天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄

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高校生編

第21話 父親

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「でね!この前ねぇ!」

「あははwマジウケるw」と、いつも通り楽しそうに話している真凜ちゃん。

 そんな様子を見ながら清人と駄弁りながら昼飯を食べていた。

「いやー、みんな元気になって一件落着...!ってな!」

「そうだな。一件落着...だけど、俺が倒れてる間もちゃんとテスト勉強はしてたんだろうな?最後の夏休みで赤点とか勘弁してくれよ?」

「もーちのろんのスケスケ水着!」

「きもいから。教室で普通にそういうこと言うなよ」

 そんな話をしていると、トコトコと七谷さんがやってくる。

「二人とも...何話してるの?」

「いやぁ、別に?碧が女の子のスケスケ水着が見たいとかいうから...」

「俺は言ってねーよ。めちゃくちゃ言うな」

「スケスケ...水着...//...そっか...//」と、顔を真っ赤にする。
相変わらず顔に出やすい子だな...。

「うへぇ~、地味顔のやつって大体性癖歪んでんのよねぇ~」と、苦笑いしながら本庄が話に割り込んでくる。

「...だから俺じゃないって...」

「とかいってー、実際みたいんでしょ?w確かに海のスケスケ水着とか...かなり迫力ありそうだもんねぇ」と、エロおやじさながらの笑みを浮かべてるギャル。

「わ、私なんて...そんなそんな...」と、謙遜する七谷さん。

「てか、千里は余裕こいてるけどテストは大丈夫なーん?」

「こう見えて私、勉強ができる系のギャルだから。なめんなよ?」

 本庄さんあんまり男子と話さないが、清人とはそれなりに仲良いんだよなー。

「まじかよ!裏切者!その見た目なんだから馬鹿であれよ!」

「あぁぁぁん?!」と、そのまま逃げる清人と追いかける本庄さん。

「あはは...元気だね...あの二人...」

「そうだな。いっつも楽しそうでいいよな」

「その...最近休んでたけど...テスト勉強とか大丈夫...?も、もしよかったら...その...」

 真凛ちゃんのことがふと頭を過る。
真凛ちゃんは頭は良いが、あまり人に教えるのが向いていないタイプではある。
そういう意味ではきっと七谷さんは適任な気がした。
けど、二人で会うのは少し気が引けたので、「清人も誘っていい?」と聞くとすこしだけ残念そうな顔をしたものの、「うん。みんないたほうが...楽しいもんね」といった。

 その顔を見て少しだけ複雑な気持ちになった。

 ◇PM5:30 七谷家 リビング

「学校での海はどうだい?」

「え?あぁ...その...結構友達も多いですし...その...楽しそうにしていると思います」

 えぇ...なにこの気まずいシチュエーション...。
なんでこのタイミングでお風呂に入ってるの...七谷さん...。

 リビングで女子のクラスメイトのお父さんとのワンオーワンとか...地獄のバスケじゃないんだから...。

「そうかい。それはよかった。けど、元気でよかったよ」

「...?」

「...本当にすごい偶然だよね」

「...はい?」

「冬館の夜」と、言いながら棚から一つのDVDを取り出す。

「...それ...」

「私はB級映画マニアでね。おっと...この映画の主役の人を前にB級とは失礼なことを言ってしまったね」

「いえ!...実際B級ですし...。僕のこと...ご存知だったんですか?」

「顔を見てすぐにわかったよ。この映画は私のお気に入りでね。今でもよく見返してて、小さい頃の海にもよく見せていたんだよ。この子すごいすごいっていつも言っていてね。けど、あの事故があったろう?それ以降君のことを見ることがなかったから...こういうのはもう嫌いになってしまったのかな?」

「いえ...!そんなことは...ないです...。けど、もうあんな演技はできないです。あの時はただ...母に褒められたくて...ただそれだけでしたから」

「...いやなことを思い出させてしまったね。それで?海とはどこまで行ってるんだい?もう、ずっこんとばっこんをするような関係なのかい?」

「い、いや!あの...!僕たちはその...と、友達なので...」

「なんだ、彼女彼氏の関係ではないのか。それとも友達の関係でずっこんとばっこんをしてたりするのかな?」

「いや!してないですから!」

「今は...ね?」

「いや、そんな含みを持つような関係でもないですから!」と言っていると、脱衣所からまだ髪の毛が濡れている海ちゃんが慌てて出てくる。

「あ、碧くん...!?//あれ、6時からじゃなかったっけ...!?//」

「いや...五時半って聞いていたけど...」

「ご、ごめんなさい...!す、すぐ用意します!」と、いつになく機敏に動く海ちゃんであった。

「...どうだい?娘は顔はいいし、胸も大きい。あと、すごく尽くしてくれると思うよ?」

 そういうこと父親が言うものだろうか。

「いや...その...ごめんなさい」

「そうかい。やはりネックはもう一人の方かい?」

「...もう一人?」

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