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激突
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3万年前、古代ポリネシアには現代の水準遥かに凌ぐ科学技術が存在していた。そして、争いが絶えなかったこの暗黒の時代の終止符を打つために、生命科学と物理学の融合により最強の兵器が開発された。それが白い巨人であった。
巨人の心臓部には核融合モーターの「M376ーt」が搭載されており、無限のエネルギーを作り出すことが出来る。さらに巨人には人類を滅ぼすためのコードがプログラムされており、ありとあらゆる敵を壊滅へと追いやり帝国の繁栄を築いてきた。
◇◇◇
少女が神殿の石畳の上に立つと、澄んだ瞳には白い巨人の3mはあろう巨体が映り込んだ。2人は沈黙のなか、じっと向かい合っている。巨人は長い両腕をブラっと垂らし、白くてのっぺりと平坦な顔を少女に向けている。額の中央には青く不気味に輝く閃光がぎらついている。
私とハルの目の前には古代ポリネシアの景色が浮かび上がった。恐怖のあまりその場を動くことが出来ず立ちすくんでしまう。
3万年前、ポリネシアの島々を恐怖に陥れた巨人と眠りから目覚めた少女との戦いが今始まろうとしていた。
巨人が長い腕を振り下ろすと、石畳に大きな亀裂が入り物凄い地響きが襲ってきた。さらに神殿の柱をなぎ倒しながら襲いかかってくる。まさに破壊のために作られたような動きに私たちは圧倒されている。
少女は素早いステップで巨人の攻撃をかわして行き、銀の剣を空高く突き上げる。
「エレ(黒)」
少女が叫ぶと同時に稲妻のような光に剣が包まれた。その瞬間、大きな弧を描くような眩しい光が巨人の左腕を叩き切る。
すると巨人の額が真っ青に輝いたと思った瞬間、一筋の閃光が少女の胸を貫いた。
「あっ」
私は思わず大きな声を発する。少女がスローモーションのように石畳に倒れていくのがハッキリとわかった。
「なんてことだ、、」
少女はその場にうつ伏せに伏せったまま動かない。そして巨人はすかさず青い閃光を辺り一面に放つと、一瞬にして島は火の海と化した。
そして巨人が、真っ直ぐに私たちの方に向かってくる。恐怖で足が棒のように言うことを聞かなくなっている。
◇◇◇
少女の名前は「アオ」。心を持たぬ巨人の改良機として開発された2号機である。新たに発明された量子プログラミングにより人間と同じゲノム構造を持ち、「感情」を司ることが出来る。一方で破壊のためのコードは埋め込まれておらず、巨人から帝国を守るために生み出された。
しかし、島の周辺の海底火山の噴火により島は壊滅的な被害を被った。そのため、アオの完成間近のところで地下のシェルターに閉じ込め長い眠りにつかせた。
島は火山に包まれ白い巨人は火山灰の中に埋もれ、アオと巨人は3万年の時を眠った。
◇◇◇
「DNA修復完了」
アオの生命回復機能が作動し、アオはゆっくりと目を覚ました。そして横たわったまま私たちの方に向かって叫んだ。
「アモ(光)」
太陽の光が剣に吸い込まれ、周囲を暗闇へと変えて行く。そして神々しい光に包まれた剣からはおびただしいエネルギーが放出されている。
「いまだ」
アオは光の剣を巨人に向かって一直線に投げると、剣は一筋の矢のように真っ直ぐに青い空の中を突き進み、見事に巨人の額に突き刺さった。
強烈な青い閃光が空に向かって放たれ、そして時間とともに次第におぼろげな弱い光に変わって行き、10秒後には微かな灯火のように消えていった。
巨人は天を仰ぎ、その場に立ったまま動かなくなった、それはまるで中世の彫刻のようにそびえる白い塊となっていた。
To be continued.
巨人の心臓部には核融合モーターの「M376ーt」が搭載されており、無限のエネルギーを作り出すことが出来る。さらに巨人には人類を滅ぼすためのコードがプログラムされており、ありとあらゆる敵を壊滅へと追いやり帝国の繁栄を築いてきた。
◇◇◇
少女が神殿の石畳の上に立つと、澄んだ瞳には白い巨人の3mはあろう巨体が映り込んだ。2人は沈黙のなか、じっと向かい合っている。巨人は長い両腕をブラっと垂らし、白くてのっぺりと平坦な顔を少女に向けている。額の中央には青く不気味に輝く閃光がぎらついている。
私とハルの目の前には古代ポリネシアの景色が浮かび上がった。恐怖のあまりその場を動くことが出来ず立ちすくんでしまう。
3万年前、ポリネシアの島々を恐怖に陥れた巨人と眠りから目覚めた少女との戦いが今始まろうとしていた。
巨人が長い腕を振り下ろすと、石畳に大きな亀裂が入り物凄い地響きが襲ってきた。さらに神殿の柱をなぎ倒しながら襲いかかってくる。まさに破壊のために作られたような動きに私たちは圧倒されている。
少女は素早いステップで巨人の攻撃をかわして行き、銀の剣を空高く突き上げる。
「エレ(黒)」
少女が叫ぶと同時に稲妻のような光に剣が包まれた。その瞬間、大きな弧を描くような眩しい光が巨人の左腕を叩き切る。
すると巨人の額が真っ青に輝いたと思った瞬間、一筋の閃光が少女の胸を貫いた。
「あっ」
私は思わず大きな声を発する。少女がスローモーションのように石畳に倒れていくのがハッキリとわかった。
「なんてことだ、、」
少女はその場にうつ伏せに伏せったまま動かない。そして巨人はすかさず青い閃光を辺り一面に放つと、一瞬にして島は火の海と化した。
そして巨人が、真っ直ぐに私たちの方に向かってくる。恐怖で足が棒のように言うことを聞かなくなっている。
◇◇◇
少女の名前は「アオ」。心を持たぬ巨人の改良機として開発された2号機である。新たに発明された量子プログラミングにより人間と同じゲノム構造を持ち、「感情」を司ることが出来る。一方で破壊のためのコードは埋め込まれておらず、巨人から帝国を守るために生み出された。
しかし、島の周辺の海底火山の噴火により島は壊滅的な被害を被った。そのため、アオの完成間近のところで地下のシェルターに閉じ込め長い眠りにつかせた。
島は火山に包まれ白い巨人は火山灰の中に埋もれ、アオと巨人は3万年の時を眠った。
◇◇◇
「DNA修復完了」
アオの生命回復機能が作動し、アオはゆっくりと目を覚ました。そして横たわったまま私たちの方に向かって叫んだ。
「アモ(光)」
太陽の光が剣に吸い込まれ、周囲を暗闇へと変えて行く。そして神々しい光に包まれた剣からはおびただしいエネルギーが放出されている。
「いまだ」
アオは光の剣を巨人に向かって一直線に投げると、剣は一筋の矢のように真っ直ぐに青い空の中を突き進み、見事に巨人の額に突き刺さった。
強烈な青い閃光が空に向かって放たれ、そして時間とともに次第におぼろげな弱い光に変わって行き、10秒後には微かな灯火のように消えていった。
巨人は天を仰ぎ、その場に立ったまま動かなくなった、それはまるで中世の彫刻のようにそびえる白い塊となっていた。
To be continued.
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