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第2章 魔王覚醒編
第五話 遠足2
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あれから一週間が過ぎ、遠足当時になった。正直なところ高人はこの遠足に行きたくは無かった。
その理由の一つにあの異世界人が関係している。神である、リリア。魔王である、リリス。この二人である。
「どうしました、タカヒト?」
「いや、何でもない」
これから一日こいつらが何の問題も無く、過ごせることを祈る。
早速、園内に入った高人たちは人の多さに驚いた。平日だって言うのにまるで、休日のような人の数なのだ。
「さすが、今人気のテーマパークだね~。凄い人だ」
高人たちは気づいていなかったが、このテーマパークにいるほとんどが海外から来た外国人である。
「とりあえず、何処に行く?」
「私はあの蛇みたいな乗り物に乗りたいです」
リリスがそう言って指差したのは、ジェットコースターだった。
「・・・マジか」
「タカヒト、どうしました?」
「いや、何でもない」
高人は正直、絶叫マシンが苦手であり、これも今回行くのが嫌だった理由の一つなのだ。
「行こう行こう!俺、リリアちゃんの隣に乗る!」
「死ね!」
と、リリアは神様が言ってはいけない暴言を吐いた。
「とりあえず、此奴は私が縛っておきます」
高橋はそう言うと、素早い動きで武山をロープで拘束した。
「これで、安心して回れますね」
何処か嬉しそうな顔をしながら、リリスは言った。
「あんた、やるわね・・・」
リリアは高橋の早技に関心していた。
「恐縮です」
「じゃあ、行きましょうか?」
リリアを先頭に、俺たちはジェットコースターに向かった。
「うわ~」
高人は知らぬ間にそう呟いていた。
簡単に乗れないだろうとは思っていたが、ここまでとは・・・。
よく見れば、見たことのある顔がちらほらと、恐らく同じ学校の生徒だろう。
「どうする?」
「別によろしいんじゃ無いでしょうか?」
リリスの言葉に、一同了解した。
数分後。
あまりの行列にイライラ、イライラとしている者が。
「まだ乗れないのですか?」
リリスだった。
全く、数分前と言っていることが違う。
「こうなったら、やるしかありませんね」
リリスはそう言うと、呪文を唱える云々なく一言発した。
「退いてください!」
すると、二列に並んでいた列が真っ二つに分かれ、道が出来た。
「これで先に進めますね」
リリスは嬉しそうな顔でその列を進んだ。
「全くあの子は・・・。罪悪感しかないわ」
一方リリアは、頭を抱えていた。
「タカヒト、楽しかったですね。特にタカヒトの顔が」
「うるせーよ!俺は絶叫マシンが嫌いなんだよ!」
高人自身、面白い顔になっていたと思ってはいたが、隠す事などは出来なかった。
「確かに、面白い・・・顔だったわ・・・」
リリアは手で顔を隠しながら、そういった。
「さあ、次行くぞ!」
高人は次なる目的地へと向かった。
次に向かったのはお化け屋敷だった。
「ここはどう言った所なんですか?」
「簡単に言うと脅かす系だ。さあ、入って見ようぜ」
「はい!」
高人たち五人にお化け屋敷に入った。
「ぎゃああああ!死んでください!」
「わああああ!さっさと成仏しろー!」
これは魔王と神が発した言葉である。リリスは鎌を具現化し、お化けのお人形が破壊。
一方、リリアは両手を組んで祈りを捧げている。
「いや、これらお人形だから」
「「え?」」
二人とも動きを止めた。そして、己れの行動に羞恥さが表れ二人は高人を殴った。
高人のその先の記憶は無かった。
高人が気がついたのは帰りの電車の中だった。
「ん?」
両肩が重たい。高人は自分自身の肩を見る。
「なっ・・・!?」
右肩にリリス、左肩にリリアが頭を預けて寝ていた。
「しー。今寝たところだ。起こすなよ」
高人が座っている反対の席に座っている武山がそう言ってきた。
「ああ。分かった。ところで、どれくらい寝ていたんだ?」
「四時間くらいだな」
「四時間か・・・。長いこと寝ていたもんだな」
「其れはそうと、狭山。こんな言葉を知っているか?数多の星が輝くとき、魔王が本性を現す」
「なんだ其れ?」
「聞いたことはないかー。実はな、これは昔から言われている言い伝えで、魔王が本当の姿を現し、世界を滅ぼすと言われているんだ」
「なんだ其れ。もうすぐ一か月くらい経つが、そんな素振りは見なかったけどな」
「まあ、何にせよ気をつけろよ」
「分かったよ」
その後、武山たちと別れ、リリスリリアを起こした。そして、我が家へと戻ってきた。
疲れがドッと来る。
最後の力で食事とお風呂を済ませ、すぐさま眠りについた。
「・・・・・っ!?」
突然、目が覚めた。
重い。何に者かが、上に乗っている。一体誰だ?
視界が次第に慣れていき、姿が見えてくる。
頭に牛のような角を生やし、血で染まったような目、髪は冷たさを感じるような薄いブルー。そして、手には死神が持っていそうな、大きな鎌を持っていた。
「もしかして、リリス!?」
「・・・・・死ね!」
リリスは持っていた鎌を振り下ろした。
その理由の一つにあの異世界人が関係している。神である、リリア。魔王である、リリス。この二人である。
「どうしました、タカヒト?」
「いや、何でもない」
これから一日こいつらが何の問題も無く、過ごせることを祈る。
早速、園内に入った高人たちは人の多さに驚いた。平日だって言うのにまるで、休日のような人の数なのだ。
「さすが、今人気のテーマパークだね~。凄い人だ」
高人たちは気づいていなかったが、このテーマパークにいるほとんどが海外から来た外国人である。
「とりあえず、何処に行く?」
「私はあの蛇みたいな乗り物に乗りたいです」
リリスがそう言って指差したのは、ジェットコースターだった。
「・・・マジか」
「タカヒト、どうしました?」
「いや、何でもない」
高人は正直、絶叫マシンが苦手であり、これも今回行くのが嫌だった理由の一つなのだ。
「行こう行こう!俺、リリアちゃんの隣に乗る!」
「死ね!」
と、リリアは神様が言ってはいけない暴言を吐いた。
「とりあえず、此奴は私が縛っておきます」
高橋はそう言うと、素早い動きで武山をロープで拘束した。
「これで、安心して回れますね」
何処か嬉しそうな顔をしながら、リリスは言った。
「あんた、やるわね・・・」
リリアは高橋の早技に関心していた。
「恐縮です」
「じゃあ、行きましょうか?」
リリアを先頭に、俺たちはジェットコースターに向かった。
「うわ~」
高人は知らぬ間にそう呟いていた。
簡単に乗れないだろうとは思っていたが、ここまでとは・・・。
よく見れば、見たことのある顔がちらほらと、恐らく同じ学校の生徒だろう。
「どうする?」
「別によろしいんじゃ無いでしょうか?」
リリスの言葉に、一同了解した。
数分後。
あまりの行列にイライラ、イライラとしている者が。
「まだ乗れないのですか?」
リリスだった。
全く、数分前と言っていることが違う。
「こうなったら、やるしかありませんね」
リリスはそう言うと、呪文を唱える云々なく一言発した。
「退いてください!」
すると、二列に並んでいた列が真っ二つに分かれ、道が出来た。
「これで先に進めますね」
リリスは嬉しそうな顔でその列を進んだ。
「全くあの子は・・・。罪悪感しかないわ」
一方リリアは、頭を抱えていた。
「タカヒト、楽しかったですね。特にタカヒトの顔が」
「うるせーよ!俺は絶叫マシンが嫌いなんだよ!」
高人自身、面白い顔になっていたと思ってはいたが、隠す事などは出来なかった。
「確かに、面白い・・・顔だったわ・・・」
リリアは手で顔を隠しながら、そういった。
「さあ、次行くぞ!」
高人は次なる目的地へと向かった。
次に向かったのはお化け屋敷だった。
「ここはどう言った所なんですか?」
「簡単に言うと脅かす系だ。さあ、入って見ようぜ」
「はい!」
高人たち五人にお化け屋敷に入った。
「ぎゃああああ!死んでください!」
「わああああ!さっさと成仏しろー!」
これは魔王と神が発した言葉である。リリスは鎌を具現化し、お化けのお人形が破壊。
一方、リリアは両手を組んで祈りを捧げている。
「いや、これらお人形だから」
「「え?」」
二人とも動きを止めた。そして、己れの行動に羞恥さが表れ二人は高人を殴った。
高人のその先の記憶は無かった。
高人が気がついたのは帰りの電車の中だった。
「ん?」
両肩が重たい。高人は自分自身の肩を見る。
「なっ・・・!?」
右肩にリリス、左肩にリリアが頭を預けて寝ていた。
「しー。今寝たところだ。起こすなよ」
高人が座っている反対の席に座っている武山がそう言ってきた。
「ああ。分かった。ところで、どれくらい寝ていたんだ?」
「四時間くらいだな」
「四時間か・・・。長いこと寝ていたもんだな」
「其れはそうと、狭山。こんな言葉を知っているか?数多の星が輝くとき、魔王が本性を現す」
「なんだ其れ?」
「聞いたことはないかー。実はな、これは昔から言われている言い伝えで、魔王が本当の姿を現し、世界を滅ぼすと言われているんだ」
「なんだ其れ。もうすぐ一か月くらい経つが、そんな素振りは見なかったけどな」
「まあ、何にせよ気をつけろよ」
「分かったよ」
その後、武山たちと別れ、リリスリリアを起こした。そして、我が家へと戻ってきた。
疲れがドッと来る。
最後の力で食事とお風呂を済ませ、すぐさま眠りについた。
「・・・・・っ!?」
突然、目が覚めた。
重い。何に者かが、上に乗っている。一体誰だ?
視界が次第に慣れていき、姿が見えてくる。
頭に牛のような角を生やし、血で染まったような目、髪は冷たさを感じるような薄いブルー。そして、手には死神が持っていそうな、大きな鎌を持っていた。
「もしかして、リリス!?」
「・・・・・死ね!」
リリスは持っていた鎌を振り下ろした。
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