無限のスキルゲッター! 毎月レアスキルと大量経験値を貰っている僕は、異次元の強さで無双する

まるずし

文字の大きさ
上 下
168 / 258
第7章 新国テンプルム

第335話 法王国の真実

しおりを挟む
「さっすが法王国ねえ……凄い聖なる力だわ」

「わたくしも法王国には初めて来ましたが、噂以上に神聖力に包まれていますわね」

 目の前のパスリエーダ法王国王都を見て、聖なる力を感じ取れるメジェールやフィーリアは、その溢れかえる神聖力に感心している。
 法王国のあるこの地は、世界一神に愛されている場所なので、天然の神聖力が湧き出している聖地となっている。
 そして、王都は巨大な聖結界に覆われ…………


 えっ!? なんだコレ!?


 この地は自然に聖なる力が湧き出しているのかと思ったら、そうじゃない!
 コレは……人工的なモノ・・・・・・だ!

 何か違和感があったので、僕の『真理の天眼』で調べてみて初めて分かった。
 解析した限りでは、どうやら古代文明の力――『失われた技術ロストテクノロジー』でこの聖なる力を作り出しているようだ。
 これは普通の人じゃまず気付かないだろう。法王国のトップの人は知ってるのか?

 ……いや、当然知ってるはずだ。
 つまり法王国は、『神に愛された地』などではなく、人工的に作られた聖地だったんだ!
 この巨大な聖結界も、『失われた技術ロストテクノロジー』を利用して張っているようだ。

 どうやってこんな結界を作り出したのか不思議だったけど、聖地法王国なら不可能も可能にすると勝手に信じてたよ。それが、まさか古代文明の力だったとは……。
 ひょっとして、牙無魔ガンマたち異世界人を喚びだしたという『異世界召喚』も、古代文明が作り出したモノではないだろうか?

 この世界イストリアに住む人間は、皆この法王国こそが神に1番近い地だと思ってきた。
 しかし、そうじゃない。
 法王国の聖なる力は、古代の力を利用しただけのモノだった。
 とすると、神に選ばれし人間である法王様も、ただこの地に生まれただけの存在なのか?

 これが法王国の知られざる真実……。
 法王国こそ、神の意志を世界へと伝えてくれる真の聖地だと思っていたのに、何かが僕の中で崩れていく。

「どうしたユーリ? 何かおかしなことでもあるのか?」

「いや、なんでもないよ牙無魔ガンマ

 余計なことを考えるのはよそう。
 遙か昔より神に近い場所と思われてきた聖地が、実は人工的なモノだったのは少し残念に思うが、ここが神聖力に溢れていることには間違いない。
 悪魔たちも、ここへはそう簡単には近付けない。人類の最後の砦ともいえる場所なのだから。


「んじゃあ中に入るぞ。久魅那クミナ、『時空通穴ワームホール』をまた開いてくれ」

「えっ、正面ゲートから入るんじゃなくて?」

「いやあ実はオレたち、勝手に王都を出てお前の国テンプルムに行ったんで、きっと入り口で揉めると思うんだよ。ユーリたちを巻き込みたくないし、それにお前たちの正体についてもうるさく聞かれるだろうしな」

「なるほど……」

 まあメジェールたちはテンプルムの正規の国民証を持ってるし、僕も国王という身分を隠した国民証を持ってるけどね。
 ただの観光客として来ただけなので、それを見せれば多分問題はないと思うけど、確かに変に疑われても困るかも。
 ちょっと観光したら『空間転移スペースジャンプ』で帰るし、『時空通穴ワームホール』でこっそり入ってもいいか。

「じゃあよろしく頼むよ」

「任せとけ!」

 僕たちは久魅那クミナの『時空通穴ワームホール』を使って、法王国王都へと入った。


 ◇◇◇


「んーさすが法王国王都、他国の王都とは色々と風情が違うわねえ」

「なあんだ、あんまり期待しないほうがいいって言われたから心配したけど、いい国じゃない」

「街行く王都民も、皆さんどこか気品に溢れてますわね」

「それに空気が、ワタシの故郷のエルフ村と似ている気がシマス」

「へえ~、フラウの村ってこんなに栄えてるのか?」

「いえいえ違いますよソロルさん、エルフ村は聖なる力に満ちているので、それでどことなく懐かしい空気を感じるのデス」

「まあこの辺は裕福な層が多いからな。観光客にも人気がある場所だし、法王国のまさに光の部分だ。ここだけを見るなら、本当にいい国だとは思うんだけどな」

 眷女みんなの言う通り、とても平和で幸せそうな国に見えるけど、牙無魔ガンマの言葉から察するに、そうじゃない部分もあるということか。

「とりあえず、せっかくここまで来たんだ、オススメの観光名所に連れていってやるよ」


 牙無魔ガンマたちの案内で、僕たちは法王国の名所を回っていく。
 移動は久魅那クミナの『時空通穴ワームホール』を使ったのであっという間だった。
 美味しいお店も景色のいい観光地も、労せずサクサクと巡る。
 今回留守番となってしまったアニスさんやネネのために、法王国のお土産もたくさん買った。

「あ~しまったなあ……テンプルムでお土産買うの忘れちまった。ユーリと戦うことばかり考えてたから、すっかり頭から抜けてたぜ」

「あ、それなら、僕がアイテムボックスでいくつか持ち歩いてるから、それを牙無魔ガンマにあげるよ」

「おっ、いいのか! でも、オレたちあんま持ち合わせがねーんだ。高い物だとちょっと……」

「いや、お金なんていいよ。法王国王都を案内してくれたガイド代だと思ってくれれば」

「そうか! なら遠慮なくもらっておくぜ」

 僕はボンビクスワームの繭糸で作った高級織物や、テンプルムの美味しい名産品などを牙無魔ガンマに渡す。

「くおおおおおおっ、こんな凄いのくれるんか!? さすが王様だぜ!」

「これならアイツらも喜んでくれるだろうな。お土産渡すのが楽しみだ」

「アイツらって?」

「ああ、オレたちとちょっとした付き合いのあるヤツらがいるのさ。そうだ、今からそこへ行っていいか?」

「え? 別にいいけど?」

「早くアイツらにお土産渡してやりてえし、ユーリのことも紹介したいんだ。よし、久魅那クミナ、『時空通穴ワームホール』を頼む!」

「了解!」

 なんだろう、僕が渡したお土産を見た牙無魔ガンマは、想像以上に嬉しそうな顔をしている。
 そこまで大した物でもないんだけど、こんなに喜んでもらえるなんて意外なくらいだ。

 それにしても、一応牙無魔ガンマたちは異世界から喚ばれた救世主って立場だと思うけど、お金をあまり持ってないのか?
 アレほどの強さがあるのに、何か釈然としないな……。


「じゃあ行くぜ!」

 僕たちは牙無魔ガンマの目的の場所へと移動した。

 ***********************************

 是非是非、書籍版『無限のスキルゲッター』もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
しおりを挟む
  ツイッター始めました☆ まるずし@maruzusi です。どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
感想 677

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。