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7 お祭り
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窓から、朝日が差し込み。鳥がチュンチュンとさえずる。
とてもいい天気だけど、昨日手がかりがないか調べたせいで眠い。
目の下には薄くうまができている。
「おはようございます!今日は絶好の祭り日和ですね。」
ん?祭り?
あ!今日から2日間中心部で大きいお祭りがあるだった!
色々な国と取り引きしてる商会が沢山屋台を開いているので珍しいアクセサリーはもちろん見たことのない果物や雑貨などが売っている。
前は私が侯爵様に感動して騒いでたせいで風邪引いて行けなかったけ。。。
でも、今はピンピンっしてる!
「リジー、一緒にお祭り行こ!」
と窓を開けようとしたリジーに声をかけた。
パァァァァと愛らしい笑顔を見せた。
「やった!ありがとうございますお嬢様!!私、楽しみで楽しみで!おしゃれして行きましょう!」
「待って!そこまでしなくていいってば!フリフリドレスなんて絶対着ないからね!?」
必死におしゃれさせようとするリジーを私は逃げ回る。
何十分もの格闘の末、何とか説得してフリフリドレスは免れた。
適当に支度を済ませ、ルークに書類を渡して、商店街に向かう。
その間、リジーはキャーキャーと騒いでいた。
「お嬢様!あれ見てください!子供たちが可愛い❤️」「お嬢様!あそこにあるの初めて見ました!」「お嬢様!パレードがあるみたいですよ!」
目をキラキラさせてはしゃぐ姿はまるで、初めてお出かけした子供のようだった。
確かに。。リジーがはしゃぐのも無理ないかも。。。
大にぎわいで人で混雑している道脇には色とりどりの屋台。
見たことない他国の品物。
はしゃぐ小さな子供。
仮装をして華やかなダンスを踊っているパレード。
見上げると建物と建物の間にも旗みたいな飾り付け。
私もワクワクして心が踊るけど、楽しんでいいのだろうか。
だって、一年後の今頃は私はいないかもしれない。
いや、阻止したいけど、昨日だって手がかりはつかめなかった。
今からもうシェリーの陰謀は始まっている?
「お嬢様!口開けてください!」
とリジーの声にとっさに開ける。
口の中で甘い味がフワァァと広がる。
「。。。おいしい!」
「せっかくのお祭りなんですから、悩み事を考えずに楽しみましょうよ!」
リジーのニコッとした笑顔にホッとした。
「そうだね。あっちの方行ってみようか。」
私はリジーと一段と賑わっている所に行こうとしたとき、すれ違いの人がリジーにぶつかった。
「あ、すみません。」
とリジーは謝ったが相手は謝りもせず、走り去った。
「何あれ、感じ悪。え。。。?カバンがない。」
「まさか、さっきのスリ?!リジーはここで待ってて!!」
路地裏に逃げた男を追って、エディトリスも走って追いかけた。
速い!
私の足じゃ追い付かない!それに、路地裏は狭く走りにくい。
行き止まりまできて塀を登ろうとした男はなぜか急に転んだ。
「え?!?!」
驚いているエディトリスの前に、スリの男。
そして横には痩せている少年が!
「おじさん、スリは良くないよ。
あと、逃げるんだったら足元見なよ。こんなガキが足引っ掻けるんだからさ。」
と誇らしげにニッと笑う。「チッ」と舌打ちをして男は逃げていった。
「ほい。カバン。」
「あ、ありがとう。えっとー。。。。」
「俺はブレッド。」
「えっとー。。。君1人?」
「あぁ。母親は1ヶ月前に死んだよ。」
ボロボロの服と靴。この話は事実だろう。
どこか寂しそうに話す彼に心が痛んだ。
こんな10ぐらいの子供が。。。。
「はい。これ、少ないけど。」
エディトリスは銀貨を数枚ブレッドの手の上に乗せた。
「こんなのもらえないよ。大したことしてないし。。。」
「いや。いいよ。大丈夫だか。。。」
「エディトリス・フロントリア。何が大丈夫なんだ?」
「ぎゃぁぁ!?え!??こ、侯爵様?!?!なんでここに?!?!」
「お前バカか。ここはスラム街だぞ。こんな所で渡したらガキが目つけられるに決まってる」
フードを深くかぶって顔ははっきり見えなかったけど口調と身長からして侯爵様だろう。
なんでこんな所に。。?
困惑している私をよそにズカズカとブレッドに近づく。
予想外の相手に私とブレッドは身構える。
が、懐から出した袋をブレッドに渡しそれを見たブレッドは固まった。
エディトリスも覗きこむ。
「は!?金貨ぁぁぁ?!」
こんな大量の金貨初めて見た!
袋の中は金に輝いたものがチャリチャリと音がなり、パンパンに入っているためズッシリと重たそう。
さすが、大富豪貴族、ローズバルト侯爵様。。
金銭感覚ヤバい。。。
とてもいい天気だけど、昨日手がかりがないか調べたせいで眠い。
目の下には薄くうまができている。
「おはようございます!今日は絶好の祭り日和ですね。」
ん?祭り?
あ!今日から2日間中心部で大きいお祭りがあるだった!
色々な国と取り引きしてる商会が沢山屋台を開いているので珍しいアクセサリーはもちろん見たことのない果物や雑貨などが売っている。
前は私が侯爵様に感動して騒いでたせいで風邪引いて行けなかったけ。。。
でも、今はピンピンっしてる!
「リジー、一緒にお祭り行こ!」
と窓を開けようとしたリジーに声をかけた。
パァァァァと愛らしい笑顔を見せた。
「やった!ありがとうございますお嬢様!!私、楽しみで楽しみで!おしゃれして行きましょう!」
「待って!そこまでしなくていいってば!フリフリドレスなんて絶対着ないからね!?」
必死におしゃれさせようとするリジーを私は逃げ回る。
何十分もの格闘の末、何とか説得してフリフリドレスは免れた。
適当に支度を済ませ、ルークに書類を渡して、商店街に向かう。
その間、リジーはキャーキャーと騒いでいた。
「お嬢様!あれ見てください!子供たちが可愛い❤️」「お嬢様!あそこにあるの初めて見ました!」「お嬢様!パレードがあるみたいですよ!」
目をキラキラさせてはしゃぐ姿はまるで、初めてお出かけした子供のようだった。
確かに。。リジーがはしゃぐのも無理ないかも。。。
大にぎわいで人で混雑している道脇には色とりどりの屋台。
見たことない他国の品物。
はしゃぐ小さな子供。
仮装をして華やかなダンスを踊っているパレード。
見上げると建物と建物の間にも旗みたいな飾り付け。
私もワクワクして心が踊るけど、楽しんでいいのだろうか。
だって、一年後の今頃は私はいないかもしれない。
いや、阻止したいけど、昨日だって手がかりはつかめなかった。
今からもうシェリーの陰謀は始まっている?
「お嬢様!口開けてください!」
とリジーの声にとっさに開ける。
口の中で甘い味がフワァァと広がる。
「。。。おいしい!」
「せっかくのお祭りなんですから、悩み事を考えずに楽しみましょうよ!」
リジーのニコッとした笑顔にホッとした。
「そうだね。あっちの方行ってみようか。」
私はリジーと一段と賑わっている所に行こうとしたとき、すれ違いの人がリジーにぶつかった。
「あ、すみません。」
とリジーは謝ったが相手は謝りもせず、走り去った。
「何あれ、感じ悪。え。。。?カバンがない。」
「まさか、さっきのスリ?!リジーはここで待ってて!!」
路地裏に逃げた男を追って、エディトリスも走って追いかけた。
速い!
私の足じゃ追い付かない!それに、路地裏は狭く走りにくい。
行き止まりまできて塀を登ろうとした男はなぜか急に転んだ。
「え?!?!」
驚いているエディトリスの前に、スリの男。
そして横には痩せている少年が!
「おじさん、スリは良くないよ。
あと、逃げるんだったら足元見なよ。こんなガキが足引っ掻けるんだからさ。」
と誇らしげにニッと笑う。「チッ」と舌打ちをして男は逃げていった。
「ほい。カバン。」
「あ、ありがとう。えっとー。。。。」
「俺はブレッド。」
「えっとー。。。君1人?」
「あぁ。母親は1ヶ月前に死んだよ。」
ボロボロの服と靴。この話は事実だろう。
どこか寂しそうに話す彼に心が痛んだ。
こんな10ぐらいの子供が。。。。
「はい。これ、少ないけど。」
エディトリスは銀貨を数枚ブレッドの手の上に乗せた。
「こんなのもらえないよ。大したことしてないし。。。」
「いや。いいよ。大丈夫だか。。。」
「エディトリス・フロントリア。何が大丈夫なんだ?」
「ぎゃぁぁ!?え!??こ、侯爵様?!?!なんでここに?!?!」
「お前バカか。ここはスラム街だぞ。こんな所で渡したらガキが目つけられるに決まってる」
フードを深くかぶって顔ははっきり見えなかったけど口調と身長からして侯爵様だろう。
なんでこんな所に。。?
困惑している私をよそにズカズカとブレッドに近づく。
予想外の相手に私とブレッドは身構える。
が、懐から出した袋をブレッドに渡しそれを見たブレッドは固まった。
エディトリスも覗きこむ。
「は!?金貨ぁぁぁ?!」
こんな大量の金貨初めて見た!
袋の中は金に輝いたものがチャリチャリと音がなり、パンパンに入っているためズッシリと重たそう。
さすが、大富豪貴族、ローズバルト侯爵様。。
金銭感覚ヤバい。。。
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