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「も…萌え萌えきゅん…♡」
「も、もえもえ…ははっ…!!!」
俺は何故こんな奴の為に…!!!!!
ちゃんとあの時来るなって言ったのに!!!!
「来てよかったぜ。まさかお前にご奉仕して貰えるとはな」
「来るなって言った…」
「来ちゃった」
「来るなって言ったのに…!!」
俺は手をハートの形にしたまま涙を流す。
「だって面白そうすぎたから」
「……俺は本気でメイドさんしてる。だ、だから……写真を撮るな!!!!!撮るのは有料だ!!!」
「金取るのか」
「当たり前だろ!!!メイドさんなんだからな!」
「わかったわかった。そのかわり俺とハート作ろうぜ」
「…いやだ」
「篤の母ちゃんに見せる」
「やめろ」
見られたくないから来ないで欲しいって言いまくったんだ。
「あ、送っちゃった」
「お前ぇええええ!!!!」
俺はこいつに首を絞める勢いで手を伸ばす。
「可愛いってさ」
そう言いながらこいつは逃げるように金を俺に渡す。
「チップ」
「いらねぇえ!!!!」
俺はその金をレジ係に渡す。
「だから早く出てけ!」
そう言うと楽しそうに笑いながらドアを開ける。
「喋ると可愛くないから客いないんじゃね?」
そう言われ俺とレジ係は黙る。
「……………」
「篤…お前黙ろうぜ。せっかく可愛いから」
レジ係の友達にもそう言われ俺は口を手で押さえた。
───────────────
俺はあのあと客寄せとして学校を歩かされている。
女装カフェの看板を持って…。
首にはお好きなポーズで写真も撮れるよ♡などとメッセージまでかかれている。
「篤がいっちばんこんなかで可愛いから行って欲しい!」
そう言われ俺は今歩いてるわけだが…。
何故か俺は周りからヒソヒソと何か喋られてる。
なんだろうかメイド服のスカートが短すぎるのだろうか。それともこの頭に付けてあるひらひらのせいだろうか。それとも……男すぎる俺がメイド服を着ているからだろうか…!!!!いや…分かっている!正直似合ってないことは分かってるんだ!!
けど女装メイドカフェに決まった時メイドさん候補に推薦されてしまってはやるしかない…!だってせっかく選んでもらったんだもの!!!!
そんなこんなで中庭を歩いていると突然肩を掴まれた。
「可愛いね~」
うわ…あのクズといい勝負するぐらいチャラそうだ。
まぁ顔で言うとあいつの方がいいがな。
そう思いながら笑顔で言う。
「ありがとうございます!」
「お、男!?」
声野太いからな…。
「はい!是非女装カフェ来てください」
てか可愛いと思われたんだ…良かった~!!
「なんだ…男かよ…。せっかく可愛いからイケると思ったのになぁ…」
イケる?何言ってんだこいつ。
「是非2年4組でやってますので!来て下さい!」
そう言いながら友達に言われた通りにメッセージを見せる。
「お好きなポーズで写真も撮れますので!」
そう言うとチャラ男はうざそうに俺に言う。
「男と撮って何かいい事あるわけ?」
がーーーーーん!
俺はがっくりと肩を落とす。
「そ、そうっすよね…」
ハハッと乾いた笑いを浮かべた後俺は静かに近くのベンチに座った。
「…男と撮っていい事ある?か…たしかに…」
俺もアイドルとかならまだしも一般人の男と撮りたいとは思わない。しかもそんなに可愛くねぇし。
あのチャラ男落ち込ませてくるけど気持ちは分からなくもない。ただやっぱりちょっと悲しい。
「けどみんなに言われてるしなぁ~」
我ながらちょろいと思う。けどクラスの奴らはすげぇ褒めてくれたし。
…そういえば…『喋ると可愛くねぇから客いないんじゃね?』
てことは喋らなきゃ俺客釣れる???
メイドさんになれるのか!?!
俺はやる気をまた出してベンチから立ち上がる。
「よし…!」
俺がまた足を動き始めるとまた肩を掴まれる。
けど今回は優しかった。
さっきとは違うな!!そう思いながら振り返ると、俺はフリーズした。
なぜなら目の前に立っている無駄に良い顔をした男がいたからだ。
いや…どういうこと!?!なんでこんな顔が…!?いや…無駄というかいや無駄すぎる!俺にもその顔面を少し分けてくれ!!羨ましい!!モテそうな顔をしてるそいつは顔を赤くしながら俺に話しかけてくる。
「あ、あの…君を好きになってしまって…」
は???どういうこと?
「一目惚れって奴だと思うんだけど…その…」
え…?俺に惚れた??一目惚れ?ん?
無駄に良い面男は俺の持っていた看板に目を向けた。
その瞬間かっけぇ目が見開く。
「えっ…女装カフェ?てことは男の子ってこと?」
俺は黙って頷く。
「お、女の子だと思った…」
俺は心の中でガッツポーズをした。
そう張り切ってたのだ。俺は。
この日の為に母さんのなんかお肌綺麗にするやつを塗ったり顔洗ったり。とにかく俺的には頑張ったんだ。
だから正直めっちゃ!くっちゃ!嬉しい!
「あり…」
俺は喋りそうになって口を手で塞ぐ。
「あり?」
俺は首を横に振る。
教室に着いてなんか頼んでくれたらもう喋れるんだけどなぁ…。
もし本当に俺のせいで全然客が入ってないんだったとしたら申し訳なさすぎる。
「…あの、お好きなポーズで写真って…、教室に行ったら撮れるのかな?」
少し恥ずかしそうにニコッと笑うこのイケメンはなんだ?俺男だけどいいの!?さっきみたいに言われると思ったんだけど…!
「その…申し訳ないんだけど案内してもらっていいかな…。どこのクラスがどこにあるかあんまり分かってなくて」
俺は黙ったまま激しく頷いた。
「も、もえもえ…ははっ…!!!」
俺は何故こんな奴の為に…!!!!!
ちゃんとあの時来るなって言ったのに!!!!
「来てよかったぜ。まさかお前にご奉仕して貰えるとはな」
「来るなって言った…」
「来ちゃった」
「来るなって言ったのに…!!」
俺は手をハートの形にしたまま涙を流す。
「だって面白そうすぎたから」
「……俺は本気でメイドさんしてる。だ、だから……写真を撮るな!!!!!撮るのは有料だ!!!」
「金取るのか」
「当たり前だろ!!!メイドさんなんだからな!」
「わかったわかった。そのかわり俺とハート作ろうぜ」
「…いやだ」
「篤の母ちゃんに見せる」
「やめろ」
見られたくないから来ないで欲しいって言いまくったんだ。
「あ、送っちゃった」
「お前ぇええええ!!!!」
俺はこいつに首を絞める勢いで手を伸ばす。
「可愛いってさ」
そう言いながらこいつは逃げるように金を俺に渡す。
「チップ」
「いらねぇえ!!!!」
俺はその金をレジ係に渡す。
「だから早く出てけ!」
そう言うと楽しそうに笑いながらドアを開ける。
「喋ると可愛くないから客いないんじゃね?」
そう言われ俺とレジ係は黙る。
「……………」
「篤…お前黙ろうぜ。せっかく可愛いから」
レジ係の友達にもそう言われ俺は口を手で押さえた。
───────────────
俺はあのあと客寄せとして学校を歩かされている。
女装カフェの看板を持って…。
首にはお好きなポーズで写真も撮れるよ♡などとメッセージまでかかれている。
「篤がいっちばんこんなかで可愛いから行って欲しい!」
そう言われ俺は今歩いてるわけだが…。
何故か俺は周りからヒソヒソと何か喋られてる。
なんだろうかメイド服のスカートが短すぎるのだろうか。それともこの頭に付けてあるひらひらのせいだろうか。それとも……男すぎる俺がメイド服を着ているからだろうか…!!!!いや…分かっている!正直似合ってないことは分かってるんだ!!
けど女装メイドカフェに決まった時メイドさん候補に推薦されてしまってはやるしかない…!だってせっかく選んでもらったんだもの!!!!
そんなこんなで中庭を歩いていると突然肩を掴まれた。
「可愛いね~」
うわ…あのクズといい勝負するぐらいチャラそうだ。
まぁ顔で言うとあいつの方がいいがな。
そう思いながら笑顔で言う。
「ありがとうございます!」
「お、男!?」
声野太いからな…。
「はい!是非女装カフェ来てください」
てか可愛いと思われたんだ…良かった~!!
「なんだ…男かよ…。せっかく可愛いからイケると思ったのになぁ…」
イケる?何言ってんだこいつ。
「是非2年4組でやってますので!来て下さい!」
そう言いながら友達に言われた通りにメッセージを見せる。
「お好きなポーズで写真も撮れますので!」
そう言うとチャラ男はうざそうに俺に言う。
「男と撮って何かいい事あるわけ?」
がーーーーーん!
俺はがっくりと肩を落とす。
「そ、そうっすよね…」
ハハッと乾いた笑いを浮かべた後俺は静かに近くのベンチに座った。
「…男と撮っていい事ある?か…たしかに…」
俺もアイドルとかならまだしも一般人の男と撮りたいとは思わない。しかもそんなに可愛くねぇし。
あのチャラ男落ち込ませてくるけど気持ちは分からなくもない。ただやっぱりちょっと悲しい。
「けどみんなに言われてるしなぁ~」
我ながらちょろいと思う。けどクラスの奴らはすげぇ褒めてくれたし。
…そういえば…『喋ると可愛くねぇから客いないんじゃね?』
てことは喋らなきゃ俺客釣れる???
メイドさんになれるのか!?!
俺はやる気をまた出してベンチから立ち上がる。
「よし…!」
俺がまた足を動き始めるとまた肩を掴まれる。
けど今回は優しかった。
さっきとは違うな!!そう思いながら振り返ると、俺はフリーズした。
なぜなら目の前に立っている無駄に良い顔をした男がいたからだ。
いや…どういうこと!?!なんでこんな顔が…!?いや…無駄というかいや無駄すぎる!俺にもその顔面を少し分けてくれ!!羨ましい!!モテそうな顔をしてるそいつは顔を赤くしながら俺に話しかけてくる。
「あ、あの…君を好きになってしまって…」
は???どういうこと?
「一目惚れって奴だと思うんだけど…その…」
え…?俺に惚れた??一目惚れ?ん?
無駄に良い面男は俺の持っていた看板に目を向けた。
その瞬間かっけぇ目が見開く。
「えっ…女装カフェ?てことは男の子ってこと?」
俺は黙って頷く。
「お、女の子だと思った…」
俺は心の中でガッツポーズをした。
そう張り切ってたのだ。俺は。
この日の為に母さんのなんかお肌綺麗にするやつを塗ったり顔洗ったり。とにかく俺的には頑張ったんだ。
だから正直めっちゃ!くっちゃ!嬉しい!
「あり…」
俺は喋りそうになって口を手で塞ぐ。
「あり?」
俺は首を横に振る。
教室に着いてなんか頼んでくれたらもう喋れるんだけどなぁ…。
もし本当に俺のせいで全然客が入ってないんだったとしたら申し訳なさすぎる。
「…あの、お好きなポーズで写真って…、教室に行ったら撮れるのかな?」
少し恥ずかしそうにニコッと笑うこのイケメンはなんだ?俺男だけどいいの!?さっきみたいに言われると思ったんだけど…!
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俺は黙ったまま激しく頷いた。
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