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*斜め上からの独占欲

欲しいのは俺の指? それとも――

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菜乃香なのか、もう少ししたら穴、安定すると思うし、そうしたら一緒にピアス、見に行こうね」

 肌蹴られた胸にチュッと吸いつかれて、「んっ」と漏らした吐息が、なおちゃんの言葉への返答にも聞こえて。

「ねぇ、今の、『うん』って意味? それとも『気持ちいい』って吐息?」

 クスッと笑って膨らみの頂、敏感な先端を舌先で転がすと、なおちゃんが意地悪くそう問いかけてくる。

 私はなおちゃんの髪の毛を両手でグシャリと掻き乱しながら、「どっち、もっ」って答えた。

「素直で可愛い」

 途端、チュッと音を立てて乳房から唇を離したなおちゃんが、下腹部へ手を伸ばしてきて――。

 下着の中にもぐり込ませてきた手で、薄い茂みの先、ツンと鬱血して勃ち上がった秘芽を、指の腹で優しくこするの。

「やぁ、んっ、……それ、ダメっ」

 強い刺激に身体を震わせながらギュッとなおちゃんの手を掴んでみるけれど、本気で止めさせたいわけじゃない。

 なおちゃんもそれを知っているから、私の手が添えられたままの腕を、お構いなしに谷間に沿って滑らせてきた。

 クチュッと濡れた音がして、閉ざされた隙間をなおちゃんの指先がそっと割り開くようにして進んでくる。

 密に濡れた入口をやんわりこすって、今からここにこの指が挿入はいるのだとわざと私に意識させるのがなおちゃんのやり方。

 私はほんの少し足を開くようにして、なおちゃんがそこに指を進めやすいようにした。

「今日も菜乃香なのかのココは、熱くてトロトロだね」

 意地悪くわざと音を立てるように亀裂に沿って指を何度か何度も動かすと、なおちゃんの手が私の愛液でヌルヌルに濡れていくのが分かる。

 それを証明するみたいに、下腹部で動かされる指の移動が一往復ごとにどんどんスムーズになって。


「なおちゃん……お願い、もう……」

 私はギュッとなおちゃんにすがり付いて、焦らすように秘部をこすり続けている指を中に埋めて欲しいと懇願こんがんした。


菜乃香なのか。欲しいのは俺の指? それとも――」

 言いながらなおちゃんが、硬くなったものを押し当ててきて、私はキュン、と切なくなる。


「前、触ってもらいながら……がいい」

 今みたいに、指先で敏感なところを擦られながら、後ろから彼のに貫かれたらどんなに気持ちいいだろう。

 そう思ってしまって。
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