上 下
38 / 77

第38話 ヘルの精霊魔法お披露目会とお邪魔虫

しおりを挟む



『気を取り直して、次、行ってくれないか』
『わ、分かった。次は風属性だ。ウインド・カッターの上位版"イリューシブ・カッティング・スリード"!』
『待て、何だその陽炎は』

 一瞬でゆらゆらと陽炎を纏う、細い氷の様な何かがトグロを巻いて現れる。何やら尋常では無い熱量を放っていた。

『重力魔法で個体にまで圧縮した空気を極細ワイヤーに整形した風魔法だよ!』
『いや、それ凄い熱量じゃねえかっ風と言うより火属……』
『風魔法だよっ!』

 なるほど。結界ではなく重力で圧縮するとか凶悪な刃物だな。見てると葉っぱとか引き寄せられてカットされながら小さくなって行く。並大抵なら不可避か。ま、そのうち使わせて貰おう。と言うか重力魔法の式がいくつか仕入れられたのは嬉しい誤算だ。意味は分からないが完成式だから組み込めば動くだろう。試さなければならないだろうが、流石、ヘル。

 長寿ヒロインは伊達じゃない。

『……今、なんか失礼な事考えただろう?』
『まさか? テレパスしてるのに?』
『む。……既に表層意識との使い分け出来てたよな?』
『ヘルお姉ちゃんは聖霊と長い間仲良しで凄いなぁって思ったのは伝わってない?』
『んむ。……んふふ、そうか?』
『そんな事より次は?』

『バッサリだな。もっと褒めてくれても良くない?』
『褒めて欲しかったのか。精霊魔法に重力魔法混ぜてる時点で充分凄いって思ってるよ』
『ンッ!……』

 言葉に詰まってモジモジする、ヘルの操るソード・アームズと同じフレームのサンド・グレイン。全然色気無いから。視界共有してるから自身の身体がクネクネモジモジとか違和感しかないから。

『じゃ、じゃぁ次は"ウインド・ウォール"』

 クフィーリアも使ったやつだ。

『なんかグレード下がってないか?』
『からの~、変則編成! "イリューシブ・ニードル・ウォール"!』
『いや、空気の塊だけど陽炎出てるし、壁に細い針が無数に突き立ってるの魔力で見えてるから、魔法使いとかにはちゃんと見えてる』

 これも重力魔法が編み込まれてるので怖い防御壁である。針の強度次第ではあるけれど。

『でも、攻防一体っしょ? ねぇ、褒めて? これオリジナルなのよ。ねえ褒めて?』
『分かった、分かった』

 馬車内の本体であるヘルの頭をほぼほぼ包む様に撫でてやる。

『へへ~、じゃ次ね、"リアクト・エア・ネット"』
『これは何だ?』
『受け止め用の勢い相殺する為のヤツ。この前の洞窟に落とされた緊急用にと先日思いついて作ったの』
『必要な時に使える様にするの大事』

 強度を調整すれば応用は幾らでも効きそうだ。ヘルを撫で続けた。

『でね、さっきのカッティング・スリードを更に使った大技"カッティング・トルネード"!』
『竜巻まで使えるのか。俺は長い時間かけてスコールが精一杯なんだがな。なんかもう何でもありだな』
『いやいや。オリジナルポンポン創っておいて、何言っちゃってんの』
『それは師匠と遺跡書のお陰で、……まだ、俺のじゃないんだよ。次行けるか?』

『いや、らしい。それも複数』
『客人? ……こちらでも見えた。盗賊団みたいだが抜刀などしていない。サブ治の記憶にあった実働部隊とか言ってた奴等かもしれない。団と言ったが戦闘可能と思われる武装者も少ない。大方何かの交渉に来たんだろう』

 キャンプから最大500mまで広げておいた1000体程のソード・アームズの周回網からの視界がピックアップされて来る。

『ねぇ、オレ泣いていい?』

 ヘルが何やら頬を染めてた嬉しいから怒りやら悲しいやら百面相始めた。あ、頼られたいんだっけ。しまったな。

『あ、そっか。ヘル、警邏番達の運用管理お願いしていいか? ヘルが使えば半径500mが単純計算で1kmになるだろう?』
『い、いいいのか!?』
『その方が効率も良さそうだしね。ケン、周回警邏番に当ててた二万~二万一千をまるっとヘルの司令下へ』
『はいよ~』
『に、にまん……』

『あー。ナノ・アームズとか通し番号でやっちゃってたからね。そんな数になっちゃったよ』
『どんだけ作ったんだよ』
『うーん、、二万五千だよ。サイズ別とか個体識別番号はそのうち再編成しないとね。サブ治だけで一万とちょい使ってるからね』
『は?』
『人体は複雑で奥深いんだよ。だから観察するだけで一万が手一杯でさ』

『一体何を観察してるんだ?』
『そこら辺で採取出来る鉱物で人細胞に触れたら変化をもたらすかどうか? とか、極小のスライムみたいなのが凄い種類いてね。そいつらの出す物質の毒性とか、後体内の外敵侵入に対する防衛する機構とかかな』
『えーと、それ、なんて拷問ですか?』
『……拷問じゃないよ?』

『なんですか? 今の間は』
『まぁ、拷問に似てなくもないと思ったからな』
『似てる?』
『人体実験って言うんだけどね』
『なんか、悪魔も霞みそうなヤバさしか感じねえよ』

 ヘルが超ジト目だ。悪魔の癖に自分は野蛮人ではありません的な反応がムカつく。

『いや、生かしてあげてるだけ慈悲があると思わない? 殺されても文句言えないと思うんだ。生き返ったとは言えアイツはオレを殺してるんだからさ。まぁ蘇生の奇跡使って生き返らせればいいとか思ってたかもしれないけどね……ヘルも無抵抗で殺される経験しとく?』
『いや、とても慈悲深い処置だと思います!』

『……やっぱり後で夢で経験させてあげるよ』
『イヤダァアア!』
『ほら、お客さんがテリトリーに入ったよ。迎撃の支度しようか』
『やるのか?』
『やっても問題ないと思うけれど、界隈に入り込むのには使えそうだからね』

『なぁ、ホントに自分のヤバさ分かってるか』
『いやいや、僕は無抵抗で殺されちゃうお子様だよ?』
『この流れじゃなけりゃ、どんな女も堕とせそうな笑顔なのに、ホントに残念しか感じねえよ』

 心外である。それは、ともかく前にと会ってたオカマッチョの様子でも見て、ちょっとはどんな奴かリサーチしないと。

 ◆

 リサーチの結果を言えば、奴隷を調している連中だった。こんな奴らを使ってるなら行き倒れてる子供が居れば奴隷の首輪を即嵌めちゃう精神構造にも納得行く。オマケに左肩に付けられた悪魔の印から漂う気配で悪魔族認定受けてるんじゃ弁解を聞かないのも納得する。凝り固まった頭じゃ理解できるわけもないのだから即首輪は不可避だったわけだ。

 ま、問題なく、キャラバンを僕の制圧下に置けたわけだし衣食住が手に入ったのでこれはこれで良かった。仕返しは実行中だし。それに表立って僕がリーダーする必要もない。と言うかそんなの面倒くさすぎる。長く生きてると自分より若い奴に上手くやられたりするとカチンと来るもんな。妹の皮むきがうまかったの超悔しかったからそこから何となく察しがつく。きっと魔法とか奴隷の首輪してるのに使ったら面倒くさくなる。

 それにロクでもない人間を相手に武力制圧しても、ロクでもない教会との契約で奴隷の供給がいきなり無くなったら、その時点で教会が気付いて、難癖つけられて争う事になるだろう。そうなったら凄惨な未来が拡大されるだけだ。一部の蛮勇が万人の愚行を推進する。

 たかが七歳の奴隷から魔法の技術を取上げて始末。奇跡で代行出来る研究の末に監視社会が教会によって出来上がるとか手に取るように見える未来だ。

 他には奴隷達には同情するが、解放後の生活を保証せず、自己責任でご自由にどうぞと言うのもそれは何か違う気がする。かと言って保証出来るのかと言われても往々にして僕より長く生きてる連中が僕にすがるのか?

 そうなのだ。アーカイブに、まだ繋がってた頃に拾った物語や歴史書にもあったヒーロー、ヒロイックが主軸の行末は人が望む結末が多く構成されているが決まって先ずは否定される事から始まる。現にオカマッチョは全否定してきたし、このサーヴァント達を見せびらかす様に使ってもロクな結果にはなりはしない。

 連中に取って僕は悪魔で、何かすれば、善行であれ何か企んでいると邪推し、悪魔でないとしても七歳のガキがやったわけないだろうと言うだろう。バカバカしい。何かすれば、あり得ないって言うのだ。同じ交渉のテーブルに座る権利は端から持っていないのだ。その癖自分じゃ、尻拭いもできない連中がそう言うんだから世話はない。付き合うだけ時間の無駄だ。

 さて、予防線はこれ位で充分だろうか。サブ治に交渉させれば万事解決。失敗したらサブ治の責任だ。僕、お子ちゃまだもん知らんがなで通す。よし、完璧。

 ◆

 マイクロスライム(仮)観察をギューフがサブ治体内、ウィンが馬車より外で採取と観察を行っていた。

『ギューフ、コイツの動向を観察してくれ』
『なんだこのスパイクボールは?』
『分からん。正二十面体と同じくらいだが、他のマイクロスライムには反応しない。大型の生き物には反応するかも知れん』
『ok』
『"エーテル加速"は60倍速でやってみるか』

 位相空間でナノ・アームズからそれを受取りサブ治の呼吸器系の細胞の上へと無造作に放ち、観察して行く。

 湖の如く広がる粘膜のうえに着水したスパイクボール状のそれは比較的ゆっくり底の細胞へ向かった。まるで意志があるかの如く自然に粘性の中をゆっくりと細胞へ取り付き細胞の孔にスパイクを何回か変更して嵌める。
 そして、スパイクボールは萎んだ。中身を細胞内へ注入したのだった。

 中を観察する為、ナノ・サーヴァントで、更に下のグレードサイズを作る事にする。今回手に入れたスピリット・デバイスのシステムを利用して初めての人型以外を作成する。簡易運用なので魚型胴体に流線カバー付き収納式作業用マニ一対いっついとヒレでなく、補助的な主翼一対と尾をなくして補助制御翼を後部上下二対。生物なら無駄極まりない贅沢なフォルムだろう。

 そこら辺のタンパク質を拝借して1nmサイズで結界整形してイメージ通りにする。

『"クリエイト・サーヴァント"』

 テレパスをすぐにリンクして、作動を確認する。探査プローブタイプだが、他のサーヴァントと中身は変わらない。

『中々良いね。ただ、液体の中を羽ばたくより泳がせるのが正解だろ?羽根はもう少し短めか無い方が良く無いか?』
『改良は次でも良いさ、これは輸送運用のテストも兼ねてやってみようと思ってね』
『あぁ、そう言う事か……蜘蛛の脚とかも実験しよう』
『テストね、ハガル達の仕事だけど実戦運用も出来るからこっちで統合する旨、オリジナルにも進言しよう』
『よし、ハガル、オリジナル、こちらでデバイスの実践運用したい。どうかな?』
『あぁ、なるほど、悪く無いね』
『じゃぁ、デバイス・デザインは一度デザインを提出後、各デバイスの実践運用含めてマイクロスライム(仮)に編成、協力して当たって貰おう』
『了解』

 そんなやり取りの後、プローブ・サーヴァントが細胞内の様子を見せる。サブ治の細胞核から次々とスパイクボールが分裂していき、その生産量が半端なく……例えるなら幌馬車内に胡桃が一杯になって行く。細胞内のエーテル加速がもたらした妙であった。

『うぉ……観察の為とは言え凄まじい量だな……なんだ?スパイクボールと一緒に変なモノも作り出して無いか?』
『なんとなく陽炎みたいなのが出てるな?』
『お、細胞が破裂するぞ』

 スパイクボールが増えて、細胞内の圧力があがりそれに耐えられなくなった細胞膜に裂傷が走る。そこから大量のスパイクボールが流れ出てサブ治の体内へ放たれて行った。



____________________
 【ステータス】
 アイルス・プリムヘッツ(7歳)
 弟子35日目
 ※ステータスは変更部分のみ
 ◆才能:
 アカシック・リーディング(無自覚)
 →スキルからのフィードバック
  サーチャー(コネクト・トゥ・アカシック)

 ◆ユニークスキル/ユニーク複合スキル
 頭脳使用法:Lv 33→35
  (並列処理により上限解除)
 グリッド・ブレイン 獲得

 ◆技能:
 見稽古(分析、考察)Lv 3→5
 魔法式改造マジック・カスタム Lv 7→8
 魔法上級改造マジック・ハイ・カスタム(並列連動等)Lv 6→7
 混成魔法ミクスド・マジック Lv 6→7
 ※関節部
 スキルカスタム Lv 5→7
 →グリッド・シンク・コミニュケーションでの略語
 並列意識連携処理グリッド・シンク Lv 6→7
 ※外部からの強制参加で略語がどんどん生産
 新言語体系確立技術 New
 分析パターン体系化技術 New
 重力混合魔法式簡略オブジェクト操作技術 New
 他個体記憶内検索高速化(アカシックサーチャー連動)

 ◆独自魔法
 エーテル加速
  魂の素であるエーテルを思考加速の要領で加速。
 時間感覚が間延びし、強制的に相手を加速時間の世界
 に放り込める。
 身体の反応速度を連動させない事も調整次第で可能。

 ◆新規導入精霊魔法
 土属性
 砂壁サンド・ウォール
 土壁グランド・ウォール
 地震アースクェイク
 岩槍ロック・スピア

 土との重力複合魔法
 石雨ストーン・レイン
 岩槍雨ロック・スピア・レイン

 火属性
 炎壁ファイア・ウォール
 獄炎プリズン・フレーム
 業火弾ヘル・ファイア・ブリット
 電離体刃プラズマ・ブレード

 風属性
 風壁ウインド・ウォール
 風刃ウインド・カッター
 風との重力複合魔法
 捉え難い斬糸イリューシブ・カッティング・スリード
 捉え難い針壁イリューシブ・ニードル・ウォール
 反応型空制動網リアクト・エア・ネット
 竜巻斬カッティング・トルネード

  精霊は術者のイメージに沿って魔法陣を創り出す。
 無意識的に行われる為、これと言った決まりが無い。

 ◆サイズ感比較
 リルナッツクラス:1cm
 サンド・グレイン級old:2~3mm
 サンド・グレイン級new:1mm
 ソード・アームズ級old:0.05mm(50μm)
 ソード・アームズ級new:0.01mm(10μm)
 ナノ・アームズ級:0.0001mm(100nm)
 プローブ・サーヴァント 1nm

 マイクロスライム(仮)20~60μm

_____
 いつも、お読みいただき、ありがとうございます。

 なかなか、話が進行せず申し訳ありません。
 こっそり書き出し祭り全感想していた、弊害です。読むのも書くのも遅くて誠に申し訳ありません。

 気に入られましたら、お気に入り登録よろしくお願いします。
 感想を頂けましたら、とても頑張れます。

 「ソード・ダンサー」「オックルティズム・インペリウム」も並行連載してますので、そちらもよろしくお願いします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私って何者なの

根鳥 泰造
ファンタジー
記憶を無くし、魔物の森で倒れていたミラ。テレパシーで支援するセージと共に、冒険者となり、仲間を増やし、剣や魔法の修行をして、最強チームを作り上げる。 そして、国王に気に入られ、魔王討伐の任を受けるのだが、記憶が蘇って……。 とある異世界で語り継がれる美少女勇者ミラの物語。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

処理中です...