星を掴む

あす

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星を掴む

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そこには宝石をちりばめたような満天の星が無限に広がっている。

まばたき冴ゆる光が私たちをそっと包み込む。

ハルは小さな手を天に向けて突き上げ、必死に光をつかもうとしていた。

私は彼女の両肩の上にそっと手を下ろして、一緒に天を見上げた。ペルセウス座のあたりから流れる一縷の光をただただ見つめている。

病魔は突如として襲いかかり、私たちの幸せな時間を奪い取っていった。

日ごとに彼女の病状は悪化の一途を辿っていき、既に一人で立つことも儘ならなくなった。

それでも、いつもここに来ると彼女は必死に手を伸ばし、何かを探し続けている。

泡沫の静寂が二人を包み、黒よりも暗い世界が視界を遮る。

そして、彼女が右手を伸ばし人差し指と親指の間に小さな黄色い光を挟み込み、そっと目蓋を閉じる。

──プロキオン(先立つ者)

一筋の雫が目蓋から流れ落ち私の掌を伝う。

きっと彼女は本当の自分の星をずっと探し続けていたのだろう。

しかし、彼女の掴む星は最初から決まっていた。

そして彼女は自らの手で運命を掴んでいった。

その星は精いっぱいまばたきながら私を照らし続けている。

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