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第7章 新国テンプルム
第322話 森の先にあったのは
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「ちょ、ちょっと待てーっ!? お、おい小僧、まさかアダマンキャタピラーを本当にテイムしちまったってのか?」
「はい。なんとか成功したようです」
「なんとかも何も、こんな怪物をテイムした話なんて古今東西聞いたことないよ! それに、さっきの回避も神業だった。坊や、アンタいったい何者だい!?」
「いえ、まあその……」
んーどうしよう、正体をバラしちゃったほうがいいのかな?
「ダーリン、何も言うな。王様なんてコトがバレたら面倒なことになる」
「そ、そう?」
なんかネネが怖い顔してるから言うのやめておくか。
「それよりもダーリン、ネネの活躍良かっただろ? 褒めて褒めて!」
飛ばされた『剣妃親衛隊』を助けるなんて、ナンバー1のネネならそう難しくないことだと思うが、得意満面な表情が可愛いからちゃんと褒めてあげるか。
「よくやったぞ、ネネ」
褒めながら頭を撫でてあげる。
「ムフー♪ ダーリンと一緒だと任務も楽しいな」
こうしてみると、ホントに子供みたいだな。実年齢27歳なのに。
「ホントに……この怪物をテイムしちまったんだねえ」
ゾディーさんが恐る恐るアダマンキャタピラーに近付き、その身体をまじまじと観察している。
そーっと手を伸ばして、足にも触っているようだ。
「こりゃあアレだね、テンプルムにあるモンスターパークってヤツに入れたら、また客がドカンと来るだろうね。アタシはまだ見てないが、銀竜もいるんだろ? ……まて、ひょっとして銀竜をテイムしたってのも、まさか坊やなんじゃ……?」
「あー……はい、実はそうです」
「こりゃ、もう言葉が見つからないよ。坊やの能力ってのは、この凄い『使役』だったのかい!」
「まあそんなところです」
とりあえず、目的の巨獣は大人しくさせたし、さてこれからどうしよう。
このアダマンキャタピラーは、どこか遠くに移動させたほうがいいのかな。
餌が分からないから、変なところに移したら飢えて可哀想なことになるかも。
せめて、何を食べているか分かればなあ……この辺に居たんだから、きっと近くに餌があるんだろうけど。
……ん?
なんだろうこの独特な香りは?
『超五感上昇』で強化された僕の嗅覚が、何かを感じ取る。
「このちょっと先に何かがあるようです。行ってみましょう!」
◇◇◇
気になる匂いを追って、草木が生い茂った森の中を移動する。
一応アダマンキャタピラーもズルズルと付いてくるけど、そのせいでボリボリと木が倒れまくっている。
土中を移動させようかとも思ったけど、地下で何かトラブルがあったときに困るので、目に見える地上に居てくれたほうが色々と対処しやすいだろう。
しばらく進むと、辺り一帯白いもやが掛かった場所に出た。
何かの煙かと思ったら、ちょっと違った。
コレ……細い糸だ!
空気のように軽い極細の糸が、あちこち宙を舞ってもやのようになっていたのだった。
「な、なんだいコレは!? ヘヴィスパイダーの毒糸ってわけじゃないようだし、いったいどこから……?」
「ゾディー様、あそこを!」
白いもやの奥をじっと覗いてみると、そこには……。
まるで雪が積もったような白銀の世界……いや、雪ではなく、地面を埋め尽くしていたのは極細の糸だった。
そして、至るところに、4~50㎝ほどの白い塊が木からぶら下がっていたのだった。
「ダーリン、これボンビクスワームの繭だ!」
「えっ、コレが!?」
そういえば、テンプルムから南西の方向に、ボンビクスワームが棲息してるんじゃないかっていう情報があったけど、僕たちはいつの間にかそこまで来てたのか!
この繭は高級繊維の元となるので、高い値で取引される。
木が生い茂ってるだけに、上空からではコレを見つけるのは難しいだろう。歩いてきたからこその発見だ。
「こりゃあ凄い光景だね。希少なボンビクスワームがこれほど棲息している場所なんて初めてだよ!」
確かに、なかなか見つけることができない珍しい生物だけに、こんなに群棲しているのは貴重かも。
しかし、なんでこんなにここに集まってるんだ?
気温が少し暖かいというのが、棲息に適したんだろうか?
でもそれくらいのことなら、あちこち棲息しててもおかしくないと思うんだけど……。
と、僕たちがその幻想的な光景に驚いていると、突然地面からモンスターが飛び出してきた。
ただ、それは僕たちを襲うのが目的じゃなかった。
その黒光りした身体の魔物――ハサミのような大アゴを持った3mほどのモンスターは、ボンビクスワームの繭に飛びついたのだった。
「こいつは……シザーヘッドビートル! ボンビクスワームの天敵だよっ」
えっ、そういやそんな話を聞いたことあるな。
そのシザーヘッドビートルが、地面からボスン、ボスンと音を立てて次々に飛びだし、5匹ほど繭に食らいつきに行ったのだった。
「まずいよっ、どこからか嗅ぎ付けてボンビクスワームを襲いに来たんだ! このままじゃコイツらに食い尽くされちまうっ! 外殻は硬いうえ、図体の割に動きも速いし、退治するにはちょいと厄介な相手だよ」
なるほど、ボンビクスワームを食い荒らされるのは困るな。
では、『念動力』で動きを止めて駆除しようかと思ったら、その瞬間驚くべき事が起こった。
***********************************
是非是非、書籍版『無限のスキルゲッター』をよろしくお願いいたしますm(_ _)m
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「いえ、まあその……」
んーどうしよう、正体をバラしちゃったほうがいいのかな?
「ダーリン、何も言うな。王様なんてコトがバレたら面倒なことになる」
「そ、そう?」
なんかネネが怖い顔してるから言うのやめておくか。
「それよりもダーリン、ネネの活躍良かっただろ? 褒めて褒めて!」
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「よくやったぞ、ネネ」
褒めながら頭を撫でてあげる。
「ムフー♪ ダーリンと一緒だと任務も楽しいな」
こうしてみると、ホントに子供みたいだな。実年齢27歳なのに。
「ホントに……この怪物をテイムしちまったんだねえ」
ゾディーさんが恐る恐るアダマンキャタピラーに近付き、その身体をまじまじと観察している。
そーっと手を伸ばして、足にも触っているようだ。
「こりゃあアレだね、テンプルムにあるモンスターパークってヤツに入れたら、また客がドカンと来るだろうね。アタシはまだ見てないが、銀竜もいるんだろ? ……まて、ひょっとして銀竜をテイムしたってのも、まさか坊やなんじゃ……?」
「あー……はい、実はそうです」
「こりゃ、もう言葉が見つからないよ。坊やの能力ってのは、この凄い『使役』だったのかい!」
「まあそんなところです」
とりあえず、目的の巨獣は大人しくさせたし、さてこれからどうしよう。
このアダマンキャタピラーは、どこか遠くに移動させたほうがいいのかな。
餌が分からないから、変なところに移したら飢えて可哀想なことになるかも。
せめて、何を食べているか分かればなあ……この辺に居たんだから、きっと近くに餌があるんだろうけど。
……ん?
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「このちょっと先に何かがあるようです。行ってみましょう!」
◇◇◇
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一応アダマンキャタピラーもズルズルと付いてくるけど、そのせいでボリボリと木が倒れまくっている。
土中を移動させようかとも思ったけど、地下で何かトラブルがあったときに困るので、目に見える地上に居てくれたほうが色々と対処しやすいだろう。
しばらく進むと、辺り一帯白いもやが掛かった場所に出た。
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空気のように軽い極細の糸が、あちこち宙を舞ってもやのようになっていたのだった。
「な、なんだいコレは!? ヘヴィスパイダーの毒糸ってわけじゃないようだし、いったいどこから……?」
「ゾディー様、あそこを!」
白いもやの奥をじっと覗いてみると、そこには……。
まるで雪が積もったような白銀の世界……いや、雪ではなく、地面を埋め尽くしていたのは極細の糸だった。
そして、至るところに、4~50㎝ほどの白い塊が木からぶら下がっていたのだった。
「ダーリン、これボンビクスワームの繭だ!」
「えっ、コレが!?」
そういえば、テンプルムから南西の方向に、ボンビクスワームが棲息してるんじゃないかっていう情報があったけど、僕たちはいつの間にかそこまで来てたのか!
この繭は高級繊維の元となるので、高い値で取引される。
木が生い茂ってるだけに、上空からではコレを見つけるのは難しいだろう。歩いてきたからこその発見だ。
「こりゃあ凄い光景だね。希少なボンビクスワームがこれほど棲息している場所なんて初めてだよ!」
確かに、なかなか見つけることができない珍しい生物だけに、こんなに群棲しているのは貴重かも。
しかし、なんでこんなにここに集まってるんだ?
気温が少し暖かいというのが、棲息に適したんだろうか?
でもそれくらいのことなら、あちこち棲息しててもおかしくないと思うんだけど……。
と、僕たちがその幻想的な光景に驚いていると、突然地面からモンスターが飛び出してきた。
ただ、それは僕たちを襲うのが目的じゃなかった。
その黒光りした身体の魔物――ハサミのような大アゴを持った3mほどのモンスターは、ボンビクスワームの繭に飛びついたのだった。
「こいつは……シザーヘッドビートル! ボンビクスワームの天敵だよっ」
えっ、そういやそんな話を聞いたことあるな。
そのシザーヘッドビートルが、地面からボスン、ボスンと音を立てて次々に飛びだし、5匹ほど繭に食らいつきに行ったのだった。
「まずいよっ、どこからか嗅ぎ付けてボンビクスワームを襲いに来たんだ! このままじゃコイツらに食い尽くされちまうっ! 外殻は硬いうえ、図体の割に動きも速いし、退治するにはちょいと厄介な相手だよ」
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