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第二十一
しおりを挟む朝一番でオリエッタにベッドの修理を任せて、僕はソフィアさんにペティナイフの具合を診てもらう事にした。
僕はソフィアさんに事の真相を話し、傷だらけになったペティナイフを診てもらった。ソフィアさんの治癒魔法は素晴らしく呪文を唱えペティナイフを咥えると傷痕がみるみる消えて、ますます固くなった。
「ソフィアさん、呪文の後からの事って必要でしたか?」
「必要ですよ、はむ……」
必要性は感じられ無いが…… まっ、いっか! 気持ちいいし。朝食までは時間があるし、このままならいいかな。座っているだけで気持ちいい。
僕はソフィアさんにされるがまま、見下ろしていた。栗毛がふさふさと揺れる。口からはイヤらしい音が漏れる。男の幸せ、男の欲望、正にここに至れりって感じだ。
「団長、朝飯っす!」
ノックもせずにドアを開けたアラナに驚いたソフィアさんは、ペティナイフを噛み締め、二つのボールを握り潰そうとした。
「っが!?」
言葉になら無い言葉を発して僕は股間を押さえ悶絶した。まさか…… そんな…… 治療に来た女医さんに怪我を負わされるとは思わなかった。舐めてくれるとも思わなかったけど。
「アラナ! ドアはノックするように言ってるでしょ!」
「あれ~。何をしてたッスか? いちゃラブっすか? 楽しそうッスねぇ」
もしかしてアラナよ。以前、ソフィアさんにナイフで刺されたのを根に持っていたのか? いきなり入って驚かすなんて、一番の被害者は僕なのに……
「治療ですよ、アラナ。今度からちゃんとノックをして下さいね。団長、治療はお仕舞いです。朝食に行きましょう」
ソフィアさんは僕を置いてドアを潜ってしまったが、アラナはソフィアさんを見送りながら僕にサムアップして後を着いて行った。
アラナ的にはソフィアさんに「してやったり!」と言う気分なのだろうけど、やられたのは僕だからな! 急所を噛まれ握られる気分がどんなものか、いつか教えてやるぞ! ……僕が朝食の席に着いたのはそれから十分後だった。
朝食はプリシラさんとクリスティンさんとルフィナを抜きで食べ、今日は自由時間なので人を殺さないように告げ僕は一人で武器屋に向かった。
僕の武器は何にしようか。皮鎧は決まってるとして、武器は片手剣と盾か、それとも二刀流か。カッコいいのは二刀流だけどカッコより命が惜しいので盾にするか。それとも速さのチートで二刀流にするか迷う所だ。
だいたい転生者は魔法が使えて最強だけど僕の場合は速さが最強なだけで魔法も使えないし、剣の基本も知らない我流だ。
前世では兵站だったし戦っていた時間は短い。前前世はミリタリーマニアだったけれど、この世界にアサルトライフルが有れば…… 作ってみるか!?
武器屋の店主は片手剣に盾を進めて来たので素直にそれに決めた。予備のは馬車にあるけどやっぱり自分のが欲しくなるよ。
昼過ぎまで、この街の事やこの世界の生活習慣などを調べて回り、前世との違いはこれと言って見付からなかった。
帰るとベッドは直っていてみんなは出掛けていたので部屋の中で刀を振ったり決めポーズを考えたりして、疲れて眠ってしまった。
お前、馬鹿なの!? 絶対にバカだろ! 疲れてベッドで寝ていたら隣にアラナが寝てた。ソフィアさんに見つかったら二人とも串刺しだ。
「おはよッス。暖かそうなんで潜り込みました」
「ソ、ソフィアさんに見つかったら大変な事になるんじゃ…… 」
「大丈夫ッスよ。団長も冗談って言ってたじゃないッスか」
それはアラナを安心させる為の嘘です。冗談で刺す人がいますか! それにアラナもソフィアさんに挑戦状を叩き付けた感じになってるだろ!? こんな事が知られたら、考えただけでも恐ろしい。
「こういうのは、輪番だけで済ませた方がいいと思うよ。そらにしてもどうやって入ったの? ドアには鍵がかかってたのに」
「これは輪番とは違うッスよ。任意による自由参加ッス、それにこのドア以外とモロいッスよ。簡単にモゲたッス」
ドアノブは簡単にモゲねえよ。怪力バカか! もう少し命の心配してくれ、特に僕の命を。 ……ドアもオリエッタに言って直してもらわないと。
夕食の時には皆が集まりプリシラさんは良い男が見付からなかったと言い、ルフィナは良い死体が見付からなかったと僕に文句を言った。
今日はオリエッタが輪番なのだが、食事の時に夜の輪番の話をしてもソフィアさんの嫉妬を買う事は無く、むしろソフィアさんの方から話を合わせて来る様で怖かった。
馬車ではダメでベッドではイイ。何か違いはあるのだろうか? 手を繋ぐだけで刺され、輪番は薦められる。団則に載ってるとかが、基準になるのだろうか? ソフィアさんがオリエッタに悪い事を教えないかが一番の問題だ。
食事も終わり僕とオリエッタは団長権限でもらったダブルベッドが置かれている部屋に戻った。他のメンバーは大部屋が多く、個室なんてもらえない。これは団長として偉いからもらった訳ではなく、輪番の為は言うまでもない。
「団長~。縛るのと、縛られるのと、薬か実験のどれがいいですか~」
四択…… 聞こえはいいが、実質一択に違いない。実験は抽象的で選べない、先に説明をしてくれないから。薬も同じく飲んでからとか、「そのうち分かります~」になる。
縛られると何をされるか分からない。薬も実験もやりたい放題になる。そうなるとオリエッタを縛る一択になるが、オリエッタの力では簡単にローブを引き千切るから大変だ。
「普通のは無いのかな? ベッドの中でお互いの愛を確かめ合うとか……」
「無いです~」
僕は説明で五分は話せる内容を持ち合わせていたのに「無いです~」とオリエッタのキラキラした目を見て諦めた。
「縛るので、お願いします……」
「団長をですか~」
「い、いえ、オリエッタを縛るので!」
オリエッタが呪文を唱えると空間に魔方陣が現れ、ロープやロウソクが落ちてくる。それに何か本らしき物も……
「団長にも分かり易く「縛り方」の本を持って来ました~」
僕はその本を手に取ると中身を見た。最初のページには手首を強固に縛る方法が載っていて、最後の方ではロープで縛り吊らされている人の絵が克明に記されていた。
「これを…… やるんですか……」
手首を縛るのはまだいい。これくらいなら「ごっこ遊び」としても通用しそうだから。それなら楽しそうだ。僕の小さなエス気が沸き上がる。
全身を縛る所からは厳しい。この本に書かれている女性の苦悶の表情まで描かれているのがキツイ。罪悪感が沸き上がる。
「初級編から行きましょうか。手首を縛るので……」
僕は差し出されたロープと両腕を取り、本の書いてある通りに縛ってみた。二、三度は縛り直したが、かなり強く縛られているようでオリエッタが力を入れても切られる事は無かった。
こうなれば、ここからは僕の時間だ。手首を縛られたゴスロリの美少女がベッドに横たわり、これから起こる事を想像してか目が潤んでいる。
神速! 千手観音!
ゴスロリの服の上からでも千手観音に耐えられる筈もなく、オリエッタは微かな吐息から大きな喘ぎの声に変わっていった。
「あっ…… はあぁぁ、うっ…… いや、うぅぅ…… もう、あぁん……」
やはり使える千手観音。鉄板だな…… でも、いきなりの千手観音は控えて組み立てを考えていかないと。もう少し「さわる」事を楽しみたい。
「もう入れて……」
やっぱり早かったか。ここは第二ラウンドで考えていこう。スライムも鋼鉄のペティナイフに変わってる事だし、チェーンガンは無しで楽しませてもらう。僕はペティナイフを突き立て腰を振り始めた。
「あふっ、あっ…… 激しぃ…… あんっ、あっ……」
まだ何もして無いつもりだけど、オリエッタには充分だったみたいだ。腰の動きに合わせて痙攣し始めるオリエッタの両腕を頭の上で押さえて、僕はもて遊ぶ様に腰を振った。
「あぁ、ダメッ…… そんな…… はぁん、あっ、ああっ! あっ、あっ、あぅぅ!」
腰を振るのに忙しいが、オリエッタを押さえている両腕にも力が入る。押さえられ無い。この小さな身体の何処にこんな力があるんだ!? オリエッタは押さえられていた両腕を振り払って、僕の下腹部へ渾身の一撃を喰らわせた。
後先は考えず、僕はユニットバスに走る。確か夕御飯は肉や野菜のたっぷり入ったシチューの他に、皆で食べる鳥の丸焼きが二つとエールが大量に。それらは僕の身体の糧にならず、トイレに全て流れた。
「うげぇぇぇ」
食べたら吐くダイエットは身体に悪いと聞いたけど、正にそれをやっている。高かったのにと、思う暇も無く二回目のリバース。胃液まで吐きそうだ。
「団長~。大丈夫ですか~。飲み過ぎはダメです~」
飲み過ぎじゃねえょ。打たれ過ぎだろ! 一撃で吐かせるなんて素人とプロボクサーぐらいの違いがあるよ。僕だってそれなりの傭兵なのに……
「まだ終わって無いです~」
スカートを捲り上げるオリエッタを神速で抱き上げベッドに押し倒し、僕はチェーンガンを放った。容赦の無いチェーンガンはオリンピックを狂わせる暇も与えず鎮圧し、僕は三度目のリバースの為にトイレに駆け込んだ。
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