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「告白された!?!!」
今屋上から学校中に聞こえる声で叫んだのは文化祭でレジ係をして、親指を立てて見送ってくれた屋久仁やく ひとし
「告白って…あの人男だったよな!!!」
顔を真っ赤にしてるこいつは驚いたように言う。
「そう。男なんだよ。」
あの人も俺も…!
「…てことは…そいつは篤の事を女の子だと思ってるって事?」
こいつは外でメイド服着てずっと呼び込みしていた佐藤唯さとうゆい
「違う…。男だって分かっても好きらしい。」
「ふーん……。大丈夫?その男。なんか怪しくない?」
「唯!そんな事言うなよ!良いやつかもしんねーじゃん!!な!篤!」
「うーん…まだ分かんない。」
「ほら。やめときなよ。誘われてんでしょ?あそぼって」
「うん…」
「へぇー!楽しそうじゃん!」
馬鹿そうに仁はにこにこして言う。
「…仁…僕は仁が心配だよ…」
「なんで?」
「馬鹿すぎるから」
「コラ」
俺は唯の頭を軽く叩く。
「…だってさ。何されるか分かんないじゃん。前は学校だったからまだいいけど。二人っきりだよ?」
少し眉間に皺が寄っている唯に俺は謝る。
「でもさ、また会ってみたいんだ。良い人かは分かんないけど悪い人では無いだろうから」
「はぁーーーー…僕は篤も心配だよ。だって男運が悪すぎるし…」
そう言うと屋上の扉が思いっきり開く。
「おい!お前ナンパされたってマジか!」
「那津……誰?こいつに言ったのは…」
俺はため息を吐きながら二人に言う。
「あ、ごめん。言っちゃダメだった?!」
仁は焦ったように俺に聞く。
さっきからスマホいじってるなと思ったけどさぁ…。
「うん。だめ!」
俺は柔らかい仁のほっぺたをつつく。
「ご、ごめーん…!」
半泣きで謝ってくる仁によしっと首を縦に振る。
「…はぁ…。…もうちょっと静かに来れないわけ?」
「驚きすぎたんだよ」
「仕方ないよ。篤は可愛いから。篤の良さを知ってるのはお前だけだと思ってた?」
そう言う唯に那津は目を向ける。
「…可愛くないだろ」
「ぷっ」
笑いながら那津と反対を向く唯に俺は口を開く。
「それな」
「ふふっ…可愛いよ、篤は十分」
それを聞いた仁が前のめりになって唯に言う。
「俺は!!!?」
「仁もすっごく可愛いよ」
「やったー」
そんな可愛い二人を見てから那津を見ると少し気分が落ちる。
「んで…何?」
「そんな重要なことでもねぇけどさ…。屋久が『篤が文化祭にいためっちゃかっこいい人に告白されたらしい』ってメール来たから」
「お前に関係ないじゃん」
「関係あるだろ」
「ない。」
「ある!」
「ないだろ!!」
「あるだろって!」
「はぁ!?ならお前そのクソイケメンとやらに会うのかよ!」
「あ…会うけど!?」
俺はついそう言った。
「会って何すんだよ!もしかして…セ」
どんどん大きな声になる俺たちに唯が仁の耳に手を当てる。
「…あのさ。仁に汚い言葉聴かそうとするのやめてくれる?」
あまりにも冷たい目と声に那津が気まずそうにする。
仁は首を傾げてる。
「ご、ごめ」
「篤のことは責めてないよ。松下が汚いの言おうとするから止めてるだけ。あのさ、別に俺たちがご飯食べてるの邪魔するのは良いけど、俺たちに悪影響を及ぼすならどっか行けよ。」
そう言われ那津は舌打ちをしながらまたドアをでかい音を立てて出て行く。

「…ごめん。言いすぎた」
そう言いながら気まずそうに俺を見る唯に笑みを浮かべる。
「そんな申し訳なさそうな顔すんなよ。大丈夫だから。あいつとはそんな心配されたりする仲じゃねぇからさ」
「篤」
「けど、とにかくあの人には会ってみるよ。」
「え!?ほ、本当に会いに行くの?」
「うん。」
「…そっか。篤が決めたなら僕は、…まぁ反対はしない…けど。」
少し不服そうな顔している唯につい笑みが浮かぶ。
「ふっ…ありがとう。心配してくれて。」
唯は俺の顔を見た後少し手の力が緩まる。
「あれ!もう聞いて良いの!?」
驚いたように俺を見る仁にまた笑ってしまった。

その日の夜、俺は伊織に暇な日をメールした。
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