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*お母さんの病気と、初めての行為

お尻なら

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 生理中に中に出されて……そのことを嬉しいと認めてしまった私に彼は言った。

菜乃香なのかお尻こっちの穴なら、いつ出しても妊娠しなくて安全だよ?」

 って。

 妊娠しなくて安全、は要するに懐妊するそうなることを自分は望んでいないよ、と同義。

 そう分かっているのに、弱い私はつい彼の言葉にほだされる。


 きっと、お母さんの病状がかんばしくないことが私の寂しさに拍車をかけていたんだと思う。

 お母さんの前では笑顔を絶やさず。だけど心の中はズタボロで。

 日々その心痛で、気が狂うほど誰かに甘えたいと願っていた私は、私を必要だと言ってくれるなおちゃんの申し入れを断ることが出来なかったのだ。


***


菜乃香なのか、痛くないか?」

 蜜口から溢れ出る愛液を指先にまとわせて、なおちゃんの人差し指が私のお尻に差し込まれている。

「……痛く、はないっ。……けどっ」

「けど?」

「……気持ち悪、い……」

 本来何かを受け入れるための場所じゃない後ろの穴への刺激は、ただただ気持ち悪くて。

 なおちゃんには恥ずかしくて言えなかったけれど「トイレに行きたい。大きいのが出ちゃいそう!」と言いたくなるような、そんな不快感をもたらすばかり。

 それでもなおちゃんに「イヤ」とは言わなかったから。

 彼は私の反応を見ながら指を増やしていった。

 人差し指と中指と薬指。
 私の指よりはるかに太くて長い男の人の指が三本、お尻の穴を掻き回す。

 彼の指が抜き差しされるたび、眉根を寄せてトイレに行きたい気持ちと戦う私に、なおちゃんが「だいぶ緩んできたな。そろそろ大丈夫かな」ってつぶやいた。

 何がそろそろ大丈夫なんだろう?

 その言葉の意味が分からないはずなんてなかったのに、不快感に耐えることで精一杯だった私は、なおちゃんのセリフに反応するのが遅れてしまった。

菜乃香なのか挿入いれるぞっ?」

 言われて、言葉とは裏腹。ズルリと指が後ろから抜き取られて。

 私は「やっと終わったんだ」と油断してしまった。

 それと同時。

「痛っ――!」

 指なんて比べ物にならない質感が、後ろの穴を押し広げて割りってきて、皮膚が引き裂かれるような痛みに私は思わず息を詰めた。

菜乃香なのかっ、息。……止めたらダメだっ」

 ギュッと唇を引き結んで涙をこぼす私の耳朶じだを、なおちゃんがクチュリと濡れた音を立てて舐める。

 次いで、中の異物を追い出そうとでもするみたいに食い締めた私のお尻の穴をほぐしたいみたいに、なおちゃんの指が蜜口まえに伸びる。

 すりすりと敏感な肉芽を擦り上げられて、快感と痛みと不快感とがごちゃ混ぜになって私は泣きながら喘いだ。

「ふ、ぁっ、痛い、……のっ! なおちゃっ、……あぁんっ、お願っ、抜い、てぇっ……」

 グッとなおちゃんが腰を進めるたび、私のお尻が悲鳴を上げる。

「今、抜、いたらっ、……また最初からになるから……悪いけど、もう少し我慢……してっ」

 なのになおちゃんは私の言うことなんて全然聞いてくれなくて。

 ギリギリまで引いた肉棒を、まるでそこをこじ開ける感触を楽しむみたいに再度ゆっくりと押し進めてくる。
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