32 / 69
高校生編
第32話 自問
しおりを挟む
そうして、2人で帰ってくるとものすごい疑いの眼差しを向けられる。
「随分遅かったなー。2人ともー。もしかして、何かいいことでもしてたのかー?w」と、清人が煽ると「海ちゃんって実は積極的なーん?」と、本庄さん。
この2人が揃うと本当に面倒だな...。
「そ、そんなんじゃないよ...?...ね?」と、俺の二の腕を掴み上目遣いでそんなことを言う。
「うん。俺たちはそんなんじゃないから」と、キッパリと断る。
すると、海ちゃんの二の腕を掴む力が少し強くなる。
「ね!みんなでこれやろ!」と、真凜ちゃんがビーチバレー用のボールを取り出す。
「よーし、じゃあ俺と碧チームと女子3人チームでいいね!」
「うん!いいよ!んじゃ、負けたら...首まで砂に埋めちゃうから!覚悟してね!」
「なぬ!?それは負けられないな!な、碧!」
「...俺、こういうの苦手なんだが...」
「ばっか!ここは無理してでもカッコつけるところだろうが!」
「...」
「よーし!やるぞー!」
こうして、行われたビーチバレー対決は見事男子チームの敗北に終わった。
「うわー!埋めないで!」と言いながらも楽しそうな清人と、なんかこのまま本当に海ちゃんに埋められそうな俺。
「...ちゃんと埋めてあげますからね」
怖い!目が怖い!全然笑ってない!鬱デレがすぎるっての!!
その隣で楽しそうに俺に砂をかける真凜ちゃん。
そうして、砂浜に埋まった俺たちと一緒に写真を撮るのだった。
「いやー!いい思い出になりましたわ!これでようやく俺も受験に向き合えるってもんだ!」
「...修学旅行、学祭、ハロウィン、クリスマス、お正月、まだまだ清人を誘惑するイベント満載だと思うが?」
「...そ、そんなの...全然楽しみじゃねーし...//」
「はいはい。楽しみなんだな」
「えー、そういう碧くんは楽しみじゃないのー?」
「別に。真凜ちゃんこそ勉強おろそかにしちゃダメだよ」と、2人とも疲れていたせいか2人きりのノリを全員の前でしてしまう。
事情を知っている2人ですら少し驚いていたが、何も知らない清人は余計に驚くのだった。
「...碧くん?...真凜ちゃん...?」
「あっ、いや、ち、違くて...。そ、そういうノリで呼んでみただけ...だから...」
「...それにしてはすげー慣れてるノリだったけど?」
「い、嫌だなぁ!意外と私と山口くんはこう見えて仲がいいんだよ!ね!山口くん!」
「う、うん!そうだよね!汐崎さん!」
「...ずるい」
「え?」
「俺も真凜ちゃんって呼んでいい!?」
「あっ、う、うん...」と、少し引く真凜ちゃん。
...清人が鈍感で良かったと思っていると、海ちゃんは悲しそうに笑っていて、本庄さんが少し睨みつけるのだった。
◇
「日焼け止め塗ったけど大丈夫かなー?」
「結構塗ってたし、大丈夫じゃない?」
「本当ー?ね?ちゃんと見て?」と、服を脱いで背中を見せてくる。
「ちょ...//」
「もう!今日散々体は見たでしょ?照れてないでちゃんと見てよー」
「て、照れるなっていうのは無理だろ...」
「無理じゃありません!普段からえっちなことばっかり考えてるからダメなんだよ!」
「...か、考えてないし」
「ふーん?本当かなぁ?どうかなぁ?」
「...考えてない...です」
「じゃあ、見れるよね?」と、そのまま髪を分けて背中を見せてくる。
「...」と、まじまじと見つめる。
「...どう?赤くなったりしてない?」
すごく白くて綺麗な肌だった。
傷も何もなく、ただ白い肌。
思わず触りたくなってしまい、人差し指でその背骨のラインを触る。
「!?!?///」と、直ぐに振り返り真凜ちゃんが俺を見つめる。
「きゅ、急にエッチな触り方しないでよ!!//び、びっくりするじゃん!」
「い、いや、別にえっちな触り方とかしてないけど...」
「してたから!ちょーしてたから!」
「...ごめんなさい」
「もー、とりあえずヒリヒリとかはしてなさそうだし、大丈夫かな?あっ、碧くんも見てあげよーか?」
「い、いいよ。...俺は焼けてるの分かってるし」
「えー、つまんないなー。せっかく見てあげようって言ってんのに」
「...結構です」
「そっかそっか!仕方ないなー!今度無理やり脱がせて見ることにするよ!」
「...そんなエロ悪代官みたいなことは辞めてくれ」
こうして、俺たちの夏休みは終わりに向かっていくのだった。
◇
「...本当にこのままでいいのかな。私」と、私は私に質問する。
『いいわけないでしょ。何もしないまま、また諦めるの?今までみたいに中途半端で投げ出して。そうやってまた1人で泣くの?傷つかずに得られるものなんて全部偽物よ。傷ついてでも欲しいもの、得られるものが本物だから。最後ぐらい、自分で受け止めな』と、私は答える。
「...うん」
「随分遅かったなー。2人ともー。もしかして、何かいいことでもしてたのかー?w」と、清人が煽ると「海ちゃんって実は積極的なーん?」と、本庄さん。
この2人が揃うと本当に面倒だな...。
「そ、そんなんじゃないよ...?...ね?」と、俺の二の腕を掴み上目遣いでそんなことを言う。
「うん。俺たちはそんなんじゃないから」と、キッパリと断る。
すると、海ちゃんの二の腕を掴む力が少し強くなる。
「ね!みんなでこれやろ!」と、真凜ちゃんがビーチバレー用のボールを取り出す。
「よーし、じゃあ俺と碧チームと女子3人チームでいいね!」
「うん!いいよ!んじゃ、負けたら...首まで砂に埋めちゃうから!覚悟してね!」
「なぬ!?それは負けられないな!な、碧!」
「...俺、こういうの苦手なんだが...」
「ばっか!ここは無理してでもカッコつけるところだろうが!」
「...」
「よーし!やるぞー!」
こうして、行われたビーチバレー対決は見事男子チームの敗北に終わった。
「うわー!埋めないで!」と言いながらも楽しそうな清人と、なんかこのまま本当に海ちゃんに埋められそうな俺。
「...ちゃんと埋めてあげますからね」
怖い!目が怖い!全然笑ってない!鬱デレがすぎるっての!!
その隣で楽しそうに俺に砂をかける真凜ちゃん。
そうして、砂浜に埋まった俺たちと一緒に写真を撮るのだった。
「いやー!いい思い出になりましたわ!これでようやく俺も受験に向き合えるってもんだ!」
「...修学旅行、学祭、ハロウィン、クリスマス、お正月、まだまだ清人を誘惑するイベント満載だと思うが?」
「...そ、そんなの...全然楽しみじゃねーし...//」
「はいはい。楽しみなんだな」
「えー、そういう碧くんは楽しみじゃないのー?」
「別に。真凜ちゃんこそ勉強おろそかにしちゃダメだよ」と、2人とも疲れていたせいか2人きりのノリを全員の前でしてしまう。
事情を知っている2人ですら少し驚いていたが、何も知らない清人は余計に驚くのだった。
「...碧くん?...真凜ちゃん...?」
「あっ、いや、ち、違くて...。そ、そういうノリで呼んでみただけ...だから...」
「...それにしてはすげー慣れてるノリだったけど?」
「い、嫌だなぁ!意外と私と山口くんはこう見えて仲がいいんだよ!ね!山口くん!」
「う、うん!そうだよね!汐崎さん!」
「...ずるい」
「え?」
「俺も真凜ちゃんって呼んでいい!?」
「あっ、う、うん...」と、少し引く真凜ちゃん。
...清人が鈍感で良かったと思っていると、海ちゃんは悲しそうに笑っていて、本庄さんが少し睨みつけるのだった。
◇
「日焼け止め塗ったけど大丈夫かなー?」
「結構塗ってたし、大丈夫じゃない?」
「本当ー?ね?ちゃんと見て?」と、服を脱いで背中を見せてくる。
「ちょ...//」
「もう!今日散々体は見たでしょ?照れてないでちゃんと見てよー」
「て、照れるなっていうのは無理だろ...」
「無理じゃありません!普段からえっちなことばっかり考えてるからダメなんだよ!」
「...か、考えてないし」
「ふーん?本当かなぁ?どうかなぁ?」
「...考えてない...です」
「じゃあ、見れるよね?」と、そのまま髪を分けて背中を見せてくる。
「...」と、まじまじと見つめる。
「...どう?赤くなったりしてない?」
すごく白くて綺麗な肌だった。
傷も何もなく、ただ白い肌。
思わず触りたくなってしまい、人差し指でその背骨のラインを触る。
「!?!?///」と、直ぐに振り返り真凜ちゃんが俺を見つめる。
「きゅ、急にエッチな触り方しないでよ!!//び、びっくりするじゃん!」
「い、いや、別にえっちな触り方とかしてないけど...」
「してたから!ちょーしてたから!」
「...ごめんなさい」
「もー、とりあえずヒリヒリとかはしてなさそうだし、大丈夫かな?あっ、碧くんも見てあげよーか?」
「い、いいよ。...俺は焼けてるの分かってるし」
「えー、つまんないなー。せっかく見てあげようって言ってんのに」
「...結構です」
「そっかそっか!仕方ないなー!今度無理やり脱がせて見ることにするよ!」
「...そんなエロ悪代官みたいなことは辞めてくれ」
こうして、俺たちの夏休みは終わりに向かっていくのだった。
◇
「...本当にこのままでいいのかな。私」と、私は私に質問する。
『いいわけないでしょ。何もしないまま、また諦めるの?今までみたいに中途半端で投げ出して。そうやってまた1人で泣くの?傷つかずに得られるものなんて全部偽物よ。傷ついてでも欲しいもの、得られるものが本物だから。最後ぐらい、自分で受け止めな』と、私は答える。
「...うん」
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる