異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第三十二話

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 挨拶は大事だ。特に命を預ける相手になるかもしれない人には、良い印象を与えておきたい。
 
 
 僕がソフィアさんとアラナが所属する第八部隊に挨拶に行くと、有名な傭兵団の「フクロウ」が配備されていて、この名前なら聞いたことがあった。百三十人ほどの大部隊で屈強な男ばかり。とてもここの団長にはなれそうも無い。衆道は嫌です。
 
 衆道は……  いえ、団長は背の高い日焼けの肌に白い歯が眩しい色男。体躯も良くプリシラさんと並んでも良いくらいの男。プリシラさんはあげないけどね。
 
 「こんにちは。白百合団の団長のミカエル・シンです。この度はうちから団員二名が第八部隊に一時参加しますので、そのご挨拶に参りました」
 
 「これはシン殿。私はフクロウ団、団長のダン・ラッセルです。お一人、魔法が使える方がいるとか。護衛の方はフクロウ団が責任をもってやりますぞ」
 
 このダンさんは見た目もいいが話もしっかりしている傭兵には珍しい品のある人だった。話も面白くさすが百三十人を束ねる団長だと見習うべき所が多い人だ。簡単な挨拶だったが紹介も終わり。いよいよ明日は戦場に立つ。
 
 
 「……お待ちしてました」
 
 明日の戦場より今日の戦場。僕には夜の戦場が待っている。戦場なんて物騒な話だが、本当に物騒な営みだ。
 
 「少し遅れましたか?    調整官との話が伸びちゃって……」
 
 「……」
 
 ……平気かな?    怒っては無いみたいだ。僕はクリスティンさんが待っている「防音テント」に潜り込んだ。このテントはどんな仕掛けになってるのか分からないが、外に一切の音が漏れない。何をしても……    僕の悲鳴でも……
 
 クリスティンは下着姿で待っていた。残念ながら下着と言ってもティーシャツに短パンなのが、この世界では普通でオリエッタの様にネグリジェなんかは無い。
 
 いつか全員分の下着とネグリジェをオリエッタに作ってもらわないと。僕はそう心に決めてクリスティンさんを押し倒した。
 
 「ぐぅっ!」
 
 はい、来ました、心臓発作。負けてないぜ神速の心臓マッサージ。このくらいで発作をさせられるなんて、もしかして怒ってませんか?
 
 「……大丈夫ですか」
 
 本当に心配して僕の顔を見る。近くで見るクリスティンはとても綺麗だ。これで心臓発作を起こさせる力が無ければ、どこかの国の王様の正室にもなれるだろう。
 
 「だ、大丈夫ですよ。クリスティンさん……」
 
 「……」
 
 「とても綺麗だ……」
 
 はい、二度目の心臓発作来ました。今度のはさっきより神速を上げないと死ねる。クリスティンは僕に抱き付きキスをせがむ。僕はそれに答えて三度目をもらう。
 
 「……ミカエル、私のオマンコをぐちょぐちょにして」
 
 普段、話をしないクリスティン。こんな時は別人の様に喋る。しかも卑猥な言葉を惜し気も無く使うから防音テントは必須だ。
 
 キスを首筋までして右手は胸に。柔らかい胸の形が変わるまで強く揉んでやろう。上から順番に楽しまないと。
 
 「は…あっ!    あぁっん…んっあ…ああ……」
 
 感度の良いクリスティンの声がテントに響く。ピンクの頂きがプルプル震えて可愛い。舌を這わせて転がす。
 
 「そ……ぉれぇ気持…ちぃい…いいい……ぃ」
 
 身体もほんのりピンク色。ショーツの中に手を入れ割れ目に沿わせて神速の指使い。
 
 「あ…ぁ!    が…ぁあっが……っダアアッメエエ!    気持…ち…よおおぉっす…ぎ…ぃ…」
 
 すぐに神速をマッサージに戻して痛みを堪える。下からは愛液も流れだし長居は無用だ。
 
 「クリスティン、入れるよ……」
 
 「は…あ…ぁっいい……    グチャグ…ゥウチャ…ァアッ…にっし!てぇええ…」
 
 ショーツをずらして一気に差し込むペティナイフをクリスティンの蜜壷は簡単に受け入れた。僕は身体を反らして恍惚に酔いしれるクリスティンに僕は容赦の無く突き続けた。
 
 「あっううぁあ…あぁは…………っん…っうううぅは…あ、ダ…メ…いぃっぐぅ…!」
 
 僕はクリスティンの中にドロッとした白濁液を流し込み、自分でも今日は多かったと思えた。クリスティンの身体は小刻みに震えやがて静かに眠った。
 
 僕達、白百合団はこのヌーユで戦功をあげ二つ名をもらう。その二つ名をもって世の中に……
 
 「ミカ……エル、    ……もっとして……」
 
 エム字開脚で僕を受け入れようとするクリスティンに僕はもう一度、ペティナイフを突き刺す。
 
 「あぁ…こ…おっれぇ、こぉぉっれぇ…が…す…ぅごおぉいい…っ」
 
 今度は心臓マッサージを止めてのチェーンガンの三秒斉射。ライカンスロープ用の兵器に人間のクリスティンが耐えられる筈も無く、喘ぎ声もあげる暇も無く悶絶した。
 
 僕達、白百合団はこのヌーユで戦功をあげ二つ名をもらう。その二つ名をもって世の中に知れ渡り、いずれは魔王と戦う。僕達はここで……
 
 「もぉっ…とおお…もぉっ……    しぃてぇっ……    オマ…ッンコオォォッ!    グッチャ…グチャ…にぃぃぃ…!し…!て…ぇ」
 
 白濁液を蜜壷から流しながら懇願するクリスティンは、四つん這いで尻を上げ僕を待ち受ける。今度は天国まで飛ばしてやるよ。チェーンガンのフルパワーで。
 
 「あぁぁぁふう…ん…気っ!持…!ちぃぃ!い……い…い、もぉ…ぉうううぅう!死…にい…そおお!う…うぅ」
 
 まるでダンスを踊ってるかの様に身体を震わせ、飛んで行く様に崩れ落ちたクリスティン。
 
 僕達、白百合団はこのヌーユで戦功をあげ二つ名をもらう。その二つ名をもって世の中に知れ渡り、いずれは魔王と戦う。僕達はここで立ち止まってる訳には行かない。邪魔する者は全て殲滅する。僕達は殲滅旅団だ。
 
 「もっとぉぉぉ……」
 
 おい!
 
 
 
  「全軍前進」
 
 ステフォン城の前方に広がる草原にマクジュル軍、約二千が陣形を整え整然と進軍し、迎えるステフォン城のハリヌーク帝国軍、約千五百が城外で待ち受ける形となった。
 
 先に陣を敷いていたプロメリヤ王国は影も形も無く、死体の数や陣の破壊具合から壊滅もしくは逃走したと判断し、今ならステフォン城落としやすしと判断。ここにマクジュルが進撃する事となる。僕達、第七部隊は左翼前衛、約二百の中に組み込まれ五番手を歩いてる。
 
 「この時間が一番退屈」
 
 「プリシラさんもう直ぐですから集中してください。ふうわぁぁあ~」
 
 「アクビなんてしてんじゃねぇ。第一、集中も何もこんな遠くて何をするんだよ」
 
 確かにまだ敵軍まで距離はあるが何があるか分からないのが戦場じゃないか。頭の後ろで手を組んで退屈そうに歩くのは止めてね。ルフィナにもアクビが移ったか。
 
 ジワリ、ジワリと進軍して行くマクジュル軍に対してピクりとも動かぬハリヌーク帝国。頃合いと思った時に地面がぬかるみ、泥に足を取られる様になった。
 
 「向こうには土系の魔法使いがいるのか」
 
 口々にぬかるんだ足元の事に罵声を浴びせ進撃速度が緩まった時に頭上から何トンもある大岩が降り注いだ。
 
 「物理防御魔法発動」
 
 僕達、第七部隊の後方、第八部隊所属の魔法使い達は大岩を防ぐため僕達の上にシールドを展開して落下を防いでいたが、物が大きい為に落下スピードを落とすに留まって逃げ遅れた者は潰されていった。
 
 「ミカエルよ、投石機の割に飛んでくる石の数が多い。こんなに早く次弾が撃てる投石機なんて聞いたことがねぇよ」
 
 「恐らく土系魔法使いが多いのでしょう。石はその場で作り投石機には大型のゴーレムでも使えばこの位は出きると思いますよ」
 
 「さすが団長、冴えてるな」
 
 「この「ぬかるみ」といい、投石機といい、かなりの数の土系の魔法使いが居なければ出来ない事なんですけどね」
 
 「それで、これからどうなるんだ」
 
 「恐らく投石を避ける為に突撃になります。が、敵も突撃を止める何らかの手を打ってくるでしょう」
 
 「何らかってなんら~?」
 
 「オリエッタの真似は面白くないですよ。恐らく土系としか言えません。ぬかるみで見難いですが落とし穴には気を付けてください。……オリエッタ、僕が今、何て言ったか言ってみろ」
 
 「……突撃」
 
 「今度はクリスティンさんの真似か。ちゃんと聞いて下さい。ぬかるみ、土系の魔法に注意です」
 
 「泥んこ遊びは昔は良くしました~」
 
 一回、泥に沈めてやろうか。
 
 「突撃が掛かったら距離的に物理防御魔法は届きません。投石は自前で避けて下さい。クリスティンさんは僕の前に、危なくなったら抱いて避けます」
 
 クリスティンさんの「不幸にも心臓麻痺」は弓の射手にも有効だ。原理は分からないが狙っただけで心臓が発作する。だが、どの位の距離までが有効か試した事は無いし相手がゴーレムなら心臓は無い。
 
 「あたいも~」
 
 「可愛く言ってもダメ、自力で走れ!    ……そろそろですよ」
 
 大きなドラの音がなって各隊の前衛、第一、二、五、七部隊がステフォン城に向けて突撃を開始した。
 
 こちらの突撃に合わせたかの様に投石機の石の大きさが小さくなり、放射状に放たれた人頭大の石は進撃を食い止めるのには十分な威力を発揮する。
 
 僕らの前にいた四番手まではほぼ壊滅しいつしか五番手を歩いていた僕達が最前線を歩く形になってしまっていた。
 
 「いよいよ出番だな」
 
 「そうですね。オリエッタ、クリスティンさんを任せました。プリシラさん行きましょう」
 
 第七部隊でもかなりの数が殺られている上に投石機による放射状の投石、ぬかるみによる遅延、敵に辿り着く前に撤退も考えられていた時、第七部隊から二つの影が敵に向けて飛び出して行った。
 
 「プリシラさん遅いですよ」
 
 「うるせえ。ライカンスロープになれば、てめぇなんかに負けはしねえよ」
 
 「もう敵も槍を構えて待ってるみたいですね」
 
 投石も、飛んでくる矢も僕達二人にとっては温さしか感じられない。  
 
 「女は男を待たすもんだ」
 
 「それでは姫の為につゆ払いを」
 
 「良きに計らえ」
 
 こんな下らない話を出来るほど帝国軍は温かった。魔法がなければたいした事はない。チート全開で加速して敵陣に飛び込んだ時には五人の首が宙に舞った。さらに五人!    プリシラさんが追い付いた時には十人の首が落ちていた。
 
 「やるじゃねえか。さすが、あたいの男だけはあるねぇ」
 
 「戦時報酬は僕がもらいますよ」
 
 「そうはいかねぇ。あたいの実力はここからだぜ」
 
 戦時報酬が効いたのか追い付いたプリシラさんはいきなりライカンスロープに変わった。戦時報酬は僕がもらう。フリーダムな一日を過ごす為に。
 
 
 ハリヌーク軍、右翼は二つの暴風を止める事が出来ないでいた。
 
 
 
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