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第二章

最後の夜 1 ※R18

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 腕の力はまだ弱いくせに、するりと舌が入ってくる。交わりは段々深くなっていく。ぬめった舌は口腔を自由に動き回り、隅々まで味わう。さらに深く進んでいく舌に自分のそれを絡めるとぞくぞくと甘い感覚が、腰から背筋をせり上がってきた。
「ん……」
 自分の中心が、徐々に張り詰めていく。心臓が、痛いくらい早撃ちしていた。
 始めたのはこちらだったのに、いつの間にか体重を乗せるのはリエイムの方で、立場が逆転していた。唇を離さず体勢を変えられると、すぐ後ろにあったベッドに押し倒される。焦がすように強い光を放った瞳に焼かれてしまいそうだ。もう少年の眼差しは消えている。代わりに、雄の性を露わにした大きな身体が上に覆い被さってきた。
 唇は、今度はかみつくように獰猛さを孕んで重なった。まだ足りないとばかりに熱心に唇を吸う。様々な角度で口内を犯されると、頭がもうろうとしてくる。甘いしびれで舌の動きが鈍くなる。酒を飲んだことはないけれど、酔うとはこういう感覚なのだろうか。どうにか繋ぎ止めている理性の端で関係ないことを考えた。
 唾液を吸い取り息継ぎごと奪い、肺にまで侵入するほど口づけを味わったあと、ようやくなまめかしい舌が、唇から首筋を這っていく。鎖骨からじりじりと下り、右の突起にたどり着いた。
「んっ……」
 濡れた舌で転がされると、ビリッと強いけいれんのような感覚がそこから生まれる。びくん、と大きくなった性器が反ったのが自分でわかった。一糸まとわぬ姿では、些細な反応も相手に伝わってしまう。今更、大胆に裸になったことを恥じてももう遅い。舌はそれをわかりながらも、無慈悲で執拗に突起を責め続ける。
「あっあっ」
 自分でも聞いたこともないような声が自然と漏れる。
 胸に意識が集中していると、熱くなっていた性器を不意打ちで握られた。
「ああっ」
 何度かしごかれ、感じたことのないほどの快楽に胸が反ってしまう。聖舞院に入ってから一日何時間も聖舞の練習に費やし、身体のメンテナンスを毎日怠ることはなかった。身体と向き合ってきたという自負があり、自分の肉体のことは、全て知っているつもりだった。でも今、まるで自分の身体が自分のものじゃないみたいにうごめいている。初めての感覚に脳が肉体と乖離していく気がした。
「……あっや、だめです、そんな……」
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