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第65話 カヲス⑥ 奴隷解放騎士カシウス
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読みに来てくださりありがとうございます。このところ、長らくお待たせしています事、深くお詫び申し上げます。私事でありますが執筆への心構え充填に時間を使わせていただきました。二週間に一回までを目標に執筆速度を回復したいとと存じます。応援のほどよろしくお願いします。
「馬鹿ナ! アリ得ナイ! ソレニ存在セヌ魔法ヲ使ウナド! ドンナ奇術ヲ使ッタ! 私ハ騙サレナイゾ!」
「えー……」
アイルスが反応した後大剣使いが何事かを呟く。
「限界点極限規定……」
地面を穿った大剣を、勇者の片手剣で抑えられた大剣使いが呪文めいたことを口にした。
「ナンナノデス? 貴方トノ力量差ハ既ニ明確ナハズデス。コノ後ニ及ンデ、ナニカ出来ルトデモ?」
「アップデート!!」
片手剣で抑えられた両刃の大剣を、片手剣を叩き折らん勢いで大剣使いが振り上げた。
ブチブチブチッ!
大剣使いは、体内で響く筋繊維が引きちぎられる音を聞いた。瞬時に両腕から痛みが訴えられ、意識が遠のくところを気合いで踏ん張った。
「ナニッ! 貴様ノ実力ハ確カニ見切ッタ筈! 何故今更ソノ様ナ事ガ出来ルノダ!?」
「見くびって貰っては困るな。今ならまだ許してやるから弟殺しをやめろ!」
「ソノ両腕、限界ヲ超エテ使用シタノデスネ。何故マダ大剣ヲ持ッテ居ラレルノデスカ!?」
言っている間に両腕をまた星眼に構える大剣使い。その姿は満身創痍ではなく、力に漲っていた。
「馬鹿ナ!?」
「どうした、女神の使いとやら、余裕が表情から消えたぞ? まるで人の様な反応だな」
「何故、ソノ腕ハ回復シテイル!」
その問いに紅毛碧眼の武骨な大剣使いは大剣を演舞の如く振り回し、地面に垂直に突き立てた。
「我はカシウス、奴隷解放騎士!」
「騎士? 騎士ダト? 仕エル君主モナク、不成者ノ様ナ者ヲ最近ハ騎士ト呼ブノカ?」
「信者にも成り得る者を、見下し愚弄する者を最近は天使と呼ぶのか?」
「言ワセテオケバ! 輝ける剣!」
ジルドの剣の周りに光の粒子が舞集まり、輝きを纏う。
そして、辺りを真昼の如く照らす程の眩しさを増す。
「ぬっ!?」
突然の事に左腕で眼を庇い、光に対処するカシウス。全員が眼を瞑っている中、カシウスに斬りかかるジル兄。
「神ノ御使デアル我ヲ愚弄スル者ヨ! 神ノ加護タル光ノ剣ニテ慈悲ヲ受ケルガ良イ!」
「嫌だね!」
天使に支配されたジルドの眼は、左腕のすぐ下に見えるカシウスの口の端が吊り上がって行くのをとらえる。気付けば、斬りつけた剣を既の所で突き立てた大剣を少ない動作で傾け眩い刃を受け止められていた。
「馬鹿ナ!」
「ガイアの加護を受けし騎士となった我、カシウスがこの場を預かる! さもなくば我が剣を越えて行け」
「言ワレナクトモ! 見窄ラシイ剣士風情ガ!」
眩い剣のために、ジルドもカシウスも目を硬く閉じて打ち合っていた。周りも尋常でない眩しさに目を覆ってまで瞑り剣戟が止むのを待つ他なかった。
キィイインッギャリリッブオッガキッジャリリッ
刃の上を打ち鳴らして滑る音から鍔迫り合い、大剣でそれを振り払い、斬りつけてきたのを鍔で受け止め踏ん張り、小石が地面を擦る音が短い間に、立て続けに響く。この眩しい光の中で大立ち回りを繰り返す二人の音を固唾を飲んで一人を除いて全員が鳴り止むのを待った。
◆
袈裟斬りの剣をカシウスに繰り出すと、大剣でギリギリ受けられた。カシウスは剣を掻い潜り、左肩から当身を胸当てに食らわせそのまま向かって来た。信じられない重い衝撃にジルドは後方へ吹き飛ばされると同時に、肺から空気が強制的に吐き出させられる。
もんどり打ってから、息を止めて体制立て直し、片膝立ちの姿勢で勢いを殺しながら剣をカシウスに向けた。その切先をガントレットで、まるで剣の腹を沿わせるかの如く逸らし、肉薄するカシウス。
ジルドを操る天使キュケロスは焦った。息を乱され、牽制した剣も見切られ、操り人形の上に輝ける剣まで行使して居ては、ジルドの身を護れるほど余力を残していない。
天使キュケロスは知らなかったのだ。ジルドレッドが勇者と呼ばれる域に実は達しておらず、サーヴァントの力を借りてその能力を引き上げる剣技はおろか、体術や戦闘向けのスキル記憶さえ外部記憶だった自身に納められていたなど。
それら十全に発揮する為の修行の時間もなく、神殿に駆けつけ自身が生まれることにより、まさか能力の弱体化上書きを起していようなど夢にも思わなかった。
ドスッ……ドサッ
空気の抜け切った肺に大剣の柄頭がトドメと鳩尾に入る鈍い音がした。この時意地で背後に下がったのがいけなかった。
◆
いきなり、鳩尾に鈍い痛みが走り強制的に意識を引き戻された。母さんをはじめ、家族の声がおれに目覚めてと訴えかけられてた。起きてるのに夢を見て居て何度も夢の中で起きる夢を見て居たような、何かやらなきゃいけないことがあったのにそれを忘れて寝てしまって居た……そんな中、強制的に叩き起こされた気分だった。
「カハッ! スハァーッ! スハァーッ!」
仰向けに倒れて兎に角、空気を求めて口が大きく開く。
『なんだ!? 何があった!? そう言えば、偽アイルスから貰った人形の効力がない!? はっ! そうだ! 思い出して来たぞ? 女神に会いに行ったら勇者になって……あ! アイツ! 天使キュケロスにされたのか! アヤカ……そうか、こっちに来てたんだな。いきなり説教しやがって、アイルスを手にかけるとこだったのか……女神の祝福の強制力ってとこか? 状況は最悪だな。天使の癖に勇者を貶めるとかどんだけだよ。許してもらえるか? 勇者続けるの、コレ無理ゲー過ぎる……』
『ムーアウ モ シャンランデジャン モ解ケテシマッタカ! ヨモヤ形勢逆転ヲ強イルトハ、勇者! チッ! シンネン・ピンイン! 勇者ジルドレッド! ココハ一旦引イテ、ルミナス達ト合流スルノデス!』
『いや、ちゃんと状況見てからモノを言おうよ天使。明らかに非人道的なのは今のオレらじゃん?』
『勇者!?』
大剣の切先が天を向き、大上段の構えをとった姿勢で待つカシウスが問いかけてくる。
「どうした? もう降参か? 女神の天使とやら」
◆
その様子をアイルスは見ていた。
正確には新しく構築した即席魔法の電磁シールドで光を吸収しながら、エーテルの流れを見ていた。
そのエーテルを解析し、ジル兄を拘束し続ける女神の神聖術式を観察して、神聖術に一つの負荷をかけた。すると、神聖術式はそれに反応し、エーテルの消費量を加速させていた。その消費量を三倍に調整していたのだ。
そうして、それは唐突に訪れる。
ドスッ……ドサッ
鳩尾にカシウスの大剣の柄頭が入ったが浅い、あれでは意識を刈りとれない。天使の信仰力が尽きた。ジルド兄が解放される。目論見通り奴は裸同然だろう。
「カハッ! スハァーッ! スハァーッ!」
仰向けになって空気を貪り吸う、ジル兄を睨み据え、大上段に構えるカシウス。ジル兄の剣から放ち続けられてた眩い光が急速に弱まる。
『よし、スキャン開始。スキャン後解体』
『了解』
「どうした? もう降参か? 女神の天使とやら」
「降参だ! いや、天使じゃないし、勇者は辞める事にした。アヤカ、スマンかった」
「「「「!?」」」」
「タカシ!」
剣を手放し、両手を上げてカシウスに宣言してから、アヤカに顔を向け謝罪をした。その宣言に誰もが耳を疑った。目を瞑っていた者も気付き、その場にいる全員がジルドレッドに注目した。
____
いつもお読みいただきありがとうございます。
「馬鹿ナ! アリ得ナイ! ソレニ存在セヌ魔法ヲ使ウナド! ドンナ奇術ヲ使ッタ! 私ハ騙サレナイゾ!」
「えー……」
アイルスが反応した後大剣使いが何事かを呟く。
「限界点極限規定……」
地面を穿った大剣を、勇者の片手剣で抑えられた大剣使いが呪文めいたことを口にした。
「ナンナノデス? 貴方トノ力量差ハ既ニ明確ナハズデス。コノ後ニ及ンデ、ナニカ出来ルトデモ?」
「アップデート!!」
片手剣で抑えられた両刃の大剣を、片手剣を叩き折らん勢いで大剣使いが振り上げた。
ブチブチブチッ!
大剣使いは、体内で響く筋繊維が引きちぎられる音を聞いた。瞬時に両腕から痛みが訴えられ、意識が遠のくところを気合いで踏ん張った。
「ナニッ! 貴様ノ実力ハ確カニ見切ッタ筈! 何故今更ソノ様ナ事ガ出来ルノダ!?」
「見くびって貰っては困るな。今ならまだ許してやるから弟殺しをやめろ!」
「ソノ両腕、限界ヲ超エテ使用シタノデスネ。何故マダ大剣ヲ持ッテ居ラレルノデスカ!?」
言っている間に両腕をまた星眼に構える大剣使い。その姿は満身創痍ではなく、力に漲っていた。
「馬鹿ナ!?」
「どうした、女神の使いとやら、余裕が表情から消えたぞ? まるで人の様な反応だな」
「何故、ソノ腕ハ回復シテイル!」
その問いに紅毛碧眼の武骨な大剣使いは大剣を演舞の如く振り回し、地面に垂直に突き立てた。
「我はカシウス、奴隷解放騎士!」
「騎士? 騎士ダト? 仕エル君主モナク、不成者ノ様ナ者ヲ最近ハ騎士ト呼ブノカ?」
「信者にも成り得る者を、見下し愚弄する者を最近は天使と呼ぶのか?」
「言ワセテオケバ! 輝ける剣!」
ジルドの剣の周りに光の粒子が舞集まり、輝きを纏う。
そして、辺りを真昼の如く照らす程の眩しさを増す。
「ぬっ!?」
突然の事に左腕で眼を庇い、光に対処するカシウス。全員が眼を瞑っている中、カシウスに斬りかかるジル兄。
「神ノ御使デアル我ヲ愚弄スル者ヨ! 神ノ加護タル光ノ剣ニテ慈悲ヲ受ケルガ良イ!」
「嫌だね!」
天使に支配されたジルドの眼は、左腕のすぐ下に見えるカシウスの口の端が吊り上がって行くのをとらえる。気付けば、斬りつけた剣を既の所で突き立てた大剣を少ない動作で傾け眩い刃を受け止められていた。
「馬鹿ナ!」
「ガイアの加護を受けし騎士となった我、カシウスがこの場を預かる! さもなくば我が剣を越えて行け」
「言ワレナクトモ! 見窄ラシイ剣士風情ガ!」
眩い剣のために、ジルドもカシウスも目を硬く閉じて打ち合っていた。周りも尋常でない眩しさに目を覆ってまで瞑り剣戟が止むのを待つ他なかった。
キィイインッギャリリッブオッガキッジャリリッ
刃の上を打ち鳴らして滑る音から鍔迫り合い、大剣でそれを振り払い、斬りつけてきたのを鍔で受け止め踏ん張り、小石が地面を擦る音が短い間に、立て続けに響く。この眩しい光の中で大立ち回りを繰り返す二人の音を固唾を飲んで一人を除いて全員が鳴り止むのを待った。
◆
袈裟斬りの剣をカシウスに繰り出すと、大剣でギリギリ受けられた。カシウスは剣を掻い潜り、左肩から当身を胸当てに食らわせそのまま向かって来た。信じられない重い衝撃にジルドは後方へ吹き飛ばされると同時に、肺から空気が強制的に吐き出させられる。
もんどり打ってから、息を止めて体制立て直し、片膝立ちの姿勢で勢いを殺しながら剣をカシウスに向けた。その切先をガントレットで、まるで剣の腹を沿わせるかの如く逸らし、肉薄するカシウス。
ジルドを操る天使キュケロスは焦った。息を乱され、牽制した剣も見切られ、操り人形の上に輝ける剣まで行使して居ては、ジルドの身を護れるほど余力を残していない。
天使キュケロスは知らなかったのだ。ジルドレッドが勇者と呼ばれる域に実は達しておらず、サーヴァントの力を借りてその能力を引き上げる剣技はおろか、体術や戦闘向けのスキル記憶さえ外部記憶だった自身に納められていたなど。
それら十全に発揮する為の修行の時間もなく、神殿に駆けつけ自身が生まれることにより、まさか能力の弱体化上書きを起していようなど夢にも思わなかった。
ドスッ……ドサッ
空気の抜け切った肺に大剣の柄頭がトドメと鳩尾に入る鈍い音がした。この時意地で背後に下がったのがいけなかった。
◆
いきなり、鳩尾に鈍い痛みが走り強制的に意識を引き戻された。母さんをはじめ、家族の声がおれに目覚めてと訴えかけられてた。起きてるのに夢を見て居て何度も夢の中で起きる夢を見て居たような、何かやらなきゃいけないことがあったのにそれを忘れて寝てしまって居た……そんな中、強制的に叩き起こされた気分だった。
「カハッ! スハァーッ! スハァーッ!」
仰向けに倒れて兎に角、空気を求めて口が大きく開く。
『なんだ!? 何があった!? そう言えば、偽アイルスから貰った人形の効力がない!? はっ! そうだ! 思い出して来たぞ? 女神に会いに行ったら勇者になって……あ! アイツ! 天使キュケロスにされたのか! アヤカ……そうか、こっちに来てたんだな。いきなり説教しやがって、アイルスを手にかけるとこだったのか……女神の祝福の強制力ってとこか? 状況は最悪だな。天使の癖に勇者を貶めるとかどんだけだよ。許してもらえるか? 勇者続けるの、コレ無理ゲー過ぎる……』
『ムーアウ モ シャンランデジャン モ解ケテシマッタカ! ヨモヤ形勢逆転ヲ強イルトハ、勇者! チッ! シンネン・ピンイン! 勇者ジルドレッド! ココハ一旦引イテ、ルミナス達ト合流スルノデス!』
『いや、ちゃんと状況見てからモノを言おうよ天使。明らかに非人道的なのは今のオレらじゃん?』
『勇者!?』
大剣の切先が天を向き、大上段の構えをとった姿勢で待つカシウスが問いかけてくる。
「どうした? もう降参か? 女神の天使とやら」
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その様子をアイルスは見ていた。
正確には新しく構築した即席魔法の電磁シールドで光を吸収しながら、エーテルの流れを見ていた。
そのエーテルを解析し、ジル兄を拘束し続ける女神の神聖術式を観察して、神聖術に一つの負荷をかけた。すると、神聖術式はそれに反応し、エーテルの消費量を加速させていた。その消費量を三倍に調整していたのだ。
そうして、それは唐突に訪れる。
ドスッ……ドサッ
鳩尾にカシウスの大剣の柄頭が入ったが浅い、あれでは意識を刈りとれない。天使の信仰力が尽きた。ジルド兄が解放される。目論見通り奴は裸同然だろう。
「カハッ! スハァーッ! スハァーッ!」
仰向けになって空気を貪り吸う、ジル兄を睨み据え、大上段に構えるカシウス。ジル兄の剣から放ち続けられてた眩い光が急速に弱まる。
『よし、スキャン開始。スキャン後解体』
『了解』
「どうした? もう降参か? 女神の天使とやら」
「降参だ! いや、天使じゃないし、勇者は辞める事にした。アヤカ、スマンかった」
「「「「!?」」」」
「タカシ!」
剣を手放し、両手を上げてカシウスに宣言してから、アヤカに顔を向け謝罪をした。その宣言に誰もが耳を疑った。目を瞑っていた者も気付き、その場にいる全員がジルドレッドに注目した。
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