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「アラン様!!」
「今度はなんだ…」
俺はため息混じりに耳を傾ける。
「良い匂いがしませんか?」
「良い匂い…だと?」
まさかまた何か香水を変えたとかそんなのか?
そう思い彼女の方を向くと手には綺麗に包まれたサンドイッチがあった。
「さ、サンドイッチ…」
だ、だめだ!また靡くと本当に彼女の思う壺じゃないか…!!
「知ってますよ!アラン様ってサンドイッチがお好きなんですよね?」
「な、なぜその事を…」
「だから私が丁寧に作りましたの!」
「ジュリー・ローゼが!?!」
い、嫌な予感しかしない…!
「安心して下さい!私料理には自信がありますの!」
そう言うと俺の手を引っ張って中庭に連れて来られた。
「はい、座って下さいな」
「はぁ…」
ただ、サンドイッチ…たしかに美味しそうではある…。それにこの量…。多分ジュリー・ローゼだけでは食べ切れないだろうから俺も手伝って食べ切ってやる…と言うことにしておいた。


「うまい…」
サンドイッチを口に含むとつい出てしまった。
なんだこれは…すごく美味い…。
「良かったです」
にこにこと微笑む彼女は俺が食べたのを見て自分の口にサンドイッチを運んだ。
「うふふ。最高の出来です」
「…」
俺が無言で食べていると彼女も無言で食べ進めていく。
も、もう一個なくなってしまった…
俺がサンドイッチが無い手を見ていると彼女がまた笑顔でサンドイッチを渡してくれる。
「あ、ありがとう」
「いえいえ。沢山作ったので沢山食べて下さいね」
そう言うとまた自分の食事に戻った。
今日はなんだか幸せな気分になった。
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