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あの意味のわからない出来事から少し経った頃またジュリー・ローゼから手紙が届いた。
『お久しぶりですわ!!!
この前は本当に申し訳ございませんでした!!!
…けど仕方ないんですのよ?
だってアラン様があんな事を仰るから!!
びっくりしちゃってそりゃ気絶もしちゃいますね!
だけど今回は本当に申し訳ないので会いに行きますわ!
2日後アラン様の部屋に訪れますのでおまちになってて♡
貴方の未来の愛しの奥様♡ジュリー・ローゼ♡』

2日後?
それはどういうことだ?
この手紙を送った時なのか届いた時なのか…
俺は嫌な予感がし部屋を出ようとドアノブを握った。
「アラン様~!!」
開けた瞬間そのドアがジュリー・ローゼの顔面に当たった。
「あ」


「も、もう!アラン様!!さすがにひどいですわ~!」
そう言い涙目になっているのを見ればさすがに罪悪感が湧くわけで…。
「す、すまない。」
「謝って下さったからもう平気ですわ!!」
涙目でにこっと微笑む彼女に俺は……。
いや!そんなことはない!決して胸が高鳴ったなど!!
「そ、それで今日は何のようだ!というかどうやって俺の部屋まで…」
「そんなの簡単ですわ!お父様についてきたんですの!!それと用事なのですが…手紙に書いていませんでした…?」
そう言われ俺は机の上に置いていた手紙を見た。
「会いに行く…としか」
「書いてるじゃありませんの!!」
おほほ!と微笑む彼女に俺は首を傾げた。
「だ、だからそーゆうあざとい事は心臓に悪いですわよ!?!」
「…会いに行く…。ただ俺に会いに来ただけ…ってことか?」
「そうですわ!!!!」
「はぁ…」
俺はついため息が出た。
「ただアラン様のお顔を見たかったのです!!!!それにお城にいるアラン様って…その…とっても…すて」
俺がまた首を傾げると急にジュリー・ローゼが目を見開いた。
「な、、なんですの!?!これは!!!」
そう言うと俺の部屋の隅にある箱の中身を漁りはじめた。
「何って」
「こ、これはまさか!!」
「令嬢達からの手紙だ。」
「なななななななななな何ですってえええ!!?!」
つい耳がキーンときたので塞いでいるとその手を取られ近くで叫ばれる。
「わ、わわわわたくしというものがおりながら、他の令嬢からお手紙をもらっているのですか!?!」
「仕方ないだろう…。要らないと言っても送られてくるんだから…。それと叫ぶのをやめてくれ。耳が痛い」
「ななななななな!!!!!お読みにもなって!?!」
「当たり前だ…さすがに貰った手紙を読まないわけにも」
急に俺の手が痛みでミシミシと音を立てはじめた。
「そ、そんなところも素敵ですけれど…!けれど…!複雑すぎますわ!!」
また涙目になるジュリー・ローゼが今度は悪魔に見えた。
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