答えの出口

藤原雅倫

文字の大きさ
上 下
11 / 28

【第11章】初夜

しおりを挟む
 渋谷109の前を通り過ぎる時、
私は今まで感じた事のない幸せな気持ちで高揚した。
誰も私の事なんて知らない。
勿論、今は。
でもあと数週間もしたらきっと誰もが
私を振り返り押し寄せてくるだろう。
そんな事を考えるだけで笑みが浮かべずにはいられなかった。


もうすぐ私はデビューする。


 先日、携帯に澤村さんからお祝いのメールが届いた。
レコーディングが終わってからはすっかり会う機会もなくなってしまったが、
いずれきちんと挨拶をしなくてはならない。
その時はお母さんと一緒に伺おう。
きっと二人とも喜んでくれるにちがいない。

 今日で辞めたファーストフードのアルバイト代で買った
真っ黒いサングラスをかけてみる。
ショーウィンドウに映るその姿を眺めていると
既にスターになった気分だった。
しばらくその姿に見とれていると、
私の少し後ろにこっちを見て立っている男の姿が映っていた。

誰? 誰だっけ、この男は?

すると男は少しだけ私の方へ近寄り声をかけてきた。

「スギモリ。杉森だろ?」
え、、? 私は振り返り男の顔を眺めた。

「俺だよ。光一。高校で同じクラスだったじゃないか。」
すっかり身長も伸び、
大人っぽい顔立ちになった彼を見て私は驚いた。

「なんで、どうして分かったの?」
私はサングラスを外して近寄った。

「なんでって、すぐ分かるよ。変わってないし。」
彼は吐き出すように言った。


 私たちは246沿いまで歩きファミレスに入った。
Pコートを脱ぎ椅子の背もたれにかけた彼は
学生時代とは信じられないほど逞しい身体をしていた。

「何やってんの、今?」

「学生だよ。大学で水泳やってるんだ。」
なるほど。それは納得できる。
私は彼が競泳パンツを履いている姿を想像してちょっと可笑しくなった。

「何笑ってんだよ。失礼な奴だなぁ。杉森は今、何やってんだよ?」

「私? 私は、、 歌を歌ってるの。」

「へ~、そうか。そういえば音楽が好きだったもんな。バンドでもやってんの?」

「バンドはやってないけど、独りで歌ってるの。ソロってやつね。」

「ソロ? 独りで歌ってんの? カラオケみたいな感じ?」

「違うよ~。カラオケとは違うけど、、。実はもうすぐデビューするの!」
私は少し顎をあげて言った。

「デビュー! それ凄いじゃん! ビックリだよ!」

私はサングラスをいじりながら
彼の驚く顔を見て胸が高鳴った。
夕方からの練習を控えていた彼は
近々ゆっくり会おうと言葉を残し
携帯番号とメアドを交換した私たちは店を出て別れた。


 久しぶりのオフは何の予定もなく退屈だったが、
道路沿いに立ち並ぶビルの上に掲げられたアーティストの広告を見ていると再び胸が高鳴った。
いつか私もあんな風になれるだろうか。
すると携帯が鳴った。

「舞、お母さんだけど。今夜ちょっと仕事の後にお父さんと会う事になったから遅くなるかもしれないのよ。あなたも今夜は遅くなるの?」

「うぅん、今日はオフだから何もないよ。」

「あら、そうなの。じゃ、申し訳ないけど外でご飯食べて来てくれる?」

「分かった。」

「きちんと鍵、閉めておくのよ。じゃあね。」


最近、父と母はよく会っているようだ。
そんなに頻繁に会うくらいならいっそ再婚すればいいのに、
と思う事もあるが、
大人の事情はよく分からない。

離婚を機に
母は以前にくらべると随分と元気になったような気がする。
泥酔して帰ってくる事もなくなったし、
何かにつけて私を叱りつけることもなくなった。
料理だってきちんとするようになったので、
私も夕飯を一緒に食べられる時間に帰れる時は
なるべく家で食事をするようにした。
そのお陰で以前のようなコンビニ三昧な生活は一変し、
肌もよくなったような気がする。

 父も元気そのものだ。
一体この夫婦はどうしてこういう関係に於いて
お互いが元気でいられるのか不思議でたまらないが、
そんな事をいちいち考えてみたところで
結局その理由なんて私には分かるわけもなかった。

何度か父の部屋を訪れた事がある。
1LDKのマンションはこじんまりとしているが
想像以上に片付けられていた部屋に驚いた事があった。
それまでの父は、
何から何まで母に頼っているイメージしかなかったので、
あわや自分で掃除から洗濯なんてする人だとは信じ難かったのだ。

もしかして他に女性がいるのだろうか?

もっとも、
父だって今は独身な訳なので決して浮気ではないのだが、
複雑な気分になったことは言うまでもない。
そんな私を見て父は

「父さん、こう見えて実は結構綺麗好きなんだよ。学生時代はずっと一人暮らしをしてたから家事だって普通に出来るし、料理だってわりと作れちゃうんだよ」
そんな聞いたこともない昔話を
少しずつ話してくれる父がとても愛おしく感じた。


 家に戻った私は、
久しぶりに買い込んだコンビニの袋をテーブルにどさっと置き、
すぐにテレビをつけた。
昔だったらこんな誰もいない家に戻って
独りで食事することすら嫌気がさしていたが、
今は違う。
むしろ、毎日大勢の大人の中でバタバタと何も分からないまま過ごし、
食事制限までされている最近では
こうやって好きな食べ物を静かな部屋で満喫できる事はまさに天国そのものだった。

 カップ焼きそばにお湯を注ぎ、
タマゴサンドウィッチを一口頬張った時、
家の電話が鳴った。
急いでそれを飲み込み少し咳き込みながら受話器をとった。

「はい、もしもし、杉森です。」

焼きそばの時間を気にしながら何気なく出たが、
一向に言葉が返ってくる様子がない。

「もしもし」

何度応答しても受話器の向こうの人間は何も語ることなくプツっと切った。

一体何なんだ?

あ~やばいやばい。
私は急いでお湯をキッチンのシンクに流した。
すると間もなくシンクがポカン!っと気持ち良い合図が鳴り響いた。


   ***


 年末にかけて私の周囲はますます慌ただしさを増した。
それはまるで戦場のような雰囲気で
ありとあらゆる大人達が私のデビューにむけて関わっていた。
ヴォーカルレッスンの講師、振付け師、
コーディネーターにヘアメイクから広告代理店にレコード会社のお偉方などなど。
一体、誰が何を担当しているかも分からずに
ただ毎日大勢の人が私を取り囲んでは次々と走り去っていった。

食事制限のお陰で私の体重は6キロも痩せ、
顔の吹き出物もすっかりなくなった。
海外で人気のあるフェイスクリームが抜群な効果を発揮してくれた。
何ならCMにでも使ってくれればいいのに。
そんなたわいもない事を考えながら撮影現場を訪れた。
するとそこに久しぶりに柳沢が登場した。

「お~! これはこれは、見違えたもんだ! 現代の科学はここまで進歩したか。」
柳沢は両手を広げておどけてみせた。

「科学ですか? 言っている意味が分からないんですが、、。」

「い~のい~の、君は何も分からなくていいんだよ。さ、始めよう!」

「はぁ、、。」

 相変わらずの軽いノリに圧倒された私は
すっかり表情も複雑になってしまった。

「さぁ、笑って!」

胡散臭そうなカメラマンが
私に喰いいる様ににじり寄りバシャバシャとシャッターを押しまくった。
そのストロボと凄まじいライトの中で、
私は完全に違う自分に変わり始めていることを実感した。


 バックヤードで荷物をまとめ、
熱い珈琲を一杯飲んでから車に乗り込んだ。
決まって後部座席に座る事となっている車内で
マネージャーの吉田がいつものようにチラリとルームミラーで私を確認した。
かれこれ一年近く常に一緒にいる人だが、
正直あまり仲が良いわけではない。
いや、きっとこの人はあくまで仕事として私に携わっているだけであり、
それ以上、もしくはそれ以下の付合いには全く興味を持っていないのだろう。
その証拠に、
いつも仕事以外の話題で自分から話してくる事は絶対にない。
それでいて、
冷たい気性や怖い人だと思った事も一度もないし、
嫌われているなどと感じた事もなかった。
あくまでこの人は私のマネージャーであり、
友達ではないという境界線だけは暗黙の了解の中で引かれているのだろう。
もしかしたら私が勝手にそう感じているだけなのかもしれない。

 いつものように沈黙の車内で
私はオレンジ色にライトアップされた東京タワーを眺めていた。
すると聴いた事のない音楽がカーステレオから流れてきた。

「これって誰の曲なんですか?」
彼女はモソモソと助手席に手を伸ばしてCDケースを私に渡した。

「シャーデーよ。これはベスト盤なんだけど、個人的に一番よく聴くアルバムなの。」
私はジャケットに写るその容姿に今の自分を比較し落胆した。
そしていつしかその心地よい歌声とメロディーの中で深い眠りについていた。


 アー写、プロモーションビデオの撮影も無事に終え、
今年も間もなく終わる間近にそれぞれが出来上がり
事務所に届いたという連絡がはいった。
私はすぐに父と母にメールをし、
吉田が迎えに来るのを待っていた。

今日は関係者みんなでそのPVを事務所で鑑賞するのだ。
どんな風に仕上がっているのかとても楽しみで仕方がない。
入念な化粧をし、
なるべく普通な服に着替え鏡の前で自分の姿をマジマジと見つめた。
そして先日購入したキャップをかぶり真っ黒なサングラスをかけてみる。
それはまるで芸能人が目立たぬようにする、
よくテレビなどで見かけるファッションそのものだった。
キャップのつばを三角に折りもっと深く被ってみる。
すると玄関のチャイムが鳴った。

扉を開けると、
いつもの様に黒いタイトなスカートスーツを着た吉田が立っていた。
私の格好をしばらく見つめていたが、
結局何も言わずに車に戻りエンジンをかけた。
後部座席に乗り込み発車を待っていると
ルームミラー越しに珍しく吉田が話しかけてきた。

「今年は、もう今日で仕事納めよ。忙しかったからあなたも疲れたでしょう。」

私はその柔らかな話し方に少し驚いて

「はい。」とだけ言った。

少しずつだが、
この人との距離も縮みはじめているのだろうか。
そう思うと何だか嬉しくなった。

携帯には父と母からのお祝いメッセージがそれぞれから届いていた。


 事務所のAVルームに入ると
相変わらず見た記憶もない大人達が大勢席についていた。
50インチの液晶テレビの脇に立っていた柳沢が私を呼び、
一番前の席に座るよう指を差した。
すぐ後ろの男が私の肩を叩き耳元で

「お疲れさん。」と言った。

その一瞬の煙草臭い息に私は少しウンザリした。


「それでは、杉森舞のデビューシングルのPVを流しますのでご覧ください!」

そう言って柳沢は電気を消し、
リモコンのスイッチを押した。
 既に喉がカラカラに乾いている私は
食い入る様にその画面を凝視した。
デジタル処理された色鮮やかな自分がまるで他人のように思えたが、
そのグレードの高い完成度に周囲も感嘆の声をあげた。
その脇で柳沢は腕を組んで自信ありげな表情で周囲の反応を楽しんでいるかのようにも思えた。


これが私。私なんだ!


 帰り際、
私は澤村さんが居ない事に気付き少しがっかりしてしまった。
そして柳沢に何気なく聞いてみることにした。

「澤村さんは来ていなかったんですね。」
柳沢はパンっと書類を閉じて少し考え込むように言った。

「色々バタバタしてるみたいだよ。それにこういう場にはわざわざ来るような奴じゃないから気にする事もないよ。年明けのインストア・イヴェントには来るって言ってたから、きっとその時に会えると思う。」
私はホッとしてPVのDVDを受け取った。

「あぁ、それから吉田君に聞いていると思うけど、今年は今日が仕事納めだから。君も随分、疲れたと思うから年明けの3日までゆっくり休むといい。それに来年は早々から多忙になるからしっかり体調も整えておいてくれよ。もし休みの間にスタジオに入るなら吉田君にでも連絡してくれればオッケーだから。でも彼女も一応休暇中になるから送り迎えまで出来るかどうかは分からないけどね。それじゃ、お疲れさま。」

そう言って柳沢は数人の男と部屋を出て行った。
部屋の隅では吉田が無表情に携帯をいじっているのが見えたが、
すぐに私に気付いて近寄り、
車を移動して来るとだけ告げた。

「あの、今日は大丈夫です。ブラブラしながら一人で帰りますから。」
吉田はキョトンとした顔をした。

「了解。その変わり気をつけて帰るのよ。3日の夜にでも電話するから。お疲れさま。」
そう言って私の肩をポンっと叩き部屋を後にした。

 事務所から外に出ると空は重い曇り空に覆われ、
今にも雪が降ってきそうな感じだった。
ダウンジャケットのジッパーを首もとまでしめフードを被って歩き出す。
代々木駅へ向かうその途中で、
久しぶりに光一にメールを送りデートに誘ってみた。
周囲では同じくらいの年のカップルが寄り添いながらあちらこちらで歩いている。
気がつくと私はひとつ大きな溜息をついた。

一体何なんだ、この孤独感は、、。


 ホームで電車を待っていると携帯が鳴った。
すぐにそれが光一からだと気付いた私はカラ元気な声で電話に出た。

「おっす。急なんだもんなぁ。でもいいよ。どこに行けばいい?」
私はしばらく悩んで新宿を指定した。

「オッケー。じゃ、六時に伊勢丹前で会おう。」

 約束の時間まで一時間ほどあったので、
ドトールでお茶をして待つ事にした。
熱いカフェラテが喉を通り胃袋に入っていくたび
少しずつ私は元気を取り戻していた。


   ***


 目が覚めると、
光一は背中を向けイビキをかいて眠り込んでいた。

やばい! 飲み過ぎた。

私はすぐにシーツを確かめると
ほのかに血が滲んでいるのを確認した。
下半身に残る異物感に妙な感覚を覚え、
不安になってベッドの周囲を見渡すと、
光一の足下に精子が溜まったスキンが剥ぎ取られたまま無造作に放ってあった。
ホッとしてそれをつまみ上げると
僅かに血痕が生々しくまとわりついていた。

彼の肩をゆすって起こそうとしたが
完全に眠り込んでいる様子で一向に目を覚ます気配もない。
彼もまた相当深酒してしまったのだろう。
居酒屋に入り、
その勢いでカラオケに行った事までは記憶がある。
そうだ、
そこで酔っぱらった光一が後ろから抱きついて服を脱がせようとしたのだ。
それから先は覚えてない、、。
考えようとするとキリキリと頭が痛み出す。
私は冷蔵庫からウーロン茶を取り出して一気に飲みほした。
時計を見ると真夜中の二時を回っていた。
散らばった下着を身に付け服を来てもう一度、
光一の肩を揺すってみたがやはり起きる様子もない。
諦めた私は仕方が無く帰る事に決め部屋を後にした。

 ホテルを出ると僅かな雪が降っていた。
靖国通り沿いまで歩いて行きタクシーを拾って乗り込み走り出した時、
歌舞伎町の人混みの中に一瞬、
見覚えのある顔を見たような気がした。

そんな状況の中で
すぐに深い眠りについた私が次に目が覚めた時、
タクシーはもう
家の前に到着していた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】共生

ひなこ
ミステリー
高校生の少女・三崎有紗(みさき・ありさ)はアナウンサーである母・優子(ゆうこ)が若い頃に歌手だったことを封印し、また歌うことも嫌うのを不審に思っていた。 ある日有紗の歌声のせいで、優子に異変が起こる。 隠された母の過去が、二十年の時を経て明らかになる?

この欠け落ちた匣庭の中で 終章―Dream of miniature garden―

至堂文斗
ミステリー
ーーこれが、匣の中だったんだ。 二〇一八年の夏。廃墟となった満生台を訪れたのは二人の若者。 彼らもまた、かつてGHOSTの研究によって運命を弄ばれた者たちだった。 信号領域の研究が展開され、そして壊れたニュータウン。終焉を迎えた現実と、終焉を拒絶する仮想。 歪なる領域に足を踏み入れる二人は、果たして何か一つでも、その世界に救いを与えることが出来るだろうか。 幻想、幻影、エンケージ。 魂魄、領域、人類の進化。 802部隊、九命会、レッドアイ・オペレーション……。 さあ、あの光の先へと進んでいこう。たとえもう二度と時計の針が巻き戻らないとしても。 私たちの駆け抜けたあの日々は確かに満ち足りていたと、懐かしめるようになるはずだから。

彼女が愛した彼は

朝飛
ミステリー
美しく妖艶な妻の朱海(あけみ)と幸せな結婚生活を送るはずだった真也(しんや)だが、ある時を堺に朱海が精神を病んでしまい、苦痛に満ちた結婚生活へと変わってしまった。 朱海が病んでしまった理由は何なのか。真相に迫ろうとする度に謎が深まり、、、。

授業

高木解緒 (たかぎ ときお)
ミステリー
 2020年に投稿した折、すべて投稿して完結したつもりでおりましたが、最終章とその前の章を投稿し忘れていたことに2024年10月になってやっと気が付きました。覗いてくださった皆様、誠に申し訳ありませんでした。  中学校に入学したその日〝私〟は最高の先生に出会った――、はずだった。学校を舞台に綴る小編ミステリ。  ※ この物語はAmazonKDPで販売している作品を投稿用に改稿したものです。  ※ この作品はセンシティブなテーマを扱っています。これは作品の主題が実社会における問題に即しているためです。作品内の事象は全て実際の人物、組織、国家等になんら関りはなく、また断じて非法行為、反倫理、人権侵害を推奨するものではありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

消された過去と消えた宝石

志波 連
ミステリー
大富豪斎藤雅也のコレクション、ピンクダイヤモンドのペンダント『女神の涙』が消えた。 刑事伊藤大吉と藤田建造は、現場検証を行うが手掛かりは出てこなかった。   後妻の小夜子は、心臓病により車椅子生活となった当主をよく支え、二人の仲は良い。 宝石コレクションの隠し場所は使用人たちも知らず、知っているのは当主と妻の小夜子だけ。 しかし夫の体を慮った妻は、この一年一度も外出をしていない事は確認できている。 しかも事件当日の朝、日課だったコレクションの確認を行った雅也によって、宝石はあったと証言されている。 最後の確認から盗難までの間に人の出入りは無く、使用人たちも徹底的に調べられたが何も出てこない。  消えた宝石はどこに? 手掛かりを掴めないまま街を彷徨っていた伊藤刑事は、偶然立ち寄った画廊で衝撃的な事実を発見し、斬新な仮説を立てる。 他サイトにも掲載しています。 R15は保険です。 表紙は写真ACの作品を使用しています。

処理中です...