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*嫌がることはしないから

恥ずかしくないようにしてあげようか?

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「そうだね。菜乃香なのかだけ裸とか……そりゃ、恥ずかしいよね」


 しみじみと、まるで私にそのことを意識させるみたいにそう言われて、私はますますどうしたらいいのか分からなくなる。


「ねえ菜乃香なのか。俺が恥ずかしくないようにしてあげようか?」


 ツツッ……と背けたままの頬の輪郭りんかくを、耳のすぐ下からなぞるように指先を這わされる。
 そのままフェイスラインに沿ってあごまで伝い落ちた手指に、すくい上げられるように顔を彼の方へ向けられた私は、すがるような思いで緒川さんの声を聞いた。


「――て、欲しぃ……です」

 ギュッと目をつぶって小さくこぼしたら、「ん?」と優しく問いかけられる。


「して、欲しい……です」

 そんな方法があるのなら一刻も早く。

 私の中で、その方法は毛布を着せ掛けてくれるとか、先程取り払われてしまったワンピースを返してくれるとか……そういうことだったから。

 だから一生懸命そう言ったのだけれど。


「――了解」


 緒川さんは私の懇願こんがんに嬉しそうにクスッと笑うと、次の瞬間には再度私の唇を塞いでいた。


「ぇ、ぁ……っ」


 なんで?という言葉は声にならないままに緒川おがわさんの唇に吸い込まれて、一言も言わせてもらえなくて。


「ぁ、――っ、や……」

 嫌だという声もゆるっと胸の膨らみを手のひらで押し上げられた瞬間、ビクッと身体が跳ねて言葉にならずに吐息にまぎれた。


 そのままゆるゆると双丘の柔らかさを確認するみたいに何度か胸を揉みしだかれて。

 それが取り返しのつかないことへの第一歩に思えて、慌てて逃げようと身体をよじったら、まるでそれを逃がさないと言われているみたいにキュッと色付きの先端を指先で捉えられてやんわりとつぶされる。


「……あ、ぁんっ」

 途端、胸から甘やかな痺れが走って、緒川さんの口付けからイヤイヤをするように顔を背けた私は、行き場のない快感を逃すみたいに鼻にかかった喘ぎ声をもらした。


 一生懸命緒川さんから逃げようと身体を横向けて彼に背中を向けたら、背後からやんわり抱きしめられて、

「胸、すごく敏感なんだね……」

 って、わざと吐息を吹き込むようにされながら耳朶じだまれる。


「や、あンっ、それ、ダメぇっ」
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