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第3章
第九話 お兄ちゃん お兄ちゃん! お兄ちゃん!!
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「さてと、お兄ちゃん。この人は誰かな?」
この茶髪のロン毛の美少女は高人の妹の理沙である。
理沙はニコニコしながら、高人に問いかけた。
「この人はだな・・・」
高人はちらっと、リリアをみた。リリアはその合図に気づき、小さくため息をついた。
「名前は、リリア。一応、神をやっている・・・うわっ!」
リリアが言い終える前に理沙が、何処から出したのか、日本刀を取り出し、斬りかかった。だが、流石は神様。リリアは一瞬の判断で、理沙の攻撃を避けた。
気づけば、理沙の瞳は殺意に満ち溢れ、ニヤリと笑う表情が凄まじく怖い。
「一体何なのよ、この娘は!」
「一応、俺の妹で、名前は理沙だ」
「妹だったら、説明しなさいよ!この状況くらい」
出来るならそうしたかった。だが、もう遅い。
「リリア。ああなった理沙は気がすむまで殺そうとし続ける。恐らく、お前を殺そうとするだろう。そこで、リリアには理沙の攻撃を受け止めて、疲れさせてくれ」
「その後は?」
「まだ未定だ」
「はあ~。だと思った。・・・仕方ないわね。耐え続ければいいのね?」
この時のリリアは、リリスの時に比べれば軽いものよ。右腕も動かしづらいけど、左手で十分ね。などと考えていたが、その考えはあまかった。
五時間後。
完全に元に戻った右腕もフルで使って、この時間。本気じゃないにしろ、普通の人間ではあり得ないことだ。
「もうそろそろ、降参したら?」
「あんたこそ」
高人は、異空間の入り口をちらっと開けて、中の様子を伺った。
高人はこの状況を見て、ここまでとは思っていなかった。予定では、リリアは大丈夫だとして、理沙の奴はもって十分くらいだろうと思っていたが、まさかこんなにかかるとは・・・。
「お前ら、そろそろお昼御飯だから、その辺にしておきな」
どの口が言う。
「「・・・はい。」」
二人の声が重なった。
もしかしたらこの二人、少し気が合うかも知れないと、高人はふと思った。
昼食後。
高人は、理沙にある気になることを聞いてみた。
「なあ、理沙。突然、どうして帰ってきたんだ?父さんと海外旅行中だっただろ?」
理沙はおと年父さんといきなり海外旅行へ行くと言って出て行った。高人も行く、と言ったのだが、もうそろそろ受験だと言うことで、高人はこの家に残された。だとしたら、理沙は?と思うだろうが、理沙にはそんな心配なんかない。
理沙は、こう見えて天才なのである。
理沙曰く、一度見たものは忘れないし、数式とかは、問題文を見ただけで答えが分かるらしい。
そんな凄い妹はさらに、株で大儲け。資産に関しては、計り知れないほど持っている。
高人より、三つ下だが、知識もお金も全てにおいて負けているのが、現状である。
「そうなんだけどさ、何かお兄ちゃんに危険なことが起こるような気がしてさ、自家用ジェットで帰ってきたの」
ほら来た。自家用ジェット。
もちろん、運転はしない。理沙は専属の執事などを数人、雇っている。恐らく、その中の人に送ってもらったのだろう。
「それはそうと、お兄ちゃん。もう一人いるわね?」
「なっ・・・!?」
「知っているのよ。この家にもう一人いることくらい」
「どうして、知っているんだ?」
「しかも、女でしょ?」
「よく知っているな。正解だ。信じられるかはわからないが、ここにいる奴はリリアって言って、神様だ。そして上で寝ているのは、リリスって言って、魔王様だそうだ」
「やっぱり。途轍も無い魔力の理由が分かったわ」
「あなた、ただの人間なのに魔力を感知出来るの!?」
と聞いたのは、リリアだった。
「私自身は分からない。けど、この端末にある私が開発したアプリ。魔力探知。これで相手の魔力の力量やそいつの位置が分かるの」
「でも、お前にそんな魔力探知なんか、必要なのか?」
「別に気になったから作っただけだよ、お兄ちゃん」
やはり、天才は考えることは分からないと、高人は心の中で思った。
それから、リリアと理沙はリリスに迷惑にならないように、テレビゲームで盛り上がっていた。
気付けば、仲が良くなっていた。
昨日も色々あったが、今日も色々あった。まさか、理沙の奴が帰って来るとは思わなかったし、リリアと理沙があんなに仲が良くなるとは。
「先に寝るわ」
高人は、どっさりとベッドに体を預けた。
最初は携帯を弄っていたが、次第に眠気が襲い、気づけば寝ていた。
右腕が重い。何かに絡みつかれているようだ。
それに凄い殺気を感じる。
もしかして、金縛り?いや、左手は動く。まさか、右だけが金縛りにあっている!?そんな不完全な金縛りがあるのか。
さらに、
「すーぴー」
何か言ってる!?
怖い。怖すぎるよ。でも、
高人は恐怖より興味の方が強まり、瞼をゆっくりと開けた。
理沙!?
「ちょっと、待て。どうして、包丁なんか持っているんだ!?」
「お兄ちゃん、どいて。そいつ、殺せないから・・・」
そいつ?一体誰のことを?
高人は、理沙の視線の先を見た。
その瞬間、右側が重い理由が分かった。
「リリス!?」
高人の腕を抱くような感じで、リリスが寝ていたのだ。
「死ねー!!」
理沙は何のためらいもなく、包丁を振り下ろした。しかし、リリスには届かなかった。それどころか、逆に理沙がダメージを受けた。飛ばさせたのだ。斬られたり、殴られたとかではない。
高人はその一部始終を見たが、理解は出来なかった。それもそのはず。
リリスは、理沙が包丁を振り下ろした瞬間、眼力だけで、吹き飛ばしたのだ。
理沙は、高人の本棚にぶつかり、気を失った。
「理沙!」
高人は、理沙の元へと向かおうとした。しかし、高人の服の裾を引っ張られた。
物凄い力で、引っ張られた高人は、ベッドに仰向けになるように、倒れた。
その上から、目覚めたリリスが高人の上に乗った。
「・・・・き・・・。私は高人のことが好きに・・・」
そこまで言うと、リリスは再び眠りについた。
高人はドキドキしていた。女の子から告白なんて初めてだったからだ。
とりあえず、リリスを自分の上から退け、理沙の元へと向かった。
理沙に目立った外傷が無いのを確認し、理沙を理沙の部屋へと連れて行った。
再び、自分の部屋に戻った高人はベッドに寝ている少女を見て、一瞬ドキッとしたが、その気持ちを落ち着かせ、リリスも同じように、部屋へと連れて行った。
「高人。何かあったの?」
騒がしかったのだろう。リリアが自室から顔を覗かせ、そう聞いてきた。
「リリスが俺の部屋に入ってきて、理沙がそれに激怒して・・・あとは想像に任せるわ」
「あんたも苦労するわね」
「お互いにな」
「・・・ねえ・・・」
「ん?どうした?」
「うんうん。やっぱり何でもなかった。おやすみ」
「ああ。おやすみ」
高人はそう言うと、己の部屋へと入って行った。
ベッドに仰向けになると、先ほどの場面が頭に浮かんできた。
「あれは一体何だったのだろうか?寝ぼけてただけだろうな。・・・うん、そうに違い無い。あいつは、俺を殺そうとしているのだから」
高人は無理矢理そう言うことにして、目を閉じた。
「とりあえず、リリア様のところへ行って来るから、アンリ、ここを当分任せるわ」
「はい。気をつけて行ってらっしゃいませ。隊長」
「うん、行ってくる」
この茶髪のロン毛の美少女は高人の妹の理沙である。
理沙はニコニコしながら、高人に問いかけた。
「この人はだな・・・」
高人はちらっと、リリアをみた。リリアはその合図に気づき、小さくため息をついた。
「名前は、リリア。一応、神をやっている・・・うわっ!」
リリアが言い終える前に理沙が、何処から出したのか、日本刀を取り出し、斬りかかった。だが、流石は神様。リリアは一瞬の判断で、理沙の攻撃を避けた。
気づけば、理沙の瞳は殺意に満ち溢れ、ニヤリと笑う表情が凄まじく怖い。
「一体何なのよ、この娘は!」
「一応、俺の妹で、名前は理沙だ」
「妹だったら、説明しなさいよ!この状況くらい」
出来るならそうしたかった。だが、もう遅い。
「リリア。ああなった理沙は気がすむまで殺そうとし続ける。恐らく、お前を殺そうとするだろう。そこで、リリアには理沙の攻撃を受け止めて、疲れさせてくれ」
「その後は?」
「まだ未定だ」
「はあ~。だと思った。・・・仕方ないわね。耐え続ければいいのね?」
この時のリリアは、リリスの時に比べれば軽いものよ。右腕も動かしづらいけど、左手で十分ね。などと考えていたが、その考えはあまかった。
五時間後。
完全に元に戻った右腕もフルで使って、この時間。本気じゃないにしろ、普通の人間ではあり得ないことだ。
「もうそろそろ、降参したら?」
「あんたこそ」
高人は、異空間の入り口をちらっと開けて、中の様子を伺った。
高人はこの状況を見て、ここまでとは思っていなかった。予定では、リリアは大丈夫だとして、理沙の奴はもって十分くらいだろうと思っていたが、まさかこんなにかかるとは・・・。
「お前ら、そろそろお昼御飯だから、その辺にしておきな」
どの口が言う。
「「・・・はい。」」
二人の声が重なった。
もしかしたらこの二人、少し気が合うかも知れないと、高人はふと思った。
昼食後。
高人は、理沙にある気になることを聞いてみた。
「なあ、理沙。突然、どうして帰ってきたんだ?父さんと海外旅行中だっただろ?」
理沙はおと年父さんといきなり海外旅行へ行くと言って出て行った。高人も行く、と言ったのだが、もうそろそろ受験だと言うことで、高人はこの家に残された。だとしたら、理沙は?と思うだろうが、理沙にはそんな心配なんかない。
理沙は、こう見えて天才なのである。
理沙曰く、一度見たものは忘れないし、数式とかは、問題文を見ただけで答えが分かるらしい。
そんな凄い妹はさらに、株で大儲け。資産に関しては、計り知れないほど持っている。
高人より、三つ下だが、知識もお金も全てにおいて負けているのが、現状である。
「そうなんだけどさ、何かお兄ちゃんに危険なことが起こるような気がしてさ、自家用ジェットで帰ってきたの」
ほら来た。自家用ジェット。
もちろん、運転はしない。理沙は専属の執事などを数人、雇っている。恐らく、その中の人に送ってもらったのだろう。
「それはそうと、お兄ちゃん。もう一人いるわね?」
「なっ・・・!?」
「知っているのよ。この家にもう一人いることくらい」
「どうして、知っているんだ?」
「しかも、女でしょ?」
「よく知っているな。正解だ。信じられるかはわからないが、ここにいる奴はリリアって言って、神様だ。そして上で寝ているのは、リリスって言って、魔王様だそうだ」
「やっぱり。途轍も無い魔力の理由が分かったわ」
「あなた、ただの人間なのに魔力を感知出来るの!?」
と聞いたのは、リリアだった。
「私自身は分からない。けど、この端末にある私が開発したアプリ。魔力探知。これで相手の魔力の力量やそいつの位置が分かるの」
「でも、お前にそんな魔力探知なんか、必要なのか?」
「別に気になったから作っただけだよ、お兄ちゃん」
やはり、天才は考えることは分からないと、高人は心の中で思った。
それから、リリアと理沙はリリスに迷惑にならないように、テレビゲームで盛り上がっていた。
気付けば、仲が良くなっていた。
昨日も色々あったが、今日も色々あった。まさか、理沙の奴が帰って来るとは思わなかったし、リリアと理沙があんなに仲が良くなるとは。
「先に寝るわ」
高人は、どっさりとベッドに体を預けた。
最初は携帯を弄っていたが、次第に眠気が襲い、気づけば寝ていた。
右腕が重い。何かに絡みつかれているようだ。
それに凄い殺気を感じる。
もしかして、金縛り?いや、左手は動く。まさか、右だけが金縛りにあっている!?そんな不完全な金縛りがあるのか。
さらに、
「すーぴー」
何か言ってる!?
怖い。怖すぎるよ。でも、
高人は恐怖より興味の方が強まり、瞼をゆっくりと開けた。
理沙!?
「ちょっと、待て。どうして、包丁なんか持っているんだ!?」
「お兄ちゃん、どいて。そいつ、殺せないから・・・」
そいつ?一体誰のことを?
高人は、理沙の視線の先を見た。
その瞬間、右側が重い理由が分かった。
「リリス!?」
高人の腕を抱くような感じで、リリスが寝ていたのだ。
「死ねー!!」
理沙は何のためらいもなく、包丁を振り下ろした。しかし、リリスには届かなかった。それどころか、逆に理沙がダメージを受けた。飛ばさせたのだ。斬られたり、殴られたとかではない。
高人はその一部始終を見たが、理解は出来なかった。それもそのはず。
リリスは、理沙が包丁を振り下ろした瞬間、眼力だけで、吹き飛ばしたのだ。
理沙は、高人の本棚にぶつかり、気を失った。
「理沙!」
高人は、理沙の元へと向かおうとした。しかし、高人の服の裾を引っ張られた。
物凄い力で、引っ張られた高人は、ベッドに仰向けになるように、倒れた。
その上から、目覚めたリリスが高人の上に乗った。
「・・・・き・・・。私は高人のことが好きに・・・」
そこまで言うと、リリスは再び眠りについた。
高人はドキドキしていた。女の子から告白なんて初めてだったからだ。
とりあえず、リリスを自分の上から退け、理沙の元へと向かった。
理沙に目立った外傷が無いのを確認し、理沙を理沙の部屋へと連れて行った。
再び、自分の部屋に戻った高人はベッドに寝ている少女を見て、一瞬ドキッとしたが、その気持ちを落ち着かせ、リリスも同じように、部屋へと連れて行った。
「高人。何かあったの?」
騒がしかったのだろう。リリアが自室から顔を覗かせ、そう聞いてきた。
「リリスが俺の部屋に入ってきて、理沙がそれに激怒して・・・あとは想像に任せるわ」
「あんたも苦労するわね」
「お互いにな」
「・・・ねえ・・・」
「ん?どうした?」
「うんうん。やっぱり何でもなかった。おやすみ」
「ああ。おやすみ」
高人はそう言うと、己の部屋へと入って行った。
ベッドに仰向けになると、先ほどの場面が頭に浮かんできた。
「あれは一体何だったのだろうか?寝ぼけてただけだろうな。・・・うん、そうに違い無い。あいつは、俺を殺そうとしているのだから」
高人は無理矢理そう言うことにして、目を閉じた。
「とりあえず、リリア様のところへ行って来るから、アンリ、ここを当分任せるわ」
「はい。気をつけて行ってらっしゃいませ。隊長」
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