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*梅雨の長雨―恋慕―
僕も菜乃香を気持ちよくしてあげたい
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「んっ……、なの、ちゃ……お願い。もっ、焦らさないで……っ?」
数回それを繰り返したら、たっくんがとうとう観念したみたいにそう告げてきた。
「咥えて……欲しい?」
分かっていてわざと言葉にして確認したら、たっくんがコクコクと必死な様子でうなずいた。
(この人は、なんて可愛いんだろう!)
私はその時を待っていたみたいにチュプッと水音を立てて、唾液をたっぷり溜めた口中へたっくんの熱を迎え入れた。
自分でしたくせに、熱く滾った杭に喉の奥を刺激された私は涙目になって、思わず苦し気な吐息を漏らす。
「ぁ、……んんっ」
なおちゃんとの時には、私、自分からこんなに奥の方まで男性のモノを咥え込んだことはないかも知れない。
なおちゃんに頭を押さえ付けられて吐きそうなくらい苦しかったことは何度かあるけれど、いま私の頭頂部に添えられたたっくんの手は、別に私の頭を押さえたりはしていない。
むしろそうしてはいけないと思っているみたいに、ギュッと私の髪の毛をかき乱すように手指に力が込められているのがたっくんの精いっぱいの優しさに思えて……。
それが嬉しくてたまらないの。
***
「あっ、なのちゃ、ダメだ。放し……っ」
愛でれば愛でるだけ、口の中でたっくんがビクビク脈打つみたいに反応してくれるのが嬉しくて。
夢中でご奉仕していたら、不意にたっくんが切なげな声を上げて、慌てたように私の身体を引き剥がした。
チュポッと塗れた音を立てて抜き取られた雄芯が、フルリと目の前で揺れる。
「……たっくん?」
もしかして、痛かったのかな?
そのまま口の中で達してくれても構わないと思っていた私は、没頭するあまり粗相をしてしまったんだろうか?と不安になって彼を見上げた。
と、どこか申し訳なさそうな表情のたっくんに、「あ、あのさ……。このまま口で、は寂しいなって思って……」
もちろんそれも悪くはないと思うんだけど、とゴニョゴニョと歯切れの悪い物言いをしながらも、「それに……」とたっくんが付け加える。
「それに、その……ぼ、僕も……菜乃香を気持ちよくしてあげたいって思うんだけど……ダメ、かな? って言うか正直に暴露するね。――僕も……、めちゃくちゃ菜乃香に触れたくてたまらないんだ!」
初めて身体を重ねる時くらい、私に触れて、それからちゃんと繋がってから一緒に果てたい……と、たっくんが私をうかがうように見やって。
そうしてハッとしたように自分の脚に視線を落としてから、申し訳なさそうに付け加える。
「って言っても僕は今、このザマだ。……思うように動けないかもしれないんだけど」
しゅん、と項垂れるたっくんに、私は慌てて口走らずにはいられなかった。
数回それを繰り返したら、たっくんがとうとう観念したみたいにそう告げてきた。
「咥えて……欲しい?」
分かっていてわざと言葉にして確認したら、たっくんがコクコクと必死な様子でうなずいた。
(この人は、なんて可愛いんだろう!)
私はその時を待っていたみたいにチュプッと水音を立てて、唾液をたっぷり溜めた口中へたっくんの熱を迎え入れた。
自分でしたくせに、熱く滾った杭に喉の奥を刺激された私は涙目になって、思わず苦し気な吐息を漏らす。
「ぁ、……んんっ」
なおちゃんとの時には、私、自分からこんなに奥の方まで男性のモノを咥え込んだことはないかも知れない。
なおちゃんに頭を押さえ付けられて吐きそうなくらい苦しかったことは何度かあるけれど、いま私の頭頂部に添えられたたっくんの手は、別に私の頭を押さえたりはしていない。
むしろそうしてはいけないと思っているみたいに、ギュッと私の髪の毛をかき乱すように手指に力が込められているのがたっくんの精いっぱいの優しさに思えて……。
それが嬉しくてたまらないの。
***
「あっ、なのちゃ、ダメだ。放し……っ」
愛でれば愛でるだけ、口の中でたっくんがビクビク脈打つみたいに反応してくれるのが嬉しくて。
夢中でご奉仕していたら、不意にたっくんが切なげな声を上げて、慌てたように私の身体を引き剥がした。
チュポッと塗れた音を立てて抜き取られた雄芯が、フルリと目の前で揺れる。
「……たっくん?」
もしかして、痛かったのかな?
そのまま口の中で達してくれても構わないと思っていた私は、没頭するあまり粗相をしてしまったんだろうか?と不安になって彼を見上げた。
と、どこか申し訳なさそうな表情のたっくんに、「あ、あのさ……。このまま口で、は寂しいなって思って……」
もちろんそれも悪くはないと思うんだけど、とゴニョゴニョと歯切れの悪い物言いをしながらも、「それに……」とたっくんが付け加える。
「それに、その……ぼ、僕も……菜乃香を気持ちよくしてあげたいって思うんだけど……ダメ、かな? って言うか正直に暴露するね。――僕も……、めちゃくちゃ菜乃香に触れたくてたまらないんだ!」
初めて身体を重ねる時くらい、私に触れて、それからちゃんと繋がってから一緒に果てたい……と、たっくんが私をうかがうように見やって。
そうしてハッとしたように自分の脚に視線を落としてから、申し訳なさそうに付け加える。
「って言っても僕は今、このザマだ。……思うように動けないかもしれないんだけど」
しゅん、と項垂れるたっくんに、私は慌てて口走らずにはいられなかった。
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