25 / 292
第二十五話
しおりを挟む毒蛇に噛まれたら、毒を吸い出してやるのがいい。もちろん、その為の器具はあるけれど、この世界には無いし、緊急事態だし……
毒で苦しむ銀眼のクリーゼル伯爵を助けるべく、緊急事態として唇から毒を吸い出してやった。そればかりか、胸の二つの大きな膨らみの先からも出る様にと片方の胸だけを揉みまわした。
クリーゼル伯爵は俺の解毒の効果が現れたのか、腰から力が抜けて来ている様だ。治療の最中に倒れられては困ると、腰に手を回し毒を吸い続け舌を絡ませ、今度は左の胸を服の上から揉んでやった。
「んちゅん…… っんぐっ…… あぁっふ……」
クリーゼル伯爵からも艶っぽい声が漏れるが、治療中に不謹慎だと思うよ。それにこの服は治療の邪魔だね。脱がしてしまおう。
脱がしにかかれば、自分から脱ぎ始めたクリーゼル。協力的な患者さんだ、それなら揉むだけで無く膨らみ、特に先っぽのピンク色の所から毒を吸いだしてやろう。
「あぁふ…… はぁっ…… あぁっ、あぁあ……」
解毒の効果は有りそうだ。身体も火照ったピンク色になってきてやがる。そう言えばアラナにも有った下腹部のジャングルはどこだ? そこにも洞窟があるのか?
俺がまさぐるとジャングルの感触が。さらに先に進めば何かボタンの様な物が。俺は昔のゲームを思い出して連打した。
「はぁっううぅあがっ! ……ぅううぅぐぁぎゃぅくっ!」
……連打は止めよう、ゲームじゃないんだし。ボタンは無視して先に進もう、この先の洞窟が目的だ。 ……おかしいぞ! 雨漏りしている!? 大量の水が吹き出してる! 誰が水道管を破裂させたのか!?
だが、ここで諦めたら探検家の名が廃る。進んでは押し返され、押し返されては進み、ゆっくりと速く、肉壁をたどる様に奥へと進んだ。
「あぁうっ! ああっうっ! あ、はぁうっ! はぁはぁ……」
ようやく辿り着いた洞窟の奥底には、扉の様に先へは行けなかった。そこからは何人たりとも行かせまいと、厳重な鍵が掛かってるかのようだ。扉があるならノックをしよう。コン、コン、コン。
「あがっ! えぅがぁ! えぐっ!」
返事はあるが扉は開いてくれない。誰かがいるのは間違いないのに、返事だけは寂しいな。開けてくれるまでノックしまくってやろうか!
「シ、シン…… も、もう立っていられない……」
患者さんを立たせたままにしてたなんて…… 医者としては失格だな。寝かせられるベッドも無いし机の上で構わないや。
机の上の書類から全てを払い落とし、クリーゼルに手を着かせてケツをこちらに出させた。これでいい。これで奥の扉にノックしてやる。鋼鉄のペティナイフは洞窟の肉壁を掻い潜り、奥の扉に激しく幾度もノックをした。
「あっああっ…… ああっはぁ……はぁうっ!」
ノックが足りないのか、扉が開く気配がまったく無い。 ……そうか! しまった! 俺とした事がこんな事を忘れるなんて! 人様のお家にお邪魔する時に手土産の一つも持って来なきゃ。
どうしよう…… 近くにコンビニも無いだろうし、買いに行く時間も無い。だけどコンビニが有ったとしても、心のこもった方が喜ばれるはずだろ。良し! 手作りのホワイトチョコをやろう。ドロッとした舌触りが喉に絡み付く……
「出すぜ……」
「い、いや! い…… いい…… 早く、中に出して!」
欲しければやるのに、チョコくらいで卑しい女だ。躾の為にもケツを叩いてやるか。少しは行儀良くなるだろ。
「あ、ううっ! ああっあ…… んむんっ…… あふっ……」
ホワイトチョコは無事にドアまで届けられた。でとちゃんと受け取ってくれるのかな? 俺としては、ちゃんと目を見て渡したいものだ。
クリーゼルは机に伏せて身体を痙攣させてる。よほど治療の効果があったのだろ。医者冥利に尽きると言うもんだ。せっかくだから注射もしておこう。
神速! チェーンガン!
悶える身体が益々震え、言葉を発する事も無くクリーゼル伯爵は快楽の海を裸で泳ぎ始めた。浮き輪を貸してあげないと溺れるか? それとも溺れさせてやろうかな。
神速! チェーンガン!
「んんん! もぉ……ぉおっ! うぅ…ぅっだぁあ…! めぇ…えぇっ」
例え気を失おうと、チェーンガンの威力で引き戻し、チェーンガンの威力で悶え狂わせる…… 俺が疲れはてるまで。
朝、起きると頭が痛い。だけど感じる暖かさとやわらかさ。誰の背中だろう…… 覆い被さる様に机に伏せてペティナイフは突き刺さったまま。朝から元気だね。
この肌の艶はソフィアさんに似てるけど、髪の毛の色が茶色じゃない。クリスティンさんにも似てるけど彼女の方がもっと痩せている。ヤバい事になってるかな? とりあえずナイフを抜かないと。
ずるりと、抜けるナイフと支えを失って倒れるクリーゼル伯爵を抱き止め…… クリーゼル伯爵!? 何でクリーゼル伯爵が僕達の部屋にいるんだ!
周りを見渡せば見慣れない部屋に散らかった書類や家具。ここは僕が居た部屋じゃない。そして裸の伯爵様が僕の腕の中に…… ヤバい!
合意か!? 合意なのか! それより合意だろうが、この状況が分からないし白百合団に知られたら殺される!
……逃げよう。僕はクリーゼル伯爵をソファーに寝かせ、床に落ちていたローブを掛け、僕が居た証拠を拭いて、その場を後にした。
白百合団の居た部屋に戻る廊下は「阿鼻叫喚」「地獄絵図」の言葉が似合っているだろう。そこには、おぞましい衆道の世界。屋敷中にいた、騎士や傭兵達の淫らな世界。正直、吐き気がする。見るのも辛い。手を貸してやる気にさえならない。
部屋に戻れば暖炉の火が消えていて少し寒い。そして何故か皆が裸だ、寒いだろうに。プリシラさんはライカンスロープで毛並みも充分暖かそうだ。アラナは何かから逃げるようにしてドアの所にいるし、クリスティンさんとソフィアさんはソファで抱き合って羨ましい。ルフィナとオリエッタは…… 放っておいても大丈夫だな。
皆を優しく起こして着替えさせ、僕はソファーに座りながらゆっくりと着替えを観察させてもらった。特にソフィアさんのは後学の為にも観察を怠らない。なるほど、逆手順でやれば簡単に脱がせられるのね。
「全員、服を着た所でこの説明をしてくれる人はいますか」
「いいじゃねぇか、昨日は楽しめたんだからよ」
「そういう問題じゃありません。オリエッタを見て下さい。まだヘロヘロですよ」
「ヘロヘロにしたのは団長だろ」
「取りあえず、何をしたかを教えて下さい。あれは普通じゃない」
「オリエッタが催淫剤をバラ撒いただけである。団長を楽しませようとオリエッタがやったのである」
楽しんだよ、曖昧な記憶だけどね。ん? バラ撒いた? 催淫剤をバラ撒いたってピンク色の霧の事か!?
「バラ撒いたってどういう事ですか?」
「詳しくはオリエッタにしか分からないであるが、分量を間違ったらしく暖炉に捨てたのである」
暖炉で揮発した催淫剤は煙突を出た時、爆発的に拡散され辺り一面にバラ撒く事となった。外に居た者は勿論の事、屋敷の中にも充満し、バリケードを築いたとしても小さな隙間から侵食していった。
帰りの行軍は一種異様な風景に包まれ、手を繋ぎ腕を組んで歩く者が続出し、二人きりで行軍を離れる者まで出て来た。僕に色目を使う者までいたが、クリスティンさんの餌食になったのは言うまでも無い。
僕達は無事に仕事を終えて報酬を貰った。
0
お気に入りに追加
401
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる