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10 また、起きたら侯爵!?
しおりを挟む豪華なシャンデリア。
黒をベースにした金で装飾された壁。
見たことあるような天井。。。
「また、ローズバルト侯爵邸に来てしまった。。。。」
フカフカのベッドから起き上がろうとしたが、腕の痛みにうずくまる。
そして痛みでこうなる出来事を思い出した。
「そっか。。私、剣がささって。。。」
腕に包帯が巻かれているのを見ると、侯爵様が治療してくれたのだろう。
で、これは人を呼ぶのが正解???
ここで寝たふりして人が来たのを見計らって「ここはどこ?」って言う?
いや。でもわざわざ廊下に出て「元気です~」って言う?嫌だ!!!!
どっちにしろ嫌だぁ!!
「・・・・よし、逃げよう。」
窓を開けて、目の前にのびている綺麗に整えられた木をみた。
2階からでも、木をつかって降りたら怪我しないよね。
そっと、窓から身を乗り出し手を伸ばす。
「あと、もうちょっと。。。。!!」
ってとこでガチャっと扉が開いた。
「患者様?!!?」
入ってきたのは医師と侯爵だった。
その声に驚いて、エディトリスは手を滑らせ、頭から落ちた。
「キャァァ!!!。。。。。あれ?痛くない。。。?」
「バカっ!なにやっているんだ!!病み上がりだぞ!」
「え!侯爵様!?」
完全に宙に浮いているエディトリスをギリギリの所で、侯爵は窓から身を乗り出し怪我してないほうの腕をつかんでいた。
そして呆れた顔でエディトリスに質問する。
「何をしていた。」
「えっとー。。。これは。。。日頃からのトレーニングです!!」
「じゃあ、邪魔しては悪い。手を離すぞ。」
「あわわわ!や、やっぱり!事故です!事故!離さないで下さい!」
はぁ。どうなったらこうなるんだ。
と小さく呟き、エディトリスを引き上げる。
「看病までありがとうございました。私はこれで失礼します。」
「待て。腕はちゃんと上がるのか?」
「ん?腕?え?!?!腕が動かない?!」
「ほら見ろ。落ちたのもそれが原因だ。」
「はい。
お嬢様の腕にはピノアという毒が塗られていまして、侯爵様の治療がなければ最悪死にいたっていたかもしれません。
しばらくは、腕が不自由だと思いますが、安静にしてたら治ります。」
「だ、そうだ。お前は下がれ。」
「はい。わたくしはこれで失礼します。また、何かありましたら、このカイルをお呼びください。」
説明が終わった途端に、侯爵様はお年寄りの医師を帰らせた。
そして、侯爵とエディトリスは二人きりになる。
ピノアって、ルネーネでしか採れないっていう猛毒の植物?
この国、アルカナは大きな国で海にも面している裕福な国。
そして同じく海に面している隣国が軍事国ルカーナ。
ルカーナから見て北、そしてアルカナにも面している大草原が広がる国がルネーネなのだ。
「ここで一つ提案だ。ここにしばらく住め。ここなら警備も万全で医者もいる。薄い警備の家よりかはましだろ。」
今、フロントリア家侮辱しましたよね?
本当のことだけど、英雄貴族と崖っぷち貴族を比べないでくださらない?
「いや、大丈夫です!これ以上お世話になるわけには。。。。」
「いつ、あいつらが来るか分からない。殺されてもしらんぞ。」
侯爵様は本当はすっごく優しくて正義感が強い。でも言い方がきついんだよね。。。
だけどここまで侯爵様が気にしてくれるっておかしい。。。
なんでかな?
死ぬのは嫌だしなー。。。条件のむしかないかー。。。
「分かりました。しばらくの間お世話になります。」
「あと、怪しまれないようにこれしとけ。」
と侯爵様がだるそうに投げたのは。。。
「・・・・・?!?!!?」
ゆびわ。。
指輪。??!?!!?
困惑してるエディトリスに侯爵は上から目線で、言った。
「一応、婚約しているということにしてたら、ここに住んでもおかしくないだろ。」
「え!でも!」
「俺だって好みはある。これ以外選択肢はない。」
呆れ半分イラつき半分で、「好みはある。」って=好みじゃない。我慢している。
ということ。
はぁー。。。。なんでこうなったの。。
別に婚約指輪投げられるようなことが起きることは望んでないのに!!
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