3 / 38
■Ⅰ■IN TOKYO■
[3]天と地 〈M〉
しおりを挟む
自分の趣味なのか、はたまたクウヤの好みをそう予測したのか、啓太が選んだキャスト二人は、どちらも明るく可愛い清楚系だった。
男臭い作業場を行き帰りするだけのクウヤには、両隣に寄り添われただけでも久々の高揚感に襲われてしまう。すぐ傍に見える滑らかな素肌からは甘い香りが匂い立ち、美しい顔立ちとスタイルは完璧すぎて、あらぬ疑いをかけずにはいられなかった。
「こんな先端技術の店なんだから……実は中身はロボットだとか?」
けれどさすがにその冗談交じりの質問は、二人のはしゃぐ声で一笑に付された。もちろんあらゆる物がオートメーション化された便利な世の中、ロボットによる労働代替もかなり進んでいる。が、それでも今のところ人間を模した──否、ロボットとは気付けぬほど人間らしい、いわゆるアンドロイドにクウヤはお目にかかったことはない。とはいえ、そうなればそれこそ俺達のような労働者は仕事にあぶれるな、と要らぬ現実が頭の上に重くのしかかるのだが。
そうして時々現れる淀んだ空気は、啓太の陽気な性格と、度々勧められては潜り込んだ『ヒーリング・トリップ』のお陰で追いやられ、四人のたわいのない話もそれなりに弾んでいた。
しかし小一時間も経った時分、啓太が化粧室へと立ち上がろうとするのに吊られ、見上げた視界に入り込んだ閃光が、クウヤのリズムを思いがけず崩していた。
それは吹き抜けを一瞬にして貫いていった大きな箒星だった。鮮やかな尾が一筋の曲線を描き、キラキラと散りながら消え去った。
──思い出させてくれなくてもいいんだがな──クウヤは苦々しく笑う。それでも訪れた過去の断片を、その身に巡らせてみる気にもなっていた。人工的且つ強制的であったとはいえ、久し振りに得た心の平穏がそんな気持ちにさせたのかもしれない。クウヤは左右の艶やかな存在を吹き消し、意識を持っていかれない程度の集中力で、華やかな風景の流れる遠い天井を仰いだ。
あたかも屋外の如く広がる満天の夜空。安っぽいプラネタリウムの天体ショーとは違い、銀河系の外まで遥かな宇宙が展開していく。時々地球上に舞い戻っては、オーロラや流星群との競演を披露し、再び宇宙に飛び出して、太陽に迫り天を炎で染めた。
──こんな空、生まれた時から存在なんてしやしないのに──。
今一度地表からの映像に切り替わり、大きな満月が陣取った光景に、クウヤは黙って唇を歪めた。この西暦2093年という時代から遡ること七十年、その時から地球は一変した。オーストラリア大陸を壊滅させる程の巨大隕石が衝突、南半球の三分の一が死の海と化す。
気流が、海流が、地中の対流が……あらゆる流動が変動し変異し、自然が猛威を奮い地上は荒れた。一時的ではあるが、原始レベルとまで言いたくなるほど、文化レベルは衰退する羽目となる。しかしそのような逆境にも負けず、中でも先進国は隕石衝突以前よりも著しい発展を遂げた。止まることのない環境汚染の救世主として開発された『ムーン・シールド』。月明かりを思わせる仄かに光る特殊素材によって、上空はまんべんなく覆い尽くされ、全世界が安寧を取り戻した。けれどその代償に、今クウヤの見ている麗しい星空は、四十年前一切の姿を失ったのだ。
「クウちゃん、なに感傷に浸っちゃってるのさ~レディ達が退屈してるよ!」
突如映像を邪魔する大きな影が現れ、ふと思考を停止したクウヤの目の前には、戻ってきた啓太が呆れ顔で見下ろしていた。座っていたスペースとは逆隣に強引に腰掛けたので、クウヤとの間に挟まれた女性が、過細く色っぽい声を上げる。
「もしかして……今度はお父さんの十八番を狙ってるの?」
「あ?」
意味も分からず問い返した横目に、意地悪そうな嗤いが映った。
「クウちゃんのパパはねぇ~有名な天文学者だったんだ」
「啓太っ!」
思いがけない暴露に思わず声を荒げる。が、今では絶滅危惧種と化したロマンティックな職業に、女性達の好奇心はくすぐられたようだ。
「まったく……変に記憶力がいいな」
「ふふん~「父は空を、息子は地を」なんて、こんなカッコイイ夢めったにないでしょ?」
困惑気味に睨みつけた先の、自信に溢れた不敵な笑みにややたじろぐ。その「カッコイイ」台詞にすかさず、逆隣の女性がツッコミを入れた。
「ケータくぅん、クーヤさんの「地」ってなになに~?」
「クウちゃんも学者なんだよねー、でもこちらは足の下、地質学者なんだ。まだ二十三歳なのに、飛び級で五年も前に大学院を卒業しちゃった天才だよ!」
「ワァ、学者の家系だなんてステキ~!」
「おいっ、どうして俺の学歴そんなに知ってんだよ!?」
途端胸の前で両手を合わせ、輝き出した女豹の瞳はひとまず回避し、クウヤは更に牙を剥いた。まさか十三年振りに再会した同級生が、その後の自分の人生をこれほど知っているとは思いもよらなかった。
「別に~ボクじゃなくたって、同じ学校卒業した生徒はきっとみんな知ってるよ。ココまで地球に貢献した英雄なんて、周りにそうはいないもん」
「英雄って……」
クウヤは言葉半ばにして唖然とし、苦虫を潰したような顔つきになった。女性達は更に食いつきたい様子を見せたが、その表情に『説明』というおねだりは、瞬間押し留められたようだ。
──あの世界的大発見は自分なんかじゃない……あれは全て高科教授の偉業だ……自分は単にそのチームの一員としてそこにいたに過ぎない。偶然傍にいて、そして教授の目に留まる前に自分が見つけただけ……たったそれだけだ──
「で? クウちゃんは『その発見』がきっかけで、地面よりも空に興味を持っちゃったワケ?」
次第に沈んでゆく気持ちと頭を、啓太の質問が少しばかり持ち上げさせた。
「ああ……それで「おやじの十八番を狙ってる」って訊いたのか。俺は空になんか興味はないって。第一、宇宙工学ならともかく天文学なんて調べ尽くされて、今は開店休業状態だろ? おやじが有名だったのは学識じゃなくて、ちっとも利用価値のない無駄な研究を、呆れられても続けていたからだ」
そういったクウヤ自身が、呆れた口調と面差しをしていた。
『如月 空夜』という名前。
「夜空ほど美しいものはないんだぞ!」
瞳をキラキラさせながら両手を掲げ、宙へ放った父親の言葉は、幼な心にさえ奇妙に思えた。クウヤが生まれた時にはもう、『ムーン・シールド』によって月も星もほとんど見えなかったのだ。あの幾千・幾万もの瞬きを宿した天空の映像は、子供の頃まだ眺めることの出来た父の瞼には、大人になっても焼きついていたのだろうか?
そんな父親の遥かなる夢から付けられた名と、ちっとも月なんかじゃない『ムーン・シールド』と繋がる「如月」という姓。この自分を表す名前が、夢の途中で息絶えた父の想い出と、同じく夢の途中で研究所を追われた自分の過去を、生傷のようにジクジクと疼かせるのだった。
「確かに『ムーン・シールド』も、俺が関わった『エレメント』も、元を辿れば鉱物の一種で、それが今の空を作り上げてるんだから、そう思われても仕方がないが……俺は地球の中身の方が断然面白いと思うけどな」
啓太とクラスを共にした小学時代半ば、クウヤは既に地中に夢中だった。啓太はそんなクウヤを『ハカセ』と称したが、『モグラ』と揶揄されてもおかしくないくらいの熱中振りだったに違いない。
「あ! だからあのルビーちゃんに一目惚れしちゃったんだ!?」
「ルビー?」
いきなり飛び出した意味不明の台詞と満面の笑みに、当の本人──啓太以外の三人が首を傾げた。
「隣の赤毛ちゃんだよー、まるでルビーじゃない?」
「なるほど、ね。啓太も随分ロマンティストだな。俺はルビーよりガーネットの方が好みだけど」
これには両側の女性達から反論が溢れ出た。宝飾としたら一般的に高価なのはルビーで、もちろん彼女達が欲しいのもそちらに決まっているからだ。
「アレキサンドライトって知ってるだろ? 当てる光の種類によって色の変わる珍しい宝石、あれに似た物で、カラーチェンジ・ガーネットって稀少なのがあるんだよ。そいつが採れるスリランカの鉱山は、何百年か前に閉鎖されちまってるし、確かマダガスカルからももう出ない。今じゃよっぽどの宝石コレクターにせがまなきゃ、拝めない幻の石なんだ。ガーネットは安く見られがちだけど、黄色や翠なんて色も様々だし、赤一つ取ったって、かなりの種類があって彩度も違う、奥の深い鉱物なんだって」
いつの間にか講釈を垂れ始めたクウヤを見つめて、啓太は更に嬉しそうな笑顔を見せた。
「ああ~やっぱりクウちゃんは、今でも『ハカセ』なんだねぇ」
「え?」
名付け親である自分を誇らしく思うように、しみじみと頷きながら腕を組む。それから啓太は問い返したクウヤを仰いで、人差し指を立ててこう言った。
「だってさ、やっぱり石の話をしてる時のクウちゃん、昔みたいに輝いてるもん!」
両隣の女性も同意の微笑みを向け、クウヤは弾かれたように立ち上がった。
「ん、んなことねぇって! 俺……ちょっとトイレ!!」
ガーネットの如く頬を赤くして、長い脚で女性の上をひとまたぎ、慌てて逃げ出した。
コーナー席のガーネットの彼女も、隣席と同様──いや──あくまでも氷の眼差しで、クウヤを見送っているとも気付かずに──。
男臭い作業場を行き帰りするだけのクウヤには、両隣に寄り添われただけでも久々の高揚感に襲われてしまう。すぐ傍に見える滑らかな素肌からは甘い香りが匂い立ち、美しい顔立ちとスタイルは完璧すぎて、あらぬ疑いをかけずにはいられなかった。
「こんな先端技術の店なんだから……実は中身はロボットだとか?」
けれどさすがにその冗談交じりの質問は、二人のはしゃぐ声で一笑に付された。もちろんあらゆる物がオートメーション化された便利な世の中、ロボットによる労働代替もかなり進んでいる。が、それでも今のところ人間を模した──否、ロボットとは気付けぬほど人間らしい、いわゆるアンドロイドにクウヤはお目にかかったことはない。とはいえ、そうなればそれこそ俺達のような労働者は仕事にあぶれるな、と要らぬ現実が頭の上に重くのしかかるのだが。
そうして時々現れる淀んだ空気は、啓太の陽気な性格と、度々勧められては潜り込んだ『ヒーリング・トリップ』のお陰で追いやられ、四人のたわいのない話もそれなりに弾んでいた。
しかし小一時間も経った時分、啓太が化粧室へと立ち上がろうとするのに吊られ、見上げた視界に入り込んだ閃光が、クウヤのリズムを思いがけず崩していた。
それは吹き抜けを一瞬にして貫いていった大きな箒星だった。鮮やかな尾が一筋の曲線を描き、キラキラと散りながら消え去った。
──思い出させてくれなくてもいいんだがな──クウヤは苦々しく笑う。それでも訪れた過去の断片を、その身に巡らせてみる気にもなっていた。人工的且つ強制的であったとはいえ、久し振りに得た心の平穏がそんな気持ちにさせたのかもしれない。クウヤは左右の艶やかな存在を吹き消し、意識を持っていかれない程度の集中力で、華やかな風景の流れる遠い天井を仰いだ。
あたかも屋外の如く広がる満天の夜空。安っぽいプラネタリウムの天体ショーとは違い、銀河系の外まで遥かな宇宙が展開していく。時々地球上に舞い戻っては、オーロラや流星群との競演を披露し、再び宇宙に飛び出して、太陽に迫り天を炎で染めた。
──こんな空、生まれた時から存在なんてしやしないのに──。
今一度地表からの映像に切り替わり、大きな満月が陣取った光景に、クウヤは黙って唇を歪めた。この西暦2093年という時代から遡ること七十年、その時から地球は一変した。オーストラリア大陸を壊滅させる程の巨大隕石が衝突、南半球の三分の一が死の海と化す。
気流が、海流が、地中の対流が……あらゆる流動が変動し変異し、自然が猛威を奮い地上は荒れた。一時的ではあるが、原始レベルとまで言いたくなるほど、文化レベルは衰退する羽目となる。しかしそのような逆境にも負けず、中でも先進国は隕石衝突以前よりも著しい発展を遂げた。止まることのない環境汚染の救世主として開発された『ムーン・シールド』。月明かりを思わせる仄かに光る特殊素材によって、上空はまんべんなく覆い尽くされ、全世界が安寧を取り戻した。けれどその代償に、今クウヤの見ている麗しい星空は、四十年前一切の姿を失ったのだ。
「クウちゃん、なに感傷に浸っちゃってるのさ~レディ達が退屈してるよ!」
突如映像を邪魔する大きな影が現れ、ふと思考を停止したクウヤの目の前には、戻ってきた啓太が呆れ顔で見下ろしていた。座っていたスペースとは逆隣に強引に腰掛けたので、クウヤとの間に挟まれた女性が、過細く色っぽい声を上げる。
「もしかして……今度はお父さんの十八番を狙ってるの?」
「あ?」
意味も分からず問い返した横目に、意地悪そうな嗤いが映った。
「クウちゃんのパパはねぇ~有名な天文学者だったんだ」
「啓太っ!」
思いがけない暴露に思わず声を荒げる。が、今では絶滅危惧種と化したロマンティックな職業に、女性達の好奇心はくすぐられたようだ。
「まったく……変に記憶力がいいな」
「ふふん~「父は空を、息子は地を」なんて、こんなカッコイイ夢めったにないでしょ?」
困惑気味に睨みつけた先の、自信に溢れた不敵な笑みにややたじろぐ。その「カッコイイ」台詞にすかさず、逆隣の女性がツッコミを入れた。
「ケータくぅん、クーヤさんの「地」ってなになに~?」
「クウちゃんも学者なんだよねー、でもこちらは足の下、地質学者なんだ。まだ二十三歳なのに、飛び級で五年も前に大学院を卒業しちゃった天才だよ!」
「ワァ、学者の家系だなんてステキ~!」
「おいっ、どうして俺の学歴そんなに知ってんだよ!?」
途端胸の前で両手を合わせ、輝き出した女豹の瞳はひとまず回避し、クウヤは更に牙を剥いた。まさか十三年振りに再会した同級生が、その後の自分の人生をこれほど知っているとは思いもよらなかった。
「別に~ボクじゃなくたって、同じ学校卒業した生徒はきっとみんな知ってるよ。ココまで地球に貢献した英雄なんて、周りにそうはいないもん」
「英雄って……」
クウヤは言葉半ばにして唖然とし、苦虫を潰したような顔つきになった。女性達は更に食いつきたい様子を見せたが、その表情に『説明』というおねだりは、瞬間押し留められたようだ。
──あの世界的大発見は自分なんかじゃない……あれは全て高科教授の偉業だ……自分は単にそのチームの一員としてそこにいたに過ぎない。偶然傍にいて、そして教授の目に留まる前に自分が見つけただけ……たったそれだけだ──
「で? クウちゃんは『その発見』がきっかけで、地面よりも空に興味を持っちゃったワケ?」
次第に沈んでゆく気持ちと頭を、啓太の質問が少しばかり持ち上げさせた。
「ああ……それで「おやじの十八番を狙ってる」って訊いたのか。俺は空になんか興味はないって。第一、宇宙工学ならともかく天文学なんて調べ尽くされて、今は開店休業状態だろ? おやじが有名だったのは学識じゃなくて、ちっとも利用価値のない無駄な研究を、呆れられても続けていたからだ」
そういったクウヤ自身が、呆れた口調と面差しをしていた。
『如月 空夜』という名前。
「夜空ほど美しいものはないんだぞ!」
瞳をキラキラさせながら両手を掲げ、宙へ放った父親の言葉は、幼な心にさえ奇妙に思えた。クウヤが生まれた時にはもう、『ムーン・シールド』によって月も星もほとんど見えなかったのだ。あの幾千・幾万もの瞬きを宿した天空の映像は、子供の頃まだ眺めることの出来た父の瞼には、大人になっても焼きついていたのだろうか?
そんな父親の遥かなる夢から付けられた名と、ちっとも月なんかじゃない『ムーン・シールド』と繋がる「如月」という姓。この自分を表す名前が、夢の途中で息絶えた父の想い出と、同じく夢の途中で研究所を追われた自分の過去を、生傷のようにジクジクと疼かせるのだった。
「確かに『ムーン・シールド』も、俺が関わった『エレメント』も、元を辿れば鉱物の一種で、それが今の空を作り上げてるんだから、そう思われても仕方がないが……俺は地球の中身の方が断然面白いと思うけどな」
啓太とクラスを共にした小学時代半ば、クウヤは既に地中に夢中だった。啓太はそんなクウヤを『ハカセ』と称したが、『モグラ』と揶揄されてもおかしくないくらいの熱中振りだったに違いない。
「あ! だからあのルビーちゃんに一目惚れしちゃったんだ!?」
「ルビー?」
いきなり飛び出した意味不明の台詞と満面の笑みに、当の本人──啓太以外の三人が首を傾げた。
「隣の赤毛ちゃんだよー、まるでルビーじゃない?」
「なるほど、ね。啓太も随分ロマンティストだな。俺はルビーよりガーネットの方が好みだけど」
これには両側の女性達から反論が溢れ出た。宝飾としたら一般的に高価なのはルビーで、もちろん彼女達が欲しいのもそちらに決まっているからだ。
「アレキサンドライトって知ってるだろ? 当てる光の種類によって色の変わる珍しい宝石、あれに似た物で、カラーチェンジ・ガーネットって稀少なのがあるんだよ。そいつが採れるスリランカの鉱山は、何百年か前に閉鎖されちまってるし、確かマダガスカルからももう出ない。今じゃよっぽどの宝石コレクターにせがまなきゃ、拝めない幻の石なんだ。ガーネットは安く見られがちだけど、黄色や翠なんて色も様々だし、赤一つ取ったって、かなりの種類があって彩度も違う、奥の深い鉱物なんだって」
いつの間にか講釈を垂れ始めたクウヤを見つめて、啓太は更に嬉しそうな笑顔を見せた。
「ああ~やっぱりクウちゃんは、今でも『ハカセ』なんだねぇ」
「え?」
名付け親である自分を誇らしく思うように、しみじみと頷きながら腕を組む。それから啓太は問い返したクウヤを仰いで、人差し指を立ててこう言った。
「だってさ、やっぱり石の話をしてる時のクウちゃん、昔みたいに輝いてるもん!」
両隣の女性も同意の微笑みを向け、クウヤは弾かれたように立ち上がった。
「ん、んなことねぇって! 俺……ちょっとトイレ!!」
ガーネットの如く頬を赤くして、長い脚で女性の上をひとまたぎ、慌てて逃げ出した。
コーナー席のガーネットの彼女も、隣席と同様──いや──あくまでも氷の眼差しで、クウヤを見送っているとも気付かずに──。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
スタートレック クロノ・コルセアーズ
阿部敏丈
SF
第一次ボーグ侵攻、ウルフ359の戦いの直前、アルベルト・フォン・ハイゼンベルク中佐率いるクロノ・コルセアーズはハンソン提督に秘密任務を与えられる。
スタートレックの二次作品です。
今でも新作が続いている歴史の深いSFシリーズですが、自分の好きなキャラクターを使わせて頂いています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ハッチョーボリ・シュレディンガーズ
近畿ブロードウェイ
SF
なぜか就寝中、布団の中にさまざまな昆虫が潜り込んでくる友人の話を聞き、
悪ふざけ100%で、お酒を飲みながらふわふわと話を膨らませていった結果。
「布団の上のセミの死骸×シュレディンガー方程式×何か地獄みたいになってる国」
という作品が書きたくなったので、話が思いついたときに更新していきます。
小説家になろう で書いている話ですが、
せっかく アルファポリス のアカウントも作ったのでこっちでも更新します。
https://ncode.syosetu.com/n5143io/
・この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません
・特定の作品を馬鹿にするような意図もありません
♡女子高生と黒ずんだアレ◆ 〜△本小説には、一部刺激の強いシーンがあります(R15♡)〜
大和田大和
SF
◆◇「私まだ女子高生なのに……子育て?」◇◆
○突然ですが、女子高生を妊娠させる方法を知っていますか?
『知りません』と答えたピュアなあなた! この小説はあなたにはまだ早いかもしれません。
あなたは今すぐブラウザバックして他の小説を読んでください。(おすすめはリゼロです!)
●本小説では、たくさんの女性が妊娠します。女子高生の妊娠に興味がない人は読むことを推奨しません(リゼロの方が面白いのでそちらを読んでください!)
○それでは以下があらすじと本編の妊娠シーンです。(リゼロが見たい方はブラバして、長月達平で検索してください!)
◆◇【あらすじ】◇◆
世界中に突如、謎の黒い箱が出現した。
それは大きさ三〇立法センチほど。
宛名も差出人もなく、ただ『開けないでね』とだけ書かれている。
ある箱は公園のベンチの上に置かれ、別の箱は浜辺に流れ着き、また別の箱は普通にポストに届いたりした。
箱を開けるとその中には、気持ちがいいことをした時にできるアレが入っていた。
この物語は、一人の女子高生が子作りと子育てをするお話。
◆◇【妊娠】◇◆
男は白いシーツがかかったベッドを指差し、私にこう言った。
「いいか? お嬢さんは今から俺にここで妊娠させられるんだ? 何をされるかわかるな?」
私はこくんと力なく頷いた。
「嬢ちゃんはベッドでの経験はあるのか?」
私は首を横にフルフルと振った。
「そっか女子高生だもんな。処女だろうな……へへ。安心してくれ、大人しくしてれば痛くしないから……よ?」
男は、ニヤケ面で私の体に視線を這わせた。太もも、胸の谷間、そして股間のあたりをジロジロと見られた。
彼は私をベッドに座らせると、
「今から俺と何するか言ってみな?」
そして、私はこう答えた。
「…………生で……セック(本編へ続く♡)」
(◎本小説は、カクヨムなどで重複投稿しています。詳しくはプロフで)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる