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6.妻からの叱責*
そんな愚かなお考えに取り憑かれてるのは一体どこのどなたですかっ!
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日織が頭を振ったことで、目に溜まっていた涙が洗面台にキラリと舞った。
こんな状況だと言うのに、修太郎は一瞬その様に見惚れてしまう。
「私はっ。修太郎さんが大好きなのですっ。なのに……何でそんなこともお分かりにならないのですかっ⁉︎」
上半身は、肩にただ引っ掛かっているだけの不安定な下着姿のまま。
全身をほんのりと桃色に染めて。
線が細くて小さくて、おまけに色素まで薄めの日織は、一見とても儚げに見える。だけどその実一本筋が通っていて、自分が知る他の誰よりもお強いのではないかと修太郎は思った。
「修太郎さんは本ッ当に! どうしようもないお馬鹿さんなのですっ!」
日織からの辛辣な言葉の数々に、彼女の手首を縛める修太郎の手の力がほんの少し弱まった。そのタイミングを逃さず、日織は修太郎の束縛からスルリと抜け出す。
そうしてそのまま修太郎から距離を取って逃げ出すのかと思いきや、勢いよく背後の修太郎を振り返った。
修太郎が屈み込むように日織の上に覆い被さっていても尚、長身の修太郎と小柄な日織との間には埋め難い身長差があって。
日織はそれを削るように目一杯背伸びして修太郎の顔に両手を伸ばすと、両頬をペチッ!と音を立てて軽く叩いて挟み込んだ。
日織が二の腕を高く掲げたことで、中途半端にぶら下がったままだったブラジャーが上に持ち上がって、彼女の円い双丘のふくらみが、下半分より少し上の方までしっかり見えてしまっている。
何なら愛らしいピンクの色付きだってチラリと覗いているのだけれど――。
きっと日織自身は、修太郎の顔を捕まえるのに必死で、自分がそんな恥ずかしいことになっているなんて思ってもいないんだろう。
修太郎は、そんな日織の危ういまでに無防備で、そのくせ息を飲むほどに色っぽい美しさに息を呑んだ。
しかし、そんな余韻に浸る間もなく、頬っぺたを挟まれたまま、日織にギュゥ~ッと顔を思い切り引き寄せられて、カプッと可愛く噛み付くように口付けられたから堪らない。
何が起こったのか頭が追いつくまでに数秒を要して……。理解が追いついたと同時に驚いて、修太郎は瞳を見開いた。
「――日、織……さっ⁉︎」
慌てて日織から唇を離して小悪魔な妻を見下ろした修太郎は、自分の全身が照れて熱くなっているのを感じる。
日織からこんなことをされたら、チャンスとばかりに舌を絡めて攻め立てていてもいいはずなのに、そんなことをするゆとりさえなかった。
さっきまでは確かに修太郎が主導権を握って、眼前の小さな身体を支配していたはずなのに。
今は完全に形勢逆転された!と認めざるを得なかった。
「――私が他の男性に目移りしそうで不安? そんな愚かなお考えに取り憑かれてるのは一体どこのどなたですかっ!」
頬と唇は解放されたけれど、今度は胸ぐらをギュムッ!と掴まれて、どこかの組の姐さんも斯くやと言わんばかりの威勢の良い啖呵を切られてしまう。
キッ!と睨むように強い視線で見上げてくる日織に、「お返事が聞こえませんよ⁉︎」と催促されて、修太郎はタジタジだ。
結果、修太郎はそんな日織の迫力に気圧されて、「……すみません、僕です」と謝罪混じりに認めてしまっていた。
こんな状況だと言うのに、修太郎は一瞬その様に見惚れてしまう。
「私はっ。修太郎さんが大好きなのですっ。なのに……何でそんなこともお分かりにならないのですかっ⁉︎」
上半身は、肩にただ引っ掛かっているだけの不安定な下着姿のまま。
全身をほんのりと桃色に染めて。
線が細くて小さくて、おまけに色素まで薄めの日織は、一見とても儚げに見える。だけどその実一本筋が通っていて、自分が知る他の誰よりもお強いのではないかと修太郎は思った。
「修太郎さんは本ッ当に! どうしようもないお馬鹿さんなのですっ!」
日織からの辛辣な言葉の数々に、彼女の手首を縛める修太郎の手の力がほんの少し弱まった。そのタイミングを逃さず、日織は修太郎の束縛からスルリと抜け出す。
そうしてそのまま修太郎から距離を取って逃げ出すのかと思いきや、勢いよく背後の修太郎を振り返った。
修太郎が屈み込むように日織の上に覆い被さっていても尚、長身の修太郎と小柄な日織との間には埋め難い身長差があって。
日織はそれを削るように目一杯背伸びして修太郎の顔に両手を伸ばすと、両頬をペチッ!と音を立てて軽く叩いて挟み込んだ。
日織が二の腕を高く掲げたことで、中途半端にぶら下がったままだったブラジャーが上に持ち上がって、彼女の円い双丘のふくらみが、下半分より少し上の方までしっかり見えてしまっている。
何なら愛らしいピンクの色付きだってチラリと覗いているのだけれど――。
きっと日織自身は、修太郎の顔を捕まえるのに必死で、自分がそんな恥ずかしいことになっているなんて思ってもいないんだろう。
修太郎は、そんな日織の危ういまでに無防備で、そのくせ息を飲むほどに色っぽい美しさに息を呑んだ。
しかし、そんな余韻に浸る間もなく、頬っぺたを挟まれたまま、日織にギュゥ~ッと顔を思い切り引き寄せられて、カプッと可愛く噛み付くように口付けられたから堪らない。
何が起こったのか頭が追いつくまでに数秒を要して……。理解が追いついたと同時に驚いて、修太郎は瞳を見開いた。
「――日、織……さっ⁉︎」
慌てて日織から唇を離して小悪魔な妻を見下ろした修太郎は、自分の全身が照れて熱くなっているのを感じる。
日織からこんなことをされたら、チャンスとばかりに舌を絡めて攻め立てていてもいいはずなのに、そんなことをするゆとりさえなかった。
さっきまでは確かに修太郎が主導権を握って、眼前の小さな身体を支配していたはずなのに。
今は完全に形勢逆転された!と認めざるを得なかった。
「――私が他の男性に目移りしそうで不安? そんな愚かなお考えに取り憑かれてるのは一体どこのどなたですかっ!」
頬と唇は解放されたけれど、今度は胸ぐらをギュムッ!と掴まれて、どこかの組の姐さんも斯くやと言わんばかりの威勢の良い啖呵を切られてしまう。
キッ!と睨むように強い視線で見上げてくる日織に、「お返事が聞こえませんよ⁉︎」と催促されて、修太郎はタジタジだ。
結果、修太郎はそんな日織の迫力に気圧されて、「……すみません、僕です」と謝罪混じりに認めてしまっていた。
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