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5.尋問の夜*
無理な相談
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「僕が嫉妬深い男だと言うのは、日織さんもご存知だったはずだ」
そこで一旦言葉を止めると、修太郎は鏡越しの日織の視線を背後からひたと捉えて逃さない。
「――なのに、そんな僕の前で男と2人きり? それも僕の預かり知らぬところでもずっとそばにいらした? ――そんなことをなさっておいて……ご自分が意地悪じゃないとおっしゃられる意味が、僕にはさっぱり分かりません」
言うなり、背後から耳朶に舌を這わせ、日織がくすぐったさに身体をすくませるのと同時、今まではあえて触れずに避けてきた胸の頂を、指先で引っ掻くようにカリッと爪弾く。
「あ、んんっ……」
途端日織の身体がビクッと跳ねて、束ねられた手の先、指先が快楽に喘ぐように鏡面を叩いた。
「しゅ、たろ、さっ。私……そんなつもりは……、やあぁっ」
日織が言い訳をしようとするのを邪魔するみたいに、修太郎が固くしこった乳首をギュッとつまんだら、日織がたまらないみたいに腰を揺らせて。
「そんなつもりはないのに、僕に内緒で何の約束を取り付けていらしたんですか? 僕の奥さんはいつからそんな小悪魔になってしまったの?」
「約……束……?」
情欲を必死に堪えているのが窺える、上気した頬と、涙に潤んだ瞳。
それを鏡越し、修太郎に向けると、日織が彼の言葉を途切れ途切れに復唱する。
そんな日織に、わざとらしく大きな溜め息を落として見せると、修太郎は日織の胸のとんがりをつまんだまま、キュッと引っ張った。
「あ、ぁっ……。ヤダ、しゅう、たろぉさんっ。乳首ばっかり……痛、いですっ」
(――痛くしていると言うのがお分かりになられないのだろうか?)
日織の、純粋であるが故のそういう鈍感なところでさえも今はただただ腹立たしくて、修太郎は小さく舌打ちを落とす。
「では改めてお伺いします。〝先程の件〟とは何ですか? 〝また改めて連絡します〟って何ですか? ……まさかとは思いますが、キミはあの男と連絡先を交換したの?」
声を低めて耳のすぐそば、一言一言噛んで含めるみたいにゆっくり問い掛ければ、その度に日織が我慢出来ないとばかりに身体を震わせて。
修太郎の方へ突き出すようになったままの臀部が、日織がモジモジと足踏みをするたび、男を誘うように妖艶に揺れた。
「僕は今、日織さんを尋問しているつもりなんですがね。……もしかして、こんな状況なのに感じていらっしゃる?」
わざと日織の弱いところを責めておきながら、咎めるみたいな口調で意地悪く問えば、日織が鏡越しに修太郎をキッと睨んだ。
「修太郎さんに触られて……感じるなと言う方が無理なのですっ!」
そこで一旦言葉を止めると、修太郎は鏡越しの日織の視線を背後からひたと捉えて逃さない。
「――なのに、そんな僕の前で男と2人きり? それも僕の預かり知らぬところでもずっとそばにいらした? ――そんなことをなさっておいて……ご自分が意地悪じゃないとおっしゃられる意味が、僕にはさっぱり分かりません」
言うなり、背後から耳朶に舌を這わせ、日織がくすぐったさに身体をすくませるのと同時、今まではあえて触れずに避けてきた胸の頂を、指先で引っ掻くようにカリッと爪弾く。
「あ、んんっ……」
途端日織の身体がビクッと跳ねて、束ねられた手の先、指先が快楽に喘ぐように鏡面を叩いた。
「しゅ、たろ、さっ。私……そんなつもりは……、やあぁっ」
日織が言い訳をしようとするのを邪魔するみたいに、修太郎が固くしこった乳首をギュッとつまんだら、日織がたまらないみたいに腰を揺らせて。
「そんなつもりはないのに、僕に内緒で何の約束を取り付けていらしたんですか? 僕の奥さんはいつからそんな小悪魔になってしまったの?」
「約……束……?」
情欲を必死に堪えているのが窺える、上気した頬と、涙に潤んだ瞳。
それを鏡越し、修太郎に向けると、日織が彼の言葉を途切れ途切れに復唱する。
そんな日織に、わざとらしく大きな溜め息を落として見せると、修太郎は日織の胸のとんがりをつまんだまま、キュッと引っ張った。
「あ、ぁっ……。ヤダ、しゅう、たろぉさんっ。乳首ばっかり……痛、いですっ」
(――痛くしていると言うのがお分かりになられないのだろうか?)
日織の、純粋であるが故のそういう鈍感なところでさえも今はただただ腹立たしくて、修太郎は小さく舌打ちを落とす。
「では改めてお伺いします。〝先程の件〟とは何ですか? 〝また改めて連絡します〟って何ですか? ……まさかとは思いますが、キミはあの男と連絡先を交換したの?」
声を低めて耳のすぐそば、一言一言噛んで含めるみたいにゆっくり問い掛ければ、その度に日織が我慢出来ないとばかりに身体を震わせて。
修太郎の方へ突き出すようになったままの臀部が、日織がモジモジと足踏みをするたび、男を誘うように妖艶に揺れた。
「僕は今、日織さんを尋問しているつもりなんですがね。……もしかして、こんな状況なのに感じていらっしゃる?」
わざと日織の弱いところを責めておきながら、咎めるみたいな口調で意地悪く問えば、日織が鏡越しに修太郎をキッと睨んだ。
「修太郎さんに触られて……感じるなと言う方が無理なのですっ!」
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