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裸エプロン1
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チャイムは鳴らさないで、自分で鍵を開けて入る。
靴を脱ぎながら、ただいま~と部屋にいるだろう美咲に声をかけると、
「おかえりなさ~い」
と奥から返事が返って来た。
いつもなら玄関まで迎えに出て来るのに、珍しいなと思いながら部屋に入ると美咲はキッチンに立っていて、ああ、エプロンをして料理中だったのか、って、えっ?!
ええっ?!!!
「す、すみませんっ!! 部屋を間違えましたっ!!」
慌てて部屋を飛び出し、玄関で靴を手に持つと不法侵入で訴えられる前に逃げ出した。
お、驚いた。
あれ? でも俺って自分で鍵を開けて入ったような?
ってことは、中にいる女が不法侵入者ということだ。
裸だった。変質者のアブナイ女だ。
一体誰だ?! 一夜限りの女?!
美咲は?! 美咲は無事なのか!?
慌てて駆け戻り、恐る恐る開けようとすると、いきなりドアがばっと開いて美咲の顔が目の前に飛び込んできた。
「早く入って下さい!」
中に引き込まれて、また驚く。
裸の女は美咲だった。
正確には裸にエプロンをつけた女。
「なんでそんな恰好してたんだ?」
つい問い詰めるような言葉が口から出たけど、見当はついていた。
「隼人さんに喜んでもらいたくて…、それでわたし、そんなに驚くとは思わなかったの。ごめんなさい」
そうだろうとも。
美咲の突飛な行動は大抵俺のため。そしてネット情報。
美咲は垂れ耳が幻覚で見えるくらいシュンとして縮こまってる。
「いや、こっちこそごめん。美咲だとは思わなくて、部屋を間違えたんだと思ったんだ。髪型も髪の色も違ったし、別人だと思った」
髪の色が黒からベージュに変わっただけじゃなく、伸びっぱなしの髪が綺麗にカットされていた。
うっすら化粧も施されていて、印象が全く違う。
美咲だと認識している今でさえ、まだ別人のような気もしてドキドキしている。
「頂いてたお金で、美容院に行ったんです。お金が無くてずっと自分で切ってたから、どういう髪型が似合うかとかよくわからなくて、お店の人にお任せしたんですけど、隼人さんはこういうのはあんまり好みじゃないですか?」
「えっ、なんで? そんな事ないよ。すごく似合ってると思うけど?」
「じゃあなんで、こっちを見てくれないんですか? やっぱり怒ってるんですか?」
「怒ってないよ」
自分達は今、美咲が準備してくれていた夜ご飯を食べながら話をしている。
「魚玄」の常連客だった俺の好みを美咲はよく知っていて、何を食べてもうまい。
「このイサキのお刺身どうですか? 魚屋さんのおすすめなんですよ」
「ああ、うまいよ」
視線は料理に固定したまま、食べながら言う。
「隼人さん! ちゃんと顔を見て言ってください」
無茶を言う。一体どんな顔をして見ればいいと言うのだ。
美咲は普通にご飯を食べているけど、裸にエプロンのままで前はかろうじて隠れているものの、背中からおしりにかけて丸見えだった。
美咲を欲望のはけ口にするまいと決心したばかりなのに、その決意は美咲の一手により早くも瓦解しそうである。
靴を脱ぎながら、ただいま~と部屋にいるだろう美咲に声をかけると、
「おかえりなさ~い」
と奥から返事が返って来た。
いつもなら玄関まで迎えに出て来るのに、珍しいなと思いながら部屋に入ると美咲はキッチンに立っていて、ああ、エプロンをして料理中だったのか、って、えっ?!
ええっ?!!!
「す、すみませんっ!! 部屋を間違えましたっ!!」
慌てて部屋を飛び出し、玄関で靴を手に持つと不法侵入で訴えられる前に逃げ出した。
お、驚いた。
あれ? でも俺って自分で鍵を開けて入ったような?
ってことは、中にいる女が不法侵入者ということだ。
裸だった。変質者のアブナイ女だ。
一体誰だ?! 一夜限りの女?!
美咲は?! 美咲は無事なのか!?
慌てて駆け戻り、恐る恐る開けようとすると、いきなりドアがばっと開いて美咲の顔が目の前に飛び込んできた。
「早く入って下さい!」
中に引き込まれて、また驚く。
裸の女は美咲だった。
正確には裸にエプロンをつけた女。
「なんでそんな恰好してたんだ?」
つい問い詰めるような言葉が口から出たけど、見当はついていた。
「隼人さんに喜んでもらいたくて…、それでわたし、そんなに驚くとは思わなかったの。ごめんなさい」
そうだろうとも。
美咲の突飛な行動は大抵俺のため。そしてネット情報。
美咲は垂れ耳が幻覚で見えるくらいシュンとして縮こまってる。
「いや、こっちこそごめん。美咲だとは思わなくて、部屋を間違えたんだと思ったんだ。髪型も髪の色も違ったし、別人だと思った」
髪の色が黒からベージュに変わっただけじゃなく、伸びっぱなしの髪が綺麗にカットされていた。
うっすら化粧も施されていて、印象が全く違う。
美咲だと認識している今でさえ、まだ別人のような気もしてドキドキしている。
「頂いてたお金で、美容院に行ったんです。お金が無くてずっと自分で切ってたから、どういう髪型が似合うかとかよくわからなくて、お店の人にお任せしたんですけど、隼人さんはこういうのはあんまり好みじゃないですか?」
「えっ、なんで? そんな事ないよ。すごく似合ってると思うけど?」
「じゃあなんで、こっちを見てくれないんですか? やっぱり怒ってるんですか?」
「怒ってないよ」
自分達は今、美咲が準備してくれていた夜ご飯を食べながら話をしている。
「魚玄」の常連客だった俺の好みを美咲はよく知っていて、何を食べてもうまい。
「このイサキのお刺身どうですか? 魚屋さんのおすすめなんですよ」
「ああ、うまいよ」
視線は料理に固定したまま、食べながら言う。
「隼人さん! ちゃんと顔を見て言ってください」
無茶を言う。一体どんな顔をして見ればいいと言うのだ。
美咲は普通にご飯を食べているけど、裸にエプロンのままで前はかろうじて隠れているものの、背中からおしりにかけて丸見えだった。
美咲を欲望のはけ口にするまいと決心したばかりなのに、その決意は美咲の一手により早くも瓦解しそうである。
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