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*直太朗

フェレット

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 その絡みで生き物は全般好きなのと言ったら、話が回り回ってなおちゃんと出会うきっかけになった公園緑地班で管理していた公園に捨て子されていた仔犬を、我が家で引き取ることになった。

 それはまだ私が公園緑地にいた頃。
 今から1半年くらい前の話。

 最初は里親さんが見つかるまでのお預かりの予定が、気が付いたらうちの子でいっか、って家族の意見が一致していた感じ。

 なおちゃんが白茶の仔犬を市役所に連れ帰ってくれたのを、私、ワクワクしながら見せてもらったんだっけ。


「あの時さ、菜乃香なのか膝丈ひざたけしかないスカートなのに不用意にしゃがみ込んだだろ? 太ももがチラッと見えて、すごくドキッとさせられたのを覚えてる」

 それがきっかけで、私のことを女性として意識するようになったのだとなおちゃんが話してくれたのは、付き合い始めて結構経ってからのことだった。


 市内で花火大会がある日に拾った子だから、「ハナビ」という名前を付けて可愛がっている雑種の中型犬の女の子。

 実家に、元々飼っていた猫の他に若い白茶のワンコが1匹加わったのは、そういう経緯いきさつから。


「ハナビを連れてくるの?」

 聞かれて、私はゆるゆると首を横に振った。


 なおちゃんと私を繋いでくれた子だから、思い入れは強いけれど、あの子はかれこれ1年半、両親にもすごく可愛がられている。

 今更慣れた家から連れ出すのも可哀想って思った。


「じゃあ、チィコ?」

 20歳を越えたオッドアイの白猫の名前をあげられて、「まさかっ」とそれにも首を横に振った。

「チィコ、下手に環境変えたら弱っちゃうよ」

 猫の20歳越えはかなりのおばあちゃんだもの。

 言ったら、「じゃあ、誰を?」って聞かれて、私は脱衣所に置いていたスマートフォンを手に取った。


「この子を……お迎えしたいなって思ってて……」

 狸みたいなお顔をしたフェレットの写真を見せたら、なおちゃんが瞳を見開いた。

「何、これ?」

 なおちゃんが不思議に思うのも無理はない。

 フェレットは、犬猫に比べたら知名度の低いペットだもんね。

「フェレット。イタチ科の生き物だよ」

 言ったら、なおちゃんが「イタチ……」って小さくつぶやいた。
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