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27、広がる異変(後編)
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航宙駆逐艦グルカの船首部分が落下してから2時間後
——火星・アケローン連鎖クレーター マーズシティ・ロメロ145付近
2時間前、要請を受けてロメロ145付近に集結待機していた第一機動師団は落下していく航宙艦を間近で目撃した。
多くの兵士たちが遠目に映る宇宙からの落下物の行方を見守っていた。
事前に落下コースは知らされていたものの頭上に落ちてこない事に誰もが安堵している。
そしてオレンジ色の光球が地平線の先に落下して爆発が起きた。
幸いにもその規模は予想外に小さく舞い上がった粉塵も大気に影響を与える程ではなかった。
「思ったほど爆発が大きくなかったな」
歩哨として配置されていた二本脚”のWM3(ウォーカーモデル3型)に搭乗したガンナー担当の兵士が言う。
「派手なの期待してたか? チャップマン」
「知ってるか? 恐竜は隕石で絶滅したんだ」
「違うね。恐竜は絶滅したんじゃない。鳥に進化したんだ」
「そんなわけない」
「本に書いてあった。とにかく、落下高度も低いし、航宙駆逐艦の残骸の大きさもそこそこだ。絶滅レベルじゃない」
「驚いた」
「勉強になったか?」
「いや、お前が本を読む事に驚いてる」
「このやろ……いや、まて!」
毒舌の追い打ちをかけようとしたガンナーオペレーターだったが、操縦手の様子の変化に気付く。
「どうした?」
「前方から99式偵察戦闘車が接近」
「落下した残骸の調査に行った連中だよな。連絡が途絶えて、第一分隊の連中が様子を見に行ったはずだが無事だったって事か」
「何か様子がおかしい」
映像に映る99式偵察戦闘車の走行はどこか不自然だった。駆動部を破損しているのか挙動が大きい。
「報告を入れろ。俺は99式に呼びかけてみる」
「わかった」
操縦手は、無線のスイッチを入れた。
「“フィレット”、問題発生か? 状況を知らせよ」
応答はなかった。もっとも連絡がとれなかった事を考えると通信手段にも問題が発生していう可能性はあったのだが。
「“フィレット”、こちらの通信が聞こえているなら一旦停止しろ」
99式偵察戦闘車は通信を無視して前進を続けている。
「指揮車からだ。“99式の状況を確認せよ”だ」
ガンナーが射撃用のスコープ越しに接近する99式偵察戦闘車を確認する。すると、99式の背後に続く別の車両がいるの見つけた。一台ではない。複数の車両群だ。
「あれ、第一分隊じゃないのか?」
操縦手がモニターを見る
「……そうだな。でも、なんで呼びかけに答えない。無線周波数は同じ筈だ」
さらに接近する車両群に違和感を感じる。
普段見慣れた戦闘車両の動きではない。車輪を使っているようでも歩行脚を使っているようでもない。それは歪な挙動だった。
第一機動師団の指揮車では、連絡のはが的中した戦闘師団はドームに移動を開始するのだった。
「第一分隊、状況を知らせよ」
だが相手からは反応がないままだった。ひたすら前進してくるだけだった。
「嫌な予感がする……おい、兵装ロックを外しとけ」
「味方だぞ?」
「わかってる。念のためだ」
念のためってなんだよ、と思いながらガンナーは兵装ロックを外した。ガン・アームも外装に取り付けられたロケットランチャーも発射可能になっていく。
「なんだ、あれ……」
射程距離に入る直前にに接近する99式偵察戦闘車と第一分隊の輪郭が鮮明に映し出された。
装甲面はただれ、何か黒い異物に大部分を覆われている。
その移動方法は車輪でも機械式の歩行脚でもなく、昆虫の足に似たもので這いながら前進してくるのだ。
車両群はさしずめ荒れ地を進む蟹か蠍の群れに見えていた。
「どうする?」
不安げな声でガンナーが訊く。
「狙っとけ」
「でも、味方だろ?」
「わからん! だがあれはどう見ても異常だ!」
操縦手が声を荒げた。
99式偵察戦闘車と第一分隊の様子が師団の戦闘指揮車にも送られていた。
映像を見ている指揮官も状況に戸惑っている。
「大佐。トブルクの司令部から通信が入っています」
この状況で司令部から?
大佐は受話器を取って司令部からの連絡を聞いていた。
「……はい。そうです。その通りです……いえ、そんな事は……はい、もちろん速やかに遂行します」
大佐は受話器を置く。
傍にいる副官が上官の表情から連絡の内容があまりよろしくないものだと察した。
「これより師団に戦闘態勢に入る。各長に、これは演習の延長ではない事を念押ししろ」
「了解」
一体、どんな命令があったのかと副官は考えながらも返事をする。
「攻撃目標は、帰還しようとしてくる99式偵察戦闘車と第一分隊となる」
「99式と第一分隊を、でありますか?」
指揮官の命令に異論はタブーだ。だが副官は思わず聞き返した。
「司令部からの連絡では99式と第一分隊は“何か”に汚染されている可能性が大だ。それを止める為にも近接前に破壊する。各長にも伝えろ」
「わかりました」
「歩哨のWM3に繋げ。俺が直接話す」
§
同時刻
アビスゲート内部
カーターとサヤは、先頭を走る作業員を追った。
作業員は、行くべき場所が分かっているらしく躊躇なく、先を走り続けていた。そして頑丈そうな扉の前に来ると立ち止まり、電子ロックにカードキーを差し込む。
扉が開くと中には、取材に来ていた他の記者たちとアビスゲートのスタッフたちが怯えた表情で立っていた。
カーターたちを見ると安堵しているようだ。
「早く閉めろ」
誰かが大声で言った。
カーターたちが中に入ると逃げてきた作業員が急いで扉を閉めてロックする。
「カーター!」
記者たちの中から声がした。ワールド・ライズ・ニュースのジャーナリスト、モトキ・ユウヤだ。友人である彼のお陰で。アビスゲートの取材に便乗できたのだ。
「ユウヤ、無事だったか」
「あんたもね。無事ってわけでもないけど、また会えてよかったよ」
「怪我したのか? 大丈夫か?」
「大した怪我じゃない。手をちょっと切っただけ」
そう言ってモトキ・ユウヤは包帯を巻いた左手を見せた。
「一体、何が起きてる?」
「よくわからないけど、化け物がアビスゲートを占拠している。大勢が殺されたか取り込まれた」
「取り込まれた?」
「あいつら、人間やオートワーカーの身体を乗っ取ってる。あんた達も化け物に追われて来たんだろ。そいつら、オートワーカーか人間の成れの果てだよ」
カーターは立て続けて起こる状況に頭が付いていかないでいた。
「皆、情報収集してるんだけどよく把握できないんだ。けど、他の記者に軍の通信を傍受できた奴がいてさ。そいつの話によると何かの攻撃の一環らしい」
「すべて“深淵から来る者たち”の侵略よ」
「今、なんって言った?」
「そっちの人って……?」
ユウヤは、カーターの後ろにいる黒髪の若い女に気が付く。
「彼女はサヤだ。前に話していた……まあ、それは後で説明するから」
カーターはサヤの方を向く。
「今は事情を知りたい。君は何が起きてるのか知ってるのか?」
「説明する。その代わり私に協力して」
「……協力か」
カーターはサヤが重機コントロール室からメインフレームにハッキングしようとしていた事を思い出す。
「でなければこの危機を回避できない」
サヤは、真剣な顔でカーターを見つめた。その表情からは何かの決意を感じ取れる。
「わ、わかった。君に協力するよ。お前もだよな? ユウヤ」
「なんで、俺も?」
「一人より二人だ。巻き添えは多い方がいい」
「まったく……」
カーターの冗談とも本気とも思えぬ言葉にユウヤはため息をつく。
「ありがとう」
サヤはカーターとユウヤに礼を言った。
「すべてを説明する。信じられない事かもしれないけど……」
「もう、何も驚かないよ」
カーターは、そう言って肩をすくめた。
サヤはにこりとすると語り始める。
それは到底、信じられない内容であった……。
——火星・アケローン連鎖クレーター マーズシティ・ロメロ145付近
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多くの兵士たちが遠目に映る宇宙からの落下物の行方を見守っていた。
事前に落下コースは知らされていたものの頭上に落ちてこない事に誰もが安堵している。
そしてオレンジ色の光球が地平線の先に落下して爆発が起きた。
幸いにもその規模は予想外に小さく舞い上がった粉塵も大気に影響を与える程ではなかった。
「思ったほど爆発が大きくなかったな」
歩哨として配置されていた二本脚”のWM3(ウォーカーモデル3型)に搭乗したガンナー担当の兵士が言う。
「派手なの期待してたか? チャップマン」
「知ってるか? 恐竜は隕石で絶滅したんだ」
「違うね。恐竜は絶滅したんじゃない。鳥に進化したんだ」
「そんなわけない」
「本に書いてあった。とにかく、落下高度も低いし、航宙駆逐艦の残骸の大きさもそこそこだ。絶滅レベルじゃない」
「驚いた」
「勉強になったか?」
「いや、お前が本を読む事に驚いてる」
「このやろ……いや、まて!」
毒舌の追い打ちをかけようとしたガンナーオペレーターだったが、操縦手の様子の変化に気付く。
「どうした?」
「前方から99式偵察戦闘車が接近」
「落下した残骸の調査に行った連中だよな。連絡が途絶えて、第一分隊の連中が様子を見に行ったはずだが無事だったって事か」
「何か様子がおかしい」
映像に映る99式偵察戦闘車の走行はどこか不自然だった。駆動部を破損しているのか挙動が大きい。
「報告を入れろ。俺は99式に呼びかけてみる」
「わかった」
操縦手は、無線のスイッチを入れた。
「“フィレット”、問題発生か? 状況を知らせよ」
応答はなかった。もっとも連絡がとれなかった事を考えると通信手段にも問題が発生していう可能性はあったのだが。
「“フィレット”、こちらの通信が聞こえているなら一旦停止しろ」
99式偵察戦闘車は通信を無視して前進を続けている。
「指揮車からだ。“99式の状況を確認せよ”だ」
ガンナーが射撃用のスコープ越しに接近する99式偵察戦闘車を確認する。すると、99式の背後に続く別の車両がいるの見つけた。一台ではない。複数の車両群だ。
「あれ、第一分隊じゃないのか?」
操縦手がモニターを見る
「……そうだな。でも、なんで呼びかけに答えない。無線周波数は同じ筈だ」
さらに接近する車両群に違和感を感じる。
普段見慣れた戦闘車両の動きではない。車輪を使っているようでも歩行脚を使っているようでもない。それは歪な挙動だった。
第一機動師団の指揮車では、連絡のはが的中した戦闘師団はドームに移動を開始するのだった。
「第一分隊、状況を知らせよ」
だが相手からは反応がないままだった。ひたすら前進してくるだけだった。
「嫌な予感がする……おい、兵装ロックを外しとけ」
「味方だぞ?」
「わかってる。念のためだ」
念のためってなんだよ、と思いながらガンナーは兵装ロックを外した。ガン・アームも外装に取り付けられたロケットランチャーも発射可能になっていく。
「なんだ、あれ……」
射程距離に入る直前にに接近する99式偵察戦闘車と第一分隊の輪郭が鮮明に映し出された。
装甲面はただれ、何か黒い異物に大部分を覆われている。
その移動方法は車輪でも機械式の歩行脚でもなく、昆虫の足に似たもので這いながら前進してくるのだ。
車両群はさしずめ荒れ地を進む蟹か蠍の群れに見えていた。
「どうする?」
不安げな声でガンナーが訊く。
「狙っとけ」
「でも、味方だろ?」
「わからん! だがあれはどう見ても異常だ!」
操縦手が声を荒げた。
99式偵察戦闘車と第一分隊の様子が師団の戦闘指揮車にも送られていた。
映像を見ている指揮官も状況に戸惑っている。
「大佐。トブルクの司令部から通信が入っています」
この状況で司令部から?
大佐は受話器を取って司令部からの連絡を聞いていた。
「……はい。そうです。その通りです……いえ、そんな事は……はい、もちろん速やかに遂行します」
大佐は受話器を置く。
傍にいる副官が上官の表情から連絡の内容があまりよろしくないものだと察した。
「これより師団に戦闘態勢に入る。各長に、これは演習の延長ではない事を念押ししろ」
「了解」
一体、どんな命令があったのかと副官は考えながらも返事をする。
「攻撃目標は、帰還しようとしてくる99式偵察戦闘車と第一分隊となる」
「99式と第一分隊を、でありますか?」
指揮官の命令に異論はタブーだ。だが副官は思わず聞き返した。
「司令部からの連絡では99式と第一分隊は“何か”に汚染されている可能性が大だ。それを止める為にも近接前に破壊する。各長にも伝えろ」
「わかりました」
「歩哨のWM3に繋げ。俺が直接話す」
§
同時刻
アビスゲート内部
カーターとサヤは、先頭を走る作業員を追った。
作業員は、行くべき場所が分かっているらしく躊躇なく、先を走り続けていた。そして頑丈そうな扉の前に来ると立ち止まり、電子ロックにカードキーを差し込む。
扉が開くと中には、取材に来ていた他の記者たちとアビスゲートのスタッフたちが怯えた表情で立っていた。
カーターたちを見ると安堵しているようだ。
「早く閉めろ」
誰かが大声で言った。
カーターたちが中に入ると逃げてきた作業員が急いで扉を閉めてロックする。
「カーター!」
記者たちの中から声がした。ワールド・ライズ・ニュースのジャーナリスト、モトキ・ユウヤだ。友人である彼のお陰で。アビスゲートの取材に便乗できたのだ。
「ユウヤ、無事だったか」
「あんたもね。無事ってわけでもないけど、また会えてよかったよ」
「怪我したのか? 大丈夫か?」
「大した怪我じゃない。手をちょっと切っただけ」
そう言ってモトキ・ユウヤは包帯を巻いた左手を見せた。
「一体、何が起きてる?」
「よくわからないけど、化け物がアビスゲートを占拠している。大勢が殺されたか取り込まれた」
「取り込まれた?」
「あいつら、人間やオートワーカーの身体を乗っ取ってる。あんた達も化け物に追われて来たんだろ。そいつら、オートワーカーか人間の成れの果てだよ」
カーターは立て続けて起こる状況に頭が付いていかないでいた。
「皆、情報収集してるんだけどよく把握できないんだ。けど、他の記者に軍の通信を傍受できた奴がいてさ。そいつの話によると何かの攻撃の一環らしい」
「すべて“深淵から来る者たち”の侵略よ」
「今、なんって言った?」
「そっちの人って……?」
ユウヤは、カーターの後ろにいる黒髪の若い女に気が付く。
「彼女はサヤだ。前に話していた……まあ、それは後で説明するから」
カーターはサヤの方を向く。
「今は事情を知りたい。君は何が起きてるのか知ってるのか?」
「説明する。その代わり私に協力して」
「……協力か」
カーターはサヤが重機コントロール室からメインフレームにハッキングしようとしていた事を思い出す。
「でなければこの危機を回避できない」
サヤは、真剣な顔でカーターを見つめた。その表情からは何かの決意を感じ取れる。
「わ、わかった。君に協力するよ。お前もだよな? ユウヤ」
「なんで、俺も?」
「一人より二人だ。巻き添えは多い方がいい」
「まったく……」
カーターの冗談とも本気とも思えぬ言葉にユウヤはため息をつく。
「ありがとう」
サヤはカーターとユウヤに礼を言った。
「すべてを説明する。信じられない事かもしれないけど……」
「もう、何も驚かないよ」
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