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ベルフォール帝国編

帝都から出られるらしいのだけど

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「坊主!出るぞ!」

 え~。
 まじですか。ま、分かっていたけどさ。

「はい。でも、本当にハッテンベルガー伯爵の承諾は出ているんですよね?」
「おい、おい、おい、お~い!俺を誰だと思っているんだぁ?問題ねぇよ」

 へ~。ソウナンダ・・。
 どうにも嘘っぽいんですよ。
 
「論点をすり替えている時点で発現に信ぴょう性がありません。やはり考え直したほうがいいかとクレアは思います」

 クレアはこっそりとボクに耳打ちしてくる。背後からだから・・ドキリとしてしまった。クレアの言う事はボクも同じ気持ちだ。軽く頷き肯定する。
 この人はいつも突然やってくる。

 ボク達の都合も考えない勝手な言動。
 質問に対して正直に答えない。
 貴族のクセに模範的でない大人。

 その大人をボクは冷めた目でじ~っと見る。この位失礼な事をしても全く問題無し。最近分かってきた。
 当然の如く本人はどこ吹く風とばかり平気な表情だ。

 ・・ダメだな。
 ってか、この人・・フォルカー・クリューガー公爵の言葉をどこまで信じていいんだろか。
 
 正直言うとどんな人か分からない。悪い人では無い事は確かな。ああ・・悪い遊びを知っている大人である事も確かだ。
 揶揄ってくる事もあるけどボクを鍛えようとする気持ちはあるみたいだ。正直スパルタ。結構ヤバい。
 加減を知って欲しい。
 今回の件も唐突だったし。言葉巧みに決めさせられたというか。急に遠征が決まってしまった。
 
 ボクも外には出たかったから丁度いいのだけど。もう少し平穏な用件で外に出たかったよ。
 
 この人本当に伯爵に話しているのかな?そこが一番気になる。
 伯爵の奥様の実兄で、仲も良いみたいだから話は通してくれていると思うのだけど。今までがあるからなぁ。
 ほんと大丈夫?
 かなり心配だよ・・ボクは。
 

 ・・心配事は他にもある。

 ボクの服の裾をしっかりと握っている少女に目を向ける。この少女が一番の心配事だ。
 母親とそっくりの細く綺麗な金髪とブルーの大きな瞳。その瞳は今はニッコリと微笑んでいる。些か所か、かなりの圧がその笑みに込められている。
 これは・・・。
 うん、外に出る気満々かも。できれば大人しくいて欲しい。
 
「レイ様。叔父様は父上や母上に話は通しておりませんよ。何故なら、わたくしが存じてないからです」

 ほほ~う。
 根拠がよく分からないけど、嘘なのね。ボクの背後ではクレアの鼻息が荒い。やっぱりという雰囲気をかもしている。クレアは嫌っているからなあ。。
 ボクは遠くを見る目で公爵・・・師匠を見る。
 師匠は悪びれず笑いながら言う。
 
「ハハハハ!そのうち伝わるだろう。そもそもだ。今回の行軍は帝国のためでもあり、ハッテンベルガー家のためでもある。魔獣討伐だ!お前も帝都に籠ってばかりじゃ体も鈍るだろう?良い事づくめだろ?」

 ・・・何それ。
 ボクにとっては殆ど良い事じゃないじゃん。結構な頻度でしごかれているし。だから体も鈍ってないし。

「閣下。おっしゃている事はレイ様は全く関係ない事ばかりです。今の発言をクラウディア様はどう思われますか?」
「ええ、クレア様のおっしゃる通りですわ。叔父様が帝都の外に出る口実が欲しいだけではございませんか?」
「おおう?なんだ嬢ちゃん達。俺の言う事信じられないの?うわ~、残念だよぉ」

 冷めた目で師匠を見つめるクレアとクラウディア様。対する師匠はオーノー!とばかり両手をあげている。よく分からないリアクションだ。
 確か・・奥様に詰問されている時と同じリアクションだな。いかつい割には師匠は女性には意外と弱いのかも。ボクには遠慮なくガンガンくるのにさ。
 いずれにしても正直に話して貰わないとね。偉そうにボクに師匠と呼ぶように言ったのであればきちんと説明はすべきだと思う。
 
「師匠。ボクも残念です。少なくても正直に言ってくださいよ。嘘や冗談抜きで説明をしてください。騙されて連れていかれるのは納得できないですよ」
「そうです」「そうですよ叔父様」

 三人してにじり寄る。師匠は中空を見上げつつ何か考えているようだ。どうにかして誤魔化そうとしているのか?
 いいや、それはさせない。

「性に合わないと思っているんでしょうけど。正直言ってくださいよ。ボク達だって最悪の場合は命をかけるんですよ。魔獣討伐は何の口実なんです?」

 クレア、クラウディア様もウンウンとばかりに首を振っている。この二人何気に目力が強い。
 そこが魅力的ではあるんだけどさ。
 加えて、とても気が合うようだ。最近はとても頻繁に話をしている。
 ナニかは敢えて聞いていないけど、二人で活発に情報交換をしているようだし。その情報交換の場にはボクの参加は拒否されている。何をやっているか全く不明。・・気になる。

 ボクはクレア、クラウディア様の二人から再び師匠に目を向ける。まだ狼狽えているようだ。これやっぱり何かあるんじゃないか?
 魔獣討伐の話は既にボク達も聞いている事だ。知らない話じゃない。
 加えてハッテンベルガー家がこの件を請け負う事になったと聞いていた。
 しかも皇帝直々の指示。珍しくきちんとした報酬も出るらしい。結構異例な事みたいだ。
 師匠の行動は先に行動して手柄を貰うようにしかみえない。手柄の横取りだ。

 当然気になるよ。裏に何かあるのではないかと。

 伯爵はこの件で詳細な状況を確認するために宮廷に出仕しているそうだ。奥様のエリーゼ様も別の用事でお出かけ中。
 そこを狙ったのかのような師匠の突然の訪問。
 ・・いつも通り訪問の正式な手続きは踏んでいない。どうやって警戒が厳重な伯爵邸に気づかれずに入って来るのか分からない。侵入の達人なのだろうか?道を間違えたら大盗賊になっていたかも。
 無理やり訪問する理由は意外とシンプルだった。
 どういう訳か師匠はボクを気に入ったみたい。理由は言ってくれない。勝手に師匠宣言をしてきただけ。
 以降マメに伯爵邸に侵入してくる。主に戦うための知識と実技を授けてくれる。鬼シゴキはきついけど。確実に実になっていると思う。・・多分。
 外面で誤解される事が多いらしいけど、案外いい人らしい。その証拠に女子二人に詰め寄られた師匠はタジタジだ。・・ボクの時とは対応が違う。
 ま・・いいけどさ。
 
「しゃーないか。だが魔獣討伐の目的は嘘じゃねぇぞ。そのためにウチの連中も連れて行くんだ。坊主の訓練はついでだがな、少しは場数踏ませようと思ったんだよ。それにちと気になる事があってな」
「気になるとは?」
「そこはまぁ俺の勘だ。な~んか引っかかるんだな。ちと早めに現場に行ったほうがいい気がすんだよなぁ。ま、情報収集はしているから、そのうちなんかわかるだろうよ」

 意外と普通に話をしてくれた。だったらさっさと話して欲しい。
 勘というのはよく分からないけど。百戦百勝の大将軍の勘だし。簡単に疑う事はできないか。
 ・・そこは嘘じゃないよね?
 
「最初からそのようにおっしゃれば良かったのではありませんか?叔父様」

 クラウディア様の目が冷たい。この二人は叔父と姪の関係だから親しいのかな。イマイチ関係性がつかめない。結構容赦ないんだよな。
 あ、でもボクにもこんな感じかも。目力も強いけど、気持ちも強いんだもの。見た目の綺麗さに誤魔化されてはいけない。
 
「流石はエリーゼの娘だ。その容赦ない言い方は母親そっくりだぜ。だがな。お嬢ちゃんは屋敷でお留守番だ」
「あら?わたくしだけ除け者ですか?その仰り方ですとクレア様はレイ様と一緒に行動されるのですよね?彼女もわたくしと同じ女性ですわよ」

 うん、ボクもクラウディア様は屋敷にいてほしい。
 だって高貴な血筋のお嬢様だよ。
 継承権もあるんだよ。
 怪我じゃ済まない場合だってあるし。危ないよ。
 ここの気持ちは師匠と一緒だ。同じことを言おうとしたら、背後から口を塞がれる。・・・クレアか。背後を見るとクレアが微笑んでいる。
 え?どいういう事?黙っていろって事?
 この二人やっぱり結託しているな・・。
 
「ったく。自分の立場を考えておけよ。俺とは違うんだぞ。行軍経験はあると聞いていたが。遊びじゃねぇんだぞ」
「承知してますわ。ですがレイ様の婚約者の立場で助力になりたいと思ってますわ。叔父様もわたくしの実力はご存じでしょう?」
「ちっ。どっからそんな自信が溢れてくるんだか。分かったよ。そんかし容赦はしねぇからな。坊主、お前の責任で安全を確保しろよ」

 なんでボクにとばっちりが来るんだ?てか実力って・・。やっぱりただのお嬢様じゃないじゃん。
 そりゃ守るけどさ。でもクラウディア様は自分の事は自分で守れるらしいんだよなあ。ボクは知らないけどクレアが太鼓判押すくらいの技量はあるらしい。
 なんでクレアが知っているんだか。
 
「はい。それは勿論守ります」

「そうだぞ。クレア嬢ちゃんと一緒にお嬢ちゃんを守るんだぞ。分かったな」
「背熱ですがその辺の野盗程度ならクラウディア様の敵ではありません。ですが同じレイ様の婚約者としてクラウディア様をお守りします」

 クレアは当然のように答え、二人でニッコリと微笑んでいる。
 はぁ・・なんとも仲の良い事で。
 
 なんでこうなったんだか。
 家との結びつきを強固にしたいという、かなり納得てきない理由だった。
 ボクとクラウディア様の婚約はあっという間に整ってしまった。
 ボクの今の家はサンダーランド王国の中流貴族だよ。家格に違いがありすぎる。ボクにしかメリットはない気がするんだ。だから分からない。
 既にハッテンベルガー家からフォレット家へ婚約の書類を送付しているとか。ボクは何の口出しもできなかった。知らないまま話が進んでいたというのが事実だ。なんで?
 相変わらずボクの意思は関係ないらしい。
 ・・フレーザー家でもそうだったなぁ。
 気になってクラウディア様に聞いてみた。この話は・・超乗り気でした。
 何故なんだ?この件についてはクレアも正直に答えてくれなかった。この二人・・なんか共謀している。確実に隠し事ありだ。
 
 何やら賑やかにやり取りしている三人を見ながらボクはちょっと前の事をぼ~っと思い出していた。なんでこうなったんだろ。
 ・・ありゃ。
 現実逃避気味かも。
 ここ数日の激動にまだ理解が及んでいないかも。

 王太子に呼ばれて四の皇子に目をつけられるし。
 クリューガー公爵に勝手に弟子にされてしまったし。
 いつの間にか婚約者が増えてしまったし。
 他にも裏でクレアには色々動いて貰って、その情報整理していたし。
 
 ・・うん。色々あった。
 その中でも婚約は大事だ。決して些事ではない。なのにボクの知らない所で進むなんて。
 
「・・イ様。レイ様。どうしたの?」

 あ・・クレアか。また考え込んでいたみたいだ。
 ここの所唐突に考え込む癖がついてしまったかもしれない。緊張感が無い証拠だ。いや、考える事が多すぎるからかも。どっちにしても良くない。切り替えねば。

「ん?ああ。話はまとまったの?と、いうか決まっちゃっているけどね。師匠の真意が分からないのは困るけど。帝都の外に出るのは都合がいいよね」
「そうね。確認したい事、試したい事沢山あるものね。レイ様自身の特訓は暫くお預けになりそうだけど」
「まあ、そっちは仕方ないさ。触媒探しも進んでないし。ゆっくりやっていくさ。で、出発準備は師匠がいう通り整っているの?」
「問題無しね。クラウディア様の準備と護衛の手配にハラハラした程度で直ぐにでも出れるわ」

 そっか護衛も必要か。細かい所は全部クレアに任せてしまったからなぁ。嫌な顔一つしないで細かに手続きしてくれるし。
 ボクには過ぎた女性だ。いつも思う。彼女に相応しい相手にならないと。見捨てられないよう努力を続けないと。意外と洒落になんない。
 でも今後もこのような事が増える可能性が高いか。ボクの私兵も帝都郊外で待っている筈だ。将来的には護衛に長けた人を別枠で雇うのがいいのかもしれない。
 伯爵の許可が取れてない状態でのクラウディア様の外出は大丈夫なのか?
 しつこく確認しているけど本人と師匠は問題無しと主張してくる。この点に関してはクラウディア様も信用してはいけない。
 ・・そういう人なのだ。ボクは彼女に結構振り回されている。嫌でも学ばされた。外見の綺麗さに騙されてはいけない。
 ・・ボクってそんな感じなのかな?
 くどいけども伯爵達の最終承諾を取っていないのがとても気になる。万が一があった場合は言い訳なんか通用しない。一番の懸念はここだ。
 ほんと大丈夫だよね?

 少し所か、かなり心配な師匠の思惑は道中にでも確かめていこう。クレアは師匠を警戒というか、嫌っている感じだ。セクハラ発言多いものなぁ。だからなのかもしれない。
 実際にお陰で伯爵邸の使用人達の受けも良くないらしい。あの態度を改めれば良いのだけど。本人のスタイルらしいからなぁ。
 
 色々不安な点はある。でもワクワクしている。やっと動く事ができるから。やっとだよ。
 準備は全て整っていない。本当はもう少し帝都で準備を整えたかった。
 現状だと帝都に留まっているのはリスクしかない。プラス面よりもマイナス面の要素が増えてばかりだ。特に四の皇子はヤバい。
 不安ばかりだけど帝都の外に出てチャレンジしよう。元々時間的な余裕は無いんだ。
 リスクはあるけど前に踏み出そう。

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