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15.甘やかしと言う名のお仕置き*
どうせドロドロになってしまう
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「もぉ! お分かりにならないのですか? 修太郎さんだけなのですっ! 私をドキドキさせられるのは!」
日織はそこでストン、とソファから降りると、修太郎にギュッとしがみつく。
「修太郎さん、大好きです! ヤキモチ妬きなところも、私をとことん甘やかしてとろけさせてくださるところも! 全部全部大好きなのですっ! だから――」
そこで日織は修太郎からほんの少し離れると、目の前の顔をじっと見上げた。
「今日はたくさんたくさん私を甘やかして、修太郎さんに対する〝大好き〟を実感させていただきたいのですっ」
***
今日は可愛い日織を、甘やかしという名のお仕置きで〝誰の妻であるのか〟をしっかりと心に刻んでいただくつもりだったのに。
まさかの日織からの甘やかし催促に、修太郎は思わず瞳を見開いた。
「日織、さん……?」
恐る恐る彼女の名を呼べば、「はいっ♥」と期待に満ちたキラキラの目で見つめ返されて。
(やっぱり僕は一生かかっても彼女には敵わない)
修太郎は抑えきれない疼きとともに、そう実感した。
***
修太郎に抱き上げられてベッドに運ばれながら、日織はふと思い出す。
「あ、あのっ。そういえば私まだ……」
――お風呂に入っていなかったのですっ。
一日中外でゴソゴソしていたのだ。
いくら寒い季節とはいえ、きっと身体中汚れてしまっている。
「お風呂でしたら後にしてくださいね。あれだけ僕を煽ったんです。ここでお預けなんてあり得ません。それに――」
言って日織を抱き上げる腕をほんの少し上に押し上げるようにして、いまキミの身体は僕の腕の中なんですよ?と彼女に意識させると、
「どうせドロドロになってしまうんです。全部終わってから一緒に入りましょう」
とわざと声を低めて提案する。
「どっ、ドロドロ……!」
途端、腕の中の日織が首をすくめて真っ赤な顔をして。
それが堪らなく愛しいと思ってしまった修太郎だ。
「でも……しゅ、修太郎さんっ、い、一緒にお風呂はっ」
「もう式も目前です。それが終われば僕たちは晴れて一緒に住めるようになるんです。そうなったら……僕は毎日でも貴女のお身体を洗って差し上げたいと思っています」
「ま、まぃっ⁉︎」
毎日が言えなくてキュッと身体をすくませた日織をそっとベッドに下ろすと、修太郎はもう一度彼女の耳元で「はい、毎日。すみずみまで」とささやいて。
日織は真っ赤になってそんな修太郎を見上げると、
「そ、そんなことをなさったら……わっ、私もっ! しゅ、しゅーたろぉさんの……お身、体っ、す、すみずみまで洗っちゃうんですからねっ⁉︎」
と精一杯の反撃を試みた。
修太郎はクスッと笑うと「それは楽しみです」とあわあわしている日織のおでこに口付ける。
「日織さんは僕がどれだけ貴女を愛しているか……お知りになりたいんでしょう?」
元より修太郎にそれを隠すつもりなんてない。
「僕に何をして欲しいですか? ねぇ日織、今日はご自身の口でちゃんと教えて?」
日織はそこでストン、とソファから降りると、修太郎にギュッとしがみつく。
「修太郎さん、大好きです! ヤキモチ妬きなところも、私をとことん甘やかしてとろけさせてくださるところも! 全部全部大好きなのですっ! だから――」
そこで日織は修太郎からほんの少し離れると、目の前の顔をじっと見上げた。
「今日はたくさんたくさん私を甘やかして、修太郎さんに対する〝大好き〟を実感させていただきたいのですっ」
***
今日は可愛い日織を、甘やかしという名のお仕置きで〝誰の妻であるのか〟をしっかりと心に刻んでいただくつもりだったのに。
まさかの日織からの甘やかし催促に、修太郎は思わず瞳を見開いた。
「日織、さん……?」
恐る恐る彼女の名を呼べば、「はいっ♥」と期待に満ちたキラキラの目で見つめ返されて。
(やっぱり僕は一生かかっても彼女には敵わない)
修太郎は抑えきれない疼きとともに、そう実感した。
***
修太郎に抱き上げられてベッドに運ばれながら、日織はふと思い出す。
「あ、あのっ。そういえば私まだ……」
――お風呂に入っていなかったのですっ。
一日中外でゴソゴソしていたのだ。
いくら寒い季節とはいえ、きっと身体中汚れてしまっている。
「お風呂でしたら後にしてくださいね。あれだけ僕を煽ったんです。ここでお預けなんてあり得ません。それに――」
言って日織を抱き上げる腕をほんの少し上に押し上げるようにして、いまキミの身体は僕の腕の中なんですよ?と彼女に意識させると、
「どうせドロドロになってしまうんです。全部終わってから一緒に入りましょう」
とわざと声を低めて提案する。
「どっ、ドロドロ……!」
途端、腕の中の日織が首をすくめて真っ赤な顔をして。
それが堪らなく愛しいと思ってしまった修太郎だ。
「でも……しゅ、修太郎さんっ、い、一緒にお風呂はっ」
「もう式も目前です。それが終われば僕たちは晴れて一緒に住めるようになるんです。そうなったら……僕は毎日でも貴女のお身体を洗って差し上げたいと思っています」
「ま、まぃっ⁉︎」
毎日が言えなくてキュッと身体をすくませた日織をそっとベッドに下ろすと、修太郎はもう一度彼女の耳元で「はい、毎日。すみずみまで」とささやいて。
日織は真っ赤になってそんな修太郎を見上げると、
「そ、そんなことをなさったら……わっ、私もっ! しゅ、しゅーたろぉさんの……お身、体っ、す、すみずみまで洗っちゃうんですからねっ⁉︎」
と精一杯の反撃を試みた。
修太郎はクスッと笑うと「それは楽しみです」とあわあわしている日織のおでこに口付ける。
「日織さんは僕がどれだけ貴女を愛しているか……お知りになりたいんでしょう?」
元より修太郎にそれを隠すつもりなんてない。
「僕に何をして欲しいですか? ねぇ日織、今日はご自身の口でちゃんと教えて?」
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