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4章

閑話6★ 古い記憶②

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結局、僕ら兄弟は後者ーーつまり裏組織、とかいうのに引き取られることが決まった。

元々僕の方には身請けの話がきていたのだけど。本決まり前の顔合わせで、相手の貴族のご令嬢を思いっきり威嚇してしまったのだ。


最初は拒否するのすらも面倒で、言われるままに大人しく同じ部屋に入ったのだけどーー甲高い猫撫で声に頭が痛くなり、甘ったるい香水のニオイが鼻につき、顔を寄せられただけで気分が悪くなってーー気づいたら思いっきり睨みつけた挙句に部屋から逃げ出してしまっていた。

それに女の方がショックを受けたとかで見受け話自体はうまいこと流れたのだが、当然何のお咎めもなしとはいかず。

直後に遭った反省会という名の私刑リンチを兄弟と二人で返り討ちにしたことで、の適正があると判断されたようだ。

その時はかなり自暴自棄になっていたので、『まあこれで死ぬならそれでもいいか』と、自分の爪が剥がれようが牙が折れようが気にせずやっていただけなんだけど……。
どれだけ痛くても動けるというのも才能とか言われて、そのまま色々なを受けることになった。


違法な薬を使っての魔力の底上げに始まり、気配の殺し方、銃や暗器の使い方に転移魔法の習得。

どれだけ傷をつけられても呻き声ひとつ上げないように、どれだけ強い毒を使われても動けるようにと行われる耐久力訓練。

正直どれもこれも殺しに掛かってるとしか思えないものだったけど、そもそもやってる連中もこっちが死んでもいいと思っていたんだろうーー代わりなんて、いくらでも拾ってこれるのだから。



けれど、そんな生活は唐突に終わりを告げた。

自分よりもずっとずっと小さな人間の子供ーーララという名の少女の手によって。
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