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*毒を食らわば皿まで
ちゃんと最後までして欲しい
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私が彼を受け入れることは、私が全面的になおちゃんのことを許してくれているという気持ちになれるんだとなおちゃんは言う。
「私、いつもなおちゃんのこと、避けたりしてないし……今の関係のままなこと、怒ったりもしてないよ?」
そりゃあ、悲しいと思う時も寂しいと思う時もあるけれど。
だって、世間一般で言えば私だって結婚してもいい年頃だ。
普通の恋愛みたいに、大好きな彼との幸せな未来を夢見る気持ちは人一倍ある。
だけど――。
もしもそういう全てを叶えられないとしても、それでも私は……いいえ、私自身が、なおちゃんといることを選んだのだから仕方ないとも思っているの。
「有難う、菜乃香」
ギュッとなおちゃんに抱きしめられた途端、私の中に受け入れたままの彼がピクッと跳ねて質量を増した。
彼に、異性として求められているというその感覚に、私は無意識に「んっ」と小さく声を漏らして。
「ね、なおちゃん。お願い。今日は……」
――ちゃんと最後までして欲しい。
ただ、こうして私の中にいるだけじゃなく、男女の行為をしているんだと実感させて?
ギュッと意識して中を締め付けるように彼の分身を包み込みながら、なおちゃんを見詰める。
自分からおねだりするように、向かい合わせの座位のまま、彼に口付けを落として、追い詰めるみたいに腰をゆるゆると動かした。
「なの、かっ。それ……」
「気持ち……いい?」
すぐ間近から。
なおちゃんを見下ろすようにして熱に浮かされた目で問い掛けたら、腰をグッと掴まれて、下から思い切り突き上げられた。
「ひゃあ、んっ!」
クチュッというイヤらしい水音が下腹部から響いて、それが私の女に火を付ける。
「なおちゃっ、もっともっと……私で、気持ちよ、くなって? お願い……っ!」
私がなおちゃんを独り占め出来ていると実感できる唯一の時間は、こうして彼と身体を繋げて欲望のままに交わっている時だけだから――。
なおちゃんみたいに〝受け入れてもらえるだけ〟で幸せだなんて、私には思えない。
私を女として雄々しく求めて、訳がわからなくなるほどぐちゃぐちゃにして欲しい。
でないと罪の意識に押し潰されてしまうから。
「なおちゃ、わ、たしっ、なおちゃんが私で達くとこ、見る、のっ、すご、く……好きっ」
夢中でなおちゃんにキスをねだりながら、口の中も膣の中も、全部全部彼にめちゃくちゃに掻き回されたいと願ってしまう。
私たちの情交に、理性なんてなくていい。
だって妻子ある人と、欲望のままにこんな不埒なことをしている時点で私たちは冷静じゃないんだもの。
だったらいっそ。
獣みたいに肉欲に溺れてしまう方がよっぽど〝らしくて〟いいじゃない。
なおちゃんはきっと。
私の罪悪感を考えて〝受け入れて〟もらえるだけで幸せだとか、塩らしいことを言っているだけと思った。
堕ちるならとことん奈落の底まで二人で堕ちてしまおうよ?
『毒を食らわば皿まで』って言葉があるじゃない?
ね?
なおちゃん。
いいでしょう?
「私、いつもなおちゃんのこと、避けたりしてないし……今の関係のままなこと、怒ったりもしてないよ?」
そりゃあ、悲しいと思う時も寂しいと思う時もあるけれど。
だって、世間一般で言えば私だって結婚してもいい年頃だ。
普通の恋愛みたいに、大好きな彼との幸せな未来を夢見る気持ちは人一倍ある。
だけど――。
もしもそういう全てを叶えられないとしても、それでも私は……いいえ、私自身が、なおちゃんといることを選んだのだから仕方ないとも思っているの。
「有難う、菜乃香」
ギュッとなおちゃんに抱きしめられた途端、私の中に受け入れたままの彼がピクッと跳ねて質量を増した。
彼に、異性として求められているというその感覚に、私は無意識に「んっ」と小さく声を漏らして。
「ね、なおちゃん。お願い。今日は……」
――ちゃんと最後までして欲しい。
ただ、こうして私の中にいるだけじゃなく、男女の行為をしているんだと実感させて?
ギュッと意識して中を締め付けるように彼の分身を包み込みながら、なおちゃんを見詰める。
自分からおねだりするように、向かい合わせの座位のまま、彼に口付けを落として、追い詰めるみたいに腰をゆるゆると動かした。
「なの、かっ。それ……」
「気持ち……いい?」
すぐ間近から。
なおちゃんを見下ろすようにして熱に浮かされた目で問い掛けたら、腰をグッと掴まれて、下から思い切り突き上げられた。
「ひゃあ、んっ!」
クチュッというイヤらしい水音が下腹部から響いて、それが私の女に火を付ける。
「なおちゃっ、もっともっと……私で、気持ちよ、くなって? お願い……っ!」
私がなおちゃんを独り占め出来ていると実感できる唯一の時間は、こうして彼と身体を繋げて欲望のままに交わっている時だけだから――。
なおちゃんみたいに〝受け入れてもらえるだけ〟で幸せだなんて、私には思えない。
私を女として雄々しく求めて、訳がわからなくなるほどぐちゃぐちゃにして欲しい。
でないと罪の意識に押し潰されてしまうから。
「なおちゃ、わ、たしっ、なおちゃんが私で達くとこ、見る、のっ、すご、く……好きっ」
夢中でなおちゃんにキスをねだりながら、口の中も膣の中も、全部全部彼にめちゃくちゃに掻き回されたいと願ってしまう。
私たちの情交に、理性なんてなくていい。
だって妻子ある人と、欲望のままにこんな不埒なことをしている時点で私たちは冷静じゃないんだもの。
だったらいっそ。
獣みたいに肉欲に溺れてしまう方がよっぽど〝らしくて〟いいじゃない。
なおちゃんはきっと。
私の罪悪感を考えて〝受け入れて〟もらえるだけで幸せだとか、塩らしいことを言っているだけと思った。
堕ちるならとことん奈落の底まで二人で堕ちてしまおうよ?
『毒を食らわば皿まで』って言葉があるじゃない?
ね?
なおちゃん。
いいでしょう?
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