3 / 29
辺境の街3
しおりを挟む
「いや~、思ったより簡単に片付いてしまった!助っ人が入ってしまったけど報酬に変更はないかな?アリアーヌ大丈夫か?」
入って来る早々の大声だ。
この人耳がおかしいのか常に声量が大きい。
探索している時もこんな大声なんだろうか?一緒に行動しているパーティの面々の耳は無事なんだろうか?依頼の結果と違う事を考えてしまう。
そんだけ声が大きい。この・・ストロングウィルのリーダーだ。あんだけ筋肉装備しているからなんだろうか?いつか聞いてみたいもんだ。
これ以上は脱線してしまう。それにしても助っ人か。一緒にいる男性だな。あの男性はパーティメンバーではない。
それにしても長身だ。
「なんじゃ?助っ人なんぞ、どこから連れて来たんじゃ?お前らしくもないな、クレイグ」
「お~!ギルマス!いや~、たまたまこの御仁が居たんだよ。意味も無く森で迷ったらしいぞ!なあ!」
クレイグは男性の肩をバンバンと叩く。随分と気安いな。初対面じゃないのかしら?結構な力なはずなんだけど男性はピクリともしない。は~ん、そういう事か。
でも、森に迷ったって。
どういう事?
「この地域には初めて来たので。迷ってしまいました。困っていたらゴブリンが近くにいて、そこに彼らもいて。迷惑だったかもしれませんが助けになればと参戦した次第」
「おう!本当に助かったぜ!結構知恵が回るゴブリン達だったんだよ!背後から来てくれたんで上手い事いったんだよ!」
いい加減肩バンバン止めなさいよ。クレイグはギルマスと話をしているから割り込めない。と、いうかそれで済むならそうして欲しい。受付泣かせのクレイグなのだ。・・・本当に耳がダメになる。
「ふむ、そうじゃったか。ま、報酬はお前たちに支払うから、後は助っ人殿と話し合って決めるがよかろう」
「おう!それじゃ報酬はひとまずもらっておくか!頼むぞ!」
クレイグの声が響く前にパーティメンバーのガイがカウンターにやってくる。
・・・うん。いつも通りの苦笑顔だ。今回もゴクロウサマです。このパーティの苦労人で実質のリーダーだ。多分現場でも仕切っているのはガイだと思う。
そんな事も気にしないでクレイグの喋りは止まらない。ああ、耳が・・。
「今回も無事に依頼を済ませられた!良かった!良かった!」
「くれぐれも無理はするんじゃないぞ。ゴブリン討伐はお前さん達しかできないんじゃからな。何度も繰り返すが依頼内容より数が多ければ無理せず引き返すんじゃぞ」
「勿論だ!アリアーヌの見積もりはいつも間違いがないからバッチリだ!」
「ホッツホッツホ。調査確認はこのギルドで一番じゃからのう。アリアーヌがおれば滅多な事はないと思うのじゃが無理は禁物じゃぞ」
「おう!分かっているぞ!」
あ~耳せんがほしい。耳せんしても無駄なのは分かっているけど、ちょっとだけ軽減するから。パーティメンバーはなんでダメージないんだろといつも思う。
見ていても全員平気な感じだ。おかしい。
なんか悔しい感じをしながら依頼プレートの内容を確認する。うん、ばっちりクリアできている。準備してた報酬をガイに渡す。
この間にもガイとは会話をしているのだけどクレイグの声でかき消され、何度も繰り返してしまう。いつもの事だけど、誰か黙らせて。
「失礼だが、あのリーダーは常にあの音量なのかな?俺は慣れていないからか二人のやり取りが聞こえないんだが」
「え?はい、クレイグはいつもあんな感じです。依頼に出ている時は私は知りませんがガイの表情で察してください」
「ふむ。成程。理解した。それにしても賑やかなメンバーだな」
「あれ一人だけがうるさいんです。静かなのは食べている時だけじゃないですかね」
男性の顔が困った顔になってしまった。
そこでようやく男性に目を向ける。
黒髪に黒い目。身長はストロングウィルのメンバーより高いから180センチの後半だろうか?この身長で細くなく、太くない。随分と鍛えられた体だと思う。顔もいい。悪くない物件だ。
この身長で顔は小さい。反対に手が大きい。
なんとなく只者じゃない気配がする。
私は内緒にしているスキルをこっそり使う。初対面の人に使う事は滅多にないんだけどね。
なんとなくだけど私の勘が告げている。
使うべきだと。
入って来る早々の大声だ。
この人耳がおかしいのか常に声量が大きい。
探索している時もこんな大声なんだろうか?一緒に行動しているパーティの面々の耳は無事なんだろうか?依頼の結果と違う事を考えてしまう。
そんだけ声が大きい。この・・ストロングウィルのリーダーだ。あんだけ筋肉装備しているからなんだろうか?いつか聞いてみたいもんだ。
これ以上は脱線してしまう。それにしても助っ人か。一緒にいる男性だな。あの男性はパーティメンバーではない。
それにしても長身だ。
「なんじゃ?助っ人なんぞ、どこから連れて来たんじゃ?お前らしくもないな、クレイグ」
「お~!ギルマス!いや~、たまたまこの御仁が居たんだよ。意味も無く森で迷ったらしいぞ!なあ!」
クレイグは男性の肩をバンバンと叩く。随分と気安いな。初対面じゃないのかしら?結構な力なはずなんだけど男性はピクリともしない。は~ん、そういう事か。
でも、森に迷ったって。
どういう事?
「この地域には初めて来たので。迷ってしまいました。困っていたらゴブリンが近くにいて、そこに彼らもいて。迷惑だったかもしれませんが助けになればと参戦した次第」
「おう!本当に助かったぜ!結構知恵が回るゴブリン達だったんだよ!背後から来てくれたんで上手い事いったんだよ!」
いい加減肩バンバン止めなさいよ。クレイグはギルマスと話をしているから割り込めない。と、いうかそれで済むならそうして欲しい。受付泣かせのクレイグなのだ。・・・本当に耳がダメになる。
「ふむ、そうじゃったか。ま、報酬はお前たちに支払うから、後は助っ人殿と話し合って決めるがよかろう」
「おう!それじゃ報酬はひとまずもらっておくか!頼むぞ!」
クレイグの声が響く前にパーティメンバーのガイがカウンターにやってくる。
・・・うん。いつも通りの苦笑顔だ。今回もゴクロウサマです。このパーティの苦労人で実質のリーダーだ。多分現場でも仕切っているのはガイだと思う。
そんな事も気にしないでクレイグの喋りは止まらない。ああ、耳が・・。
「今回も無事に依頼を済ませられた!良かった!良かった!」
「くれぐれも無理はするんじゃないぞ。ゴブリン討伐はお前さん達しかできないんじゃからな。何度も繰り返すが依頼内容より数が多ければ無理せず引き返すんじゃぞ」
「勿論だ!アリアーヌの見積もりはいつも間違いがないからバッチリだ!」
「ホッツホッツホ。調査確認はこのギルドで一番じゃからのう。アリアーヌがおれば滅多な事はないと思うのじゃが無理は禁物じゃぞ」
「おう!分かっているぞ!」
あ~耳せんがほしい。耳せんしても無駄なのは分かっているけど、ちょっとだけ軽減するから。パーティメンバーはなんでダメージないんだろといつも思う。
見ていても全員平気な感じだ。おかしい。
なんか悔しい感じをしながら依頼プレートの内容を確認する。うん、ばっちりクリアできている。準備してた報酬をガイに渡す。
この間にもガイとは会話をしているのだけどクレイグの声でかき消され、何度も繰り返してしまう。いつもの事だけど、誰か黙らせて。
「失礼だが、あのリーダーは常にあの音量なのかな?俺は慣れていないからか二人のやり取りが聞こえないんだが」
「え?はい、クレイグはいつもあんな感じです。依頼に出ている時は私は知りませんがガイの表情で察してください」
「ふむ。成程。理解した。それにしても賑やかなメンバーだな」
「あれ一人だけがうるさいんです。静かなのは食べている時だけじゃないですかね」
男性の顔が困った顔になってしまった。
そこでようやく男性に目を向ける。
黒髪に黒い目。身長はストロングウィルのメンバーより高いから180センチの後半だろうか?この身長で細くなく、太くない。随分と鍛えられた体だと思う。顔もいい。悪くない物件だ。
この身長で顔は小さい。反対に手が大きい。
なんとなく只者じゃない気配がする。
私は内緒にしているスキルをこっそり使う。初対面の人に使う事は滅多にないんだけどね。
なんとなくだけど私の勘が告げている。
使うべきだと。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
任侠一家、異世界にっ!
とらばんきん
ファンタジー
とある博徒一家が、異世界でぼちぼち暮らすお話です。
序章は人物紹介も兼ねて、非常にぐだぐだのんびりと進んでいきます。
一章からは、若干展開は早まりますが、ぐだぐだは変わりません。
チートな能力はありますが、戦闘シーンが少なめで、しかも強くてカッコいいモノではありません。
個性あふれる登場人物の、会話による攻防をお楽しみ下さい――と言いたいところですが……
主人公は、花も恥じらう多感なお年頃なので、書き手の意図に反して下に走る傾向にあります。
……不愉快に思われる方々、本当にごめんなさい。
なろう様に勢いのまま進めていた作品を、保存作業とかなりの修正をしつつ更新しています。
更新頻度は、かなりの修正と保存作業次第です。
グダグダは、加筆するとさらに悪化する事に最近気づきました。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる