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第5話 修練洞窟(Training cave)

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 弟子32日目(2話の弟子32日目の続き)

 昼にはまだ早く、朝には遅い頃、修練洞窟に落とされた。その時までは、てっきり師匠も来てくれるものと思っていから、今、不安しか無い。

 落とし穴は長い螺旋の滑らかな急な斜面のスロープだった。そこをフォーリング・コントロールで滑り降りたとこにいる。回りに回った為既に方向は見失った。右手に壁。左手には地下水脈の流れるちょっとした10m四方位広間だ。

 ここを拠点として脱出を考えるしか無い。ここから人1人、無理すれば2人通れそうな道がどこかへ続いている。

 ヘルプラスが居なければ不安で押しつぶされていたかも知れない。落とされながら思いつく限りの罵詈雑言をヘルプラスが言ってなきゃ冷静になる時間ももう少しかかったと思う。

 滑り降りてくる最中、シュラッチャの改良型1cmサイズのサーヴァントを起動した。名前はリルナッツ。脚を更に改良したタイプでシュラッチャの足が背中に背負われる形で腕を曲げて手を握る。すると小さめの木ノ実のサイズになる。

 それが名前の由来のリルナッツを偵察に出す。辺りは人の目では暗すぎ、気を付けて見なければ仄かに光があることに気付けない。幸いマナを感じ取る視覚のお陰で何となく輪郭がつかめる程度には見える。

 もう一体を副監視要員として思考詠唱で唱え、放つ。赤外線視界インフラ・レッド・ビジョンも唱えさせ、サーヴァントの視界を可視光外の光を知覚できるようにする。マナも見えてるので、思ったより不便さを感じない。それを確認してから自分にも先行させたサーヴァントにも唱え、視界を確保する。

 師匠が持たせてくれたサード・アーティファクト・デバイスのお陰でマナを湯水の如く使える状態がありがたかった。気兼ね無く思考詠唱連発しているが、リルナッツに搭載すればもっと効率良いかも知れない。

 更にサード・アーティファクト・デバイスは書庫が内包されていて、勉強は可能だった。問題は読んでいけば行くほど難解でその分時間がかかる事だ。幾ら並列人格を増やそうがこればかりはどうしようもないし、並列化にも限度がある。

 因みに並列人格はサーヴァントのヘッドパーツと後頭部に挿したMAdpのみの最小設計ミニマム・アーキテクトの三つをポケットに入れてデバイス・アクセスさせてる。効率は悪く、人格に多少のバラツキが出るが、記憶を共有するので特に問題ない。他者を蔑む暇があるなら自らを磨けを思想から、考えると生身で本能に支配されやすい本体が『己を磨く』競争において一番不利だ……。

 書庫の他には次の機能が追加されていた。

 1つ目は先にも述べ、既に使用している魔力供給の機能。機能名はMAdpマナ・アドプション。魔法としても使える。これは、僕が師匠の技術を改良した4Matテトラ・マナ・トルネーダーを師匠が最適化、コンパクトにしたものだ。収束したマナからエーテルを抽出、『エーテル・セル』へ集積する。

 2つ目は内部機構のアップデート権限。
 これは共有型署名登録に僕もマスター登録され、内部の機能を編集、削除、追加できるものだ。この権限により、幻像管理紙面を参照できることも含まれていた。

 3つ目は書庫内包と同時に施行されたと思われる機能。ドル師匠の書庫情報はセカンド・アーティファクト・デバイスに随時更新されていた。普通のワンオフ・デバイスのアーティファクトならば、そこで終わる。が、思念接続テレパス・リンクでサード・アーティファクト・デバイスにもその情報は更新されていた。実質、師匠の魔法の書庫を持ち歩ける携帯本棚と言える。

 そのデバイスが2つ。一旦、魔導器具コイツの物理的な中身を見る必要があるかなと思い、1つの分解を決意する。マナを見ても特殊なシールドが施されていてただの石にしか見えないのだ。その為には安全に作業できる場所の確保が先決になる。

 ◆

 二体目のリルナッツを送った直後にヘルも降りてきた。まだ、穴の上へ罵詈雑言を飛ばしている。

「ヘル、現状使える魔法は何がある?」
「え、オレ様を戦闘メンバーに考えてるのか?」

 脱出作戦を立てるために聞いてみたのだが、ヘルは戦闘を前提に考えたようだった。未然に戦闘を防げるなら防ぎたい僕の考えとは真逆に思える。

「まぁ、ダンジョンは初めてだしね。それが必要な状況になるんじゃないかなって」

 デバイスを握り、その感触を確かめながら聞く。これから先、洞窟ココから出るまで何があるか分からない。魔法は必要最低限で乱用は避けた方が良いかも知れない。

「冗談だよ。2人・・しかいないパーティーで1人がゴネて戦わなかったら、無事に戻れるわけがねーじゃん。あのクソジジィもふざけてやがるよな。しょうがねぇ、オレ様がアイルスを守ってやるぜ」

 ちっぽけなツリ目の美しい小悪魔がウィンクしてくる。その仕草に顔が熱くなるのを感じつつ、応える。

「頼りにしていいの?」

 正直、初対面ということもあって、頼るのは危険だと思ってる。例え師匠の使い魔でも僕のではない。そして事故は起きるものだ。

「オレ様こう見えて、大魔法使い代々の使い魔してっからよぉ。そんじょそこらの悪魔族や使い魔とはワケが違うんだよ。オレ様、火蜥蜴サラマンダー始めとする7代精霊とも各契約して召喚も出来るし、召喚しなくても精霊魔法が使えるし」
「え? 精霊魔法って精霊じゃなくても使えるの?」

 あざといかも知れないが、本来の子供らしく知らないフリをして話を聞き出すことを試みる。大丈夫。少し前の馬鹿だった僕になればいい。

「勉強不足だな? 更には第5階梯まで使えるぜ。後は便利そうな支援系で」
「支援系? 属性とは違うの?」

 本気で知らない情報が出てきた。師匠の口から聞いたこともない属性だ。系統と属性。なんのカテゴライズか?

「ん? 支援系は直接戦闘的な効果を出さない全属性共通の系統って分け方の呼び方だよ。属性が横割り、系統が縦割りって感じか、おわかり?」
「あぁ、そう言う区分けか。戦闘中心なんだ?」
「喧嘩は交渉の第一歩だからな。腕っぷしが物言わす時代からの名残さ」
「誰もが野蛮な時代って言う、あれ?」
「お前だって物心ついたのは、どうせ5年くらい前だろう? その頃は何が1番だった?」
「解った、納得しとく」

 父が1番に決まって居たが父が居なければ、母。母が居なければ、兄達の誰か。あの頃は誰かに護られていたから腕っぷしとかよく分からなかった。

「続けるぞ? 更にイタズラするのに便利な透明化インビジビリティ念動力サイコキネシス、それから生き抜く為に悪魔族基本の敵意検知ホスティリティ・ディテクション危険予測リスク・プリディクション魔力印マジック・マーキング物体引寄マテリアル・アポーツとか後は矢なんかに便利な自動追尾オートマチック・ホーミングそれと魅了チャームだな……って、そういえばアイルス、さっき、無詠唱でなんか唱えてた?」

 さすが、師匠の使い魔。得意満面に続けていた癖にとうに唱え終わっている魔法に実は気付いていたとは。頼りにしていいのかもしれない。隠すというより、放出される魔力がもったいないだけで極力回収してるだけだが、気付かれない位に魔力はたぶん出ていないはずなのに。

「ん、クリエイト・サーヴァントだよ。ほら」
 ポケットからリルナッツ・サーヴァントを見せる。
「なんだぃ。このチビっこいの……て言うか、て言うか! え? アイルスって本当に無詠唱発動出来るのか?」

「え? サーヴァントに魔法使わせる為に必須でしょ?」
「いやいや、と言うか、アイルスって魔法使い何レベル?」
「え? レベル? なにそのシステム。そもそも、魔法の発動にレベルとか必要なの?」

 魔法使いにレベルとかなんの意味があるのだろう? この時は本気でそう思った。

「いや、厳密に発動とかには必要ないけどさ……って、まてっ。アイルスって魔法いつから使えるの? 魔法使いは見た目で判断するなってあるけどさ」
「ん~? 一月位?」
 僕は頭の中の記憶を手繰り、指折り数えた。

「はい?」
「だから、一月位」
「いやいや、そんなに浅くて無詠唱習得してる魔法使いなんて聞いた事ないよ。やだな~、はっはっはっ冗談もほどほどに……」

 大真面目に答えてるのに信用してもらえないとは。これいかに。

「無詠唱でなくて、思考詠唱だよ。そんなに凄いことなの?」
「マジか……」
「うん?」
「……マスターはおいくつですか?」
「なに、ヘルプラス、いきなり気持ち悪いよ」

 急に、猫撫で声でヘルプラスが訪ねて来た。
 どうやら大魔法使いが子供のフリしてるとでも思ったのか。そっかそう言えば上級者がやっと無詠唱って話を師匠してたな。まぁ、僕のは思考詠唱で独自のコマンドコールしてるだけでパッケージの根性的な無詠唱してる訳じゃないけど。

「え~、非道いですぅ」
「7歳だよ。反応に困るから普通に話してよ」
「なんでぇ。精通もまだなガキかよ」

 途端に態度と機嫌が悪くなった。扱い難い小悪魔だ。
 とにかくヘルプラスの知ってる魔法から精霊魔法はもとより存在を初めて知った魔法の数々を教えてもらわなければいけないなと思い機嫌を直す努力をする。

「どうしたのさ、ヘル? 7歳だと都合悪いの?」
「性的に目覚めてねぇと魅了効きにくいんだよ」

 魅了には3段階の程度が存在する。最高値は意識を無視し、性別も関係なく言いなりにする。最低値は異性に恋愛感情を植え付け虜にする。持続時間もまちまちだったはず。

「師匠に魅了とかやったりしたの?」
「必要とあればな」
「本当に? 師匠を魅了なんて出来るの?」
「バッカ、おめぇ、オトコはいつだってがっついてた方がメスは楽で良いんだぞ?」

 話をそらした。これはやってみたが効かなかったとか撃退されたパターンだろうか。

「がっついてばかりでも、みっともなくない?」
「クソジジィだって独り身の男だろ? 寂しい時があるんだよ」
「ヘル、凄いね。師匠も魅了出来ちゃうんだ?」
「ま、まぁ~なぁ~」

 使い魔が主人を魅了出来るわけがない位、僕でも分かるがここは話を合わせてサッサと魔法を教えてもらえるようにおだてることにした。

「師匠の前からの使い魔なの?」
「そうだぜ、お前の100倍ぐれぇは生きてっからな」
「へぇ。じゃぁ、古代魔導王国も知ってるの?」

「あの、しょっぼいパッケージ・マジックばっかの国な」

 古代魔導王国は、その叡智で悪魔族を奴隷として使役さえしたと教会の歴史書に書いてあったのに、まさか悪魔族にはこんな評価だとは。教会の歴史書はあてにならないかもしれない。

「ショボい?」
「あぁ。魔法以外の知識が乏しくて、道具としての魔法を使いこなせてなかったのさ。威力や武装に特化しても運用する奴が脳筋すぎるなら、アーティファクト・ドラグーンだけでも勝てたろうさ」
「アーティファクト・ドラグーン?」

 初めて聞いた単語だ。アーティファクトが付いているということは、噂の悪魔族の使う兵器のことだろうか?

「竜の形した魔法生命を付与した生きた鎧って言えば良いか。」
「ふーん。ゴーレムとどう違うの?」
「戦場では、乗り手ライダーが指示を随時出してる点か。魔法で作成した魂が鎧に付与されててな。魔素を自ら取り込んで、活動する。自律型半永久のゴーレムやリビングアーマーとそこは大差ない。竜を模倣した外見と性格を与え、ライダーの言うことに絶対服従させてる」
「ライダー?」

「ああ、アーティファクト・ドラグーンは自律行動可能だが、刻々と状況の変わる戦場で臨機応変に対応するにはイマイチでね。術者にその判断を委ねているのさ。当然術者がライダーで指示を出すしかない。魔法使いに留まらず、精霊使いや魔法戦士の混合の集まりでこいつらが古代魔導王国には太刀打ちできない原因だったと言えるな」
「アーティファクトが悪魔の兵器と呼ばれた所以はそのマジック・ユーザーとドラグーンにあったんだね。どうしてドラグーンは、自立判断が出来るの?」

「良い質問だな、ドラグーンには想定されるケースと対応を学習させてあるんだ。ライダーが意識を失った場合、ライダーが落ちた場合、ライダーのみが死んでしまった場合とかな。特に念入りに作ったのはドラグーンの単体行動時と連携行動と聞く。コレが光の民とかふざけた名前を自分でつけた連中よりも先んじた技術だな」
「想定出来るケースを予め教える事で自分で考えて対応出来るようにしたって事?」

「出来る部下を持つと楽だぜ? 俺も配下にした部下に夢で教え込んだもんさ」
「ヘルプラスって意外に優しいんだね」
「バ、バッカ、そのままのゴブリンやコボルドが兵隊として使えねぇんじゃ楽できねぇだろ」

 悪魔が顔を赤くして何か言ってる。やはり人と変わらない反応だし、教会の言う人々を貶めるって言うほどのものとは違和感を感じる。そう思いながらこの使い魔に思わず微笑んでいた。

「教会の言う聖騎士とやらが、フライを手に入れても機動力と防御力で勝るドラグーンには歯が立つわけがなかった。何より、悪魔族は当時の制空権を理解していたが、王国はそれを軽視している節があった。結果、魔法で強化した歩兵と騎馬隊が居ても、愚かな光の民は蹂躙されたって訳さ」
「制空権……」
「まぁ、重力を味方に付ければ攻撃の届かない場所から攻撃し放題だしな」
「ヘルプラスは凄いね。いろんなこと知ってるね」
「へっへっまぁーな。でも得意分野は魅了だぜ」

 魅了を覚えたとして、サーヴァントで使用するようなケースはあるだろうか?

「なんせ、ゴブリンやオークどもはヤリたいヤツらばかりだからな。超楽勝に部隊作れるぜ。まぁ当然煽るだけ煽ってヤラせねぇけどな。カカカカカッ」
「……魔物や生物ならどんな対象からも魅了は可能なの?」

「愛情を持てる奴らと繁殖能力を持った知能の低いヤツなら楽勝だな、発動者はそこのルールに当てはまらん」
「ヘルプラス!」

 その時、先行したリルナッツの視界に蠢く者がチラリと見えた。
 短く鋭く囁き、口に人差し指を当てる。

「安心しろ、雑魚如きにビクビクすらことないぞ。魔力量も低い。初心者にゃ、うってつけのスライム辺りだろう」
「そんなことまで分かるの?」

 すごい。先行したリルナッツは緩やかな曲がり角を見張っていて対象はまだ見えていないのに。しかも、この暗がりで。見張りはリルナッツよりヘルに任せたほうがいいことが判明した。ついでにどうやってるのかも教えてもらおう。

「教会が現れてから、悪魔族にはホスティリティ・ディテクションとリスク・プリディクションは常時発動は必須だからな。大抵の害意とか害意予備軍、罠だとか事前に分からなきゃ生きていけない」
「常時発動!? 常時発動って可能なの?」

「エネルギーを無駄に放出しなけりゃ可能だな」
「無駄に放出?」
「熱でも光でも保有してる魔力を変換して、最終的に放出しちまうから空ッケツになる。しかし放出系の魔法でも、魔力の回収可能なものはいくつかある」

「え? どういうことなの?」
「まず、回収機能だけの結界を維持できる限界まで大きく張る。その中で熱や光に変換しない感覚拡張の魔法マジック・オブ・センサリ・スプリードで感覚領域内の魔力を循環させるんだよ」

「結界……それ張ってて相手に気付かれないの?」
「余程の手練れじゃなきゃ気付くこともないよ、ってホントに魔法初心者なんだな?」
「うん。だからヘルプラス教えてよ」

 母がよくしていた『教えて』と慈愛に満ちた笑みの思い出が蘇り、意識したわけではなかったが母と同じ仕草を再現していた。

「お、おぅ、仕方ねぇなぁ、一時とは言えマスターだしな!」
 __コイツ、天然か? オレ様じゃなきゃ今の笑顔で堕とされるトコだぜ。7歳か。末恐ろしい__

 ____________________
 アイルス手記

 ◆師匠推奨のサバイバル用マジック
  魔法の中でサバイバルに推奨されるモノ。

  The staircase 1st.(第一階梯)
  ★1 ヒール 光属性(肉体・生)
   有名な治癒魔法。手軽だが活性化した細胞が痛
  覚を刺激するので痛みを伴う。その為、一時的に
  麻痺させるなど、隠されたコマンドも有する。

  ★1 サモン・ゴースト 闇属性(精神・死)
   低級霊を呼び出す。魂の闇部分の欠片。とある
  が、実際には、悪意と言うより『生への執着や願
  望』が強く刷り込まれた意思の残滓。それを使役
  する魔法。根本的に教会の魂の考えとは違う。


  ★1 マジック・シールド 無属性
   魔力障壁は魔力による物理や魔力からの攻撃を
  速度と威力の低下を顕現させるもので顕現密度に
  よってダメージを抑えることができる魔法。戦闘
  では補助等の支援に分類される。

  The staircase 2nd.(第二階梯)
  ★2 クリエイト・サーヴァント 無属性
   人形等を動かして使役する魔法。製作者の意図
  が記録されている物質記録(恐らくは意思)から
  各関節を読み取り、簡易指令をこなす。命令は、
  三つ以上受ける事は出来ない。
   『使い捨てのお手伝い』と言う認識が強い。

  The staircase 3rd.(第三階梯)
  ★3 以心伝心テレパス 闇属性(精神)
   有名過ぎる優秀な通信手段。使い慣れないと
  『思ったこと』が筒抜けになる危険な面があるの
  で素人にはオススメできない。
   普通は緊急時のみ使用される。

 コマンド
  魔法式は本来、単体では役に立たない簡単な式で
 出来ている。魔法と呼べるものは幾つかの式と魔法
 陣を組合わせ成立つ。パッケージ・マジックは扱い
 易くまとめた魔法の集合群だ。

 ・結界バリア
  基本中の基本。所謂結界を作る。起点、範囲、属
 性付与とか色々絡める事が可能。コマンドに持続時
 間の指定なしの任意解除型。

 ・念動サイコキネシス
  コマンドの魔法式は"何かを動かせ"のみ。対象も
 方向も速度も距離も限界設定も無い汎用コマンド。
 これだけでは意味のないものだが、設定次第で作っ
 た結果も動かせる。
  ★3の念動は初期値が設定されている。攻撃魔法
 全般だけでなく、発動時変形する魔法陣などにも使
 われており、カスタムには重宝される。

 ・圧縮コンプレス拡張エキスパンション(物理)
  第二階梯の基本圧縮用に編集した念動コマンドと
 第三階梯の基本膨張、拡張用に編集された念動コマ
 ンド。単体では役に立たないが結構応用で使える。

 ・電子化エレクトロネィティッド陽子化プロトネィティッド
  このコマンドの存在は【ヴィッセンシャフト科学】が
 既知情報だったと確信出来る。遺跡の書の翻訳があ
 るのだから、当然と言えば当然なんだけど。
 パッケージ魔法には【ヴィッセンシャフト科学】を読み
 進めた先にある特性が活かされてない。その事につ
 いての疑問が残る。


 悪魔族の魔法について
 ・悪魔族魔法
   魔法式も魔法陣も似通ってはいるが、全く別物
  の魔法体系?

 ・ヘルの魔法メモ
  透明化インビジビリティ
  念動力サイコキネシス
  敵意検知ホスティリティ・ディテクション
  危険予測リスク・プリディクション
  魔力印マジック・マーキング
   ※僕のカスタムしたものと根本的に違うらしい。
  物体引寄マテリアル・アポーツ
  自動追尾オートマチック・ホーミング
  魅了チャーム

 ・考察
  ヘルのオリジナルから推測するとパッケージ以前
 に作られカスタマイズされたものが多く、その筆頭
 がサイコキネシスの魔法陣だろう。魔法式も使わず
 魔法陣に書き換えを行う事で発動しているようだ。
 あの方法を使用すれば、遅延式展開起動立体魔法陣
 の構築も可能になりそうだ。

 ・敵意検知等の魔法について、恐らく結界内にある
 エーテルフィルム自体を読み取っている為、偽装は不
 可能と思われる。エーテルを読み取る"目"の式さえ解
 明すれば逆算術で隠蔽できるかも知れない。どちら
 にせよ、高位の悪魔族への奇襲ややり過ごすなどは
 至難の業である事は間違いない。



____________________
 【ステータス】
 アイルス・プリムヘッツ(7歳)
 弟子32日
 ◆才能:
 アカシック・リーディング(無自覚)
 最適設計演算
 魔力補助精密動作筋肉制御
 失敗検証
 検証データ予測演算

 ◆才能→技術化(ユニークスキル)
 魔力制御法+魔法最適化→
 マジカル・オプティマイザ:Lv 3/??
 頭脳使用法:Lv 27(並列処理により上限解除)
  記憶向上+関連記憶→
  フラッシュ・デフラグ・フロー
  動的空間把握処理能力+予測演算+
  動体視力処理速度連動加速→
  フラッシュ・シミュレータ
  夢想実現化演算→
  ブレイク・ダウン・マイル・ストーン
  ※頭脳使用法で纏められているのでLv 表示なし

 ◆技能:
 見稽古(分析、考察)Lv 1
 標準語(会話、読み書き)
 遺跡語(読み書き)
 精霊語(読心会話)
 高速切替思考処理
 並列意識連携処理グリッド・シンクLv0→1 New
 魔力察知マナ・センシズ Lv 3
 魔法式改造マジック・カスタム Lv 2→4
 魔法上級改造マジック・ハイ・カスタム(並列連動式等)Lv 4
 混成魔法ミクスド・マジックLv 4→5
 物理造形設計技術(木材、石材)Lv 3
 研磨整形技術Lv 5 New
 ※関節部分の精密さを追求した結果。

 魔術:
 クリエイト・オブ・サモン・マナ・サークル
 風の精霊召喚サモン・シルフ

 魔法:
 ★1(第一階梯)
 ライト 光属性
  周囲を明るく照らす魔法。蝋燭の4倍の明度10分。

 マーカー (ライト派生)
  明度なし。反射発光リフレクティブ・エミッション

 赤外線視覚インフラ・レッド・ビジョン (ライト派生) New
  遺跡の知識を取り入れた光の魔法の応用。可視光
 域外の光を知覚、視界に反映させる。熱源知覚も可
 能とする優れもの。赤外線が届くなら、ほぼ気付か
 れることなく知覚可。

 幻影生成クリエイト・ミラージュ (ライト派生)
  エクストリーム・ハイデンシティ・ライト

 物質強化サブストラクト・ストレンクスニング
 分子補強モレキュラー・リインフォースメント
 パッケージを最適化した強化魔法。


 ★外 体系外魔法
 思い込み魔法ボイフ・マジック
 記憶圧縮メモリ・コンプレッション
 再監者顕現リ・スーパーバイザー・マニフェステーション
 並列人格顕現パラレル・パーソナリティ・マニフェステーション
 記憶複写メモリ・コピー New
 主記憶管理処理メイン・メモリ・マネージメント・プロセッシング New
 複記憶保管処理サブ・メモリ・ストレージ・プロセッシング New


 ■登場キャラクター紹介■
 アイルス製サーヴァント達
 ◆リルナッツ サイズ:1cm
  アーベイトにシュラッチャの運用ノウハウを組み
 込んだサーヴァント。アーベイトで浮き彫りになっ
 た『各関節の摩擦が粉を吹き、擦り減る』問題を緩
 く作りマナ接続でどうにかした。ノンジョイント程
 ではないが、マナコストが上がった為に、攻撃手段
 が近接に限定され、運動時には熱が溜り、表面が柔
 らかくなるほど熱くなる。その熱を魔力変換して各
 関節の稼働魔力に注ぎ込み回転速度を上げた。
 結果、弓矢程度の限界速度がボウガン程度まで引き
 上げられた。



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