60 / 69
高校生編
第60話 後の祭り
しおりを挟む
「よーし、色々めぐろっか!私はねー、意外とお化け屋敷とか行ってみたいかなーとか思ってるんだよねー」
「お化け屋敷...」と、顔を引き攣らせる俺。
「あれー?もしかして苦手な感じー?」と、ニヤニヤする真凜ちゃん。
「...得意ではない」
「じゃあー、怖かったら『真凜様~』って抱きついてもいいんだよ?」
「...本当にそうなるかも」
「その時は走って逃げちゃうかも」
「...ひどくない?」
「碧くんはなんだかいじめたくなるんよな~」
「ドSだね」
「ふっふっふっ...//」
「...」
「不安?」
「え?...あぁ。まぁ...出来ることはやったつもりだったけど、今思い返したらもっと出来たかなとか...」
「いいんだよ。あの瞬間の碧くんは昔の碧くんみたいだった。初めて好きになった時の碧くん」と、無邪気に笑う。
そのまま手を繋いで2人で廊下を歩く。
「あの人、さっきの劇の人だよね?後味は悪かったけど、劇のレベルとしては相当高かったよね」
「だよね。演技力すごかったよね。舞台とかやってたのかな?」
「よく見ると意外とかっこいいかも?」
小学生以来の注目のされ方に思わず照れていると、真凜ちゃんに袖を引っ張られる。
「よかったね」
「...うん」
「私はずっと前から気づいてたけどね。碧くんはすごい人だって」
「...そうだね」
校庭に行くと様々な出店が出ていた。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、かき氷。
「たこ焼き食べよ?」
「いいよ」
「すみません、たこ焼き2人分お願いします」
「あっ、真凜様...とさっきの劇の人だ...。あっ、すぐ用意します!」
たこ焼きを受け取ると人気のない校舎の裏のベンチに2人で座る。
「はい、あーん」
「...ごめん。俺、猫舌なんだよね?」
「えー?しょうがないなー」と、ふーふーと息を吹きかけて冷まして、ちゅっとキスをする。
「私が魔法をかけたからもう熱くないよ?はい、あーん」
「...本当?」と、言いながら食べるが当然出来たてのたこ焼きが熱くないわけがなく、はふはふしながら何とか食べる。
「...どう?熱くなかったでしょう?」
「う、うん。熱くなかった」
「えへへ。無理してる碧くんかわゆい。今度は私に食べさせて?」
「お、おう」と、ふーふーして「あーん」と言うが口を摘んでいる真凜ちゃん。
「...食べないの?」
「違う!ちゃんと魔法かけて?」
「...う、うん」と、少しキスをしてから「あーん」と言うと満足そうにたこ焼きを食べる。
「...おいちぃ...」
そんな甘ったるい会話を交わしていると、1組の男女がこちらにやってくる。
どうやら、俺たちには気付いてないらしい。
「す、好きです!付き合ってください!//」
「...は、はい//」
そうして、抱き合う2人。
「おー。学園祭マジックだねぇ」
「学園祭マジック?何それ?」
「知らない?学園祭の時に告白するっていう伝統的な?こういうイベントの時は男女ともに気持ちが昂りやすいからねぇ。ちなみに私調べでは学園祭マジックで付き合ったカップルは3ヶ月以内に別れます」と、ないのにメガネを上げるような仕草をする。
「...それは良くないですね」
「ねー?あのカップルは長続きするといいねー」と、そんな会話をしているとこちらの方に歩いてきたのでひっそりと隠れるように校舎に戻った。
「...でも、ドキドキするね。告白って」
「そうだね」
「...家に帰ったら告白してくれない?」
「...いいよ?」と、そんな会話をしながら真凜ちゃんの足が止まる。
「さ、行こっか」
振り返るとそこにはお化け屋敷と書かれた看板が堂々と飾られていた。
「...やっぱ忘れてなかった?」
「...うん!」
こうして、さっきの劇ばりに絶叫しながらなんとかお化け屋敷をなんとか潜り抜けるのだった。
◇
そうして、2人で色々巡っていると真凜ちゃんが生徒会の人たちに連れて行かれてしまい、俺は1人になってしまった。
まぁ、残りもそんなにないしいいかと思っていると、「おっ!良いところにいた!」と、清人と玄太と浩介の三人が現れる。
「あれ?天使様は?」
「なんか人手が足りてないらしくて、生徒会に駆り出された」
「なるほど?よし、行くぞ!」と、三人に連れられてとある場所に連れて行かれる。
それは2年の教室だった。
その発表内容は...メイド喫茶だった。
「...まさかここに入るのか?」
「あたりめーだろ!男の楽園だぞ!」
「...おれ既婚者なんだが」
「それに1人、目当ての女の子がいるんだよ。...ほら、あそこ!」と、指差した先にいたのは綺麗なブランドの髪をした女の子。
「可愛いだろ?あんまり学校に来てないらしいんだよ。いやー眼福眼福。確かドイツ人とのハーフらしいよ?」
そうして、清人たちに並んで見ていると肩を叩かれる。
確かに可愛かった。
まるで作り物みたいに綺麗で...作り物みたいに表情を変えない。
ゆっくりと振り返るとそこに居たのは満面の笑みをした真凜ちゃんだった。
「...えっと...これは...」
「うん。言い訳はお家で聞くね?」
「...はい」
そんなタイミングでチャイムが鳴る。
それはつまりステージ発表の結果が出たということを差していた。
「お化け屋敷...」と、顔を引き攣らせる俺。
「あれー?もしかして苦手な感じー?」と、ニヤニヤする真凜ちゃん。
「...得意ではない」
「じゃあー、怖かったら『真凜様~』って抱きついてもいいんだよ?」
「...本当にそうなるかも」
「その時は走って逃げちゃうかも」
「...ひどくない?」
「碧くんはなんだかいじめたくなるんよな~」
「ドSだね」
「ふっふっふっ...//」
「...」
「不安?」
「え?...あぁ。まぁ...出来ることはやったつもりだったけど、今思い返したらもっと出来たかなとか...」
「いいんだよ。あの瞬間の碧くんは昔の碧くんみたいだった。初めて好きになった時の碧くん」と、無邪気に笑う。
そのまま手を繋いで2人で廊下を歩く。
「あの人、さっきの劇の人だよね?後味は悪かったけど、劇のレベルとしては相当高かったよね」
「だよね。演技力すごかったよね。舞台とかやってたのかな?」
「よく見ると意外とかっこいいかも?」
小学生以来の注目のされ方に思わず照れていると、真凜ちゃんに袖を引っ張られる。
「よかったね」
「...うん」
「私はずっと前から気づいてたけどね。碧くんはすごい人だって」
「...そうだね」
校庭に行くと様々な出店が出ていた。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、かき氷。
「たこ焼き食べよ?」
「いいよ」
「すみません、たこ焼き2人分お願いします」
「あっ、真凜様...とさっきの劇の人だ...。あっ、すぐ用意します!」
たこ焼きを受け取ると人気のない校舎の裏のベンチに2人で座る。
「はい、あーん」
「...ごめん。俺、猫舌なんだよね?」
「えー?しょうがないなー」と、ふーふーと息を吹きかけて冷まして、ちゅっとキスをする。
「私が魔法をかけたからもう熱くないよ?はい、あーん」
「...本当?」と、言いながら食べるが当然出来たてのたこ焼きが熱くないわけがなく、はふはふしながら何とか食べる。
「...どう?熱くなかったでしょう?」
「う、うん。熱くなかった」
「えへへ。無理してる碧くんかわゆい。今度は私に食べさせて?」
「お、おう」と、ふーふーして「あーん」と言うが口を摘んでいる真凜ちゃん。
「...食べないの?」
「違う!ちゃんと魔法かけて?」
「...う、うん」と、少しキスをしてから「あーん」と言うと満足そうにたこ焼きを食べる。
「...おいちぃ...」
そんな甘ったるい会話を交わしていると、1組の男女がこちらにやってくる。
どうやら、俺たちには気付いてないらしい。
「す、好きです!付き合ってください!//」
「...は、はい//」
そうして、抱き合う2人。
「おー。学園祭マジックだねぇ」
「学園祭マジック?何それ?」
「知らない?学園祭の時に告白するっていう伝統的な?こういうイベントの時は男女ともに気持ちが昂りやすいからねぇ。ちなみに私調べでは学園祭マジックで付き合ったカップルは3ヶ月以内に別れます」と、ないのにメガネを上げるような仕草をする。
「...それは良くないですね」
「ねー?あのカップルは長続きするといいねー」と、そんな会話をしているとこちらの方に歩いてきたのでひっそりと隠れるように校舎に戻った。
「...でも、ドキドキするね。告白って」
「そうだね」
「...家に帰ったら告白してくれない?」
「...いいよ?」と、そんな会話をしながら真凜ちゃんの足が止まる。
「さ、行こっか」
振り返るとそこにはお化け屋敷と書かれた看板が堂々と飾られていた。
「...やっぱ忘れてなかった?」
「...うん!」
こうして、さっきの劇ばりに絶叫しながらなんとかお化け屋敷をなんとか潜り抜けるのだった。
◇
そうして、2人で色々巡っていると真凜ちゃんが生徒会の人たちに連れて行かれてしまい、俺は1人になってしまった。
まぁ、残りもそんなにないしいいかと思っていると、「おっ!良いところにいた!」と、清人と玄太と浩介の三人が現れる。
「あれ?天使様は?」
「なんか人手が足りてないらしくて、生徒会に駆り出された」
「なるほど?よし、行くぞ!」と、三人に連れられてとある場所に連れて行かれる。
それは2年の教室だった。
その発表内容は...メイド喫茶だった。
「...まさかここに入るのか?」
「あたりめーだろ!男の楽園だぞ!」
「...おれ既婚者なんだが」
「それに1人、目当ての女の子がいるんだよ。...ほら、あそこ!」と、指差した先にいたのは綺麗なブランドの髪をした女の子。
「可愛いだろ?あんまり学校に来てないらしいんだよ。いやー眼福眼福。確かドイツ人とのハーフらしいよ?」
そうして、清人たちに並んで見ていると肩を叩かれる。
確かに可愛かった。
まるで作り物みたいに綺麗で...作り物みたいに表情を変えない。
ゆっくりと振り返るとそこに居たのは満面の笑みをした真凜ちゃんだった。
「...えっと...これは...」
「うん。言い訳はお家で聞くね?」
「...はい」
そんなタイミングでチャイムが鳴る。
それはつまりステージ発表の結果が出たということを差していた。
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる