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*俺だけの特権
本気は許すけど浮気は許さない
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休日や週末の夜にはホテルに入ったりもするけれど、それにしたって無料じゃない。しっかり経費がかかるのだ。
公務員で……尚且つひとまわり以上も年の離れたなおちゃんが、一体いくらくらいのお給料を稼いでいるのかなんて、私は知らない。
知らないけれど、デートのたびに食事代はおろか、その他諸々の費用を払わせてくれないなおちゃんに、私も少しくらい何かお返しをしたいと思っていて。
なのに――。
「俺の目の届かないところに行って、浮気でもするつもりなの?」
自分には奥さんはおろかお子さんだっているくせに、そんなことを言ってくるなんて……ずるい。
なおちゃんは歳の離れた私が、いつ彼に飽きて同年代の男性と関係を持ってしまうかと気が気じゃないらしい。
「菜乃香は押しに弱いから」
そう言われて眉根を寄せられると、「そんなことない」と即座に否定できないのが自分でも情けなかった。
現になおちゃんとの関係だって、最初は彼からの猛プッシュに負けたわけだし尚更。
「俺はね、菜乃香。本気は許すけど浮気は許さないから」
私が、その人との結婚を考えるような相手にならば、抱かれても目をつぶるけれど、そうじゃないならお仕置きをする、と言われる。
「――私がその人に本気でも……相手がそうじゃない場合はどうなるの? ……貴方と私の関係みたいに」
言ってはいけないと思ったのに、思わず要らないことを付け加えてしまって、喉の奥にトゲが刺さったみたいにチクチクと痛んだ。
公務員で……尚且つひとまわり以上も年の離れたなおちゃんが、一体いくらくらいのお給料を稼いでいるのかなんて、私は知らない。
知らないけれど、デートのたびに食事代はおろか、その他諸々の費用を払わせてくれないなおちゃんに、私も少しくらい何かお返しをしたいと思っていて。
なのに――。
「俺の目の届かないところに行って、浮気でもするつもりなの?」
自分には奥さんはおろかお子さんだっているくせに、そんなことを言ってくるなんて……ずるい。
なおちゃんは歳の離れた私が、いつ彼に飽きて同年代の男性と関係を持ってしまうかと気が気じゃないらしい。
「菜乃香は押しに弱いから」
そう言われて眉根を寄せられると、「そんなことない」と即座に否定できないのが自分でも情けなかった。
現になおちゃんとの関係だって、最初は彼からの猛プッシュに負けたわけだし尚更。
「俺はね、菜乃香。本気は許すけど浮気は許さないから」
私が、その人との結婚を考えるような相手にならば、抱かれても目をつぶるけれど、そうじゃないならお仕置きをする、と言われる。
「――私がその人に本気でも……相手がそうじゃない場合はどうなるの? ……貴方と私の関係みたいに」
言ってはいけないと思ったのに、思わず要らないことを付け加えてしまって、喉の奥にトゲが刺さったみたいにチクチクと痛んだ。
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