答えの出口

藤原雅倫

文字の大きさ
上 下
4 / 28

【第4章】長い夢

しおりを挟む
 いつものように歯を磨きながら
洗面台の鏡に映る自分をまじまじと覗き込む。
乱雑に垂れ下がっている前髪を無造作にかきあげてみると、
相変わらず邪悪なニキビが痛々しくあった。
そのひとつを摘んでゆっくりと潰してみる。

「イタっ!」

流れ出た白い皮脂と共に赤い血が額に流れおちた。

「舞、早くご飯食べてちょうだい!お母さん、もう仕事に出かけるから!」

急いで口をすすぎリビングに行く。
最近の母は毎日こんな調子でウンザリだ。
テーブルに並べられた朝食はどれも粗末で、
目玉焼きと焦げたトースト、ホットミルクが置いてあった。
給食でもあるまいし、
少しはまともな料理が出来ないのだろうか。
私が食卓につくのを確認して母は急いそとカバンを抱えて玄関へ向かった。

「今夜は遅くなるから。鍵持ってるでしょ。冷凍庫のピザでも食べてちょうだい。ちゃんと夕方には帰ってくるのよ!」

それだけ言ってソソクサと出て行った。

 先月末あたりから急に父が帰って来なくなった。
その数日後に私の携帯にあった父からのメールには
「お母さんを宜しく頼む。」とだけあった。
母は今でもその理由については何も語らないし、
いい加減私だって十八歳にもなったのだから
それくらいの意味も分かっている。

もう子供じゃない。

 以前、夜中に帰って来た母に、
父が凄まじい怒りで口論をしていた。
私は自分の部屋でそのやりとりをずっと聞き耳をたてていた。
母は仕事だとか何だと言って、
会社の男と毎晩共にしていたのだ。
父には悪いと思いつつも
私はとうの前から知っていた事でもあるので同情さえも感じたほどだ。
しかしながら、
数年前に突然訪れた父の愛人と私が出くわした事を母は知らない。
それ以来、
父は私に対し態度を変え始めて急に優しくなったりしていた。
私はこの二人に愛されているのだろうか?


 教室の窓から見える校庭では
下級生が体育の授業でリレーの練習やら、
サッカーの試合を行っていた。
そんな呑気な風景を眺めながら
この先の進路について考えたりしていた。
周りの同級生らは既に専門学校やら大学への進学、就職先も決まっているようだが、
自分に於いては勉強の意欲もなければ就職する気にもなれずにいた。

はぁ、私は何をしようか?

学校に黙って続けてきたファーストフード店でのアルバイトでも続けようかとも考えたが、
それも最近はすっかり飽き飽きしてきた。
昼休みにダラダラ過ごしていた時、
隣のクラスのモモ子が声をかけた。

「舞ちゃん、高校卒業したらどうするの?」

「べつに。何も決めてないし。」

「ふぅん、そうなんだ。でも私もよ。舞ちゃん音楽好きそうだし、歌手にでもなったらいいのに。」

「は? 別にそんな興味ある訳じゃないよ。ただCD聴いたりするくらいだし。」

モモ子はしばらく黙ってから口をひらいた。

「私ね、援交しているの。舞ちゃん知ってた?」

「うそっ! マジで言ってんの? なんで急にそんな事言ってんの? 意味分かんないし?」

「アハハ。ビックリした? でもね、これ結構いいバイトみたいなもんなの。人によっては沢山お金くれるし、美味しいものも食べられるし。」

「え~、でもそれだけじゃないよね? ようするにあれ、やっちゃったりするんじゃないの?」

「だってオジさんなんかどうせすぐイッちゃうし、ちょっと我慢すればいいだけだしね。約束して渋谷あたりで会ってカラオケボックスあたりでお酒飲んでチャチャっと済ませれば終わり。結構、簡単だよ。」

「マジで、オヤジ相手にしてんの? 考えられない!」

「私、同い年の男子とか興味ないの。何か弱々しいって言うか頼りにならないっていうか、、。」

「あ~それは解る。でもオジさんでしょ? モモちゃんって凄くない?」

「何それ?。みんなやってるし。実はこの前、ホントかどうか分からないんだけど音楽プロデューサーって言ってるオジさんがいてさ。歌手になりたがっている友達いたら連れて来いってしつこいんだよね。それで思わず舞ちゃんの事話しちゃったら毎日ウザイくらいメールくるの。酔っぱらってたし、何もしないでお小遣いだけ貰って帰ってきたけど、色んな歌手や芸能人と知り合いだって言ってた。ね、面白そうだし今度そいつと会う時、一緒にいてくれない?」

「マジで? ちょっと怖いんだけど、、。」

「怖くないよ~。さっさと酔わせて一緒にカラオケでもすればお小遣いもらえるし。それに馬鹿だから名刺までくれちゃってるから、何かあったら会社にチクっちゃえばいいのよ!」


 昼休み終わりの鐘が鳴り私たちは別れたが、
モモ子の誘いが舞の鼓動を早めた事は言うまでもない。
彼女は一体いつからそんな事を始めたのだろうか。
私とは対象なその豊満なバストと大人っぽい容姿で沢山の男共と混じり合っている様子を想像していた。
私は未だ処女だと言うのに。


   ***


 高二の頃、
私は少しだけ音楽に興味を持ち始めた。
それまではテレビやショップなどで流れている音楽をただ何となく耳にしていただけで、
誰が歌っているとか歌詞がいいだとか気にした事もなかった。
同級生や先輩達の中にはバンドをやっていて時々ライブハウスにも出演していたようだが、
一度も行った事もない。
音楽の授業を選択はしていたものの、
単に数学や文系に比べたら楽だと思っただけで特別興味があった訳ではない。
ある放課後、
家に帰るまで音楽室で時間つぶしをしていた私に時田先生が声をかけてくれた。

「杉森さんは音楽が好き?」

「う~ん、よく分かんないけど先生の授業は好きだよ。」

「あら、そう言ってもらえると嬉しいわ。ありがとう。きっと音楽を好きになるってキッカケなのかもしれないわね。」

「先生は何で音楽をはじめたの?」

「私はね、本当は歌手になりたかったのよ。」

「うそ~!信じられないけど、先生だったらありかな。綺麗だし、背も高いし。でもどうしてならなかったの?」

「だっていくら好きでもそう簡単にはなれる訳じゃないのよ。だから少しでも知識を学ぼうと思って大学に入りながらバンドやったりして歌ってたんだけどね。」

「バンドやってたんだ~。それってボーカルって事だよね。先生カッコいい!」

「でもね、結局諦めたの。せめて音楽には関わりたいなと思って教師になったのよね。」

「ふ~ん、そうなんだ。よく分かんないけど青春ドラマみたい。もしかしてそれも人生ってやつ?」

「そうそう、それも人生ってやつね。」時田はカバンからCDを取り出して舞に渡した。

「よかったらこれあげるわ。」

「え、CD? 貰ってもいいの?」

「どうぞ。気に入るかどうかは分からないけど、素敵な曲が沢山あるのよ。最近の流行みたいにあんまり踊れはしないけど私のお気に入りなの。」

「じゃぁせっかくだから貰っちゃおうかな。ありがとうございます!」

「それじゃ。」

「はい、さようなら先生。」

「サヨウナラ。」

時田先生が教室を出て行った後に、
私はいただいたCDをカバンに入れてすぐさま家に向かった。
今夜も母が帰宅するのは零時を過ぎるだろう。
何を食べようかな。


 次の日、
音楽室で授業が始まるのを待っていた私たちは、
いつになっても姿を現さない教師をいい事に「自習なんじゃない?」などとハシャイでいた。
授業開始から既に十五分が過ぎていた。
すると突然ガラリと開かれたドアから教頭先生が顔を覗かせた。
まさか今日は教頭が授業を行うつもりだろうか?

「静かに。静かにしなさい!」

嫌みな感じのそのひと言ですぐに静けさを取り戻した私たちに向かって教頭はゆっくりと話しだした。

「みなさんにご報告があります。二年生の音楽指導をされていた時田先生は先日をもって、一身上の都合で退職されました。今後は、三年生を担当されている山川先生に当分の間兼任していただきますが、本日は自習といたします。残り三十分ほどしかありませんが、静かに勉強するように。以上!」

それだけ伝えると教頭は踵を返して教室を後にした。
私は呆気にとられしばらく事実を把握できずにいた。
周囲は興味津々に「先生辞めたんだ!」「もしかしてオメデタなんじゃない?」「出来ちゃったケッコンだったりして!」などと好き勝手な事を互いに想像して盛り上がっている。

舞はぼんやりと窓から広がる夏空に浮かぶ雲を眺めていた。
先生が辞めた、、。


   ***


 久しぶりに父からメールが届き、
その翌週の土曜日に私たちは有楽町で待ち合わせをした。

「舞!」

父はハンカチで汗を拭きながら嬉しそうな顔をして近づいてきた。
親子とは言え久しぶりの再会に気まずさがあった私はつい、
無言で頷くだけしか出来なかったが、
思った以上に元気そうな笑顔を見て嬉しく思ったりもした。
私たちは無言のまま銀座方面に向かう途中やっと一軒の喫茶店に腰をおろした。

「元気だったか?」

「うん、元気だよ。」

「そうか、安心した。お父さんも何とかやってるから。心配かけてゴメンな。」

「別に心配はしてないし。でも思ったより元気そうだから安心はしたよ。」

「そろそろ進路とか決めなきゃいけないだろ。何かあったらいつでも父さんに相談して欲しいんだ。」

「うん、そうするよ。でもね、何したいか自分でも分からないんだ。かと言って適当に決めるのも嫌だし。だからもし、こんな感じが続いたらバイトでもしようかなって思ってる。」

「そうか、焦らずにゆっくり考えたらいい。舞の人生はまだ長いんだから、今すぐ決める事もないだろう。でも何かやりたい事が思い浮かんだ時は話して欲しいんだ。」

「うん、そうするよ。」父は珈琲を一口飲んでキャスターマイルドに火をつけた。

「実は、お母さんと正式に離婚する事にしたんだ。舞に黙っているつもりはなかったんだけど、お互いに早い方がいいと思って。本当にゴメンな、、。」

「別に謝らなくてもいいよ。どうせそうなると思ってたし。それにクラスのみんなん家も離婚だらけみたいだし平気だよ。心配しないで。」私はバナナケーキを一気にたいらげ、オレンジジュースを飲み干した。

「お父さん、ひとつだけ約束して欲しいの。もしかしてこれからあまり会ったり出来ないのかもしれないけどさ、ちゃんと娘だと思ってね。」父はその言葉を聞いてすすり泣きした。

「舞、おまえはどんな時でも俺の娘に決まってるじゃないか。心配しなくていい。」私は席を立ち上がった。

「じゃ大丈夫! 私の事も心配しないで。ちゃんと学校にも行ってるから。またね。」

帰り際に父は封筒を渡した。
私はそれを手にとり店を出てゆっくりと駅に向かって歩いた。
中央通りのショーウィンドウはどれもお洒落な服や装飾で彩られていた。
それらを眺めているうちに悲しい気分も吹き飛び、
何処までも走っていけそうな感じがした。

私は自由だ!。

 父が渡した封筒の中には一万円札が三枚入っていた。
それを手にし心を踊らせながらバーガーキングへ向かった。
よし、トマトとチーズのダブルワッパーを食べよう。
今の私なら食べれそうだ。
舞の頬に流れた涙は残暑の風を浴びて一瞬にして空へと消えていった。

私は自由だ!。


 体育祭が終わり校庭のモミジが紅葉し始めたある日、
学校では密かな噂が流れはじめた。

「ねぇ舞、聞いた? 学校辞めた時田先生って覚えてるでしょ? 噂で聞いたんだけど、死んじゃったらしいよ。」

「うそっ! 何でなんで?」

「理由は分かんないけど、誰かが職員室で聞いたって言ってた。」

「それって本当の話しなの? 信じらんない、、。」

数ヶ月前の放課後に二人で話した事を思い出しながら舞は微かな悲しみを抱いた。
きっとあの時既に辞める事が決まっていた筈なのにどうして教えてくれなかったのだろう。
とは言え、私なんて特別な教え子でもなかったのだから当然と言えばそれまでではある。
最後に見た曇りのない優しい笑顔と後ろ姿。
サヨナラと言ったあの言葉が今になって舞のアタマに木霊した。


サ ヨ ナ ラ 。


そんな噂もいつしか忘れ去られ、
私にとって音楽の授業すら退屈なものとなってしまった。
ただ私の中でだけ、
あの放課後に話した僅かな時間だけがリアルに思い出される日々が続いた。


   ***


 誰もいない家はいつものように不気味な静けさだったが、
部屋に入るなりすぐにベッドに身体を横にした。
ジャンクフードで満たされた舞は天井を眺めながら父の言葉を思い出していた。

私は一体何をしたいんだろう?

そんな事を考えている時、突然ふと思い出した。
そうだ、先生がくれたCD。
舞は起き上がり机の引き出しを掻き分け未だ一度も聞いていなかったCDをコンポに入れプレイボタンを押した。
それを聴きながら再びベッドに横になり歌詞カードを眺めたそのジャケットには、
アーティストのサインが記されていた。
それまで人の死をまのあたりにした事が無かった私にとって自分が思っている以上に以前耳にした時田の死はショックな出来事であった。

時田先生が死んだ。

その心地よい歌声の中、
いつしか私は深い眠りについていた。



 何時間眠っていたのだろう。
目を覚ましたとき、
ベッドに母が座っていた。

「お母さん? どうしたの?」母は珍しく素面で私の顔を覗き込んだ。

「舞の寝顔を見てただけよ。あなた気持ちよさそうに寝てたから。」

「やだ、イビキかいてなかった?」

「ちょっとだけね。それにこのCD素敵ね。お母さんあなたの横でずっと聴いてたの。何だか色んな事思い出しちゃった、、。」

CDは八曲目を廻っていた。
母はジャケットを手にとりその歌詞を眺めながら微かに目を潤ませた。

「お母さん、今まで舞に何もしてあげられなかったわね。いつも放ったらかしにしてたし、お父さんとの事もそうだし。もう聞いたでしょ、、。だからこの数日、色々考えていたのよ。でも舞の寝顔を見てたら悩んでる気持ちが随分吹き飛んだみたい。あたり前の幸せに気付かなかったのかもね。舞やお父さんに対して。だからこれからはもっとしっかりするつもり。舞も応援してくれる?」

「別に変わらなくてもいいよ。お母さんはお母さんなんだし、今のままでいい。お父さんと別れるからって無理して欲しくないの。私だってもう子供じゃないし、自分の事はちゃんと出来るから。」

母はしばらく俯いてから
「ありがとう。」と小声でいった。

「いつか舞も、この歌詞の意味を理解出来る時が来るのかもね。でもあなたは私たちにとってはいつまでも子供なのよ。親ってそんなもんなの。」
私の額に軽くデコピンをして母は部屋を出て行った。足下の歌詞カードを手にして私はこの曲の歌詞を口にだして読み上げてみた。



『長い夢』

くたくたになった身体を眠らせて
手探りで迷っている夢の中
不思議なものさ
この街の何処かで
気がつけば探していたブルースを

聞こえて来る静かに囁く子守唄が
いつまでも流れてる

両手一杯に溢れた思い出が
少しずつ砕けながら流れてゆく。
通り雨よ、くたびれちまった
何もかも覚めるまでは止まないでくれ
手を伸ばせば変わらない笑顔がそこにあることも
見えるのに恐れてる。

だからねぇ忘れないで
たくさんの涙流した訳を
どんな時も諦めずに過ごして来たあの日々を
今はもう戻れない記憶の扉、鍵を閉めた
俺達の長い夢が坂の上で覚めただけさ

だからねぇ嘆かないで
求めたすべてが嘘じゃないと
隠さないで思うならば生きることさ、迷わずに
誰もが同じ空を眺めて悲しみ笑いあって
人はみな自分だけを信じながら生きてゆく
俺達の長い夢が、、。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】Amnesia(アムネシア)~カフェ「時遊館」に現れた美しい青年は記憶を失っていた~

紫紺
ミステリー
郊外の人気カフェ、『時游館』のマスター航留は、ある日美しい青年と出会う。彼は自分が誰かも全て忘れてしまう記憶喪失を患っていた。 行きがかり上、面倒を見ることになったのが……。 ※「Amnesia」は医学用語で、一般的には「記憶喪失」のことを指します。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

聖女の如く、永遠に囚われて

white love it
ミステリー
旧貴族、秦野家の令嬢だった幸子は、すでに百歳という年齢だったが、その外見は若き日に絶世の美女と謳われた頃と、少しも変わっていなかった。 彼女はその不老の美しさから、地元の人間達から今も魔女として恐れられながら、同時に敬われてもいた。 ある日、彼女の世話をする少年、遠山和人のもとに、同級生の島津良子が来る。 良子の実家で、不可解な事件が起こり、その真相を幸子に探ってほしいとのことだった。 実は幸子はその不老の美しさのみならず、もう一つの点で地元の人々から恐れられ、敬われていた。 ━━彼女はまぎれもなく、名探偵だった。 登場人物 遠山和人…中学三年生。ミステリー小説が好き。 遠山ゆき…中学一年生。和人の妹。 島津良子…中学三年生。和人の同級生。痩せぎみの美少女。 工藤健… 中学三年生。和人の友人にして、作家志望。 伊藤一正…フリーのプログラマー。ある事件の犯人と疑われている。 島津守… 良子の父親。 島津佐奈…良子の母親。 島津孝之…良子の祖父。守の父親。 島津香菜…良子の祖母。守の母親。 進藤凛… 家を改装した喫茶店の女店主。 桂恵…  整形外科医。伊藤一正の同級生。 遠山未歩…和人とゆきの母親。 遠山昇 …和人とゆきの父親。 山部智人…【未来教】の元経理担当。 秦野幸子…絶世の美女にして名探偵。百歳だが、ほとんど老化しておらず、今も若い頃の美しさを保っている。

処理中です...