なら絶対に負けないっていう自信満々の顔してるし。


「おい小僧、さっきはよくもやったな! このイグバランはフリーデン武闘大会で現在3連覇していて、シャルフ陛下の次に強いと言われている男だ。お前が誰に逆らったのか、このボクの力を思い知らせてやる!」

 へえ~武闘大会3連覇? 確かにそれくらい強いかも。
 解析で見た限り、ベースレベルも非常に高いしスキルもよく育ってる。
 何より、『加速アクセル』というSランクスキルを持ってるしね。

 コレは一時的に自分の行動が速くなるスキルだけど、それは単純に移動スピードが上がるという事じゃ無くて、剣技や魔法、回避行動など、とにかくあらゆる行動を速く出来る効果がある。
 例えるなら、『時間減速スロー』の逆効果だ。結構スゴいぞ。

 こういう汎用性の高いスキルは、強化すると本当に強い。
 Sランクスキルだけど、SSランク以上に使い勝手が良いかも知れない。
 ランクが高いほど強いスキルってワケじゃないからね。


 ……このスキル、コピーさせてもらっちゃお♪
しおりを挟む
感想 677

あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな

しげむろ ゆうき
恋愛
 卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく  しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ  おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。