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16 事件
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厨房についた時、近くにいたメイドが振り返って、声をかけた。
「リジー、ちょっとこっち来てー」
「え?今ですか?」
「うん。ちょっと急用でさ。」
「え。。でも今。。。」
お嬢様を置いていくのはちょっと。。という感じで目を向ける。
私は大丈夫!というようにニコッと微笑んだ。
「じゃあ、すぐに戻ってきますからね!」
と告げ、二人はあっという間に去っていった。
さて、どうするかなー。。。
と壁にもたれ掛かって空を見上げる。
鳥が飛んでいてとても青い空。。
そして、鳥が視界から消え、風が吹き木が揺れ音がなり、雲が動く。
かれこれ、10分ぐらい見上げたけど、暇になってきた。
「どうしようかなー。。。。ん?あれはリジーじゃ?」
横をみると僅かに木の隙間から見えたのは数人の侍女とミジー。
どうしたんだろう?
さっきの侍女じゃないし、なんかリジーの様子がおかしいようなー。。。
暇だし、ついていこ。
こっそり物影に身を隠しながらついていった。
〝どこに行くのだろう。。。〝
と考えながら角を曲がろうとしたが、侍女とリジー達が止まっていたので、足に急ブレーキをかけて慌てて壁に身を隠す。
そっと、壁から顔を覗かす。
3人いた侍女のうち一人が前に出て、リジーに近づく。
「あの。。。こんな所で何の用ですか。。?」
その問いかけにイラッとしたのか、チッと舌打ちをして、いきなりドン!とリジーを押す。
「っ!」
壁にぶつかり、腕を強打して、痛そうに事の犯人を見る。
「生意気なんだよ!!急に来たくせに偉そうに!!」
「ベラはね、長年勤めているのに雑用ばっかりなのよ?!」
「いくら奥様の専属メイドに任命されただけで、たかが新人じゃない!!そのくせ、偉そうに命令ばっかりして!」
ん?奥様。。?
私のこと?
そんな風に呼ばれてたんだ。。。
まだ、婚約者なんだけどね、偽のね!偽の!
あ。。罪悪感が心に。。。!
「だって、あの時は。。。本当に大変で、それでお願いしたんです。。」
「はぁ??!大変だぁ?たかが女の世話するだけでしょ?」
「なっ!お嬢様のことを女だなんて、言わないでください!ここでは主なんですよ?!」
「女は女でしょ?ただニコニコして機嫌をとるだけで良いなんて、なんて楽な仕事なのかしら?機嫌を直してもらっただけで、わざわざ家から連れてくるなんて奥様も奥様でバカよね~」
もぉー!あったまきた!
リジーがなんでそんなこと言われないといけないわけ?!
「ベラさん!これ以上お嬢様を侮辱しないでください!だいだいそんなこと言うから色んな人から嫌われるんじゃないですか?
天パのせいだって思っているかも知れませんが、性格のせいだと思います!」
リジーははっきり言って、堂々と胸を張っているけど、ベラは顔を真っ赤にして怒り狂っている。
笑いそうになったのをこらえたけど、周りの侍女はベラのクルクル髪を見て、吹き出す。
「プッ!」
「ナナっ!お前まで!!」
「ご、ごめん。でも。。。アハハハッ。。」
「よくも!」
とナナと呼ばれた取り巻きの侍女に笑われた怒りをリジーにぶつけようと、手を大きく上げる。
あっ!これはヤバい!
すぐさま飛び出しす。
そして、ベラの手がリジーに当たる前に止めようとエディトリスは治ったばかりの右手をおもいっきり突きだした。
そして、バチーン!!
ベラの手は綺麗にエディトリスの手平で止められ、ハイタッチのようになり、綺麗な音がなった。
手を掴もうと思ったら、ハイタッチみたいになっちゃった。。。。!
「え?!お嬢様?!なんでここに?」
「リジー、大丈夫?」
突然の登場にリジーはもちろん、周りの侍女たちも驚いた。
そして、目の前にいる奥様(エディトリス)が自分たちの方を向くと侍女たちはビクゥッ!としたように、青ざめた。
「お、奥様?!?えっと、これはその。。。違う。。。」
「私の大切な侍女を叩こうとして何が違うの?」
「それは。。その。。。。」
不味いと思い、必死に言い訳を考えるが出てこない。
それはそうだ、目撃されてしまっているのだから。
そして、エディトリスは静かに言う。
「真ん中の髪の毛クルクルのあなたがベラね。住んでいる場所は南番地8番。妹、弟と母の四人暮らし。」
「え?!なんでそれを!?」
「右のポニーテールはナナ。病気の両親を支えるために住み込みで働いている。」
「うっ。。」
「最後にショートボブであまり表情を変えないあなたはリナ。スラム街出身でウィン・シュークルートに拾われここで働いている。合ってるかしら?」
「・・・・・何で100人近くいる使用人のうち私たちの情報を知ってるの?」
そりゃあ、ここに来たとき全て覚えろって言われたからねー。。。
あれは大変だったよー。。
覚えてて良かったー!
ここで、全てを聞いて、もうダメだ。もう手遅れなら。と思ったのかベラが逆ギレして叫ぶ。
「ただの嫉妬よ!どうせ、愛されてない婚約者でも、そいつみたいに近づけるチャンスがあったらいいなと思っただけ!
いくら愛のない婚約者の使用人ごときが、気に入られて特別扱いされて上から見下してムカつくのよ!」
下を向いて、黙って聞いていたがもう我慢の限界でキッ!と顔を上げベラを見る。
「だからって、私は許さない。」
その気迫に少しおののくベラだが、言い返す。
「あんたも、本当に愛されていると思う?
勉強も真面目に学べないような貴族令嬢なんか必要ないんじゃない?どうせ、必要なくなったら─────」
と言いかけたところで頬に痛みが走り、言葉を止める。
そして、パチン!と音が鳴ったことに気づいた。
前を見るキッ!とこちらを見るエディトリス。
その気迫に、寒気が走り走りベラは急いでその場を離れた。
そして、後ろから残りの二人もついてくる。
姿が見えなくなったあと、エディトリスはヘナヘナと地面に座り込んでしまった。
「お嬢様!大丈夫ですか?!すみません、
私のせいで。」
「いや、リジーのせいじゃないよ。」
「おい。何やっている?!」
後ろから息を切らしながら来たのはローズバルト侯爵だった。
「リジー、ちょっとこっち来てー」
「え?今ですか?」
「うん。ちょっと急用でさ。」
「え。。でも今。。。」
お嬢様を置いていくのはちょっと。。という感じで目を向ける。
私は大丈夫!というようにニコッと微笑んだ。
「じゃあ、すぐに戻ってきますからね!」
と告げ、二人はあっという間に去っていった。
さて、どうするかなー。。。
と壁にもたれ掛かって空を見上げる。
鳥が飛んでいてとても青い空。。
そして、鳥が視界から消え、風が吹き木が揺れ音がなり、雲が動く。
かれこれ、10分ぐらい見上げたけど、暇になってきた。
「どうしようかなー。。。。ん?あれはリジーじゃ?」
横をみると僅かに木の隙間から見えたのは数人の侍女とミジー。
どうしたんだろう?
さっきの侍女じゃないし、なんかリジーの様子がおかしいようなー。。。
暇だし、ついていこ。
こっそり物影に身を隠しながらついていった。
〝どこに行くのだろう。。。〝
と考えながら角を曲がろうとしたが、侍女とリジー達が止まっていたので、足に急ブレーキをかけて慌てて壁に身を隠す。
そっと、壁から顔を覗かす。
3人いた侍女のうち一人が前に出て、リジーに近づく。
「あの。。。こんな所で何の用ですか。。?」
その問いかけにイラッとしたのか、チッと舌打ちをして、いきなりドン!とリジーを押す。
「っ!」
壁にぶつかり、腕を強打して、痛そうに事の犯人を見る。
「生意気なんだよ!!急に来たくせに偉そうに!!」
「ベラはね、長年勤めているのに雑用ばっかりなのよ?!」
「いくら奥様の専属メイドに任命されただけで、たかが新人じゃない!!そのくせ、偉そうに命令ばっかりして!」
ん?奥様。。?
私のこと?
そんな風に呼ばれてたんだ。。。
まだ、婚約者なんだけどね、偽のね!偽の!
あ。。罪悪感が心に。。。!
「だって、あの時は。。。本当に大変で、それでお願いしたんです。。」
「はぁ??!大変だぁ?たかが女の世話するだけでしょ?」
「なっ!お嬢様のことを女だなんて、言わないでください!ここでは主なんですよ?!」
「女は女でしょ?ただニコニコして機嫌をとるだけで良いなんて、なんて楽な仕事なのかしら?機嫌を直してもらっただけで、わざわざ家から連れてくるなんて奥様も奥様でバカよね~」
もぉー!あったまきた!
リジーがなんでそんなこと言われないといけないわけ?!
「ベラさん!これ以上お嬢様を侮辱しないでください!だいだいそんなこと言うから色んな人から嫌われるんじゃないですか?
天パのせいだって思っているかも知れませんが、性格のせいだと思います!」
リジーははっきり言って、堂々と胸を張っているけど、ベラは顔を真っ赤にして怒り狂っている。
笑いそうになったのをこらえたけど、周りの侍女はベラのクルクル髪を見て、吹き出す。
「プッ!」
「ナナっ!お前まで!!」
「ご、ごめん。でも。。。アハハハッ。。」
「よくも!」
とナナと呼ばれた取り巻きの侍女に笑われた怒りをリジーにぶつけようと、手を大きく上げる。
あっ!これはヤバい!
すぐさま飛び出しす。
そして、ベラの手がリジーに当たる前に止めようとエディトリスは治ったばかりの右手をおもいっきり突きだした。
そして、バチーン!!
ベラの手は綺麗にエディトリスの手平で止められ、ハイタッチのようになり、綺麗な音がなった。
手を掴もうと思ったら、ハイタッチみたいになっちゃった。。。。!
「え?!お嬢様?!なんでここに?」
「リジー、大丈夫?」
突然の登場にリジーはもちろん、周りの侍女たちも驚いた。
そして、目の前にいる奥様(エディトリス)が自分たちの方を向くと侍女たちはビクゥッ!としたように、青ざめた。
「お、奥様?!?えっと、これはその。。。違う。。。」
「私の大切な侍女を叩こうとして何が違うの?」
「それは。。その。。。。」
不味いと思い、必死に言い訳を考えるが出てこない。
それはそうだ、目撃されてしまっているのだから。
そして、エディトリスは静かに言う。
「真ん中の髪の毛クルクルのあなたがベラね。住んでいる場所は南番地8番。妹、弟と母の四人暮らし。」
「え?!なんでそれを!?」
「右のポニーテールはナナ。病気の両親を支えるために住み込みで働いている。」
「うっ。。」
「最後にショートボブであまり表情を変えないあなたはリナ。スラム街出身でウィン・シュークルートに拾われここで働いている。合ってるかしら?」
「・・・・・何で100人近くいる使用人のうち私たちの情報を知ってるの?」
そりゃあ、ここに来たとき全て覚えろって言われたからねー。。。
あれは大変だったよー。。
覚えてて良かったー!
ここで、全てを聞いて、もうダメだ。もう手遅れなら。と思ったのかベラが逆ギレして叫ぶ。
「ただの嫉妬よ!どうせ、愛されてない婚約者でも、そいつみたいに近づけるチャンスがあったらいいなと思っただけ!
いくら愛のない婚約者の使用人ごときが、気に入られて特別扱いされて上から見下してムカつくのよ!」
下を向いて、黙って聞いていたがもう我慢の限界でキッ!と顔を上げベラを見る。
「だからって、私は許さない。」
その気迫に少しおののくベラだが、言い返す。
「あんたも、本当に愛されていると思う?
勉強も真面目に学べないような貴族令嬢なんか必要ないんじゃない?どうせ、必要なくなったら─────」
と言いかけたところで頬に痛みが走り、言葉を止める。
そして、パチン!と音が鳴ったことに気づいた。
前を見るキッ!とこちらを見るエディトリス。
その気迫に、寒気が走り走りベラは急いでその場を離れた。
そして、後ろから残りの二人もついてくる。
姿が見えなくなったあと、エディトリスはヘナヘナと地面に座り込んでしまった。
「お嬢様!大丈夫ですか?!すみません、
私のせいで。」
「いや、リジーのせいじゃないよ。」
「おい。何やっている?!」
後ろから息を切らしながら来たのはローズバルト侯爵だった。
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