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第11話 童貞とボヘミア国
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「おにぃちゃーん!!」
「あっ、お兄ちゃん!」
部屋でゴロゴロしていると、シュカとリュカがやってくる。
「おー、どうしたー?」
「ね!!おにいちゃんはどうていさんなの!?」
「...ん?」
流石に聞き間違いだよね。
俺には童貞に聞こえたけど...この世界には銅帝みたいなかっちょえー帝でもいるんだっけかな?
「あのね、あのね、お姉ちゃんが言ってたの!お兄ちゃんはどうていさんだって!」
「ちょっ//あんたら!//」と、リベルも入ってくる。
「おい、リベルさん。俺のいないところで何吹き込んじゃってんの?何?童貞?あぁ、そうだよ。童貞だよ!!」
「やったー!どうていだー!」
「どうてい!どうてい!当たった!当たった!」と、はしゃいでいるシュカとリュカ。
何?この世界ではもう童貞は一種の道化扱いなの?なんで子供達にそんな笑われないといけないの?
悲しいのだけれど...。
「...そうだよ、お兄ちゃんは童貞だよ。きっと一生ね...」と、俺は上を向きながら涙を流す。
「あははははwどうていはね、恥ずかしいことだって言ってたよ!お姉ちゃんが!ねー!リュカ!」「うん!そうだよ、シュカ!」
双子みたいに仲良しですね。
そして、2人で心を抉るのですね。
痛いです。童貞の心、相当傷んでます。
そのまま楽しそうに俺の部屋を出ていく2人。
それについていこうとするリベルに声をかける。
「おい、リベル。あんな無垢な女の子になんてこと吹き込んでんだ」
「し、仕方ないじゃない...。この家にああいう本があるからいけないのよ...」
「ああいう本?」
「そうよ!//シュカの隣の部屋に大量の...//そういう本が有るでしょうが!!//」
「鍵開けたのかよ!」
「開いてたのよ!//」
そんなやり取りをし終えてようやく落ち着く俺たち。
「...ところでどうだ?家族仲良く出来てるか?」
「おかげさまでね。本当に感謝してるわ...。こんな風にまた家族と過ごせる時間が来るなんて...」
「まぁ、鬼嫁の命令なら仕方ないからな」
「...鬼嫁...。私のことそんな風に思ってるの?」
「いや、冗談だっての」
「...そう。あっ、そうだ。お父さんが言ってたんだけど...ボヘミヤ国が侵攻を企んでるって。城下町では結構噂されてるみたい」
「そういや、貴族会でもそんなこと言ってたな」
「...あんたねぇ、ちゃんと情報収集はしているの?それに狙われているのは都城ではなく、地方の貴族らしいって噂。外堀から攻めるのはまぁ、戦争の上では常套手段だけどね」
「まさか、この城が狙われているとか?」
「あくまで噂だけどね。けど、情報は水よ。いつまでも古い情報のままだと取り返しのつかないことになるわよ」
「...そうだな。うん。警備を強化しておくわ。セバちゃんにも話をつけておく」
「...というか、この城の警備ってもしかしてあんたとあの執事さんだけ...なんて言わないわよね?」
「いや、そうだけど?他はメイドやシェフ含めて全員元奴隷の子たちだし。戦闘力は皆無だから」
「...よくそれでここまで侵攻されずに済んでるわね...」
「まぁ、城の周りには低級が大量に住んでいるし、少し森を深く入れば中級程度もいるからな。人類にとっての敵である魔物が奇しくも俺たちの安全に一役買ってるってことだ」
「...なんで魔物はこの城を攻撃しないの?」
「そりゃ、セバちゃんが魔法陣を張ってるから。あの程度の魔物じゃ破れない」
「もしかして、あの執事さんも結構強いの?」
「そりゃあな」
だって、セバちゃんは【神の子羊】だからな。
「...そう。私にとってここは世界のどこより居心地のいい場所だから。そして、ラン。あんたにとってもきっとそうなのでしょ?」
「あたりめーだ。ここには守りたい人がたくさんいるからな」と、リベルを見つめると「ば、馬鹿じゃないの...?//」と顔を赤くするのだった。
◇ボヘミア国 貴族会
「ふむ。そろそろいい頃合いなのでは?準備の程はいかほどで?」
「いつでも出撃可能です」
「しかし、大丈夫なのか?向こうにはあの【X】なる人物がいるのだろう。先日はあの100年倒されることのなかった業火の龍を単独で倒したと聞くじゃないか。さらに噂によると、その正体は地方貴族だとか...」
「虎の尾を踏む...と言いたいのか?と言ってもまずはその中でも弱小とされるルーズベルト家であれば問題なかろう」
「そうですね。私が調べたところによると他貴族との関わりもほとんどないですし、ギルドとの関係も希薄。都城から離れているため付近に魔物が大量にいますがどれも低級ですから問題ないかと」
「弱小貴族といえどあそこに拠点を作れれば我らの勝率もグンとあがるからな。それで?向かわせるのはどこのギルドですかな?」
「まー、森には低級~中級がゴロゴロいつようですから...まぁ、Cランカーで問題ないでしょう。いくつかのグループに声をかけてみますよ」
「戦争前に無駄な出費は避けたいところですからな」
「「「あははははは」」」
「あっ、お兄ちゃん!」
部屋でゴロゴロしていると、シュカとリュカがやってくる。
「おー、どうしたー?」
「ね!!おにいちゃんはどうていさんなの!?」
「...ん?」
流石に聞き間違いだよね。
俺には童貞に聞こえたけど...この世界には銅帝みたいなかっちょえー帝でもいるんだっけかな?
「あのね、あのね、お姉ちゃんが言ってたの!お兄ちゃんはどうていさんだって!」
「ちょっ//あんたら!//」と、リベルも入ってくる。
「おい、リベルさん。俺のいないところで何吹き込んじゃってんの?何?童貞?あぁ、そうだよ。童貞だよ!!」
「やったー!どうていだー!」
「どうてい!どうてい!当たった!当たった!」と、はしゃいでいるシュカとリュカ。
何?この世界ではもう童貞は一種の道化扱いなの?なんで子供達にそんな笑われないといけないの?
悲しいのだけれど...。
「...そうだよ、お兄ちゃんは童貞だよ。きっと一生ね...」と、俺は上を向きながら涙を流す。
「あははははwどうていはね、恥ずかしいことだって言ってたよ!お姉ちゃんが!ねー!リュカ!」「うん!そうだよ、シュカ!」
双子みたいに仲良しですね。
そして、2人で心を抉るのですね。
痛いです。童貞の心、相当傷んでます。
そのまま楽しそうに俺の部屋を出ていく2人。
それについていこうとするリベルに声をかける。
「おい、リベル。あんな無垢な女の子になんてこと吹き込んでんだ」
「し、仕方ないじゃない...。この家にああいう本があるからいけないのよ...」
「ああいう本?」
「そうよ!//シュカの隣の部屋に大量の...//そういう本が有るでしょうが!!//」
「鍵開けたのかよ!」
「開いてたのよ!//」
そんなやり取りをし終えてようやく落ち着く俺たち。
「...ところでどうだ?家族仲良く出来てるか?」
「おかげさまでね。本当に感謝してるわ...。こんな風にまた家族と過ごせる時間が来るなんて...」
「まぁ、鬼嫁の命令なら仕方ないからな」
「...鬼嫁...。私のことそんな風に思ってるの?」
「いや、冗談だっての」
「...そう。あっ、そうだ。お父さんが言ってたんだけど...ボヘミヤ国が侵攻を企んでるって。城下町では結構噂されてるみたい」
「そういや、貴族会でもそんなこと言ってたな」
「...あんたねぇ、ちゃんと情報収集はしているの?それに狙われているのは都城ではなく、地方の貴族らしいって噂。外堀から攻めるのはまぁ、戦争の上では常套手段だけどね」
「まさか、この城が狙われているとか?」
「あくまで噂だけどね。けど、情報は水よ。いつまでも古い情報のままだと取り返しのつかないことになるわよ」
「...そうだな。うん。警備を強化しておくわ。セバちゃんにも話をつけておく」
「...というか、この城の警備ってもしかしてあんたとあの執事さんだけ...なんて言わないわよね?」
「いや、そうだけど?他はメイドやシェフ含めて全員元奴隷の子たちだし。戦闘力は皆無だから」
「...よくそれでここまで侵攻されずに済んでるわね...」
「まぁ、城の周りには低級が大量に住んでいるし、少し森を深く入れば中級程度もいるからな。人類にとっての敵である魔物が奇しくも俺たちの安全に一役買ってるってことだ」
「...なんで魔物はこの城を攻撃しないの?」
「そりゃ、セバちゃんが魔法陣を張ってるから。あの程度の魔物じゃ破れない」
「もしかして、あの執事さんも結構強いの?」
「そりゃあな」
だって、セバちゃんは【神の子羊】だからな。
「...そう。私にとってここは世界のどこより居心地のいい場所だから。そして、ラン。あんたにとってもきっとそうなのでしょ?」
「あたりめーだ。ここには守りたい人がたくさんいるからな」と、リベルを見つめると「ば、馬鹿じゃないの...?//」と顔を赤くするのだった。
◇ボヘミア国 貴族会
「ふむ。そろそろいい頃合いなのでは?準備の程はいかほどで?」
「いつでも出撃可能です」
「しかし、大丈夫なのか?向こうにはあの【X】なる人物がいるのだろう。先日はあの100年倒されることのなかった業火の龍を単独で倒したと聞くじゃないか。さらに噂によると、その正体は地方貴族だとか...」
「虎の尾を踏む...と言いたいのか?と言ってもまずはその中でも弱小とされるルーズベルト家であれば問題なかろう」
「そうですね。私が調べたところによると他貴族との関わりもほとんどないですし、ギルドとの関係も希薄。都城から離れているため付近に魔物が大量にいますがどれも低級ですから問題ないかと」
「弱小貴族といえどあそこに拠点を作れれば我らの勝率もグンとあがるからな。それで?向かわせるのはどこのギルドですかな?」
「まー、森には低級~中級がゴロゴロいつようですから...まぁ、Cランカーで問題ないでしょう。いくつかのグループに声をかけてみますよ」
「戦争前に無駄な出費は避けたいところですからな」
「「「あははははは」」」
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